第1部 国の経済 - 経済法令GROUP

目
次
CONTENTS
はじめに
第1部 国の経済
第1章 国内 生産(G D P )のとらえ方 ………………………………………2
1 国内 生産(GDP) ……………………………………………………2
国内
生産の意義 2╱ GDP 計算のうえでの約束事 3
2 GDP 統計
GDP の
産と
………………………………………………………………5
配 5╱ GDP の支出 6/GDP 統計の国内
支出勘定
3 国民所得の諸概念
国内
生
7/三面等価の原則 7
……………………………………………………10
生産(GDP)と国民
所得(GNI)∼ 国内」概念
と 国民」概念の相違∼ 10╱国内 生産(GDP)と国内
純生産(NDP)∼
」概念と 純」概念の相違∼ 13╱
市場価格表示と要素費用表示 15
4 経済成長率と寄与度 …………………………………………………18
経済成長率の計算 18/GDP の四半期データと実質 GDP
および年換算率
19/寄与度の計算 22
5 物価指数 ………………………………………………………………24
GDP デフレーター 24/ラスパイレス型物価指数とパー
シェ型物価指数
25
第2章 マクロの資金循環 ………………………………………………………27
1 資金循環勘定 …………………………………………………………27
資金循環勘定による
析 27╱わが国の資金循環構造
34
iii
目
次
第2部 ミクロ経済学
第1章 市場 衡
…………………………………………………………………38
1 市場メカニズム ………………………………………………………38
需給の 衡 38/市場メカニズムとその機能 39
2 需要曲線 ………………………………………………………………41
需要曲線とは 41/需要の価格弾力性
41/需要曲線の形
状 42
3 供給曲線 ………………………………………………………………44
供給曲線とは 44/供給の価格弾力性
44/供給曲線の形
状 45
第2章 消費者の行動 ……………………………………………………………47
1 消費者行動の基礎
……………………………………………………47
消費者の行動原理
デル
曲線
ミクロ経済 析の前提 47/1財モ
限界効用逓減の法則 47/2財モデル
無差別
48
2 消費量の決定 …………………………………………………………53
予算制約式 53/効用最大化 54/効用最大化問題とラグ
ランジュ未定乗数法 55
3 所得効果と代替効果 …………………………………………………58
財の価格変化と消費の変化
58/消費者にとっての需要曲
線 59
4 財の性質 ………………………………………………………………60
代替財と補完財
60/粗代替財と粗補完財 60╱正常財
(上級財)と下級財
61╱その他の財
62
第3章 企業の行動 ………………………………………………………………63
1 生産関数 ………………………………………………………………63
iv
目
次
生産関数と限界生産力 63/生産関数と収穫逓増・一定・
逓減
65
2 等費用曲線と等量曲線 ………………………………………………68
等費用曲線 68/等量曲線 69/企業の費用最小化行動
70/費用関数の形状と収穫法則 72
3 費用曲線 ………………………………………………………………74
費用曲線とは 74/ 費用曲線 75/平 費用曲線 75/
限界費用曲線 75
4 企業の利潤極大化行動と供給曲線 …………………………………77
利潤極大化行動
77/企業の供給曲線
78
第4章 完全競争市場と市場の失敗 ……………………………………………79
1 完全競争市場と市場の失敗 …………………………………………79
完全競争市場 79/市場の失敗 80
2 独占市場の 析 ………………………………………………………82
独占市場の供給量の決定 82/独占度
84
3 余剰 析 ………………………………………………………………86
第5章 不完全競争市場 …………………………………………………………88
1 不完全競争市場とは …………………………………………………88
2 寡占市場の 析 ………………………………………………………90
クールノー・モデル 90/ベルトラン競争 92
第6章 不確実性と情報,ゲームの理論
………………………………………94
1 情報の不完全性 ………………………………………………………94
シグナリング 94/逆選択
95/自己選択 95/モラル・
ハザード 96
2 ゲームの理論 …………………………………………………………97
囚人のジレンマ
97/その他の具体例
99
v
目
次
第3部 マクロ経済学
第1章 国民所得の決定と乗数理論 ……………………………………………102
1 財貨市場の 衡 ………………………………………………………102
2 国民所得Yの大きさの決定 …………………………………………105
消費Cの決定
消費関数の特定 105/投資Iの決定
108/国民所得Yの決定(45度線
の
慮
析) 109/政府活動
Y=C+I+Gのかたち 111/海外との取引
を入れてみる
Y=C+I+G+X―Mのかたち 112
3 乗数理論 ………………………………………………………………115
4 財政政策による政策効果 ……………………………………………119
5 ビルト・イン・スタビライザー ……………………………………123
6 本章のまとめ …………………………………………………………124
第2章 貨幣市場 …………………………………………………………………125
1 貨幣の意義 ……………………………………………………………125
貨幣の機能 125/貨幣の需要動機 125
2 貨幣の需要と供給について …………………………………………126
3 金融政策の政策効果 …………………………………………………132
4 マネーサプライと信用乗数 …………………………………………134
マネーサプライの定義 134/信用 造 136
第3章 IS -LM
析 ……………………………………………………………141
1 投資の決定
資本の限界効率の え方 …………………………141
2 ケインズ・ルート ……………………………………………………145
3 IS-LM
析
…………………………………………………………147
IS 曲線の導入 147/LM 曲線の導入 149/財貨市場と
貨幣市場の同時
衡点 151
4 財政政策の効果 ………………………………………………………153
vi
目
次
5 金融政策の効果 ………………………………………………………158
6 IS-LM
析における例外とまとめ
………………………………162
流 動 性 の わ な 162/投 資 が 利 子 率 に 反 応 し な い 場 合
164/IS-LM
析のまとめ 166
第4章 労働市場 …………………………………………………………………168
1 労働の需要曲線 ………………………………………………………168
2 労働の供給曲線 ………………………………………………………171
3 労働市場の 衡 ………………………………………………………174
4 ケインズの労働供給曲線 ……………………………………………176
5 失業の諸概念 …………………………………………………………178
第5章 AD -AS
1
析と物価の変動 …………………………………………180
需要曲線と 供給曲線 ……………………………………………180
需要曲線(AD 曲線)の導出 180/
供給曲線(AS 曲
線)の導出 181/ 衡物価水準と 衡国民所得 182/AD
曲線のシフトと AS 曲線のシフト 183
2 古典派およびケインズの 供給曲線 ………………………………185
古典派の 供給曲線 185/ケインズの 供給曲線 187
3 フィリップス曲線 ……………………………………………………189
4 物価下落の要因 ………………………………………………………192
5 物価の決定要因 ………………………………………………………195
6 実質金利と名目金利 …………………………………………………197
第6章 景気循環と経済成長 ……………………………………………………199
1 景気循環とその種類 …………………………………………………199
景気循環 199/景気循環の種類 200
2 景気動向指数 …………………………………………………………201
3 景気循環の理論 ………………………………………………………209
加速度原理 209/貨幣的景気循環論 210/実物的景気循
vii
目
次
環理論(リアル・ビジネス・サイクル;RBC) 210
4 新古典派成長理論 ……………………………………………………212
ラムゼイ・モデル 212/資本の過剰蓄積と資産価格バブ
ル 219
5 全要素生産性 …………………………………………………………221
6 新しい経済成長モデル ………………………………………………224
新古典派成長モデルの問題点 224/Ak モデル 225
第4部 国際経済
第1章 国際収支と為替レート …………………………………………………228
1 国際収支 ………………………………………………………………228
国際収支 228/国際収支表と各項目 231
2 為替レートの種類 ……………………………………………………236
直物為替レートと先物為替レート 236/名目為替レート
と実質為替レート 236/自国通貨
貨 為替レート
為替レートと外国通
236
3 為替レートの決定論 …………………………………………………237
為替レートと両国の利子率格差 237/為替レートと累積
経常収支 242/購買力平価説
247/為替レートを決める
マネタリーな要因 252/為替レート決定論のまとめ 253
4 ドーン・ブッシュ・モデル …………………………………………255
5 貿易不
衡の是正 ……………………………………………………257
弾力性アプローチとマーシャル・ラーナー条件 257/J
カーブ効果 258/アブソープション・アプローチ 261
第2章 マンデル・フレミング・モデル ………………………………………263
1 マンデル・フレミング・モデルと経済政策効果 …………………263
オープン・マクロ・モデルの必要性 263/BP 曲線の導
入 264/財政政策の効果 266/金融政策の効果 267/
viii
目
固定相場制下における 察
次
270
第5部 マーケット
1 金融取引の種類 ………………………………………………………274
直接金融と間接金融 274/市場型取引と相対型取引 276
2 金融機関の種類 ………………………………………………………277
3 マネーマーケット ……………………………………………………279
金融市場の概要
279/短 期 金 融 市 場 280/資 本 市 場
283
4 イールド・カーブ ……………………………………………………285
純粋期待理論 285/流動性プレミアム仮説(流動性選好
仮説) 287/特定期間選好仮説 287
ix
第1部
国の経済
【学習にあたって】
ここでは,経済学を学ぶ前提として,わが国の経済全体につ
いての理解を深める。そのために,試験でたびたび問われてい
る国民所得やマクロの資金循環について学ぶ。具体的には,
GDP 統計の内容,見方を学ぶ。また,資金循環勘定の見方と
その内容的特徴を学ぶ。
これらは,経済学のイントロダクションであると同時に,試
験においても重要な箇所であるのでしっかりと学習することが
必要である。
生産(GDP)のとらえ方
第2章 マクロの資金循環
第1章
国内
第
章
国内 生産(G D P )のとらえ方
1 -1
国内
生産(GDP)
・国内 生産(GDP )の意義・概念について学ぶ。
・GDP 計算のルールと例外を学ぶ。
1
国内
生産の意義
国内 生産(GDP :Gross Domestic Product)とは,
「ある国で,一定期間
において,新たに生み出された付加価値の 計」である。
付加価値と国内
生産について理解するために,パン屋と小麦農家からなる
経済を えてみよう。ある国において,ある期間,その他に経済活動はないと
仮定すると付加価値と国内 生産の額は(図表 1-1-1)のようにして把握される。
(図表 1-1-1)
2
1-1 国内 生産(GDP)
パン屋が 100円で小麦を農家から仕入れてパンを作り,それを消費者に 150
円で販売する。このときパン屋は,消費者への販売額 150円から農家からの仕
入額 100円を差し引いた 50円の付加価値を生み出している。ただし,この例
では,パンを作るための材料は,小麦だけとし,さらに,機械等の設備は わ
ないで,人力だけで作るものとする。
さらに,小麦を製造した農家が生み出した付加価値も えなければならない。
小麦は,小麦の種だけから,やはり人の力だけで生み出されるものとする。し
かも,小麦の種の価格はきわめて安く,これをゼロ円とする。こうした仮定の
もとで,小麦農家が新たに生み出した付加価値は,小麦農家がパン屋に小麦を
販売した価格である 100円ということになる。
したがって,この国の中に,この 2つの生産活動しかないとすれば,国内
生産の値は,両者が生み出した付加価値の
計として,100+50=150円とい
うことになる。
2
GDP 計算のうえでの約束事
次に,GDP 集計の際の決まりをみてみよう。こうした決まりを理解するこ
とは,GDP の本質をつかまえ,理解を深めるために重要である。
⑴ GDP は市場価格をもとに計算する
GDP に集計される金額は,市場価格をもとに測られる。前掲のパンの販売
の例では,150円という価格は,パン屋の店頭に並べられている時のパンの価
格で,小麦は,やはり,小麦を取引する市場での価格ということである。市場
価格で測定することによって,価格測定に関する客観性が得られる。
GDP を市場取引による価格で計算するとなると面白いことが起こる。たと
えば,家 の奥さんが,毎日洗濯をしたり,掃除をしたり,夕食を作ったりと
いういわゆる家事サービスは,市場で取引されないので当然に GDP には含ま
れない。しかし,奥さんが外に働きに出て,そこで得られた給与で,家政婦さ
んを雇って家事を代行してもらうと,その家政婦さんの家事代行
は GDP に
含まれることになる。
ただし,市場取引を対象とすることの例外として,次の「帰属計算」の取扱
3
第1部
国の経済
第1章
国内
生産(GDP)のとらえ方
いがある。
帰属計算」とは,実際は市場で取引されていないのに,市場において取引
されたものとして,市場で取引された価格を想定して GDP に計上することを
いう。帰属計算の例としては,次のようなものがある。
① 農家の自家消費
農家が生産した生産物を市場で販売しないで,自ら消費した場合に,その価
格を見積もって GDP に計上する。これは,市場を経由しないということで,
原則どおり GDP から外すと,その国の経済規模が正確に把握できなくなって
しまうので,そうならないようにするための工夫である。
② 持ち家のサービス
持ち家の場合の居住サービスに関して,家賃相当額を見積もって GDP に計
上する。これは,ある国の GDP と他の国の GDP を比較する時に,持ち家比
率の違いによって差がでないようにするための工夫である。
③ 帰属利子
銀行の収入は,主に各種手数料収入および貸付利子と支払利子の差である利
からなるが,前者の手数料収入は,サービスに対する対価として,その年に
新たに生み出された付加価値といえるが,後者の利
については,単なる所得
の移転に過ぎず,新たな付加価値の発生とはいえない。しかし,利 は銀行活
動の根幹をなすもので重要であるという見地から,金融業の産出額に含めるこ
とになっている。
⑵ GDP にはその年に新たに生み出された付加価値のみを計上する
GDP には,その年に新たに生み出された価値が計上されるので,たとえば,
中古マンションの売買額などは,GDP には計上されない。一方で,不動産仲
介業者の仲介手数料は,その年に新たに生み出されたサービスに係る付加価値
なので,GDP に含まれることになる。
4
著者略歴
鈴木
義浩(すずき
よしひろ)
法政大学経営学部卒業
中央大学大学院
認会計士
合政策研究科博士後期課程修業年限終了
2011年 証券アナリスト〔1次〕受験対策テキスト
経
済
2010年 9月 30日
2011年版第1刷発行
編 者
発行者
発行所
経済法令研究会
下 平 晋 一 郎
㈱経済法令研究会
〒162-8421 東京都新宿区市谷本村町3―21
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制作/八重樫純生 印刷/あづま堂印刷
Ⓒ Keizai-hourei Kenkyukai 2010
Printed in Japan
ISBN978-4-7668-2219 -9
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