映像コンテンツ市場 - HUMANMEDIA

HUMANMEDIA Inc,
第 4 章 コンテンツ各分野の動向
日本のコンテンツ各分野の動向
4-1.
映像コンテンツ市場
地上波テレビが 78%の流通量を占める日本の映像コンテンツ
・現在の日本の映像コンテンツのメディア別流通では地上波テレビが圧倒的な強さを誇っており[図表
4-1]のような市場配分となっている。
・映像コンテンツの歴史において、日本でも 1950 年代までは映画が独占的な市場を形成し、1958 年に
11 億 2745 万人の観客動員数を達成したが、1 度目の転機としてテレビの登場とともに斜陽化し、現
在は 1 億数千万人の観客動員数に留まっている。
・テレビに加え、ビデオ、そして DVD による映像ソフト産業が映像コンテンツ流通に参入、映像コンテ
ンツ流通は 2 度目の転機を迎えた。
・映画は劇場上映、映像ソフト販売、有料テレビ放送、無料テレビ放送というマルチウィンドウの多メ
ディア展開のビジネスモデルが確立し、劇場の観客動員数で二次利用の価値が決められるようになっ
ている。
・テレビ番組は 1 回の放送で制作費が回収できるビジネスモデルであること、国内限定のコンテンツと
して制作されるものであること、二次利用の権利が複雑であることなどから、ほとんど多メディア展
開が進んでいない。
・テレビから多メディア展開を行うことができる数少ないコンテンツがアニメのビジネスモデルで、原
作マンガのテレビアニメ化に際して、マンガ出版社、テレビ局、アニメプロダクション、玩具メーカ
ー、商社、広告代理店などが資金を持ち寄って製作委員会を組織し、テレビ番組の二次利用である映
像ソフト出版やキャラクター利用などによって得られる収益を分配する仕組みとなっている。
現状 2%のインターネット・携帯電話による流通は映像コンテンツに三度目の転機をもたらすか
・映像コンテンツビジネスではインターネットや携帯電話での配信を、多メディア展開の1つのチャン
ネルと捉えるようになっており、映像のインターネット配信は 778 億円、携帯電話配信約 137 億円と、
市場は毎年拡大しているが、これらを足してもまだ映画の劇場上映の売り上げにも至っていない。
・インターネットと携帯電話というメディアに対しては、映画を初め、他のメディア向けに製作された
コンテンツの二次利用を流しておけば利用されるというものではなく、そのメディア特性に応じた映
像コンテンツの開発が必要とされており、それを踏まえたコンテンツ制作への出資とメディア編成に
よるサービスが必要とされている。
HUMANMEDIA Inc.
[図表 4-1]映像コンテンツ市場
インターネット配信 778 億円(1%)
携帯電話配信 137 億円(1%)
映画館 2,026 億円(4%)
DVDビデオ・
セル・レンタル
6,147 億円
(16%)
映像コンテンツ市場
テレビ放送(広告収入)
合計 4 兆 4,545 億円
2 兆 161 億円(45%)
(2005~2006 年)
テレビ放送(広告以外の収入)
1 兆 5,296 億円(33%)
ヒューマンメディア作成
(億円)
2004~2005 年
2005~2006 年
テレビ放送(広告収入)
20,898
20,161
テレビ放送(広告以外の収入)
14,603
15,296
DVD ビデオ・セル・レンタル
6,772
6,147
映画館
1,982
2,026
インターネット配信
436
778
携帯電話配信
146
137
44,837
44,545
合計