メモ - KEK重力波実験グループ

技術検討会メモ @国立天文台・すばる解
析棟1階大セミナー室
2003 年 9 月 18 日
機関報告
1
1.1
天文台 TAMA(高橋)
DT9 の実施案を話した。
• LIGO S3 が 10 月末に予定されているが 、これにはこだわらない。
• 無人化は、10 月末までにやる。11 月にはテストする。部分的に、LIGO
S3 と同時観測できるかも。しれない。
• 1kHz 以下の感度を向上させる。
• コアメンバーが手作業でやっていた事を自動化する。
(ただしエキスパー
トは必要である。)
• シフトは組まない予定。
( 運営会議では TAMA シフトを組んでもいい
のではという話もあった。今回は手弁当になる可能性があるか? )
• エキスパートは、新井、安東、佐藤、高橋、辰巳、長野でやっていく。
• レーザーの自動制御は進んでいる。
1.2
東大・理( 安東)
新人紹介:修士1年の山本哲朗。これまで理論をやっていた。
1.3
KEK( 鈴木)
CLIO 用冷凍機購入は交渉中。
1
1.4
解析( 神田)
• 来月のあたまあたりに解析ミーティングを行う。
• 解析談話会が 9 月 26 日に宇宙線研で行われる。話題提供は、高橋、安
東、常定。素人がわからないところを聞こう会みたいなもの。
中性子連星からの重力波に対する SN と LCGT
2
のパラメータ最適化( 宗宮・東大・新領域)
2.1
概略
detuned RSE をどの形にすると S/N 最大となるか計算した。パラメー
タは 、レーザーパワー、腕のフィネス、RSE ミラー反射率、detuned phase
φ 、readout phase ζ 。
2.2
Readout Scheme:RF か DC か?
TAMA などでは、RF(変調復調)を採用しているが、Advanced LIGO で
は、DC(キャリアー光をリーク)を採用することが決定されている。
( Broadband
RSE-LCGT の S/N 計算でも DC を採用している。)
• DC Readout の利点
– Non-stationary shot noise
– Output Mode Cleaner の単純化。
– Photo-detector の単純化。
– EOM 雑音の影響がなくなる。
– 周波数雑音が改善。
• RF Readout の利点
– 従来方式で扱い易い。
– 電気信号を分けて復調して足すことができる。
DC 、RF の双方の利点を考えると、DC の方が 、5∼10%良い。
2.3
最適パラメータ
• レーザーパワー:1kW
2
• 腕のフィネス:1250
• RSE ミラー反射率:rs=0.96 (92%)
• detuned phase:φ = π/2 -0.12
• readout phase:ζ = π/2
のパラメータの場合が detuned RSE で最適で、310.7Mpc まで SN=10 で
検出できる。干渉計の方式による違いを比べると、
• パワーリサイクリングも RSE もなし :S/N=10 @ 172Mpc
• パワーリサイクリングまたは (Broad band)RSE :S/N=10 @ 201Mpc
• パワーリサイクリングと (Broad band) RSE :S/N=10 @ 249Mpc
• パワーリサイクリングと detuned RSE :S/N=10 @ 311Mpc
Broad band RSE の最適パラメータのまま detuned した場合は、249Mpc が
253Mpc に変わるぐらいであまり効果がない。このように Broad band RSE
から detuned RSE にして効果がでるパラメータのお勧め値は、rs=0.94 。
2.4
その他
レーザーのパワーがビームスプリッターの所で LCGT の 10 分の 1 である
100W でも detuned のパラメータをうまく選ぶと中性子連星合体からの重力
波は 248Mpc まで見える。
( 詳しい解説はなかったが。)
3
TAMA300 データを用いたバースト 重力波解析
( 安東・東大・理)
3.1
概略
バースト重力波は、星の重力崩壊などで発生。マッチド フィルターは使
用できないので、非定常成分を検出。パルス相関、線形相関、時間−周波数
解析などが行われている。 バースト重力波の共通の特徴は、
• 1m 秒のスパイク状
• 全体の時間スケールは、30m 秒以下
3
3.2
解析方法
Excess Power Filter をかけ、信号の (時間−周波数)bin であるしきい値を
越えたものを探す。この時検出器の非定常雑音は数秒以上、バースト重力波
信号は 、100m 秒以下と考える。平均パワーとパワーの 2 次モーメントの理
論曲線までの距離のしきい値決め非定常雑音を除去する。
3.2.1
時間幅、周波数幅の設定
時間幅は、短い方が S/N は上がる。しかし周波数分解能は低下して電源ラ
インの雑音等の影響を受け易くなる。周波数幅は広い方がよいが 、検出感度
の悪い周波数帯は使いたくない。設定した幅は、
• ∆t=200msec
• ∆f=500Hz
3.3
計算機環境
• Athlon MP2000+ 20CPU 10Node
• 1TB RAID
• 2GB Memory
• Giga ethernet
9 割はスペクトログラムの計算に費やされる。1ファイルあたり( ∼ 1分)
2560 回高速フーリエ変換( NF F T =212 )。各 CPU に処理ファイルを割当てて
計算させる。
( 並列計算ではない。)ベンチマークテストによると 、CPU の
数が 10 ぐらいで計算スピード は頭打ちになっている。ハードディスクからの
データ読み出しと Node のメモリバス幅で制限を受けているようだ。
3.4
解析結果など
• DT6+DT8 での有効データは 、900 時間。
• hrms =3×10−17(1m 秒スパイク) で 4∼5events/hours 。
• 恒星時解析もしたが銀河中心との相関は特になし 。
4
3.5
3.5.1
現状
Coincidence Analysis
• Rome グループ( ROG 共振器)との Coincidence。2001 年のイベント
リストは交換した。解析はまだ。
• LIGO 2003 年 S2-DT8 。フィルターを共通の基準で評価。ガンマ線
バーストとの Coincidence を目的とした解析の予定。
3.5.2
Excess Power Filter
• 埋め込みシミュレーションによる評価。
• パラメータの最適化。
• オンライン化へ。
3.5.3
他のフィルター
• Slope Filter (宇宙線研・阿久津が解析。)
• TF Cluster Filter (大阪市大・香月が解析。)
3.6
その他
LISM は、非定常雑音を除去しても Event Rate は変わらないであろう。
(除
去すべき非定常雑音がないと言うべきか? )
アデレードレーザ開発の現状と TAMA へのイン
4
スト ール( 竹野・東大・新領域)
竹野はアデレード に3週間滞在した。
4.1
開発の現状
• 10W Coplanar Pumped Folded-zigzag Slab(CPFS) レーザー
• Nd:YAG (1.064µm)
• 出力> 10W
• M2 測定中
5
• 注入同期( 準備中。プロトタイプでしかやっていない。)
• 自動ロック機構( 準備中。ロックが落ちそうだとプログ ラムチップが
ロックポイントを探す。)
• 強度雑音、周波数雑音( 測定準備中。)
4.1.1
出力モード
• 調整が非常に難。
• 調整不足だとモードが多数に分裂。
• 水平方向は良好なガウシアン。
• 非点収差が著しい。
4.1.2
励起用半導体レーザー
• Cutting Edge Optronics 社製
– Cs double package
– 通常励起強度 40W
– 取替えは容易
• 一側面から励起
– およそ 70%が結晶に吸収
– 40W 励起で 11W 透過
4.1.3
温度制御
サーミスタ+ペルチェ+空冷。レーザーをつけて 10 秒くらいでおさまる。
以前の熱暴走は解決した。
4.2
開発の今後
• M2 測定
• 注入同期実験
• 雑音測定
• 自動ロック機構
オーストラリア人が今度日本に来る時に講演してくれる予定。
6
4.3
TAMA へのインスト ール
• 9 月 ∼10 月 準備
• 10 月下旬 TAMA への搬入。
( LD は除く。)アデレード スタッフとと
もに調整。
• 11 月 ∼12 月 ビームプロファイル測定。強度雑音、周波数雑音測定。
安定度測定。
• ??月 安定化実験
5
次回日程は未定。
7