ウェストミンスター小教理問答第1問「人の主な目的」 1、主な目的の必要性 私たちは生まれてから死ぬまでに、力を尽くして立ち向かうべき様々な課題が与 えられます。勉強・育児・職業など、課題は尽きることがありません。 けれども、その時々の課題に身をすり減らし、ベルトコンベアーで運ばれるよう にいつの間にか死という終着点に辿り着くのでは、あまりに空しい一生です。 また現代では、様々な課題を終えた老後の生活も長いのです。その時々の課題だ けが生きる目的であるならば、長い老後は用無しの人生になります。 人間として生きている限り、生き甲斐のある人生を送るためには、どんな時にも 変わらない「人の主な目的」を知る必要があります。 2、主な目的の二つの要素 人が主な目的とできるものは限られています。 第一に人には使命(目標)が必要です。目標のない人生は、どんなに楽しみがたく さんあっても、空しい人生です。 生きている限り持つことができる人生の目標を見つけることは難しいことです。 聖書は「神の栄光をあらわす」ことを私たちの使命と教えています。これは生きる限 り持つことの出来る目標です。勉強・育児・職業を通し、また、終生変わらない祈り と信仰によって、私たちは神の栄光を現すことができるのです。 第二に人には喜び(幸福)が必要です。使命感だけの人生は辛く苦しいものです。 慰めや喜びが私たちには必要です。 生きる限り続く喜びも見出だしにくいものです。聖書は「神を喜ぶ」ことを変わら ない喜びとして教えています。若い日も老齢の日も、愛と清さに満ちた素晴らしい神 様を仰ぐ時、私たちの人生から喜びが失くなる日がないのです。 3、 「神の栄光をあらわす」とは。 「神の栄光をあらわす」とは、 「神様のすばらしさをあらわす」という事です。 それは、次のような仕方であらわすことが出来ます。 (1) 私たちの口を通して:礼拝、祈り、賛美、信仰告白等によって、神様のすばらし さを言い表すことが出来ます。 (2) 私たちの生活を通して: ①創造主の栄光:私たちが与えられた賜物(能力、宗教心、道徳心=愛)を生か して生きる時、私たちを創造された神様の栄光があらわれます。 ②救済者の栄光:私たちが、福音を信じて生きる時、私たちを許し、愛し、きよ めてくださる神の救い主としての栄光があらわれます。 1 4、 「神を喜ぶ」とは 「神を喜ぶ」とは、神様のすばらしさに触れ、神を愛し、感謝することです。 (1) 神の素晴らしいご人格に触れ、神を礼拝し、賛美します。 (2) 与えられる日々の恵みに感謝して、神を喜びます。 ①衣食住、家庭生活、経済生活、趣味や娯楽など、この世の生活を通して与えら れる神様の恵みを感謝し、その恵みを通して届く神の愛を喜びます。 ②罪を赦して下さり、神の子として下さり、私たちの心にも愛を起こして下さり、 永遠の命を与えて下さる神様の救いの恵みに感謝し、神様を喜びます。 (3) 順境にも逆境にも、神の愛を信じて、神を喜びます。 5、おもな目的を達成する人の人生 (1) 人生の様々な過程で、神に祈り、神を礼拝して生きます。 (2) 育児、職業、勉強など、その時々に与えられる使命や喜びを大切にしながら、 それらを通して、神の栄光をあらわし神を喜ぶ人の主な目的を、変わることなく 果たします。 (3) やがて、それら個々の使命や喜びが終わる老後にも、「神の栄光をあらわし神 を喜ぶ」使命と喜びは存続し、神に祈り、神を礼拝する生活は続きます。 (4) ついに天国で、永遠に神をほめたたえ、神との交わりを喜ぶ者とされます。 2
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