ハイブリッドナミック試験は ASTM(米国材料試験規格)に適合 した試験方法です 〒130-0021 東京都墨田区緑 4-29-5 Tel 03-5600-2911 http://WWW.jibanshikenjo.co.jp Fax 03-5600-2952 杭の鉛直載荷試験は、静的載荷試験と動的載荷試験に大別され、杭体と地盤の速度および加速 度に依存する抵抗の有無で区別されます 杭の鉛直載荷試験方法・同解説 (地盤工学会基準)では、動的載荷試験は比較的載荷時間の長い急速載 荷試験と、載荷時間の短い衝撃載荷試験に分類されます。急速載荷と衝撃載荷は相対載荷時間によっ て区別しています。相対載荷時間とは、一打撃当りの載荷時間中に応力波が杭体を何往復するかであ り、5 往復以上の長さがあれば急速載荷試験、5 往復未満の試験を衝撃載荷といいます。 静的載荷試験 急速載荷試験 衝撃載荷試験 数十分∼十数時間 0.1 秒程度 0.01 秒程度 Tr ≧ 500 500 > Tr ≧ 5 5 > Tr 軸方向に油圧ジャックで 静的荷重を加える。 軟クッション上に重錘を 落下させる。 杭頭に直接ハンマーまた は重錘を落下させる。 地盤の静的な抵抗 地盤の静的な抵抗 地盤の静的な抵抗 杭体と地盤の速度及び 加速度に依存する抵抗 杭体と地盤の速度及び 加速度に依存する抵抗 装置の概要 載荷時間(tL) 相対載荷時間(Tr) 載荷方法 載荷中の抵抗/挙動 + + + 杭体の波動現象 解析方法 試験結果からそのまま静的 除荷点法により静的抵抗成 波形マッチング解析により 支持力を算出する。 分を算出する。 静的抵抗成分を算出する。 試験杭の選定 予め試験杭と反力杭の位置 原則として任意の位置で試 任意の位置で試験が実施で を決める必要がある。 験が実施できる。 きる。 載荷メカニズム 衝撃載荷試験 は、杭体の波動現象や、杭体と地盤の速度及び加速度に依存する抵抗が 顕著な試験方法で、測定された杭の全抵抗(動的抵抗成分+静的抵抗成分)と土質データなど から波動理論に基づいて杭の支持力を解析します 時間やコストの関係で、静的載荷試験や急速載荷試験の実施が困難だというケースは決して少なくあ りません。衝撃載荷試験は、短時間に低コストで試験結果が判明するというメリットが有り、施工管 理の合理化と、より正確なデータによる施工の安全性の確保に貢献します。 試験方法 衝撃載荷試験は、杭頭付近にセンサー(加速度計、ひずみ計)を取り付けて、現場の油圧ハンマーを用い て容易に試験が実施することができます。ただし油圧ハンマーの伝達エネルギーには限界があり、最大 級のハンマーを使用した場合でも、確認できる静的抵抗は最大約 10MN 程度までです。それ以上の確認 が必要な場合には、別途重錘などの打撃装置を用います。 ハンマー センサー (加速度計・ひずみ計) 計測ケーブル 加速度計 ひずみ計 試 験 杭 PDA (Pile Driving Analyzer) 波形マッチング解析 試験結果の解析は測定した入力波と反射波を用いて波形マッチング解析という方法で行います。波形マ ッチング解析は杭頭の測定データから周面摩擦の分布や先端抵抗を推定することが出来ます。 2L/c 力 Fd:入力波 Fu:反射波 時間 杭 Fu Fd L Fu Fu Fs Fu Fs Fs Fd :入力波 Fu :反射波 Rt 深度 急速載荷試験 は、杭体に生ずる波動現象を実用上無視することができ、試験時に杭体に 発生する応力も静的載荷試験に近い結果が得られる動的な試験です 急速載荷試験の種類 スタナミック試験 スードスタティック試験 ハイブリッドナミック試験 Berminghammer 社(カナダ) Fundex 社(ベルギー) (株)地盤試験所(日本) 反力体慣性力方式 軟クッション重錘落下方式 軟クッション重錘落下方式 ハイブリッドナミッククッショ ンによる衝撃力の緩和 反力体の推進剤燃焼による打ち上げ コイルバネによる衝撃力の緩和 Max=30MN ・繰返し載荷は不可能 ・推進火薬の使用申請が必要 Max=5MN ・繰返し載荷が可能 ・コイルバネを使用するため 載荷荷重に限界がある。 Max=30MN ・繰返し載荷が可能 ・重錘の質量増加により最大 荷重の増大が可能。 急速載荷試験の原理 動的な短時間の荷重でも、ある程度の載荷時間を確保すれば、杭体の挙動はほぼ波動現象を無視できる 静的試験時と同じ状態になります。急速荷重は杭体の慣性抵抗、地盤の静的抵抗および動的抵抗と釣り 合います。 急速載荷試験の解析は、除荷点法により急速荷重から杭体の慣性抵抗と地盤の動的抵抗を除き、地盤の 静的抵抗を求めます。 荷重/ 抵抗 急速荷重 杭体の慣性抵抗 + 杭頭変位量 = Ra Rv Rw 杭体の慣性抵抗 地盤の動的抵抗 Rv Ra 地盤の静的抵抗 地盤抵抗 静的抵抗 + 動的抵抗 除荷点 ハイブリッドナミック試験は、軟クッション重錘落下方式の急速載荷試験です。ハイブリッド ナミッククッションを採用することで、安定した理想的な急速載荷試験が可能になりました。 ハイブリッドナミッククッションは ASTM の基準に適合した クッションであり、国際的に通用する急速載荷試験法です 日本の基準: 載荷時間(tL)のみで規定 ・相対載荷時間(Tr)で 5 以上:t>5Tr(=10L/c) ASTM の基準: 載荷時間と、時間軸上の荷重形状についても規定 ・載荷時間が 12L/c より長いこと:t>12 L/c(=6Tr) ・荷重ピークの 50%以上の荷重継続時間が 4L/c より長いこと すなわち T50>4L/c(2Tr) ただし、t:載荷時間の長さ、L:杭長、c:縦波伝播速度 2L / c:縦波が杭体を 1 往復するのに要する時間 ハイブリッドナミッククッション 鋼板と特殊ゴムを積層したハイブリ ッドナミッククッションは、荷重ピー ク付近の載荷時間が長い理想的な急 速荷重波形を実現し、米国の PDI 社 をはじめ、アジアの多くの国々に技術 供与をおこなっています。 t Tr:相対載荷時間 Tr = 2L / c 15000 スタナミック 12000 荷重 (kN) P 0 ハイブリッドナミック ts 9000 ts ≒ 4L/c 50 % P max 6000 ハイブリッドナミッククッション th t h ≒ 6L/c 3000 12L/c 0 0 0.02 0.04 0.06 0.08 時間 t (sec) 0.1 0.12 0.14 重錘 データロガー (PDA) ハイブリッドナミック クッション 加速度計 ひずみ計 PDA LEDターゲット PSDカメラ (変位量計測) 試験杭 PSD カメラシステムは 高精度の変位計測を実現します * 最大 300m の測定距離(標準 100m) * 広 い 視 野 1000 × 1000mm( 測 定 距 離 100m) *高い精度 0.25mm(測定距離 100m) *2次元計測(上下方向・左右方向) *多点同時計測 最大 8 ポイント(標準 4 ポイント) *高いサンプリング周波数変位5kHz (1 ポイント時) 12000 荷重(kN) 10000 6000 4000 2000 0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 静的 急速 0 50 変位量(mm) ハイブリッドナミック試験結果例 20 40 60 変位量(mm) 80 100 左図の結果を静的載荷試験の最終サイクル に落とし込んだ例 保有するハイブリッドナミック載荷装置 中 型 重 錘 落 下 装 置 落下 高さ 装置設置 スペース 高さ 0.4t 1.5m 1m×1m 3m 適用範囲 4 0.4t 荷重[MN ] 3 3.5t 2 1 0 0 10 20 30 40 杭長[m ] 3.5t 1.5m 2m×2m 4m 荷重[MN ] 小 型 重 錘 落 下 装 置 重錘 質量 14 12 10 8 6 4 2 0 7t 11t 0 7t ∼ 22t 10 20 30 40 杭長[m ] 2.5m 4m×4m 7.5m 30 15t 25 荷重[MN ] 落下装置 20 22t 15 10 5 0 0 10 20 30 40 50 杭長[m ] 大 型 重 錘 落 下 装 置 50 44t 40 44t ∼ 70t 2.5m 9m×9m 12m 荷重[MN ] 地盤抵抗力Rsoil(kN) 8000 10000 9000 8000 7000 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0 70t 30 20 10 0 0 10 20 30 杭長[m ] 40 50 60
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