1.5 講座・科目 「講座・科目」は、「学習ユニット」を学修ニーズに合わせて組み合わせ、一定 の学修単位としたものである。本年度は、「スキル・知識体系」と「学習ユニット」 の見直しに伴い、学修ニーズに合わせた「講座・科目」の枠組みについて検討した。 ただし、25 年度事業において構築した「モデルカリキュラム」との整合性に配慮 したので、まず、そのカリキュラムについて概観しておきたい。 1.5.1 モデルカリキュラム 25 年度事業では、抽象的なレベルでモデルカリキュラムを構築した。その構築 は、本事業にとって最も身近なハリウッドビューティ専門学校・ハリウッド大学院 大学の既存カリキュラム要素、既存の各種資格受験対策講座などを「講座・科目」 と見なし、学習の動機として、キャリアゲット(美容師になるなど)、キャリアア ップ(美容師がスキルアップするなど)、キャリアチェンジ(他の職種から美容人 材を目指すなど)という 3 つの観点を設定し、モデルカリキュラムの全体像を描く ことを試みたものであった。 その結果は次ページの図のようなものであり、そこでは、「(専門学校生・大学 院生にとっての)キャリアゲット」、「(美容師にとっての)キャリアアップ(キ ャリアリフレッシュ)」、「(美容師以外にとっての)キャリアチェンジ」という 目標にあわせたカリキュラムが展開されていた。 52 図 6 モデルカリキュラムのイメージ 53 (専門学校生、大学院生にとっての)キャリアゲット 3 つの段階が考えられる。 ・第 1 段階 美容師免許を取得するまで 我が国において美容師資格は「免許」、すなわち、業務独占資格である。他人の 髪の毛に対して施術を行うには「免許」が必要、言い換えれば、「免許」がなけれ ば美容師の仕事はできない。美容専門学校のように美容師養成機関のカリキュラム は、厚生労働省の厳しい規制があり、この第 1 段階のカリキュラムの多くはこの規 制に基づいて構築されることになる。 ・第 2 段階 美容師がスキル領域を広げる 美容師免許を獲得するための主学習領域は「ヘア」である。免許を持っているこ とは、実務スキルとしての必要水準をクリアしていることの証明であり、実務とし ての必要水準を満たすためには、 「ヘア」領域でも高度な内容の学習が必要である。 また、「エステ」「ネイル」など他の専門領域のスキルを高めることや、「レセプ ション」「サロンマネジメント」など専門技術以外の領域に関する学習も必要であ る。これら実務に就くのに必要な学習を進めることが第 2 段階である。 ・第 3 段階 ビューティビジネスを実践できる 美容市場、美容関連市場を開拓し、市場のニーズに適合した美容サービスを実践 するには、マーケティング、会計学、経営戦略といった知識も身につけ、ビューテ ィビジネスを実践的に展開できる能力が必要である。このように、技術のスペシャ リストではなく、マネジメント系の人材を指向するのもキャリアゲットの一側面と して考えられる。 (美容師にとっての)キャリアアップ(キャリアリフレッシュ) 前項の第 2 段階、第 3 段階が相当するが、一つ忘れてはならないのが、結婚や出 産に伴って一時的に美容師の仕事から離れた者の復職という段階である。美容の技 術も日進月歩であり、1~2 年現場から離れれば、たとえ復職したとしても、元の 技術水準に戻るのに相応の時間がかかる。まして、他の理由もあって 4~5 年の空 白期間ができてしまうと、免許は持っているものの一から技術を磨き直さなければ ならないことも考えられる。そこで求められるのは、常に「最新の」技術を習得で きる学習ユニット、3 級・2 級・1 級と段階的に知識・技術を獲得できる各種資格 取得のための学習ユニットである。後者については、我が国の場合、美容業界の共 益団体が、美容師のために段階的に「メイク」「ネイル」「エステ」のスキル・知 識を認定する資格制度を実施しており、たとえばこのような学習機会を利用するこ とが可能である。 (美容師以外にとっての)キャリアチェンジ 54 これは、美容師の免許を持っていない(別のキャリアを持っている)者が、美容 人材としてのキャリアにチェンジしようとする段階である。我が国の場合、 「ヘア」 は免許がないと施術できないので、 「ヘア」を指向する場合は、美容師としての「キ ャリアゲット」に進むしかないが、「メイク」「ネイル」「エステ」「まつげエク ステ」などの領域は、美容師免許の有無と関係なく学習を進めることが可能な資格 制度あるいはその制度の上に成り立つ各種の講座を通じて学習が可能である。 1.5.2 モデルカリキュラムの要素例 25 年度事業において、メイクアップに関する主要な検定では、3 段階のレベルを 設定し(3 級、2 級、1 級)、その対策講座の実施を通じて、メイクアップに関す る技術の向上に貢献している例を取り上げた。 3 級[60h] 2 級[120h] 1 級[180h] メイクアップベーシック A 30h 和装メイク メイクアップベーシック B メイクアップ応用 60h 60h 10h ステージメイク 20h (注意)数字は学習時間。[ 図 7 ]内の数字は累積学習時間。 25 年度事業において想定したメイクアップの講座展開例 本年度事業では、見直した「スキル・知識体系」及び「学習ユニット」をもとに、 メイクアップの主要な検定試験内容と照らし合わせた結果、次のページからの表に 示す「講座」の体系を構築した。講座は、大きく分けて、「レベル 1 講座」「レベ ル 2 講座」「レベル 3 講座」となっており、それぞれの学習時間は、45 時間、45 時間、90 時間である。このような総時間とし、かつ、1 つの学習単元を 3 時間とし たのは、専門学校の専門課程への導入や、社会人向けの課外講座としての開講など、 運用面に配慮した結果である。表では、「細目」を最下位として表示しているが、 前節で掲示した「学習ユニット」と組み合わせて拡張すれば、この 1 表で、実質的 なシラバスに相当するものとして取扱いが可能である。 55 ■ メイク・講座 講座 ID MK001 講座 レベル レベル 1 講座 1 学習単元 ID MK00101 MK00102 MK00103 学習単元 学習内容概要 学習方法 ガイダンス(メイクをす メイクアップアーティストとして 講義、デモ、実習 る前に)、顔の名称、フ の心構え、接客マナー、メイク小 KMK0102 身だしなみ ェースプロポーション 道具、顔の名称、フェースプロポ KMK0103 小道具の種類と機能、配置 ーション KMK0201 顔の各部の名称と位置 KMK0202 フェースプロポーション ベースメイクアップ(1) ベースメイクアップ(2) スキンケア、メイクアップベース、 講義、デモ、実習 学習時間 細目 ID 3 KMK0101 細目 心構え 3 SMK0101 洗顔 コントロールカラー、ファンデー SMK0102 保湿 ションの種類、ファンデーション SMK0103 その他スキンケア テクニック SMK0201 コントロールカラーテクニック SMK0202 ファンデーションテクニック KMK0301 メイクアップの手順とその要素 KMK0401 スキンケアの基本知識 KMK0402 皮膚の内部の知識 KMK0501 メイクアップベース KMK0502 コンシーラーなど KMK0503 コントロールカラー KMK0504 ファンデーション リキッドファンデーションテクニ 講義、デモ、実習 3 SMK0202 ファンデーションテクニック ック、ファンデーションの色、フ KMK0504 ファンデーション ェースパウダー KMK0505 ファンデーションの色 56 講座 ID 講座 レベル 学習単元 ID MK00104 学習単元 目元、眉 学習内容概要 学習方法 アイシャドウ、アイライン、マス 講義、デモ、実習 学習時間 リップ、仕上げ 口紅の種類、リップテクニック、 講義、デモ、実習 フェースパウダーの種類 3 SMK0301 アイシャドウテクニック SMK0302 アイラインテクニック SMK0303 マスカラテクニック SMK0304 アイラッシュテクニック SMK0401 アイブロウテクニック KMK0601 アイシャドウの機能と各種タイプ、基本的なデザイン KMK0602 アイラインの機能と各種タイプ KMK0603 マスカラの機能と各種タイプ KMK0701 アイブロウ KMK0702 眉の位置 KMK0703 眉の形とイメージ 3 SMK0501 チーク、ハイライト、シャドウ MK00106 フルメイク(1) ベースから仕上げまで 実習 3 MK00107 フルメイク(2) 相モデル、40 分でフルメイク 実習 3 57 細目 KMK0506 カラ、アイブロウ、眉の位置 MK00105 細目 ID リップブラシテクニック SMK0601 チークテクニック SMK0602 ハイライト・シャドウテクニック KMK0801 唇の化粧道具 KMK0802 唇の形のいろいろ KMK0901 チーク KMK0902 ハイライト・シャドウ 講座 ID 講座 レベル 学習単元 ID 学習単元 学習内容概要 学習方法 学習時間 細目 ID 細目 MK00108 フルメイク(3) 相モデル、40 分でフルメイク 実習 3 MK00109 フルメイク(4) 相モデル、40 分でフルメイク 実習 3 MK00110 アセスメント テスト、実技試験 3 MK00111 男性メイク 男性らしく、自然な仕上がりに 講義、デモ、実習 3 KMK1001 男性メイクアップの基本 MK00112 和装メイク(1) 着物に似合うメイクアップ、振袖、 講義、デモ、実習 3 KMK1101 目的別の着物とメイクアップイメージ 3 KMK1102 和装メイクアップの技術的ポイント 講義、デモ、実習 3 KMK1201 ステージメイクアップの考え方 講義、デモ、実習 3 KMK1301 色彩の基礎知識 訪問着、付け下げ、小紋など MK00113 和装メイク(2) 着物に似合うメイクアップ、振袖、 講義、デモ、実習 訪問着、付け下げ、小紋など MK00114 ステージメイクアップ ステージメイクアップの基本、ベ ース、立体感、ポイントメイク MK00115 MK002 レベル 2 講座 2 MK00201 色彩 基礎知識、色相、配色など ガイダンス、イメージの イメージのとらえ方、イメージ創 とらえ方について りについて 色相と色相が持つ表情 KMK1303 配色 KMK1304 トーン別色相環 講義、デモ、実習 3 講義、デモ、実習 3 講義、デモ、実習 3 SMK0211 スキントラブルテクニック 3 SMK0211 スキントラブルテクニック MK00202 レベル 1 の復習 MK00203 ベースメイクアップ・ス 肌の質感、ベースメイクの化粧品 キントラブルテクニック について、スキントラブル隠し、 (1) シミ、ニキビ、くすみなど ベースメイクアップ・ス 修整メイク、スキントラブル隠し、 講義、デモ、実習 キントラブルテクニック 髭、刺青 MK00204 KMK1302 KMK0511 58 いろいろな肌の質感 講座 ID 講座 レベル 学習単元 ID 学習単元 学習内容概要 学習方法 (2) MK00205 MK00206 目元 眉 MK00208 口元 顔の特徴のとらえ方 アイメイクデモ、アイシャドウデ 講義、デモ、実習 仕上げ 色彩 修整メイクアップのいろいろ さまざまな目元とアイメイクアップテクニック SMK0312 アイシャドウデザイン げの効果 SMK0313 つけまつ毛のつけ方応用テクニック SMK0314 アイラッシュカット応用テクニック SMK0315 描きまつ毛テクニック SMK0316 その他目元テクニック 眉、毛流、形、位置、色、トリミ 講義、デモ、実習 リップテクニック、リップ修整 講義、デモ、実習 顔の配置、8 つの顔、配置、顔の特 講義、デモ、実習 チークテクニック、シャドウ・ハ 講義、デモ、実習 イライトテクニック MK00210 3 SMK0311 細目 ザイン、アイラッシュ、つけまつ 徴を捉える MK00209 細目 ID KMK0512 ング MK00207 学習時間 色相対比・照度対比の効果、コス 59 講義、デモ、実習 3 SMK0411 アイブロウ応用テクニック SMK0412 眉のトリミング KMK0711 眉の毛流 KMK0712 眉の色 3 SMK0511 リップペンシルテクニック SMK0512 リップの修整 SMK0513 唇の大きさを変化させるテクニック 3 KMK1411 イメージのとらえ方 KMK1412 配置の効果 KMK1413 好感が持たれる顔の条件要素 KMK1414 テーマ 3 SMK0611 チーク応用テクニック SMK0612 ハイライト・シャドウ応用テクニック 3 KMK1311 色相対比の効果を考えたメイクアップ 講座 ID 講座 レベル 学習単元 ID 学習単元 学習内容概要 チューム MK00211 ブライダル(1) 学習方法 学習時間 照明とメイクの関係 ブライダル 洋装 講義、デモ、実習 細目 ID KMK1312 明度対比の効果を考えたメイクアップ KMK1313 対比効果で注意する点 KMK1314 コスチューム&照明とメイクアップ 3 KMK1511 KMK1512 MK00212 ブライダル(2) MK00213 皮膚のメカニズム(1) MK00214 ブライダル 和装 皮膚のメカニズム(2) MK003 レベル 3 講座 3 アセスメント MK00301 ガイダンス MK00302 レベル 2 の復習 MK00303 メイクアップ理論とイメ 長い顔・短い顔、細い顔・広い顔 和装の場合のポイント 講義、デモ、実習 3 KMK1611 皮膚の構造と働き KMK1612 皮膚の内部 KMK1613 皮膚の働き 3 KMK1614 テスト、実技試験 3 講義、デモ、実習 3 講義、デモ、実習 3 講義、デモ、実習 3 SMK0721 ージメイクアップ(1) MK00304 メイクアップドール(1) MK00305 メイクアップ理論とイメ フェースライン、配置 ージメイクアップ(2) 皮脂膜 表皮のターンオーバー イメージ別メイクアップ SMK0722 シーン・TPO 別メイクアップ KMK1721 顔の長さ・短さ KMK1722 縦・横の効果 実習 3 講義、デモ、実習 3 SMK0721 SMK0722 60 洋装の場合の留意点 3 KMK1513 講義、デモ、実習 レベル 3 の全体像 洋装の場合のポイント 講義、デモ、実習 KMK1615 MK00215 細目 イメージ別メイクアップ シーン・TPO 別メイクアップ 講座 ID 講座 レベル 学習単元 ID 学習単元 MK00306 メイクアップドール(2) MK00307 メイクアップ理論とイメ 学習内容概要 学習方法 表情の表現 学習時間 メイクアップドール(3) MK00309 メイクアップ理論とイメ シーン別 2 つのフェースライン KMK1724 配置のよる効果(小顔) 実習 3 講義、デモ、実習 3 SMK0721 イメージ別メイクアップ メイクアップドール(4) MK00311 色彩 MK00312 メイクアップドール(5) MK00313 加齢とメイクアップ(1) MK00314 メイクアップドール(6) MK00315 加齢とメイクアップ(2) SMK0722 シーン・TPO 別メイクアップ KMK1725 表情の表現 実習 3 講義、デモ、実習 3 SMK0721 ージメイクアップ(4) MK00310 SMK0722 色の名前、色マップ 基本 身体の変化への対応 実習 3 講義、デモ、実習 3 KMK1321 実習 3 講義、デモ、実習 3 SMK0821 イメージ別メイクアップ シーン・TPO 別メイクアップ 色の名前 高齢者向けメイクアップテクニック KMK1821 年齢を重ねるということ KMK1822 肌色の変化 KMK1823 ポイントの形状変化 KMK1824 たるみの発生 KMK1825 スキントラブル 実習 3 講義、デモ、実習 3 SMK0821 KMK1826 61 細目 KMK1723 ージメイクアップ(3) MK00308 細目 ID 高齢者向けメイクアップテクニック 毛の変化 講座 ID 講座 レベル 学習単元 ID 学習単元 MK00316 メイクアップドール(7) MK00317 複合トラブル解決(1) MK00318 メイクアップドール(8) MK00319 複合トラブル解決(2) MK00320 メイクアップドール(9) MK00321 メディカルメイクアップ 学習内容概要 学習方法 首が黒い&太り気味など 目小さい&色白&ソバカスなど 褐色・青味・赤み・白みなどのト 学習時間 メイクアップドール(10) MK00323 特殊メイクアップ 古傷、切り傷、水ぶくれ、火傷な 細目 KMK1827 唇の形・色 KMK1828 骨格の変化 KMK1829 歯の変化 KMK1830 目の変化 実習 3 講義、デモ、実習 3 SMK0921 実習 3 講義、デモ、実習 3 SMK0921 実習 3 講義、デモ、実習 3 SMK1221 褐色のトラブル SMK1222 青味のトラブル SMK1223 赤みのトラブル SMK1224 白みのトラブル SMK1225 その他 ラブル解決 MK00322 細目 ID 実習 3 講義、デモ、実習 3 SMK1121 実習 3 講義、デモ、実習 3 KMK2021 複合トラブル解決テクニック 複合トラブル解決テクニック 特殊メイク どのカバー MK00324 メイクアップドール(11) MK00325 ボディメイクアップ(1) トラブルを目立たなくする、日焼 け肌に見せる MK00326 ボディメイクアップ(2) KMK2022 装飾的なメイクアップ、全般的な 62 講義、デモ、実習 3 KMK2023 トラブルを目立たなくするメイクアップ 日焼け肌に見せるメイクアップ 装飾的なメイクアップ 講座 ID 講座 レベル 学習単元 ID 学習単元 学習内容概要 学習方法 学習時間 注意点 MK00327 MK00328 カウンセリング(1) カウンセリング(2) MK00329 デモンストレーション MK00330 アセスメント 細目 ID KMK2024 観察テクニック 講義、デモ、実習 技術指導、販売現場、カルテ作り デモンストレーションの実際 63 講義、デモ、実習 3 SMK1021 細目 ボディメイクアップの注意点 観察テクニック SMK1022 細部の観察(どこに重点をおいているかを知る) SMK1023 細部の観察(特徴を知る) KMK1921 観察の基本 KMK1922 基本的な流れ(事例) 3 SMK1024 技術指導(レベルにあわせる) SMK1025 技術指導(テスティング&半顔メイク) SMK1026 技術指導(プロテクニックを見せて信頼を得る) KMK1923 ほめる KMK1924 販売現場における色の選定・勧め方 KMK1925 メイクアップとスキンケアの連動 KMK1926 カルテ作り 講義、デモ、実習 3 KMK2121 テスト、実技試験 3 デモンストレーションの実際
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