ニスクカラー®のカタログをリニューアルしました。

JIS G 3322:2012
対応商品
金属屋根・壁のNEWスタンダード
ニスクカラー
NISC(ニスク)
とお呼び下さい!
!
本 社・ 鋼 板 営 業 第 一 部 〒 103-0023 東 京 都 中 央 区 日 本 橋 本 町 1-5-6 第 10 中 央 ビ ル TEL 03-6848-3710(代) FAX 03-6848-3757
本社・パネル建材営業部 〒 103-0023 東 京 都 中 央 区 日 本 橋 本 町 1-5-6 第 10 中 央 ビ ル TEL 03-6848-3820(代) FAX 03-6848-3838
東
名
北
古
支
屋
支
店 〒 980-0811 宮城県仙台市青葉区一番町 3- 6- 1 一番町平和ビル TEL 022-264-9861(代) FAX 022-264-9866
店 〒 450-0003 愛 知 県 名 古 屋 市 中 村 区 名 駅 南 2-13-18 NS ビ ル TEL 052-564-7258(代) FAX 052-564-4759
大
阪
支
店 〒 541-0042 大阪府大阪市中央区今橋 4-1-1 淀屋橋三井ビルディング TEL 06-6228-8330(代) FAX 06-6228-8506
九
州
支
店 〒 812-0025 福 岡 県 福 岡 市 博 多 区 店 屋 町 5-18 博 多 NS ビ ル TEL 092-281-0051(代) FAX 092-281-0230
札
幌
営
業
所 〒 060-0002 北 海 道 札 幌 市 中 央 区 北 2 条 西 4-1 北 海 道 ビ ル TEL 011-251-8091(代) FAX 011-251-2906
北
陸
営
業
所 〒 930-0004 富 山 県 富 山 市 桜 橋 通 1-18 住 友 生 命 富 山 ビ ル TEL 076-432-9898(代) FAX 076-442-2924
ホームページアドレス h t t p : / / w w w . n i s c - s . c o . j p
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Technical Data
●内容は予告なく変更する場合がありますのでご了承下さい。
信頼と前進
NM 2012.10.8000
R
1. ニスクカラーとは
CONTENTS
1. ニスクカラーとは....................................................... 2
開発コンセプト
2. ニスクカラーの特長 ................................................. 3
2-1)耐候性について...................................................... 3
2-2)遮熱性能について(屋根用色)............................ 6
2-4)その他性能について........................................... 13
3.
ニスクカラーの標準仕様...................................... 15
ニスクカラー
4. ニスクカラーの製造工程...................................... 15
5. ニスクカラー使用上のご注意............................. 16
6. メンテナンス................................................. 21 〜 22
R
技術シーズの融合
遮熱鋼板 JIS 規格について.................................. 7
2-3)耐汚染性能について(壁用色)......................... 11
NEW
耐候性の向上
尼崎製造所の
高耐候化技術
遮熱機能の標準装備
堺製造所の 遮熱化技術
防汚機能の標準装備
船橋製造所の 耐汚染化技術
ニスクカラーは、高耐食性のガルバリウム鋼板を原板に従来よりも耐久性を高めた樹脂をベースに遮熱機能、耐汚染機能
のいずれかを標準装備した塗料を塗装した塗装鋼板です。 地球温暖化やヒートアイランド現象など環境へ配慮した商品へ
のニーズが高まる中、今回、耐久性の向上(長寿命化)、環境対応、美観(意匠)の維持をキーワードに、尼崎・船橋・堺
の各製造所で独自に培われた技術シーズを融合、従来の汎用カラー鋼板の常識を覆す画期的な塗装鋼板を作り上げました。
ニスクカラー屋根用色は、尼崎製造所で培った高耐候化技術と、業界で先駆けて遮熱機能を実現した堺製造所の遮熱化技
術を融合し、環境に配慮した高い耐久性と遮熱性を持たせました。 ニスクカラー壁用色は、船橋製造所で培った耐汚染化
技術をベースに、耐候性に配慮しつつ、従来より更に機能アップ、外壁の美麗さを保ちます。 塗膜構成は表裏ともに2コー
ト2ベークとし裏面側の耐久性にも配慮。また、表裏ともに使用する下塗り塗料は、ガルバリウム鋼板用として樹脂および
防錆顔料を最適化したもので、ここにも GL カラーのパイオニアである当社の経験が生かされております。
塗膜の構成
1.上塗
2.下塗
3.塗装下地
4.原板
3.塗装下地
2.下塗
1.上塗
1
1. 上塗塗膜は全色で塗膜の経時劣化を考慮した塗
膜設計を行い、耐久性に配慮しています。
2. 下塗塗膜は十分に防錆機能に配慮した設計とし
ました。
3. 塗装下地はガルバリウムめっき層に適した下地
処理としました。
4. 原板は耐食性の高いガルバリウム鋼板です。
5. 裏面のサービスコートは 2 コートとして耐食性
を向上するとともに、各種接着剤との密着性に
配慮しました。
2
2. ニスクカラーの特長
2-1 耐候性について
高耐候樹脂による耐候性の向上
耐候性に優れています。 沖縄曝露試験結果(曝露 3 年)
ニスクカラーの塗膜には最新の高耐候化技術を導入。特に屋根用色においては遮熱機能との相乗効果により、高い耐候性を
(サンプルの色相:ブラウン艶消し品での比較)
洗浄前色差(ΔE)
備え、塗膜劣化による色褪せを防ぎます。
高耐候樹脂(ニスクカラー採用)
洗浄前光沢保持率(%)
従来品
高耐候樹脂(ニスクカラー採用)
4
顔 料
光沢保持率
樹 脂
100
色差
ニスクカラーの高耐候化技術
2
(ΔE)
耐候性に優れたポリエステル樹脂と硬化剤の選択
(紫外線劣化、加水分解の抑制による塗膜の耐久性向上)
80
60
40
(%)
• 実績ある着色顔料の使用
• 遮熱顔料による塗膜温度上昇抑制(屋根用色)
(熱劣化の抑制による塗膜の耐久性向上)
0
12ヶ月
24ヶ月
20
0
36ヶ月
12ヶ月
曝露期間
塗膜劣化のメカニズム
紫外線・熱
上塗り塗膜
水分、紫外線、熱などにより、表層の樹脂が
劣化、表層塗膜が粉状となり、白く変色する。
上塗り塗膜
初期の色相
初期の色相
(サンプルの色相:グリーン艶消し品での比較)
洗浄前色差(ΔE)
高耐候樹脂(ニスクカラー採用)
従来品
高耐候樹脂(ニスクカラー採用)
4
(ΔE)
2
上の耐候性を備えております。特に、屋根用色は遮熱機能による塗膜温度上昇抑制と最適樹脂との相乗効果で、耐候性が向
0
上しています。 また、壁用色についても塗膜劣化に十分配慮した塗膜設計をおこなっております。
80
60
(%)
12ヶ月
24ヶ月
36ヶ月
40
20
0
曝露期間
12ヶ月
24ヶ月
36ヶ月
曝露期間
高耐候樹脂(ニスクカラー採用)
塗膜表面写真
3
従来品
100
光沢保持率
ニスクカラーは塗膜劣化の要因である水分、紫外線、熱に対して、耐力の高い樹脂と顔料を選択することで、これまで以
色差
※ニスクカラーはチョーキングやエロージョンなどによる塗膜の劣化を考慮したうえで、塗膜設計を行っております。
洗浄前光沢保持率(%)
6
としての性能低下の一因となります。
36ヶ月
従来品
沖縄曝露試験結果(曝露 3 年)
※劣化によりチョーキング(白亜化)した樹脂はエロージョン(減耗)を起こしやすく、変退色のみならず塗装鋼板
24ヶ月
曝露期間
高耐候樹脂(ニスクカラー採用)
塗膜表面写真
水
従来品
初期の色相
従来品
初期の色相
4
2-2 遮熱性能について(屋根用色)
御前崎曝露試験結果(曝露 7 年)
高耐候樹脂(ニスクカラー採用)
高い遮熱性で、優れた住環境を実現します。 従来品
ニスクカラー屋根用色の塗膜には遮熱顔料を配合。日射による塗装鋼板表面の温度上昇を抑えることで、室内環境の改善
およびヒートアイランド現象の抑制などを実現します。
遮熱機能のメカニズム
塗膜表面写真
色差
初期の色相
Δ E*:3.4
遮熱顔料
初期の色相
赤外線を反射
赤外線は塗膜に
吸収される
Δ E*:5.7
※曝露試験の結果から、ニスクカラー用塗料樹脂は、従来品と比較し耐候性が確実に向上しています。
遮熱機能による耐候性の向上
遮熱塗料
関東地区曝露試験結果(曝露 7 年)
遮熱仕様(ニスクカラー採用顔料)
通常塗料
従来品
施工実測例(サーモグラフィーでの調査例)
塗膜表面写真
遮熱
場所:大阪府堺市
通常
初期の色相
初期の色相
色差
天候:晴れ/外気温 32℃
Δ E*:2.3
Δ E*:5.7
※遮熱仕様とすることで日射によって塗膜温度が上がり難く、熱による塗膜の劣化が抑えられるため耐候性が向上します。
その効果は上図のように曝露試験でも確認されております。
5
6
JIS G 3322:2012 塗装ガルバリウム鋼板 JIS 規格の改正について
■ニスクカラー 日射反射率・規格対応一覧表
環境配慮や省エネに対するユーザーの関心が高まる中、塗装鋼板における遮熱性能の明確化(数値化)
を行い、消費者に判り
やすい表示を行うべく、規格化が検討されてきました。
ニスクカラーは明度40以下の濃色すべてが日射反射率40%以上を達成。
JIS G 3322:2012の「5類」相当品です。
平成24年6月20日の塗装ガルバリウム鋼板のJIS規格改正に付随し、高い日射反射率を有する鋼板が規定される事になりま
した
(JIS G 3322:2012)。
色記号
ニスクカラーは、屋根用色に高水準の遮熱機能を標準装備。明度40以下の色相すべてにおいて、日射反射率40%以上を
達成しています。
JIS 5類に定める高水準の日射反射性能を持つ建築材料として、どの色相も安心してご採用いただけます。
JIS G 3322:2012 改正の主なポイント
つや消し
このたびの改正JIS規格では、高い日射反射率の鋼板を規定す
るために、塗膜の種類がより細かく区分されました。
高日射反射率鋼板を表す、4類、5類、6類は明度40以下(濃色)
種類
1類
40 以下の色相で、かつ日射反射率が不足(40%未満)
(ニスクカラーは該当いたしません)
7
S ブラックパール
遮熱
47%
5 類 /CGLCCR-50
遮熱 JIS 該当品
RG004
S モスグリーン
遮熱
49%
5 類 /CGLCCR-50
遮熱 JIS 該当品
RG005
S ロクショウ
遮熱
55%
2 類 /CGLCCR-20
遮熱 JIS 対象外(明度 40 超のため)
RB010
S ダークブルー
遮熱
49%
5 類 /CGLCCR-50
遮熱 JIS 該当品
RM016
S ギングロ
遮熱
45%
2 類 /CGLCCR-20
遮熱 JIS 対象外(明度 40 超のため)
RM018
C シルバーメタリック
耐汚染
47%
2 類 /CGLCCR-20
遮熱 JIS 対象外(明度 40 超のため)
2 類 /CGLCCR-20
遮熱 JIS 対象外(明度 40 超のため)
遮熱 JIS 該当品
RN023
S コゲチャ
遮熱
46%
5 類 /CGLCCR-50
遮熱 JIS 該当品
RR025
S レッドブラウン
遮熱
49%
5 類 /CGLCCR-50
遮熱 JIS 該当品
RY035
S オレンジ
遮熱
52%
2 類 /CGLCCR-20
遮熱 JIS 対象外(明度 40 超のため)
RG003
S グリーン
遮熱
45%
5 類 /CGLCCR-50
遮熱 JIS 該当品
RG006
S ウグイス
遮熱
62%
2 類 /CGLCCR-20
遮熱 JIS 対象外(明度 40 超のため)
RW007
C ホワイト
耐汚染
72%
2 類 /CGLCCR-20
遮熱 JIS 対象外(明度 40 超のため)
RW008
C サンドホワイト
耐汚染
55%
2 類 /CGLCCR-20
遮熱 JIS 対象外(明度 40 超のため)
RB009
S ブルー
遮熱
51%
5 類 /CGLCCR-50
遮熱 JIS 該当品
数値が大きいほど明るい。
明度 0
明度 100
もっとも暗い黒
もっとも明るい白
200時間
(存続)
新設された種類
している色相は、
塗膜の耐久性に応じて 1 〜 3 類に分類されます。
RK002
5 類 /CGLCCR-50
500時間
1類
2類
つやあり
2000時間
+
耐候性試験
3類
(日射反射率40%以上)
明度40以下かつ
4類
5類
6類
応じて 1 〜 3 類に分類されます。
● 明度
遮熱 JIS 該当品
49%
測定範囲 780 〜 2500nm(近赤外線領域)
40 超の淡い色相は日射反射率を問わず、塗膜の耐久性に
5 類 /CGLCCR-50
45%
従来の種類
●明度
46%
遮熱
3類
注)
遮熱
遮熱・耐汚染
塩水噴霧試験時間
日射反射率の計算方法は JIS 規格(JIS K 5602)による。
S ブラック
SC フリントグレー
2000時間
+
耐候性試験
2類
RK001
S ブラウン
塩水噴霧試験時間
500時間
備考
RA020
改定後
200時間
塗膜種類 / 規格記号例
RN022
考に出来るようになりました。
改定前
日射反射率
色の明るさを数値(0 〜 100)で表したもの。
されることになりました。
が生まれることになり、ユーザーが鋼板商品を選定する上での参
機能付与
用語「明度」とは
の色相で、かつ日射反射率40%以上(高反射)
であることが定義
この改正により、遮熱鋼板の性能に対するひとつの客観的基準
色名
寒冷地
RV011
C アイボリー
耐汚染
63%
2 類 /CGLCCR-20
遮熱 JIS 対象外(明度 40 超のため)
RV012
C ライトベージュ
耐汚染
50%
2 類 /CGLCCR-20
遮熱 JIS 対象外(明度 40 超のため)
RV013
C ベージュ
耐汚染
47%
2 類 /CGLCCR-20
遮熱 JIS 対象外(明度 40 超のため)
RV014
C アイボリーホワイト
耐汚染
63%
2 類 /CGLCCR-20
遮熱 JIS 対象外(明度 40 超のため)
RV015
C クリーム
耐汚染
65%
2 類 /CGLCCR-20
遮熱 JIS 対象外(明度 40 超のため)
RM017
SC シルバー
遮熱・耐汚染
62%
2 類 /CGLCCR-20
遮熱 JIS 対象外(明度 40 超のため)
RA019
S グレー
遮熱
62%
2 類 /CGLCCR-20
遮熱 JIS 対象外(明度 40 超のため)
RM021
S メタリックブラウン
遮熱
41%
5 類 /CGLCCR-50
遮熱 JIS 該当品
RR024
S ダークレッド
遮熱
53%
5 類 /CGLCCR-50
遮熱 JIS 該当品
RM026
C シルバーブラウン
RM027
SC ゴールド
RK028
耐汚染
36%
2 類 /CGLCCR-20
遮熱 JIS 対象外(明度 40 超のため)
遮熱・耐汚染
51%
2 類 /CGLCCR-20
遮熱 JIS 対象外(明度 40 超のため)
TS クロ
遮熱
45%
5 類 /CGLCCR-50
遮熱 JIS 該当品
RN029
TS チャ
遮熱
47%
5 類 /CGLCCR-50
遮熱 JIS 該当品
RG030
TS フカミドリ
遮熱
50%
5 類 /CGLCCR-50
遮熱 JIS 該当品
RR031
TS アカ
遮熱
51%
5 類 /CGLCCR-50
遮熱 JIS 該当品
RB032
TS アオ
遮熱
49%
5 類 /CGLCCR-50
遮熱 JIS 該当品
RM033
TS シンチャ
遮熱
44%
5 類 /CGLCCR-50
遮熱 JIS 該当品
8
ランプ照射法による遮熱性能評価
断熱材
遮熱化技術コラム
塗装鋼板
サンプル
ニスクカラーの遮熱性能を調査するため、右図
の様な白熱灯によるランプ照射にて鋼板の温度を
太陽光のエネルギー分布と遮熱の原理
測定しました。
太陽光を大別すると紫外線領域、可視光線領域、
測定の結果、ニスクカラーは優れた遮熱性能を
赤外線領域に分類されますが、熱にかかわってい
記録計
有し、遮熱機能のない従来品と比較して濃色では
太陽からのエネルギー分布
るのは赤外線です。赤外線は太陽光中に約50%
約 20℃ほど温度を低下できます。
白熱灯
熱電対
と非常に多く含まれており、物体にあたると熱エ
350
280
ネルギーとして吸収され、温度を上げます。一般
紫
高くなります。ただし、色相を決定しているのは
黒色
100
た鋼板です。即ち、私たちには同じ色相に見えて
100
到達温度
鋼板温度
80
60
(℃)
塗装鋼板はこの原理を使用した遮熱塗料を塗装し
茶色
40
鋼板に太陽光が当たっても温度が上がりにくく
80
なっています。
緑
黄
赤外線領域
橙
赤
14
12
10
3%
8
47%
50%
6
4
2
0
280
350
780
2100(nm)
太陽光のエネルギー分布
ニスクカラー
0
5
10
40
15
従来品
ニスクカラー
時間(分)
ニスクカラーの遮熱化技術
塗料に色彩を与えているのは、塗料中に含まれ
ている顔料です。このうち黒顔料にはカーボンが
灰色
濃緑色
使われることが多く、これは赤外線の吸収率が最
遮熱顔料A
も高い(赤外線の反射率が最も低い)材料であり、
カーボン顔料
到達温度
到達温度
し、日射時の赤外線をよく反射して温度上昇を防
80
顔料と遮熱顔料を使用した場合の反射率グラフを
ニスクカラー
40
40
20
示します。780nm以上の赤外線領域における
反射率が遮熱顔料の方が高くなっており、赤外線
従来品
60
ぐことができます。 下図に同じ黒色のカーボン
(℃) 60
(℃) 60
80
反射率︵%︶
上がり易いことになります。 一方で、遮熱顔料
は黒顔料であるにもかかわらず、カーボンと比較
80
100
カーボンを多く含む濃彩色は太陽光により温度が
100
100
40
青
(℃) 60
従来品
20
も赤外線を吸収しにくい材料で作られている為、
藍
16
分光日射強度 (×100 W/m2μ)
く吸収するものやしないものがあります。 遮熱
2100(nm)
可視光線領域
紫外線
領域
的には黒色に近いものほど多く吸収されて温度が
可視光線です。従って、同じ黒色でも赤外線をよ
780
の吸収を防ぐ事で、温度上昇が抑制できます。 従来品
ニスクカラー
また、遮熱性能を評価する指標として赤外域の反
射率を積算した日射反射率(JIS K 5602)が使
用されており、この値が高いほど高い遮熱特性を
0
300
600
780nm 900
1200
波長(nm)
1500
1800
2100
カーボン顔料と遮熱顔料の各波長における反射率
持つといえます。遮熱塗装鋼板は日射反射率が一
般塗装鋼板と比較して10〜30%ほど高くなっ
ています。
9
10
2-3 耐汚染性能について(壁用色)
親水化レベルと水接触角
耐汚染性の優劣は表層の親水化レベルにより判断できますが、これは表層の水接触角を測定することでわかります。即ち
高い耐汚染性で、外壁の美麗さを維持します。
ニスクカラー壁用色の塗膜には表層の親水化によるセルフクリーニング(雨筋汚染の防止)機能を標準装備。開発に当たり、
諸性能とのバランスを取りながら、従来品より耐汚染性能をアップしました。
水接触角が低いほど親水化レベルが高いといえます。ニスクカラー壁用色の水接触角は初期から低く、経時で更に親水化が
進行、優れた耐汚染(雨筋汚染防止)機能を有しています。
水接触角のモデル図
親水化発現のメカニズム
湿潤試験での水接触角の変化
100
θ:接触角
塗料に親水化剤(シリケート化合物 ) を配合することで、塗料の硬化過程で表層に親水化剤の濃化層を形成、その後空気
中の水分で加水分解されることで表層に親水基が生成し、耐汚染機能が得られます。
θ
塗膜表面が親水化し、水が馴染む
親水化剤が塗膜表面に濃化
塗膜
OH
(親水基)
OH
水
塗膜
接触角が高い
水
θ
従来品
80
水
接
60
触
角
(°) 40
20
接触角が低い
(水となじむ)
0
初期
12時間後
24時間後
湿潤試験時間
※
加水分解
鋼板側
ニスクカラー
鋼板側
※一般に、化合物が水と反応して起こす分解反応。ここでは親水化剤(化合物)
が水と反応して分解し、親水基が生成する化学反応を指しています。
雨筋汚染性評価結果
ニスクカラー
壁用色
雨筋汚れ防止メカニズム
尼崎市内、3 ヶ月
従来品
(耐汚染機能無し)
曝露状況
親水化した塗膜は、表面の帯電性が少なく埃が付着しにくくなっています。また、降雨時には汚れを洗い流す効果(セル
フクリーニング効果)により、雨筋がつきにくくなっています。
晴天時
+
+
−
塗膜が帯電しやすい
−
↓
塵埃が付着
通常塗膜
通常塗膜
+
降雨時
塵埃の上を雨水が流れる
↓
塵埃は流されない
−
帯電しにくい
↓
塵埃が付着しにくい
親水化塗膜
親水化塗膜
塗膜表面が湿気を吸着し
塵埃と塗膜の間に雨水が入る
↓
塵埃が自然に流れる
(汚れが付着しにくい)
ニスクカラー壁用色の雨筋汚染防止機能は写真のように優れており、壁の美麗さを保つ事が可能です。
11
12
2-4 その他性能について
③その他諸性能についても十分に配慮した設計です。
ニスクカラーの開発にあたり、従来品との性能比較を十分に実施。加工性、塗膜硬度、耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性など
①耐食性に優れています。 ニスクカラーの原板には亜鉛鉄板に比べ格段に優れた耐久性を有するガルバリウム鋼板を用いました。また、下塗塗膜はガ
ルバリウム鋼板用として樹脂および防錆顔料を最適化しており、耐久性の高い上塗塗膜との相乗効果で抜群の耐食性を発揮
従来品同等以上の性能を確保しております。(性能データについては下記まとめ参照)
ニスクカラーの性能データまとめ
します。
項目
試験方法
試験結果
苛性ソーダ
耐
塩水噴霧試験結果
薬
品
性
120 時間異常なし
塩酸
5%水溶液浸漬
200 時間異常なし
硫酸
ニスクカラー
試験時間
従来品(GL ベース)
従来品(GI ベース)
2500 時間
耐
ガ
ス
性
耐
溶
剤
性
500 時間異常なし
亜硫酸ガス
アンモニアガス
72 時間異常なし
100%、20℃
360 時間異常なし
アセトン
異常なし
シンナー
溶剤浸漬、1000 時間
異常なし
180°曲げ
0 T異常なし
180°曲げクラック
7 Tクラックなし
180°曲げ
0 T異常なし
180°曲げクラック
8 Tクラックなし
エタノール
異常なし
折り曲げ(20℃)
加
工
性
折り曲げ ( − 5℃)
(茶 色)
衝撃
平面部
カット部
密
着
耐
塗
性
熱
膜
硬
碁盤目エリクセン
20℃
異常なし
20℃
異常なし
-5℃
異常なし
沸水 6 時間
異常なし
性
100℃
1000 時間
異常なし
度
鉛筆硬度
JIS G 3322 による
H 合格
標準色の近似マンセル値
色記号
2 T曲げ部
色名
性能付与
マンセル値
RK001 S ブラック
遮熱
4.7PB 2.3/0.5
RA019 S グレー
RK002 S ブラックパール
遮熱
0.2RP 3.1/0.2
RA020 SC フリントグレー
RG003 S グリーン
遮熱
4.6G 3.2/4.5
RG004 S モスグリーン
遮熱
RG005 S ロクショウ
遮熱
マンセル値
遮熱
3.7BG 5.7/0.5
5.6Y 7.3/0.2
遮熱
7.6YR 2.6/0.8
0.9G 3.4/1.0
RN022 S ブラウン
遮熱
5.5YR 2.6/1.1
3.5BG 5.4/3.5
RN023 S コゲチャ
遮熱
1.0YR 2.8/0.4
遮熱
8.3GY 6.6/2.1
防汚
5.0G 9.2/0.2
RW008 C サンドホワイト
防汚
1.4GY 7.7/0.7
RB009 S ブルー
遮熱
5.8B 2.9/5.4
RB010 S ダークブルー
遮熱
3.5PB 2.3/2.1
②裏面側の性能にも配慮しました。
RV011 C アイボリー
防汚
RV012 C ライトベージュ
防汚
ニスクカラーの裏面は、2コート2ベーク。また、下塗塗膜は、ガルバリウム鋼板用として樹脂および防錆顔料を最適化し
RV013 C ベージュ
耐食性に配慮しました。また、プレッシャーマーク軽減のため、2 種類の裏面塗膜を設定。表面側光沢と裏面側の光沢を極
など、これまでの当社知見を最大限に生かした設計としています。
性能付与
RM021 S メタリックブラウン
RG006 S ウグイス
力合わせた仕様としました。更に滑り性を最適化することでロールフォーミング時の傷付きを軽減、裏張り密着性への配慮
色名
遮熱・防汚
RW007 C ホワイト
4 T曲げ部
色記号
RR024 S ダークレッド
遮熱
8.6R 4.9/3.5
RR025 S レッドブラウン
遮熱
9.2R 3.2/3.3
防汚
2.5Y 4.5/0.9
RM026 C シルバーブラウン
RM027 SC ゴールド
遮熱・防汚
1.2Y 4.7/1.8
RK028 TS クロ
遮熱
6.5PB 1.9/0.5
3.4Y 8.2/1.5
RN029 TS チャ
遮熱
3.3YR 2.6/0.2
3.5Y 7.2/2.6
RG030 TS フカミドリ
遮熱
0.7G 3.2/1.1
防汚
3.7Y 7.0/1.7
RR031 TS アカ
遮熱
9.5R 3.1/3.5
RV014 C アイボリーホワイト
防汚
8.6Y 8.3/1.1
RB032 TS アオ
遮熱
3.8PB 2.0/2.8
RV015 C クリーム
防汚
7.2Y 8.6/1.6
7.3YR 2.0/0.5
遮熱
2.6B 4.0/0.3
RM033 TS シンチャ
RY035 S オレンジ
遮熱
RM016 S ギングロ
遮熱
7.1YR 4.9/6.7
裏面
5.7Y 6.6/1.8
RM017 SC シルバー
RM018 C シルバーメタリック
遮熱・防汚
9.1B 6.8/0.2
防汚
5.0GY 6.4/0.5
WG
グリーンベージュ
※マンセル値は日本電色工業㈱分光式色差計 SE2000 による測定値を使用。
※遮熱塗装品は色名の前に S が付きます。耐汚染塗装品は色名の前に C が付きます。
※遮熱及び耐汚染の両方の機能を付与したものは、色名の前に SC が付きます。
13
14
5. ニスクカラー使用上のご注意 !
3. ニスクカラーの標準仕様
(1)標準仕様
●受注可能範囲
項 目
ガルバリウム鋼板およびその塗装品は国内発売から 25 年を過ぎ、その耐久性が広く認知され建築建材関係の大半
仕 様
製品形状
がガルバリウム鋼板ベースに切り替わってきた昨今ですが、ガルバリウム鋼板もパーフェクトなめっき鋼板ではあり
コイル・シート
原板の種類
ません。使用方法を間違えるとむしろ亜鉛めっき鋼板より早く腐食するケースがあります。
1.2
ガルバリウム鋼板
その塗装品であるニスクカラーにおきましても以下の注意点を熟読され、正しい使用方法、用途にてご使用される
(55%アルミ亜鉛合金めっき鋼板)
0.27 〜 1.20mm
幅
610 〜 1219mm
シート長さ
610 〜 3658mm
めっきの付着量表示記号
板厚
厚さ
ようにお願いいたします。
1. 屋根の緩勾配による水溜まりにご注意ください。
(mm)
AZ 150(200g/㎡ )
折板屋根の施工において 3/100 以下の緩勾配の場合、屋根のベコツキ部等に水溜まりができる可能性があります。
耐食性の良いガルバリウム鋼板も水溜まりの中では亜鉛めっき鋼板よりも耐食性が劣ることもあります。そのため、
0.35
注意)厚さ 0.27 〜 0.35mm の幅は受注可能範囲をご参照ください。
施工の際には水溜まりができないように十分な勾配を確保するようお願いします。
0.27
(2)防火認定
2. 雨掛かりしにくい部分での早期腐食にご注意ください。
610
9141000
1219
板幅(mm)
認定区分
仕 様
不燃材
NM− 8697
備考)その他の製品仕様については別途ご相談ください。
軒下近傍等の雨掛かりしにくい部分については、塩分や酸性分等の腐食原因物質が洗い流されず、むしろ濃縮され
やすく、腐食の進行が早くなります。そのため雨掛かりしにくい部分については、メンテナンス無しでは腐食に至る
場合があります。水洗い等によって定期的に腐食原因物質を洗い流すことをお勧めします。( 水洗いの際には、屋内へ
の漏水にご注意ください。)
(3)梱包および表示
コイル
雨のかからない部分で汚れが溜まる訳
風
注 1)上図は標準梱包です。
2)輸送距離、輸送方法によって梱包様式は異なります。
雨
風で運ばれる埃の中には白錆の原
因がいっぱい。
4. ニスクカラーの製造工程
雨の当たる部分は雨で洗い流され
ますが、雨の当たらないところに
は汚れが溜まっています。
対策
ニスクカラーは、各製造所で一貫生産されるガルバリウム鋼板を原板とし、連続塗装ラインを用いて両面2コート、2ベー
例えばこんなところで
ク方式で製造しています。
製造工程図
ケミコーター
オーブン
下塗
・裏面コーター
No.1オーブン
人工的に雨をかけてあげて下さい。
つまり水洗い。年に数回でも効果は
絶大です。
原板
脱脂・表面調整
入側アキュムレーター
15
上塗
・
裏面コーター
No.2オーブン
Point
雨のかからない部分には水をかけて
汚れを洗い流しましょう。
製品
出側アキュムレーター
16
3. 壁材と水切部材との水抜け用の隙間を確保してください。
5. 異種金属との接触による電食にご注意ください。
壁材と部材の取合い部分において水抜け用の隙間を確保しておかないと、鋼板端部に水が溜まりやすくなり、壁材
金属は一般的に異なる金属との接触によりどちらか電気的に卑な金属の方が腐食します。この現象は「電食」と呼
の鋼板端部からの腐食が発生しやすくなります。そのため、壁材と部材との間には水が抜けるような隙間を確保して
ばれます。この現象はガルバリウム鋼板や塗装鋼板でも発生します。よく見られる事象としては銅やステンレスとの
ください。(10mm 程度 / 金属サイディングマニュアルより )
接触により腐食し、穴あきに至るケースです。ステンレスの中でも SUS430 は非常に早く電食を発生させますが、
SUS304 においても電食スピードは他の金属より遅いものの、電食が進行しますのでご注意願います。接触せざる
を得ない場合は、コーキング、ゴムシート等により絶縁してください。
壁材
ガルバリウム鋼板 - ガルバリウム鋼板
隙間の確保
(10mm程度)
ガルバリウム鋼板 - 銅
B面
隙間なし
ガルバリウム鋼板 - アルミニウム
水切り
異種金属
4. コンクリートとの接触を避けてください。
ます。この現象は亜鉛めっき鋼板よりもガルバリウム鋼板の方が顕著に発生するため、コンクリートとは絶縁させる
A面
コンクリートとの接触部分は水濡れすることで、コンクリート内のアルカリ性成分が溶出し、めっき層を溶解させ
とともに、雨水や結露等の水分が進入しないような構造を確保してください。
ガルバリウム鋼板 - 鉛
ガルバリウム鋼板 - ステンレス(SUS304) ガルバリウム鋼板 - ステンレス(SUS430)
塗装ガルバリウム鋼板
B面
異種金属
コンクリート
A面
塩水噴霧試験
(SST JIS Z2371 による)
200 時間後、表面観察
A面
55% Al-Zn アルミ、ステンレス(SUS304)のめっき側(55% Al-Zn)が良好で
B面
あるのに対し、銅は赤錆 5mm、鉛は黒錆 10 〜 16mm、ステンレス(SUS430)
ガルバリウム鋼板
は赤錆 2mm が発生しており、接触腐食が見られた。
異種金属
17
18
ご使用上のご注意(まとめ) !
6. 防腐・防蟻剤処理した木材との接触腐食にご注意ください。
最近、木材の耐久性を上げるために防腐・防蟻処理された木材を多く使用されるようになってきました。特に銅を
含有する処理剤を含んだ木材と鋼板が接触し、さらに結露水等の水分が介在した場合、非常に短期間で鋼板を腐食さ
せます。そのため木材との接触部分はルーフィング等により絶縁するとともに、雨水、結露水等が流れ込まないよう
な構造になるようご配慮ください。
1. 運 搬
製品の運搬や倉庫及び施工現場での搬入、搬出の際は、ワイヤーロープを直接掛けないでください。
2. 保 管
屋内で梱包をしたままの状態で保管してください。もし、やむを得ず野積みをする場合は、直接地面に置くことのないようにし、防水シート掛けを
して長時間 (7 日以上 ) にならないようにしてください。もし、水濡れした場合は、速やかに成形し、乾燥させてください。成形品をきっちり積み重ね
たままで水濡れさせることも禁物です。
100
圧入処理木材と接触させためっき鋼板の赤錆面積率
55%Al-Znめっき
Zn-5%Alめっき
赤錆面積率
80
Znめっき
66.7
63.5
60
55.5
50.0
43.3
40
(%)
20
0
33.3
0.0
0.0
0.0 0.0
0.0 0.0
米ツガ
ACQ
AAC CUAZ
圧入処理木材
圧入処理木薬剤(木材:米ツガ)
34.5
11.4
0.2
NCU
0.5
薬剤の略号
• 銅、アルキンアンモニウム化合物系
ACQ
• アルキルアンモニウム化合物系
AAC
• 銅、ホウ酸系、アゾール
38.6
31.7
3. 取扱方法
CUAZ
• ナフテン酸銅系
NCU
• シプロコナゾール・プロペンタフォス系
AZP
[クロム、銅、ヒ素化合物]
[CCA]
AZP
鋼板どおしを過度に擦り合わせると、裏面塗膜が表面にとられ汚れとなりますのでご注意ください。また、地面の上や凹凸のある所を引摺ったり、
鋼板や尖った金具、鋭利な刃物を当てて疵や摺疵を入れないでください。折角の優れた塗膜も疵が入りますと美観を損なうだけでなく、耐久性にも影
響しますので十分ご注意ください。
4. 補 修
万一誤って疵がついた場合は、専用補修塗料で補修してください。なお、補修塗料は、当社に用意してありますので、販売店にご相談ください。但し、
補修部は、全く同一にはなりません。注意して見るとわかる程度にはなりますが、要は疵をつけないように注意して取扱ってください。補修方法につ
いては、P.21 〜 22 をご参照ください。なお、塩害地などでは、切断部の端面補修をお勧めします。
5. 成形加工
ベンダー加工、ロールフォーミング、プレス成形などの加工を行う場合、加工部の塗膜が剥離しないよう緩かな加工 R になるようご配慮ください。また、
寒冷時での加工は、加温加工を推奨します。ロール成形の場合、ロール状況によって塗膜に疵をつける場合があります。成形前にロールの汚れ、異物
付着及び当て疵などをチェックして手入れをしてください。ロール成形及び曲げ加工などには保護フィルムが有効です。
6. 取付け金具
取付け金具には、ステンレス (SUS304) 製のボルト、ビス、リベット、釘などをご使用ください。塩害地域などでは、プラスチック製キャップや防水パッ
キンを併用したり、防水塗料を塗って接触部に水が入らないようにしてください。
7. 屋根勾配
7. 異ロット品の同一面への張り合わせはできるだけ避けてください。
ロット間での外観や色調のバラツキの低減については安定化に努めていますが、異ロットを同一面で張り合わせた
屋根に施工する場合、水溜まり箇所ができないように屋根勾配にご注意ください。
8. 汚れの除去
油などの汚れは、家庭用中性洗剤で除去してください。これらで取れない著しい汚れは、少量のアルコールをウエスにしみ込ませて拭き取ってくだ
場合、色違いに見える場合があります。そのため異ロット品を同一面で張り合わせることはできるだけ避けていただ
さい。拭いた後は、水洗いしてください。
いた方が安全です。やむを得ず張り合わせが生じる場合は、部材への転用、目立ちにくい部分でのご使用等のご配慮
9. コーキング材
をお願いいたします。
8. 施工時のすべり落ちにご注意ください。
成形品を屋根上にのせる場合、すべり落ちることがないよう、すべり止めなどの処置をしてください。
9. 施工時のキズ付にご注意ください。
土のついた靴で鋼板上を歩行したり、成型品の取り扱いが粗い場合などで発生したキズ付き部分より腐食が発生する
コーキング材は、ニスクカラーの耐久力に見合う高品質の製品をご使用ください。現在市販されているコーキング材の中では、シリコン系または変
成シリコン系の製品をお勧めします。なお、使用に際しては、プライマーの必要なものもありますのでコーキング材のメーカーとよくご相談ください。
10. 切粉・鉄粉の除去
屋上作業による鉄材の切屑、切粉、釘などを放置しますと、鋼板表面の塗膜上で赤錆が発生し、腐食を早める原因となります。できるだけ早く水洗
いしてください。これでほとんど落ちます。同様の現象として、鳥の糞、砂、泥、有機物 ( 木の葉 ) などの堆積も塗膜に有害です。その都度清掃して
ください。
11. 下地材
ニスクカラーの裏面は、防錆処理を十分配慮して設計していますが、断熱、結露防止、防水などに十分ご注意ください。
例が見受けられます。施工時には鋼板へのキズ付きに十分ご注意ください。
12. 下葺材との接合
10. 施工時の切粉等の影響。
棟包み、雨押え、降り棟、谷部等 ) には絶縁用下葺 ( ルーフィング材又はブチルテープなど)で防錆して下さい。
施工時の切粉、ビス・番線の置き忘れやアンテナ固定用針金等が錆びることによって、もらい錆となる可能性があ
ります。そのため、施工後は屋根上に残留物がないよう清掃を実施し、針金等のもらい錆にご注意願います。
防腐剤処理した木材又は合板は、めっき鋼板及び塗装鋼板の耐食性に影響する場合がありますので、直接木材又は 合板に接触する部分 ( 軒先、けらば、
13. 化学・電食作用
濡れたコンクリートや湿った木材、銅や鉛などの異種金属が接触するような施工は避けてください。
14. 雨がかりのしない部位の洗浄
雨がかりのしない庇の裏面や軒裏などの部位は、塩分及び不純物が付着して流されないため腐食が早く起ります。このような部位は、定期的に水洗
いすることが耐久性を長持ちさせる秘訣です。
15. 施工上の注意
成形品を屋根上にのせる場合、すべり落ちることがないよう、すべり止めなどの処置をしてください。
19
20
6. メンテナンス
1. ニスクカラーの塗り替えについて
②点検時期と塗り替え時期の目安
①ニスクカラーの塗膜劣化プロセス
光沢低下
▼
色調変化
▼
▼
白 錆
▼
赤 錆
鋼板の耐久性
▼
穴 あき
10 〜 12 年
11 〜 15 年
工業・海岸地域
8 〜 10 年
9 〜 12 年
塗料系
コストイメージ
使用部位
推定耐久年数
推奨塗料
ウレタン系塗料
中
屋根(遮熱)
4〜5年
サーモアイ UV
シリコン系塗料
高
屋根(遮熱)
6〜9年
サーモアイ(1 液)Si
フッ素系塗料
高
屋根(遮熱)
7 〜 10 年
サーモアイ 4F
ウレタン系塗料
中
壁(耐汚染)
8年
ファインウレタン U100
シリコン系塗料
高
壁(耐汚染)
13 年
ファインシリコンフレッシュ
フッ素系塗料
高
壁(耐汚染)
16 年
ファイン 4F セラミック
2. 部分補修方法について ( アクリル系塗料を使用した場合の一例)
(1)タッチアップの場合
▼
表面処理層の耐久性
一般地域
注 ) 推定耐久年数は、通常環境のもとで 1 回目の塗り替えを実施後、次の塗り替えまでの推定年数で保証するものではありません。
チョーキング
(白亜化)
ふくれ
塗り替え時期
③塗り替え塗料の例
▼
▼
最初の点検時期
注1) 上表の年数は、あくまでも目安であり、保証するものではありません。
2) メンテナンス時期は、平面部について適用するものであり、加工部及び端面は除きます。
3) 海岸至近距離及び劣悪な腐食環境は除きます。
施工完了
塗膜の耐久性
使用環境
塗料名 ( 塗料系)
ニスクカラーの塗膜面がチョーキング
の末期状態でふくれが散見される状態
素地調整
が塗り替えの適性時期と見なせます。 塗り替え塗料には、各塗料メーカーより
上塗塗料
各種塗料が市販されていますので、使
用環境、耐用年数など勘案の上、施工
工事業者とご相談ください。参考まで
適用シンナー
希釈率
塗装方法
標準塗布量
(g /㎡ / 回)
塗回数
塗り重ね乾燥時間
(20℃)
ゴミ、ホコリ、その他の付着物は、完全に除去してください。
No.105 or No.580
①補修塗料 A
シンナー
( アクリル系)
②アクライト No.500 アクライト No.500
( アクリル系)
シンナー
0 〜 10%
筆又は刷毛
100 〜 140
1〜2回
0 〜 10%
筆又は刷毛
120 〜 150
1〜2回
希釈率
塗装方法
標準塗布量
(g /㎡ / 回)
塗回数
1 時間以上
48 時間以内
1 時間以上
48 時間以内
(2)原板が露出した場合
に次頁に塗り替え塗料の性能一覧表を
塗料名
( 塗料系)
示します。
素地調整
塗り重ね乾燥時間
(20℃)
ゴミ、ホコリ、その他の付着物の除去を完全に行ってください。
# 400 〜 600 サンドペーパーを用い軽く研磨し、錆を完全に除去してください。
研磨で発生した研ぎカスも完全に除去してください。
①ハイポン
20 デクロ
②ウォッシュ
プライマー
①補修塗料 A
( アクリル系)
上塗塗料
②アクライト No.500
( アクリル系)
下塗塗料
適用シンナー
ハイポン
エポキシシンナー
ウォッシュ
プライマーシンナー
No.105 or No.580
シンナー
アクライト No.500
シンナー
0 〜 5%
刷毛
120
1回
0 〜 20%
刷毛
40 〜 120
1回
0 〜 10%
筆又は刷毛
100 〜 140
1〜2回
0 〜 10%
筆又は刷毛
120 〜 150
1〜2回
16 時間以上
7 日以内
16 時間以上
7 日以内
1 時間以上
48 時間以内
1 時間以上
48 時間以内
施工上の要点 ①塗替え塗膜の寿命は、素地調整 ( 浮き上がった旧塗膜、浮錆及び油脂、塩類等の除去清掃 ) の程度により多大の影響を受けます。素地調整に
は十分留意して下さい。又、劣化した塗膜上への塗装は、早期剥離、発錆の原因になります。
②補修塗装は、浮き上がった旧塗膜、浮錆等を除去した後、素地の露出した部分及び仕上げの際、膜厚不足になりやすい部分に素地調整後速
やかに行ってください。
③補修塗装は・原則として刷毛塗りで行い・凹凸箇所に塗料がゆきわたるように念入りに塗り込んでください。
注 意 事 項 ①この塗料の乾燥時間は、低温になると著しく遅くなります。乾燥過程で種々の塗膜欠陥を生じるおそれがありますので、5℃以下の気温が連
続する場合は施工しないでください。
②常温乾燥型の塗料です。特にタッチアップ塗装の場合、元の部分とは耐候性に差があります。補修面積は極力少なくするようお願いします。
③塗り替え及び補修塗料については、色相により塗料メーカーが異なりますのでご注意ください。
21
22