運転時における ドライバの注視点特性 木更津工業高等専門学校 木村恒太朗 黒崎あゆみ 1.1研究概要 原付以上運転者による 交通事故件数 安全不確認・・・30.6% 脇見運転・・・16.8% 動静不注視・・・11.4% (警視庁交通局より) 運転免許保有者 10万人あたりの交通事故 若者の運転による事故が最多 (警視庁交通局より) www.e-stat.go.jp/SG1/estat ドライバの運転経験による注視点の違いについて検討する 交通事故の削減?? 1.2研究概要 事故の発生時刻をみると,死亡事故は夕方に多く発生している (大堀 太千男, 2006) ⇒夜間運転時の周囲の眩しさが認知に 与える影響を検討 (夜間走行時には対向車両への注視率が10%を超える ! 大久保,1997) 2.1実験方法 被験者数 使用動画 ① ⑤ ⑨ ⑬ 12名(初心者ドライバ6名 10本 熟練ドライバ6名) ④ ⑧ ⑫ ⑯ 2.2実験方法 被験者数 使用動画 8名(初心者ドライバ4名,熟練ドライバ4名) 10本 アイマークレコーダー 動画の眩しさを7段階(1:とても眩しい~4:どちら でもない~7:全く眩しくない)で評価 2.2実験方法 実験動画 3.1実験結果 熟練 初心者 11 15 12 10 注視点 8 6 4 2 0 1 3 5 7 9 13 17 データ数 図1 実験結果例 19 21 23 25 27 29 考察(初心者群と熟練群の比較) 図2 初心者群と熟練群で差が見られたポイント(一例) 熟練群 初心者群 対向車,先行者に集中しやすい傾向 標識,信号に集中しやすい傾向 • 熟練者は周辺視野が鍛えられている 考察(ターゲットポイントの注視) 表1 注視対象の分類 対象 危険対象 先行車,対向車 移動先対象 路面,前方,カーブ先線形 視線誘導対象 ガードレール, 中央線,中央帯 信号標識対象 標識,信号,路面矢印 (木村ら,1996)の研究をもとに先行実験を行い作成 高い 優先度 対象の種類 低い 免許取得者 + 免許非取得者 免許非取得者 免許取得者 図3 先行実験での結果例 ターゲットポイント 信号標識対 象 19% 危険対象 81% 危険対象 信号標識対象 図4 3つのシーンによる注視ポイントの割合 ・先行実験で得た結果に近いデータが得られた ・静止画と動画において差がなかった ・熟練群は信号,標識に注視しない ・運転頻度の高い初心者群のドライバも同様 3.2.1実験結果 Bの動画に対して優位傾向有り 被験者の (p = 0.060) 7 眩しさの評価値 6 5 4 3 2 1 0 A B C D E F G H I 動画名 初心者ドライバ 熟練ドライバ 図5 各動画における平均評価値 J 3.2.2実験結果 図6 動画Aにおける初心者ドライバの視線の変化 図7 動画Aにおける熟練ドライバの視線の変化 被験者の A,Iの動画に特有の傾向 図8 動画Aにおける初心者ドライバの視線の変化 図9 動画Aにおける熟練ドライバの視線の変化 動画A 3.2.3実験結果 図10 動画Iにおける初心者ドライバの視線の変化 図11 動画Iにおける熟練ドライバの視線の変化 被験者の A,Iの動画に特有の傾向 図12 動画Iにおける初心者ドライバの視線の変化 図13 動画Iにおける熟練ドライバの視線の変化 動画I 考察(動画に対する眩しさの評価) 初心者ドライバ 熟練ドライバ ⇒運転経験による視野の広さの影響 考察(A,Iの動画に対する視線の変化) 初心者ドライバ 熟練ドライバ ⇒熟練ドライバの方が信号,歩行者等に気づきやすい 4.総合的な考察 ・初心者 日中:信号等を直視する 夜間:歩行者を見落とす ・運転に慎重になり標識等をしっかり確認する傾向 ・視線を近くにおく傾向にあり.対向車の恐怖心から ヘッドライトに目向けがち.そのための見落としが 考えられる. 4.総合的な考察 ・熟練 日中:信号等を直視しない 夜間:信号等に目を向ける ・周辺視野が鍛えられ信号等を直視することが少ない ・見落としをなくすため.ヘッドライトによる目つぶ し効果を避けるため 5.今後の課題 ・今回は初心者ドライバと熟練ドライバを比較 少子高齢化で高齢者ドライバが増加する 高齢者ドライバの注視点特性を調べる ・被験者データを増やし信頼性の高いものにする 注視点特性を活かしたシステムの開発 ・動画の明るさの調整 より精度の高いデータの取得
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