Nye社の電気コネクター用潤滑剤・グリース (米国ナイ ルーブリカンツ社)

Nye社の電気コネクター用潤滑剤・グリース (米国ナイ ルーブリカンツ社)
コネクターに潤滑剤・グリースを塗布する事についての誤解と実際の効果について、ご説明いたします。
誤解その1
グリースを塗布すると、異物を呼び寄せるのではないか?
確かにグリースを塗布すると、異物がグリースに付着します。しかし、その事がグリースがバリヤーとなって、
異物また湿気よりコネクターの端子面を保護している事なのです。もし、グリースのこの保護する機能が無いと
端子面の酸化腐食は、より早く進んでしまいます。
誤解その2
潤滑剤を塗布すると導電性に悪い影響を与えるのではないか?
実際に、潤滑剤を塗布してあるコネクターとない物との比較
評価を行いますと、電気抵抗値に影響はありません。
端子の設置面は微小な突起と窪みの連続になっており、
電気はその突起の位置している点を通っております。
潤滑剤は、コネクターの接合時に突起部分より押し出され,
窪み部分を満たす事で端子面の酸化腐食を防止します。
誤解その3
金のメッキされた端子には
グリースは必要ないのでは?
よく素地の金属の上に、薄い金のメッキされた端子が
あります。しかし、その金の薄膜には微細な空孔があり
ます。その為、時間の経過とともに、素地の金属が
酸化腐食され、ショートの原因となる危険があります。
もし、端子面が潤滑剤の薄い塗膜にて保護されて
いれば、その空孔を塞ぐことは勿論、微小振動による
フレッチングや、素地の金属の酸化腐食も防止します。
事実その1
潤滑剤は腐食を防止します。
潤滑剤は端子面を酸素と湿気、また腐食性ガスより保護します。
使用状況により、コネクターがその様な環境にさらされるおそれのある場合、コネクターのハウジング全体を
グリースにて満たして置くと、よりシール性の効果が高まります。
事実その2
潤滑剤は挿入力を大きく低減します。
潤滑剤は約80%の挿入力を低減します。特に、マルチピンのコネクターは挿入が硬いため、
接合が不完全となるおそれがありますが、挿入力を低減することで、より確実な接合と作業効率の向上が達成されます。
また、潤滑剤の使用により米国のUSCARの挿入力の規格を達成できます。
挿入力低減のデーター
挿入力は6.35mmのコネクターをInstron5566にて測定しました。
PFPE(フッ素)ベースの潤滑剤が最も高い低減効果となりました。
潤滑剤無し(灰色の実線)
NyoGel 760G
炭化水素のベースオイルのグリース
スズメッキの端子に有効です。
ー30℃から130℃の使用環境に対応できます。
UniFlor 8511
フッ素のベースオイルのグリース
どの端子また樹脂にも有効です。
ー50℃から225℃の使用環境に対応できます。
UniFlor 8917
フッ素のベースオイルのグリース
どの端子また樹脂にも有効です。
ー70℃から225℃の使用環境に対応できます。
事実その3
潤滑剤は微小振動の影響を最小化します。
微小振動や熱膨張収縮によって起こる微電流など
によるフレッチング腐食が端子面の導通不良の
原因となる可能性がありますが、潤滑剤により金属と金属の接触による磨耗を防ぎフレッチング腐食を最小化できます。
事実その4
潤滑剤は安価な解決方法です。
潤滑剤は、コネクターの品質の改善と製品の寿命に貢献できます。
総代理店 ㈱槌屋 営業開発室Nye担当 (052)331-5451