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WIND RIVER SIMICS
電子システムは複雑化する一方です。ハードウェアやソフトウェアの数が増え、接続性も高まってい
ます。現在のシステムはソフトウェアの占める割合が高く、複数の異種プロセッサを搭載し、多層型
の複雑なソフトウェアスタックを実行するケースが少なくありません。また必然的にハードウェア
やソフトウェアは、より大規模なシステム、特にネットワークやモノのインターネット(IoT)の構成
要素となります。ネットワーク対応スマートシステムの比重が増すなか、ソフトウェアやハードウェ
アの複雑さは避けられません。加えて、イノベーションのサイクルが短期化しており、開発者は顧客
や企業の迅速なデリバリへの期待に応えるために、アジャイルで継続的な開発プラクティスに注目
しています。このような手法を支えているのは、テスト、フィードバック、デプロイの迅速な反復(イ
テレーション)です。共同で作業を行う機能横断型チームには、意思疎通を行い、共通の開発ベース
ラインを共有するためのツールが必要です。
Wind River® Simics® では、ターゲットシステムにオンデマンドで簡単にアクセスできるほか、開発者
間のコラボレーションの効率化や、より効率的で安定した自動化が可能です。より優れたソフトウェ
アをより早く開発して、提供できる、アジャイルで継続的な開発プラクティスがもたらすビジネスメ
リットを、複雑で大規模なネットワーク対応組込み IoT システムでも得ることができます。
仮想環境でソフトウェアを開発
Simics は、アジャイルで継続的な開発プラクティスの実現に必要なアクセス、自動化、コラボレー
ションを提供します。ソフトウェア開発者は仮想プラットフォームとシミュレーションを利用する
ことで、物理ハードウェアとその制約なしで開発作業を行えます。仮想ハードウェアにアクセスする
ことで、開発サイクルの格段に早い段階に、ハードウェア設計が確定する前であっても、継続的イン
テグレーションや自動テストを実行できます。設計やプロトタイピングの段階で、テストやデバッグ
を行うことも可能です。すべてのチームメンバーが制限なく仮想ハードウェアにアクセスできるた
め、新たな作業方法を実現し、ライフサイクル全体でコラボレーションを強化できます。仮想ハード
ウェアは場所や時間を問わずに届けられるので、開発者全員のコラボレーションを強化し、共通の
ベースラインを徹底することが可能です。開発者は最終的に出荷の遅れ、予算オーバー、品質面の妥
協というリスクを大幅に減少できます。
Wind River
Customers
Target Software Stack
Off-the-Shelf
Virtual
Hardware
Model Library
Wind River
Simics Virtual Platform
ソフトウェア開発者は Simics を使用すると、シングルチップからあらゆる規模や複雑さの完全なシ
ステムやネットワークまで、どんなものでもシミュレーションできます。Simics によるターゲットシ
ステムのシミュレーションでは、未修正のターゲットソフトウェア(ハードウェアと同じブートロー
ダ、BIOS、ファームウェア、OS、ボードサポートパッケージ(BSP)、ミドルウェア、アプリケーショ
ン)を実行できます。ソフトウェアだけのツールを使用するメリットを生かせるということです。
Virtual Serial,
Keyboard, Mouse,
Graphics
Application Software
Middleware
Drivers, BSP, Firmware, RTOS
Hypervisor
Processors
Memory
Ecosystem
Storage
Other Tools Such
as Sim, Debug,
Test
Devices
Network
and I/O
Real-World
Equipment
Simics Core
CC++, SystemC
Python, DML
図 1:ターゲットシステム全体をシミュレート
Product Overview
INNOVATORS START HERE.
WIND RIVER SIMICS
アクセス、
コラボレーション、
自動化により、
製品開発を最大限にスピードアップ
Simics は開発を効率化し、開発とテストをスピードアップできます。Simics 仮想ハードウェアプラッ
トフォームへのシームレスで信頼性の高いアクセスにより、チームはリアルタイムに完成度を高め、
継続的な反復により、設計・開発・テストを迅速に繰り返しながら、段階的にシステムをビルドする
ことが可能です。システムセットアップやソフトウェアの挙動を文書化、記述するのではなく、実際
に動くシステムやシステムセットアップを、チームメンバー間で共有できる環境を提供することで、
チームの意思疎通を高めます。さらに Simics は、物理ハードウェアでは不可能な自動化により、開発
やテストのサイクルの短縮化に役立ちます。
システム開発を最適化
ネットワークに接続された複雑なシステムは、デバッグや管理が困難です。従来の開発ツールは、単一
のボードやソフトウェアプロセスに関連するバグの発見には役立ちますが、多くのボードやプロ
セッサコアから構成されるシステムのバグを見つけるのは、大変な作業です。たとえば、従来のデ
バッガで 1 つのプロセスやスレッドを停止させても、システムの他の部分は動作し続けます。そのた
め、全体的に整合のとれたターゲットシステムの状態を把握するのは不可能です。
Simics は、システムのすべてのボードとプロセッサコアについてアクセス、可視化、制御を提供しま
す。順方向や逆方向のシングルステップ実行は、システム全体に適用されます。つまり、全システム
を 1 つのユニットとして検査、デバッグできるということです。さらに、チェックポイント(スナッ
プショット)を作成して、システム全体の状態を取得できます。この状態は他の開発者に渡すことが
可能です。受け取った開発者は、ハードウェアやソフトウェアの状態を精査して、記録された実行を
再現し、まるで停止しなかったかのように実行を継続できます。
Simics 仮想プラットフォームは、物理ハードウェアよりコンフィギュレーションや管理が容易です。
各種ボードを無制限に供給できるので、物理ハードウェアで可能な範囲を超えて、スケーラビリティ
テストを行えます。また、システムの任意の部分に不具合を、非破壊的かつ繰り返し挿入できます。
実際のソフトウェアターゲット負荷を実行できる性能を備えた、数百のプロセッサを搭載するシス
テムのシミュレーションも可能です。
オンデマンド仮想ラボ
電子システムの開発、デバッグ、インテグレーション、テストにおける最大の障害の 1 つは、ターゲッ
トハードウェアや物理的なラボを、全員が常に使用できるとは限らないことです。稼働していなかっ
たり、利用までの待ち時間が長かったりします。このようにアクセスに制限があると、エンジニアは
リファレンスボードやホストベースで開発するなど、理想的とはいえない代用品で間に合わせざる
を得ません。Simics では、オンデマンドの仮想ラボを構築できます。すべてのチームメンバーがいつ
でも世界のどこからでも利用可能で、ハードウェアの数に制限はありません。その上、仮想ラボはシ
ステムの一部分ではなく、完全なシステムとして使用できます。そのためユーザは、システムの部分
ではなく、完全なシステムというコンテキストで作業できます。
開発者がターゲットハードウェアについて、多種多様なコンフィギュレーションをサポートする場
合、Simics 仮想プラットフォームなら、コンポネントの複数コンフィギュレーションを簡単に管理で
きます。特に、互換性テストや特定の顧客シナリオのテストに便利です。
2 | Product Overview
WIND RIVER SIMICS
製品ライフサイクル全体で継続的プラクティスをサポート
Simics は、設計から製品のデプロイやメンテナンスまで、製品ライフサイクル全体をサポートします。
設計
• シリコンの確定前に、システム設計の選択肢やハードウェア / ソフトウェアのインタフェースを
検討
• 世代をかけて製品を進化:直前の世代から始めて、コンポネントごとに次世代機能を実装。ハード
ウェアやソフトウェアのバリエーションを試して、影響を分析
開発
• ハードウェアを使用できない場合でも、物理ハードウェアの制約を受けずに、低レベルソフト
ウェア、BSP、OS コンフィギュレーションを開発、デバッグ、テスト
• ソフトウェアとハードウェアの開発を並行し、依存関係を削減
• アプリケーション開発者全員に仮想ターゲットハードウェアを提供:実システムでいつでもテス
ト可能
• 先進のデバッグ機能を活用:チェックポイント、記録、再現、逆実行デバッグ、高度なコード / ハー
ドウェアブレークポイントなど
インテグレーションとテスト
• 開発プロセスの早期にテストと自動化をスタート:仮想ハードウェアで早期にハードウェアとソ
フトウェアの継続的インテグレーションを行い、物理ハードウェアの準備に合わせて実機に拡張
• ハードウェア使用時より多くのレベルの中間セットアップをビルド:継続的インテグレーション
を促進
• Simics の不具合挿入でフォールトトレランスをテスト。ハードウェアでは対応不可能なコーナー
ケースをカバー
• Simics のスクリプト機能を使って、テストの自動化や並行実行、ターゲットコンフィギュレーショ
ンのカバレッジの拡張を実現
• ハードウェアラボに加えて、シミュレーションラボを活用することで、開発者の時間の効率化を
図り、テスト実行の待ち時間やフィードバックループを短縮
• コンピュータハードウェアの Simics モデルを、実環境やシステム環境の外部モデルと統合するこ
とで、システム全体のテストやインテグレーションを実行
• ソフトウェアビルドやテストの既存のワークフローと Simics を結合することで、回帰テストや継
続的インテグレーションを自動化
デリバリ
• 仮想システム全体または部分的な共有により、パートナー企業やエコシステムを支援
• 顧客別コンフィギュレーションを簡単に配布、共有
• 新しいハードウェアやソフトウェアによるシステムの進化に合わせて、エコシステムを最新の状
態に維持
メンテナンス
• カスタマーサポートの支援:仮想ラボのセットアップ、地理的に分散したチームに最終製品と同
等の仮想モデルを提供
• 顧客のシステムコンフィギュレーションに一致する仮想コンフィギュレーションを作成して、不
具合を調査したりサポートを提供
• ハードウェアの陳腐化や廃止の懸念なく、レガシー製品を無期限にメンテナンス
3 | Product Overview
Traditional Product Life Cycle
Software
Integration
and Test
Hardware
Time and Risks
Engineering Resources
Engineering Resources
WIND RIVER SIMICS
Product Life Cycle with Simics
Resources
Costs
Risks
Product
Quality
Software
Hardware
Reduced Time-to-Market
Increased Revenue
Integration
and Test
Time and Risks
図 2:Wind River Simics は製品開発を加速、製品品質を向上、リスクとコストを削減
サポートターゲットアーキテクチャ
•
•
•
•
•
ARM(32-bit、64-bit)
インテルアーキテクチャ(32-bit、64-bit)
MIPS(32-bit、64-bit)
Power(32-bit、64-bit)
その他
Wind River Simics の主な機能
• Simics に標準搭載された ARM®、インテル ®、PowerPC® 用クイックスタートプラットフォームを
使用して、一般的なターゲットアーキテクチャのシミュレーションを即座に実行
• ターゲットシステム(プロセッサ、デバイス、フルボード、システムなど)のシミュレーション
• 物理ターゲットで実行するものと同じソフトウェアを Simics 上で実行
• チーム内、チーム間、パートナー企業やエコシステムの関係者全員が仮想システムにアクセス可能
• 単一のボードだけではなく、フルシステムを 1 つのユニットとして解析、デバッグ
• シミュレーションの順実行または逆実行による効率的なデバッグ
• 相手や場所を問わず、システムの状態、実行履歴、仮想ハードウェアのセットアップを共有
• 前回保存したポイントから実行を再開
• 不具合挿入により、システムの堅牢性や診断ソフトウェアをテスト
• フルスクリプト機能により、手動操作や繰り返し作業を自動化
• お客様の既存のソフトウェア開発環境や自動化ワークフローと統合。ウインドリバープロフェッ
ショナルサービスの受託開発も可能
• 物理シミュレータや環境シミュレータを統合して、完全なシステムシミュレーションを構築。ウ
インドリバープロフェッショナルサービスの受託開発も可能
• Simics の Eclipse ベースの C/C++ ソースコードデバッガや、お客様の標準ソフトウェアツール
セットを使用
• ウインドリバーが提供するパッケージ済み仮想プラットフォームを利用したり、ユーザが独自に
構築できるほか、ウインドリバープロフェッショナルサービスの受託開発も可能
ウインドリバー株式会社
東京本社
〒 150- 0012 東京都渋谷区広尾 1-1-39 恵比寿プライムスクエアタワー
TEL.03-5778-6001(代表)
大阪営業所
〒 532-0 011 大阪市淀川区西中島 7-5- 25 新大阪ドイビル
TEL.06-6100-5760(代表)
www.windriver.co.jp
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WRKK150709(2259_Simics)