『アラバマ物語』概略 1(Chapters 1

『アラバマ物語』概略
1(Chapters 1-4):夏1
朝
家の外
<語り1>:Maycomb was a tired old town even in 1932, when I first knew it.
Men's stiff collars wilted by 9 in the morning.
Ladies bathed before noon, after their 3 o'clock naps, and by
nightfall, were like soft tea cakes with frostin's of sweat and sweet talcum.
seemed longer.
Somehow it was hotter then.
A day was 24 hours long, but it
There was no hurry, for there was nowhere to go and nothing to buy, no money to buy it with,
although Maycomb County had recently been told that it had nothing to fear but fear itself.
That summer I was
six years old.
カニンガムがやってくる。スカウトがターザン・ロープから着地し、アティカスを呼びに行く。カニン
ガムはヒッコリーの実の袋を置いて去る。裏のポーチから表のポーチに移動しながら、スカウトとアティ
カスが貧しさをめぐって会話する。
アティカスがフットボールの試合に出てくれないことにへそを曲げて、ジェムがツリーハウスから下り
てこない。アティカスを罵るジェムに、モーディが玄関先の花壇に水をやりながら、アティカスは無能じ
ゃないとジェムに言う。アティカスが仕事に出かける。隣家の庭の草陰に隠れているディルをジェムが見
つける。ジェムが自分と父親の自慢話をする。ブーの父親が通り過ぎる。ブーの家の向かいの木の陰から
窺いながら、ディルにブーのことを教える。ディルの伯母さんが突然やってきて、かつてあったブーの事
件についてディルにまくし立てる。
2(Chapter 5):夕方
家の外→デュボース夫人の家の前→家の外
ターザンロープにぶら下がって揺らしながらカウントダウンするジェム。5時になってスカウトとディ
ルもポーチの下からはい出す。デュボース夫人の家の前でのやりとり後、家に帰る(ディルはひとり伯母
の家へ)。
3(Chapters 6-7):ベッドタイム
子どもの寝室→ポーチ
スカウトがアティカスとベッドで本読みの練習をする。懐中時計をめぐるやりとり。亡き母をめぐるス
カウトとジェムの会話。ポーチでそれを聞いているアティカス。判事が登場してトムの弁護をアティカス
に依頼。
4(Chapters 8-9):翌日(?)
家の前→ブーの家の前→裁判所
ほんとはブーが恐いんだろうとジェムを挑発するディル。タイヤ転がしゲームでスカウトがブーの家の
玄関先へ。ジェムのヒット・アンド・ラン。ディルは今度はブーの家の地下室を覗こうと言う。歩いてい
くと道ばたでチェスをやっている老人たちが、アティカスは裁判所にいるとジェムに言う。階段の手すり
に寝ころぶジェムたち。ディルがアティカスの様子を覗きに行こうと裁判所に駆け込む。ドアのガラス越
しに予備審問の様子を覗くディル。アティカスに見つかり家に帰るように言われる。アティカスにからむ
ユーウェル。
5(Chapters 10-11):晩
家の前→ブーの家→家の前
ブーの地下室を覗きに行く3人。ポーチで地下室を覗いているジェムに大きな手の影。慌てて逃げ帰る
3人。ジェムのオーバーオールが有刺鉄線に引っ掛かり、脱いで逃げる。家に戻って様子を窺う3人。デ
ィルを呼ぶ伯母の声がして、また来年の夏休みにと言い残してジェムは去る。引っ掛かったオーバーオー
ルを取りに行くジェム。銃声。ジェムが駆け戻る。驚いて家の外に出てくる隣人たち。
-1-
6(Chapters 12-14):始業式の朝→午後→ディナータイム
朝食のテーブル→校舎の外→ダイニング
→ポーチ
ワンピース姿のスカウト。学校に行くために出ていく2人。
終業後、ぷんぷん怒って出てくるスカウトがカニンガムの息子につかみかかる。ジェムが引きはがして
カニンガムをディナーに誘う。
ディナー・テーブル。銃をめぐって、マネシツグミを殺してはならないというアティカスの台詞。カニ
ンガムの息子のシロップ事件。スカウトはキャルにキッチンに連れて行かれて叱られ、ダイニングに戻る
がそのまま通り過ぎてポーチへ駆け出していく。
ポーチのブランコのアティカスとスカウト。カニンガムとの喧嘩の原因や、先生の無理解を訴えてもう
学校に行きたくないと言うスカウト。アティカスは「妥協」という言葉の意味をスカウトに教える。
<語り2>:There just didn't seem to be anyone or anything Atticus couldn't explain.
Though it wasn't a
talent that would arouse the admiration of our friends, Jem and I had to admit he was very good at that.
But that
was all he was good at, we thought.
7(Chapter 15):秋1
昼
家の前の通り
狂犬が表れ、連絡を受けて戻ったアティカスが一発で射殺する。
8(Chapters 16-17):夜
家の前→トム・ロビンソンの家の前
晩、車を出して出かけるアティカス。一緒に行くというアティカスとジェム。
トム・ロビンソンの家。車中で寝てしまったスカウト。挨拶を交わすジェムと黒人少年。ユーウェル登
場。睨み合うユーウェルとアティカス。車に乗って去る3人。背後から泥酔したユーウェルが酒の瓶を振
り回しながら"You nigger lover!"と叫ぶ。
帰宅したポーチで、眠るスカウトを抱えたアティカスがジェムに向かって、世の中には嫌なことも多い、
そういうことに近づけないようにしておきたいが難しいと言う。アティカスがキャルを車で送っていき、
ポーチの揺れ椅子にひとり残るジェム。異様な音(鳥の鳴き声?)に急に激しい不安に襲われてアティカ
スのあとを追いかける。知らず知らずのうちにブーの家の前まで来てしまい、また恐くなって戻ろうとし
たとき、木のウロにメダルを発見。溶暗。
9(Chapter 18):冬1
午後
校舎の外→家のポーチ
<語り3>:Atticus had promised me he would wear me out if he ever heard of me fightin’ anymore.
old and too big for such childish things.
I soon forgot.
I was too
And the sooner I learned to hold in, the better off everybody would be.
Cecil Jacobs made me forget.
スカウトがセシル・ジェイコブスと喧嘩。
ポーチにしゃがみ込んだスカウト。アティカスが登場し、どんな理由があっても喧嘩はしてはならない
と諭す。スカウトの言葉から、アティカスが黒人の弁護をしているのが喧嘩の発端と判明。アティカスは
単に黒人(a negro)の弁護をしているだけで、引き受けなかったら公正であることはできないと言い、こ
の件で決して誰とも喧嘩しないと約束させる。
10(Chapter 19):午後→夜
家の前→子どもの寝室
エジプト人の真似をしながら帰宅するジェム。迎えるスカウト。木のウロに2人に似せた人形を発見。
ブーの父が登場してウロをセメントで埋める。
夜、窓際のベッドで宝箱を開けるジェム。スカウトが近づくと隠すが、誰にも言わないことを誓わせて
箱を開け見せる。メダル、書き方の優勝メダル、懐中時計、ナイフ。3人でブーの地下室を覗きに行った
とき、逃げ戻るおりに有刺鉄線に引っ掛かったオーバーオールをひとり取りに戻って、すごいことが起き
たと秘密を明かす。
-2-
<語り4>:It was to be a long time before Jem and I talked about Boo again.
School finally ended and
summer came and so did Dill.
11(Chapters 20-21):夏2
朝→夜
朝食テーブル→ポーチ→屋内・子どもの寝室→保安官事務所の
前
朝食の席にディルが登場し、いきなり父親自慢。うんざりしたような顔のスカウト。
ポーチのアティカスとジェムが朝食。トムを乗せたトラックが通りかかる。スカウトが玄関先で見守る。
明日、公判があるとアティカスが言う。
晩、ベッドに横たわるジェム、隣で眠るディル。保安官代理がやって来て、今晩何か悶着が起きるかも
しれないとアティカスに言う。アティカスはキャルに今晩は泊まるよう頼み、決して外に出ないよう言い
渡してランプを手に出かける。即座に起きて着替え始めるジェム。ディルが目を覚まし、スカウトも起き
てくる。
3人で夜の通りを走り、アティカスの車を見つける。藪の陰から、保安官事務所のポーチで不寝番をし
ているアティカスを見つける。大丈夫そうだから帰ろうとジェムが言ったちょうどそのとき、何台もの車
が連なってやってくる。ライフルを抱えた 10 数人の男たちがアティカスを囲む。3人の子どもが割って入
る。帰れと言うアティカスに、毅然と"No, sir!"と拒否するジェム。3人がポーチにあがってアティカスを
囲む。スカウトがカニンガムに話しかける。意図せず集団を沈静化してしまったことにも気づかず、What's
the matter?と戸惑うスカウト。カニンガムにもらった作物はあまり出来がよくなかったと「正直に」言っ
てしまったことを、悪く取らないでほしいと頼むスカウトに、カニンガムは"young lady"と応じる。カニン
ガムの指示で男たちが去り、3人も帰る。屋内からトムの声が聞こえ、アティカスが応じる。
12(Chapters 22-30):.翌日の日中から夜にかけて
通り→裁判所→家の前→トム・ロビンソンの家
の前
徒歩や馬車や車で参集してくる人々を道端に座って見守る3人。アティカスに怒られてもかまわないと
言って、ジェムは裁判所に向かう。2人もついてくる。1階席は溢れて入れないので、通りかかった黒人
牧師に頼んで桟敷席へ。
裁判長の開廷宣言。
保安官代理の証人尋問。
・検察側:ユーウェルがやって来て娘が乱暴された通報。現場に行くと、メイエラはトムに殴ら
れレイプされたと言っていた。
・アティカス側:医者を呼びに行っていないことの確認。右目に痣の確認。
ロバート・ユーウェルの証人尋問:
・検察側:あったことを話させる。
・アティカス側:ユーウェルはずっと走り通しだったのに医者にだけは走らなかった。ひどく殴
られていたという保安官代理の証言にユーウェルに異議はないか確認。文字の読み書きを尋ね、
名前を書かせる。左利きの確認。
メイエラの証人尋問:
・検察:あったことを話させる。家のポーチにいたら通りかかったので、家具を壊すことを頼ん
だ。ニッケルをあげるために部屋に入ると、追ってきて何度も殴った。父が来て「誰がやったん
だ Who done it?」と怒鳴った。
・アティカス側:父親とはうまくいっているか。指一本触れないというのは、酒を飲んでいない
ときはそうだろう。殴られたことはないか。トムを庭に入れたのは初めてか。
アティカスがトムにコップを投げる。トムは右手でそれを受け取る。興奮してわめき散らした挙げ句、
証言席から走り下りるメイエラ。
トムの証言:
-3-
アティカス側:毎日家の前を通る。ある日、家具を壊してと頼まれた。1年前の春のこと。それ
からしょっちゅういろいろ雑用を頼まれた。去年の8月 21 日に何があったか。メイエラがポー
チにいて、ドアの修理に家に入った。家は妙に静かで、子どもたちは町にアイスクリームを買い
に行ったとのこと。
検察側:"You felt sorry for her?"
アティカスの最終弁論:この事件は裁判に値しない。メイエラは明らかに左利きの人間に殴られている。
トムは右利き。メイエラは貧困と無知の犠牲者で同情に値するが、それもそこまで。ひとりの人間の命が
かかっている。メイエラは"code of our society"に急にとらわれ、不安駆られてトムを犯罪者にでっち上げ
て抹消しようとしている。この場はある assumption に基づいている:黒人は嘘つき、不道徳、女を誘惑す
るという。all men were created equal というお題目も、裁判がすべて公正に行われるものだなどと理想主義
的に考えてはいない。しかし神の名にかけて公正な判決を。
長い休廷後。陪審員による起訴通りの有罪判決。アティカスはトムに話しかけて励ますが、トムは無言
で去る。
静かに起立する桟敷席の人々。牧師の台詞:"Miss Jeen Louis?
Miss Jeen Louis, Stand up!
Your father is
passing."
13(Chapters 31-32):裁判の夜
家のポーチ→トム・ロビンソンの家の前
ポーチにたたずむ3人。保安官代理がやって来てアティカスと通りのわきで話をしているあいだ、モー
ディがジェムを慰める。トム・ロビンソンが死んだとアティカスが皆に伝える。
モーディに子どもたちを頼んで、アティカスはトムの家に知らせに行く。ジェムも同行する。トムの父
のスペンスにトムの死を知らせ、飛び出してくるトムの妻がポーチで倒れる。アティカスらが部屋に入る
と、くわえ煙草のユーウェルが登場し、アティカスを呼びにいかせる。屋内から出てきて対峙するアティ
カスの顔に、ユーウェルは唾を吐きかける。アティカスとジェムは無言で走り去る。
<語り5>:By October things had settled down again.
place.
This night my mind was filled with Halloween.
agricultural products.
I was to be a ham.
I still looked for Boo every time I went by the Radley
There was to be a pageant representing our county's
Jem said he would escort me to the school auditorium.
Thus began
our longest journey together.
14(Chapters 33-39):秋2
仮装大会の夜
学校の講堂の前→森の小径→家のリビング→子どもの寝
室→ポーチ→ブーの家の玄関ポーチ
講堂入り口のポーチで言い合う二人。森の小径へ。暴漢に襲われて気絶するジェム。第二の人物が現れ、
暴漢と相争う二人の影を見つめるスカウト。意識を失ったジェムを抱えて走る人影。後を追うスカウト。
アティカスが医者と保安官を呼ぶ。現場から戻った保安官が、ユーウェルは脇腹を刺されて死んでいる
とアティカスに報告。動揺するアティカス。
ブーがドアの陰に隠れるようにして立っている。アティカスと保安官は部屋を出て、スカウトとブーが
眠るジェムを見守る。
ポーチでアティカスと保安官が話をしている。アティカスはジェムがユーウェルを殺したと思い込んで
いる。保安官に言われて初めて、誰が刺したのかに気づく。ブーを人前にさらし者にするのは罪だと言っ
て保安官は去る。スカウトもアティカスに保安官の言うとおりだと言う:"Mr. Tate was right . . . Well, it
would be -- sort of, like shooting a mockingbird, wouldn't it?"
スカウトがブーを玄関ポーチまで送っていく。
<語り6>:Neighbors bring food with death and flowers with sickness and little things in between.
our neighbor.
He gave us two soap dolls, a broken watch and chain, a knife, and our lives.
said you never really knew a man until you stood in his shoes and walked around in them.
Radley porch was enough.
Boo was
One time Atticus
Just standing on the
The summer that had begun so long ago had ended and another summer had taken its
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place and a fall.
And Boo Radley had come out.
Boo Radley and Tom Robinson.
And Atticus.
I was to think of these days many times, of Jem and of Dill, and
He would be in Jem's room all night and he would be there when
Jem waked up in the morning.
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