実力派、新素材。 これが摂氏300度でもイキイキと活躍するタイモルド。 300℃の高温のなかで40,000時間という過酷な条件のもとでも、 “タイモルド” はその形状を変えることなく、高い強度 を保持し続けます。またさらに熾烈な1000℃という高熱のなかでも、従来のフェノール系樹脂が亀裂を生じたりあるい は灰燼に帰するなかで、 “タイモルド” は形状を保持するという驚異的な耐熱性を誇っています。まさに 「樹脂を超えた」 新世代の耐熱素材といえましょう。 “タイモルド”は日光化成が最先端の電気絶縁技術と 成形品技術を結集して開発に成功した、熱硬化性の超 耐熱成形材料です。有機樹脂素材と同様の成形加工 しやすさに加えて、 セラミックに迫る耐熱性を合わせ持つ まったく新しい工業材料で、 「金属、 セラミックに代わる耐 熱部品」 「アークシュート「 」ブレーカー「 」溶接部品」 「重電 機部品」 「電子レンジなどの高周波部品」 など、 さまざまな 分野での活躍が期待されています。 タイモルドの卓越した耐熱性 一般に、樹脂系耐熱材はセラミック系素材に比べ「成形のしやすさ」 「コストの安さ」 などから、 さまざまな分野で使われてまいりました。 しかしそれらは、本来の耐熱性とい う点において必ずしも満足なレベルであるとはいいがたいのが現状です。20,000時 間という長期連続テストで耐えられる限界温度は、多くの樹脂系耐熱材で200℃前 後。すぐれた素材でも250℃まででした。 それに対して新しい耐熱材“タイモルド” は 同じ250℃の高温において、 じつに40,000時間という長時間の社内耐久テストに合 格しました。なかでも “タイモルドMS-112”にいたっては、300℃で40,000時間という 過酷な条件にも屈しない卓越した特性を示し、耐熱材として優秀性を誇っています。 100℃ 耐熱温度(連続使用温度) タイモルド タイモルド MI-118 200℃ タイモルド MS-112 300℃ PAEK MP-114 PEK シリコンコンパウンド PEEK PAI PAPI PPS フェノールアラルキル PEN LCP PES PTFE PEI PAR 300℃ 1,000℃の超高温 でも形状維持 300℃前後の高温では、各素材とも外見上の差 異こそ認めにくいのですが、800℃∼1,000℃と いう超高温になると、タイモルドとそれ以外の樹 脂の差がハッキリしてきます。 シリコン系樹脂はサ イズの収縮、亀裂といった形状の変化が明確に あらわれ、 フェノール系樹脂にいたっては、 もはや 原型をとどめることもできず、一陣の風とともに崩 れ灰燼に帰するほどです。いっぽう、 “タイモルド” は高温のため白化こそすれ、形状を維持し、亀 裂なども認められません。1,000℃という超高温 においてもなお形状を維持する “タイモルド” 。こ の驚異的な耐熱特性が、各種機器の 「耐久性」 と 「信頼性」 を飛躍的に向上させることでしょう。 MS-112 シリコーン樹脂 フェノール樹脂 800℃ 1,000℃ 耐熱性 優れた絶縁性 少ない膨張比率 一般に高温に耐えられる、 というだけでは工業材料として充分 とはいえません。高熱のもとで、本来の物理的特性を保持で きるかどうかが耐熱材として真価の問われるところです。常温時 はもとより、 300℃という高温時においても109∼10 11Ωという 高い 「電気絶縁性」 を保持する “タイモルド” は、 エレク トロニクス 全盛の現代、優れた絶縁特性で産業界の期待に応えます。 精密さを要求される機器/部品においてはちょっとした 「歪み」 や 「変型」 が致命的なアクシデントにつながりかねません。高温 時でも膨張の比率がきわめて小さい “タイモルド” は、 そうした熱 による 「歪み」 「変型」 の懸念を解消します。300℃のなかで3∼ 5×10-5(1/℃) という線膨張係数が、 “タイモルド” が一般の 耐熱材とは一線を画する素材であることを物語っています。 ■MS-112加熱時の絶縁抵抗 ■MS-112加熱時の線膨張係数 (Ω) 10 16 1014 10 12 1010 10 8 10 6 10 4 10 2 0 200 400 600 800 (X10-5/℃) 8 7 6 5 4 3 2 1 0 -1 -2 1000 (℃) -3 安全性 自然保護が叫ばれ、環境の保全が企業としての責任であると される時代です。鉛などの重金属やアスベストを含まない、 “タ イモルド” は環境への影響にも配慮をしました。自然を汚さない、 地球に優しい工業材料です。 耐薬品性 「酸」 「アルカリ」 といった薬品から 「各種溶剤」 に対しても、 “タイ モルド” はきわめて安定した特性を保持しています。薬品に侵さ れにくい耐熱材として、 “タイモルド” は樹脂系素材の弱点を克 服し、 さらに汎用性を広げました。 200 400 600 (℃) 経済性 “タイモルド” はセラミックに迫る耐熱性をはじめ、数々の優れた 特性をかね備えた工業材料であるにもかかわらず、 その経済性 は従来の樹脂系耐熱材とほとんど変わりありません。 「射出成 形」 や 「圧縮成形」 による生産が可能なため、セラミックに比べ 非常に早く、かつ低コストでおとどけすることができます。 耐アーク性 電気絶縁性に加え、電気ショックや放電による火花に対して も際立つ耐久性を持ち、高電圧の流れる部分にも絶縁材とし て信頼性は絶大です。 耐磨耗性 耐候性 工作機械の例を持ちだすまでもなく、現代の産業機器は過酷 な環境と厳しい条件のなか、高い精度で確実に作業をこなす ことを要求されています。 「磨耗しにくい」 という特性は “タイモル ド” が並みいる耐熱素材のなかからぬけだし、 さらに広汎な産 業分野で活躍できる秘密のひとつとなっています。 寒暖の差が大きな厳しい環境は、 “タイモルド”にとって活躍の 場所。気温の格差だけでなく 「紫外線」 や 「オゾン」 といった目に 見えにくい劣化要因に対しても、 その耐久性を遺憾なく発揮し ます。また放射線にも耐久性があり、まさに使う場所を選ばな い全天候型の工業材料といってもいいでしょう。 少ない重量減少率 しなやかで強靭 “タイモルド” は600℃を超える高温のなかでも有機成分の分 解をがっちりと防ぎ、重量減少率を8%以下 (MS-112) に抑え ることに成功しました。その事実はそのまま “タイモルド”が耐 熱素材としてきわめて高い 「安定性」 と 「信頼性」 を備えている ことを如実に物語っています。厳しい環境のもとでも本来の 形状、成分、性質を失わず維持する。これこそ新しい時代を 支える 「新素材」の必要条件です。 ■MS-112加熱時の重量減少率 従来より耐熱性に関してはセラミックのほうに優位性があると されています。 しかしセラミックは一方で 「脆さ」 という弱点をかか えています。 “タイモルド” はセラミックに迫る耐熱性をもちなが ら、 セラミックの弱点である 「靭性」 もあわせて兼ね備えました。 ■MS-112加熱時の曲げ強さ (kgf/㎜2) (%) 8 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 7 6 5 4 3 2 300 400 500 600 800 (℃) 1 0 200 400 600 800 1000(℃) 「耐熱パフォーマンスの時代」の 幕開けを告げる新素材。 耐熱材が 「熱に耐える」 だけでよかった時代は終わりました。 これからは熱に強い以上に、 その素材が 「どんな特性をもっているのか?「 」どんなパフォーマンスができるのか ?」 が問われる時代です。 “タイモルド” は卓越した耐熱性にプラスして、寸法安定性から絶縁性、耐アーク性、耐磨耗性など、 さまざまな特性を合わせ持つ、 まさに 「耐熱パフォーマンスの時代」 の幕開けを告げる新素材です。 ベーシックシリーズ “タイモルド”にはMSシリーズ・MPシリーズ・MIシリーズといった3つのシリーズがあり ます。 それぞれの “タイモルド”には下記のようにそれぞれの特性が備わっており、要件や ニーズにふさわしいシリーズをお選びいただけます。 ニ ベ そ ー ー れ ズ シ ぞ に ッ れ あ ク の な わ 特 せ 3 性 シ て が ごリバ 利 ー ラ 用 ズ ン く 。 ス だ よ さ く い 活 。 き る MSシリーズ ●耐熱性 (300℃∼500℃) ●1,000℃の高温での形状保持 ●重金属やアスベストを含まず環境に優しい ●紫外線・オゾンなどに対し耐候性を持つ ●低誘電率、低誘電正接の優れた電気絶縁性 ●インジェクション、 トランスファー、 コンプレッションで成形 MPシリーズ ●耐熱性 (200℃∼300℃) ●各種溶剤に対し優れた安定性を持つ ●優れた電気絶縁性 ●インジェクション、 トランスファー、 コンプレッションで成形 MIシリーズ ●耐熱性 (200℃∼300℃) ●耐放射性に優れる ●熱時寸法安定性が良い ●酸、 アルカリなど耐薬品性 ●トランスファー、 コンプレッションで成形 ■タイモルドの一般物性 単位 比重 − 吸水率 % 熱変形温度 ℃ 線膨張係数 1/℃ 熱伝導率 kcal/mhr℃ 成形収縮率 % 絶縁抵抗 (常態) Ω 絶縁抵抗 (煮沸) Ω 耐電圧 KV/㎜ 耐アーク性 SEC 耐トラッキング性 V(CTI) 誘電率 (1MHz) − 誘電正接 (1MHz) − 曲げ強度 kgf/㎜2 曲げ弾性率 kgf/㎜2 引張強度 kgf/㎜2 アイゾッ ト衝撃強度 kgf㎝/㎝ 燃焼性 − MS-112 MP-114 MI-118 1.90 0.04 300< 4.0×10-5 0.57 0.2 4.0×1015 5.0×1013 12 310 600以上 3.5 0.0013 6.0 1,000 4.0 4.0 V-0相当 1.90 0.04 300< 2.0×10-5 0.45 0.2 2.0×1014 6.0×1012 12 242 200 4.6 0.015 17.0 1,800 6.0 8.7 V-0相当 1.90 0.12 300< 1.5×10-5 0.48 0.05 1.0×1015 2.0×1013 12 185 200 4.6 0.015 12.2 1,500 6.0 3.7 V-0相当 注:上記数値はJISの設定に基づき測定された数値であり、保証値ではありません。 オプション “タイモルド” はその成分構成の比率を調整することによって、必要物性に応じた、いわ ばカスタムメイドの “タイモルド” を供給することが可能です。 「導電性」 を高めたい、ある いは 「磨耗性」 を抑えたい、などといった特殊なリクエストに対しましても、成分調合から 成形まで、一貫生産で責任をもってお応えいたします。詳細は当社の営業担当にお尋 ねください。 オ 特 フ さ リ 性 レ ら ジ の キ に ナ バ シ 、 必 ル ラ ブ 要 ル 成 ン にな 形 ス 品を対特 を変応性 供え。を 給た 選 ん し で ま 活 す か 。 す ご 要 望 に も 例1 磁気シールドを必要とするために 磁性・耐熱性を持つ特殊品が欲しい。 MU-134 例2 耐熱性 高強度・耐衝撃性・耐熱性に優れる 特殊品を利用したい。 FP-111 例3 磁性 高強度 耐衝撃性 耐熱性 導電性を持ち耐熱性に優れる 特殊品を利用したい。 ME-622 導電性 耐熱性 その他、ご要望・詳細は営業担当にお問い合わせください。 ●タイモルドは、 ガラス繊維を使用したノンアスベスト製品です。 ●使用・用途につきましては、 当社担当もしくは代理店・特約店 までご相談ください。
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