科学技術振興調整費 成果報告書 中核的研究拠点(COE)育成 事後評価 「厚生労働省国立精神・神経センター神経研究所 (神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた 予防・治療法の開発に関する研究)」 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究計画の概要 p.1 研究成果の概要 p.5 研究成果の詳細報告 1. 遺伝性神経・筋変性疾患の分子機構の解明と予防・治療法の開発 1.1. 筋ジストロフィー p.12 1.2. 家族性アルツハイマー病 p.24 1.3. 脊髄小脳変性症 p.36 1.4. ミトコンドリア脳筋症 p.50 1.5. 筋組織レポジトリー p.67 2. 外因性神経難病の分子機構の解明と予防・治療法の開発 2.1. 免疫性神経難病に免疫病態の解明とその制御による治療法開発研究 p.80 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究に関する研究 研究計画の概要 ■ 研究の趣旨 神経変性疾患など脳神経系の疾患の多くは神経難病とも称される様にその発症原因が明らかでなく、また有効な治療 法に乏しいという現実がある。さらに、少子高齢化を迎えた我が国においては今後神経難病に罹患する患者数の大幅な増 加が予想されており、国民の健康増進の点において神経難病の克服は社会的急務である。そこで、本研究ではこれら神 経難病の現状を克服し医療の向上に貢献すべく、その発症機序の解明を分子レベルで行い、さらにその成果を礎に 新しい予防・治療法を開発することを目的とした。開始時までの研究実績などを考慮し、本研究では神経難病のなか でも特に、筋ジストロフィー、アルツハイマー病、脊髄小脳変性症、ミトコンドリア脳筋症などの遺伝性神経・筋変性疾患、な らびに免疫性・感染性神経疾患など外因性神経難病に焦点を当て研究を展開した。調整費充当期間の前期5年において は前者の遺伝性神経・筋変性疾患に関する研究課題を「遺伝性神経・筋変性疾患の分子機構の解明と予防・治療法の開 発」とし調整費充当領域とした。後者の免疫性・感染性神経疾患については自己努力領域とし「外因性神経難病の分子機 構の解明と予防・治療法の開発」の課題設定を行った。後期5年については前期5年の評価を反映し、臨床応用など実用 化に向けた研究により焦点を当てた。 中核的研究拠点 (COE)育成プロジェクトにおける 10 年間で、研究業績を飛躍的に発展させることめざしたが、同プロジ ェクトのもとでは研究マネジメントの進捗に関しても重大な評価項目であったので研究成果の多面的な発信に努めるととも に、優秀な人材の育成・確保を行った。さらに、優れた研究基盤の整備と開放性と流動性の確保など構造改革を実行し研 究評価機能の充実や研究運営の弾力化の推進を図った。 以上のように、研究成果の向上と研究基盤の整備を通して名実ともに世界の神経・筋疾患研究の中核となることをめざした。 ■ 研究の概要 本研究では科学面においては次の課題を推進する。 1 遺伝性神経・筋変性疾患の分子機構の解明と予防・治療法の開発 1.1 筋ジストロフィー 各病型の原因遺伝子を同定し、筋ジストロフィーに関する新規疾患概念を構築するとともに各病型の最新分類を確立 する。さらにデュシェンヌ型発症因子であるジストロフィンをはじめ各原因遺伝子産物の生化学的、細胞生物学的解析を 行い、筋ジストロフィーの発症機序を解明する。また遺伝子治療に向けたミニジストロフィン遺伝子の開発を行い、また筋 幹細胞の同定・活用に関してなど基盤技術の開発を行う。 1.2 家族性アルツハイマー病 第14番染色体上に存在する発症原因遺伝子を特定し(その後プレセニリンと判明)、その機能解析を特にベータアミ ロイド産生に焦点を当て行う。またベータアミロイドの前駆体蛋白質の生理学的・病態生理学的役割りを解明する。さら にアミロイド前駆体蛋白質やプレセニリンに結合する蛋白質を同定し、発症の危険因子としての可能性を解析する。 1.3 脊髄小脳変性症(ポリグルタミン病など) 脊髄後索症状の原因遺伝子を解明し、さらに感覚生運動失調症の発症機序として蛋白質の分解制御の破綻を主軸 にした分子カスケードを解明する。また、また、プルキニエ細胞、小脳に特異的な遺伝子の同定を網羅的解析により行う とともに、小脳で機能する疾患関連遺伝子の機能制御が可能な治療薬を開発する。既に薬剤開発され認可を受けてい る医薬品についてヒト症例における治療効果を確認する。また、低分子量 RNA を活用した治療法を考案する。 1.4 ミトコンドリア脳筋症 新しいミトコンドリア DNA 変異を同定し、発症機序を解明する。ミトコンドリア機能を改変できる薬剤の開発に努めるとと もに、ミトコンドリア細胞工学の基礎研究、モデル動物の開発を行う。 1 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究に関する研究 1.5 筋バンク 既に世界一の規模を誇る生験筋バンクの構築と管理を継続して行い、筋疾患の診断業務の充実化を図る。また新たに、 培養筋細胞に関してそのバンク化を図る。 2 外因性神経難病の分子機構の解明と予防・治療法の開発 多発性硬化症などの免疫性神経難病におけるナチュラルキラー細胞、ナチュラルキラーT 細胞の機能解明とその制御 による治療法の開発研究を行う。特にヒトへの実用化が高い糖脂質リガンドの開発をめざす。また血液サンプルの網羅的 DNA 解析を通して、テーラメード医療のための基盤研究を推進する。 また、前項に記したように研究マネジメントに関して、研究成果の発信については論文だけでなく市民公開講座、ホーム ページの充実など様々な手段で国民の啓発に努める。優秀な人材の育成・確保については大学などとの交流・連携を深 め人材の確保に努めるとともに、競争的研究資金の獲得などを通してポスドクの確保を行う。優れた研究基盤の整備につ いては研究機器の効率性の高い導入を図り、研究支援者の確保・教育、さらには情報ネットワークの整備を行う。開放性と 流動性の確保に関しては固有の流動研究員制度の活用を図るとともに、スタッフの任期付き採用の導入を図る。研究評価 機能の充実については外部評価委員による評価制度を確立するとともに、内的努力として研究発表会における評価、優秀 論文の選定など行う。研究運営の弾力化については部の枠組を超えたプロジェクト型研究の導入を図るとともに、プロジェ クトリーダーや各部長の裁量権の拡大により研究推進の円滑化を図る。 以上のように、研究成果の向上と研究基盤の整備を通して名実ともに世界的な評価に耐える中核的研究拠点の達成を 10年間で行う。 2 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 ■ 実施体制 研 究 項 目 担当部署 研究担当者 1.神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・ 治療法の開発に関する研究 (1) 筋ジストロフィー (2)家族性アルツハイマー病 (3)脊髄小脳変性症 (4)ミトコンドリア脳筋症 (5) 筋バンク 遺伝子疾患治療研究部 ◎小澤えい二郎 (H11まで) 疾病研究第一部 荒畑 喜一 遺伝子疾患治療研究部 武田 伸一 遺伝子疾患治療研究部 鈴木 友子 疾病研究第一部 塚原 俊文 遺伝子工学研究部 鍋島 陽一 遺伝子疾患治療研究部 吉田 幹晴 遺伝子疾患治療研究部 今村 道博 疾病研究第一部 林 疾病研究第六部 田平 武 代謝研究部 高坂 新一 診断研究部 中村 俊 疾病研究第六部 荒木 旦 疾病研究第六部 原 疾病研究第六部 高橋 慶吉 遺伝子工学研究部 木村 英雄 疾病研究第四部 関口 正幸 疾病研究第四部 ◎和田 圭司 (H12より) 西川 徹 疾病研究第四部 青木 俊介 疾病研究第四部 田中 光一 疾病研究第四部 前野 浩巳 疾病研究第二部 後藤 雄一 疾病研究第二部 井上 健 微細構造研究部 埜中 征哉 疾病研究第一部 西野 一三 疾病研究第一部 野口 悟 免疫研究部 免疫研究部 3.研究進捗管理 英夫 疾病研究第三部 2.外因性神経難病の分子機序の解明と予防・治療法の開 免疫研究部 発 由紀子 厚生労働省 3 山村 隆 三宅 幸子 佐藤 準一 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 ■ 機関評価委員会 委 員 所 属 東京大学医学部 名誉教授 McGeer,Patrick L. カナダ、ブリティシュコロンビア大学 名誉教授 御子柴 克彦 東京大学医科学研究所 教授 斉藤 泉 東京大学医科学研究所 教授 Stockdale,Frank E. 米国スタンフォード大学医学部 教授 立石 潤 九州大学医学部 名誉教授 辻 東京大学医学部 教授 ○ 江橋 節郎 省次 ○ 機関評価委員長 4 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の概要 ■総 括 中核的研究拠点(COE)育成プロジェクトの推進により国立精神・神経センター神経研究所の業績は大幅に進展した。 原因となる遺伝子異常の同定に関しては筋ジストロフィー原因遺伝子など新規に疾患遺伝子を多数見いだし、発症機序 の解明に関してはジストロフィン複合体の解明やユビキチンシステムと神経変性の関連性を明らかにするなどの成果を上 げた。治療法の開発については筋ジストロフィー、脊髄小脳変性症などのモデルマウスを用いて遺伝子治療、薬物治療が 行われ、臨床への実用化が展望できる成果を上げた。 高度な研究の進展は中核的研究拠点(COE)育成プロジェクト進行中の10年間において Nature, Science などインパクト ファクター20以上の超一流科学雑誌に掲載された学術論文が20報に上るなど具体的な形として現れたことから容易に伺 い知ることが出来る。この論文掲載数は実施機関である国立精神・神経センター神経研究所の定員が47名であることを考 慮すると如何に高度な数値であるかが理解されよう。 研究マネジメントに関してもまた多大な進展を見た。研究成果の発信については論文だけでなく定期的に国際シンポジ ウムを開催し国際交流を図るとともに、市民公開講座、ホームページの充実などを通して国民の啓発に努めた。また、優秀 な人材の育成・確保については日本学術振興会特別研究員制度などを活用し優秀なポスドクなど人材の確保を行うととも に大学などから積極的に大学院学生などを研究生、外来研究員等として受け入れ育成した。その結果研究所の在籍者総 数は300名を越え大学院学生も常時20名以上研究に参加するなど実質的な大学院大学として機能した。平成16年度か らは早稲田大学との間で連携大学院が設置された。研究基盤の整備についても多くの競争的研究資金の導入が果たされ、 研究機器の整備がなされた。情報ネットワークも整備されインターネットの進展にも素早く対応した。開放性と流動性の確保 に関しては固有の流動研究員制度の活用に加え、平成15年度からは室長の採用が原則任期制をなりこれまで既に8名の 室長が任期付きで採用された。また本プロジェクトでの成果が認められ教授、国立研究機関所長などとして転出したものが 10名に上った。研究評価機能の充実については外部評価委員による評価制度が確立され公正な評価がなされた。 以上のように研究成果に加え優秀な人材を輩出するなど中核的研究拠点にふさわしい育成が果たされ、神経研究所は 着実に成長した。筋ジストロフィー研究などの分野では既に中核的研究拠点であると言っても過言でなく、他分野もそれに 近く位置づけられる進展を見た。 サブテーマ毎、個別課題毎の概要 1 遺伝性神経・筋変性疾患の分子機構の解明と予防・治療法の開発 1.1 筋ジストロフィー α, β, γサルコグリカンなど種々の新規原因遺伝子の発見、サルコグリカノパチーをはじめ新規疾患概念の確立、ジストロ フィン複合体の解明など世界に冠たる成果を上げた。またミニジストロフィンを開発し、筋ジストロフィー犬の導入に成功した 成果を受けモデル動物を用いて遺伝子治療実験を開始した。 1.2 アルツハイマー病 プレセニリンニン遺伝子の変異を持つ家系を本邦で初めて報告し、またアミロイド前駆体蛋白に結合する新規蛋白質 Fe65L を 同定しその遺伝子多型が65才以下男性の発症危険因子であることを世界で初めて発見するなど先駆的成果を上げた。 1.3 脊髄小脳変性症 感覚性運動失調症モデルマウスの解析からその原因が脱ユビキチン化酵素の欠損であることを明らかにし、今日の神 経変性疾患とユビキチンシステム研究の隆盛を築く源となる成果を上げた。また NMDA 受容体の活性化作用のある D サイ クロセリンの投与が脊髄小脳変性症患者の症状緩和に有効であることを見いだすなど実用的成果を上げた。 1.4 ミトコンドリア脳筋症 新規のミトコンドリア DNA 変異を複数見いだし、欠失ミトコンドリア DNA をもつマウスの開発を行うなどミトコンドリア研究を リードする成果を上げた。 5 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 1.5 筋バンク 蓄積症例数が一万検体近くに上り診断サービスだけでなく保存検体から新たな遺伝子異常を見いだすなど名実ともに 世界一の筋バンクとしての実績を上げた。質・量ともに世界最高水準にあり、事実上全ての筋疾患を網羅する貴重な研究 資源に成長した。神経・筋疾患研究の推進に大きな貢献をしている。 2 外因性神経難病の分子機構の解明と予防・治療法の開発 多発性硬化症に関してナチュラルキラー細胞、ナチュラルキラーT 細胞の役割を世界に先駆けて明らかにしナチュラル キラーT 細胞に作用する糖脂質リガンドが治療薬として極めて有望であることを明らかにするなど世界的にも評価の高い業 績を上げた。 ■ 波及効果、発展方向、改善点等 遺伝性神経・筋変性疾患の分子機構の解明と予防・治療法の開発については多数の原因遺伝子が特定され、その機 能解析から発症機序の解析が進んだ。これらの成果は遺伝性でない弧発性の神経・筋変性疾患についても研究の進展を 促し、例えば神経変性疾患全般に共通的な病理学的機序として蛋白質凝集やユビキチンシステムの関与が明らかになる などの成果を生んだ。また、治療面では分子・細胞治療の実用化に向けて筋ジストロフィー犬の導入が図られ実験動物施 設が拡充するなどハード面での整備も進み、ヒトにより近い病態モデルの開発と活用が進んだ。とりわけ後期5年において は前期5年の功績からミニジストロフィンによる遺伝子治療、神経幹細胞の賦活化技術、RNAi を用いた分子治療など臨床 での実用性を重視した開発的研究が戦略的に展開されるようになった。外因性神経難病の分子機構の解明と予防・治療 法の開発についても多発性硬化症の治療薬候補が開発されるなど実用化を視野に入れた研究が計画的に展開した。 COE の10年間はまさにゲノム研究、プロテオーム研究の進展とも重なっており、本プロジェクトの成果がその後に続くミレニ アムプロジェクトなど国家的プロジェクト推進の土台を形成した。 以上、この10年間で遺伝子・蛋白質など分子レベルの研究は飛躍的に発展したが、他方、本プロジェクトの推進により、 神経科学研究の両輪の一つであるシステム神経科学については神経研究所はその研究が立ち後れる現状にあることも明 らかになってきた。それを克服すべく新たに新進気鋭のシステム神経科学学者を部長に迎えるなどの努力を行い、現在で はバランスのとれた研究所となって機能している。また本プロジェクトの展開から、精神疾患・神経疾患の医療の向上には 医学生物学を越えた異分野との交流も必須であるとの認識が形成され、早稲田大学理工学部と連携大学院が発足するな ど次世代型の神経科学研究をめざした努力がなされ研究マネジメントの点においても良い効果が生み出された。研究支援 の充実という問題においては研究支援者数の絶対的不足もありまだまだ難問は残っているが、本プロジェクトの推進により 新たにこころの健康に関する研究の機運も一層高まるなど総じて当初の計画以上の成果が達成されたと考える。 6 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 図1 当初計画と10年間の進捗 図2 研究体制 7 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 ■ 所要経費 (単位:百万円) 研究項目 担当機関等 神経難病の分子機構 国立精神・神 の解明とその克服に 経センター 向けた予防治療法の 神経研究所 研究担当者 所要経費 H7 年度 H8 年度 H9 年度 H10 年度 H11 年度 合計 360 351 360 359 361 1,791 72 71 72 75 73 363 小澤鍈二郎 開発に関する研究 (1)筋ジストロフィー 同上 武田伸一 (小澤鍈二郎) (2)家族性アルツハイマー 同上 田平 武 72 70 72 71 72 357 (3)脊髄小脳変性症 同上 和田 圭司 72 70 72 71 72 357 (4)ミトコンドリア脳筋症 同上 後藤 雄一 72 70 72 71 72 357 (5)筋バンク 同上 西野 一三 72 70 72 71 72 357 360 351 360 359 361 1,791 所要経費(合計) ■ 所要経費 (単位:百万円) 研究項目 担当機関等 研究担当者 所要経費 H12 年度 H13 年度 H14 年度 H15 年度 H16 年度 合計 和田 圭司 39 41 39 40 33 192 (1)筋ジストロフィー 武田 伸一 6 6 6 6 5 29 (2)家族性アルツハイマー 和田 圭司 6 6 6 6 5 29 (3)脊髄小脳変性症 和田 圭司 6 6 6 6 5 29 (4)ミトコンドリア脳筋症 後藤 雄一 6 6 6 6 5 29 (5)筋バンク 西野 一三 6 6 6 6 5 29 2.外因性神経難病の 山村 隆 9 11 9 10 8 47 39 41 39 40 33 192 1.神経難病の分子機 国立精神・神 構の解明とその克服 経センター に向けた予防治療法 神経研究所 の開発に関する研究 分子機構の 解明と予防・治療法 の開発 所要経費(合計) 8 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 ■ 使用区分 (単位:百万円) サブテ− マ 1-(1) サブテ− マ 1-(2) サブテ− マ 1-(3) サブテ− マ 1-(4) サブテ− マ 1-(5) サブテ−マ 2 計 人 件 費 100 30 120 149 90 10 499 備 品 費 105 59 5 62 75 0 306 消耗品費 170 245 158 158 200 8 939 旅 費 19 19 19 19 23 18 117 その他 5 4 25 5 5 0 44 399 357 405 393 393 36 1,983 計 ■ 研究成果の発表状況 (1) 研究発表件数 国 内 国 際 合 計 原著論文による発表 左記以外の誌上発表 口頭発表 第Ⅰ期 25 件 第Ⅰ期 112 件 第Ⅰ期 130 件 第Ⅰ期 267 件 第Ⅱ期 20 件 第Ⅱ期 133 件 第Ⅱ期 143 件 第Ⅱ期 296 件 第Ⅰ期 386 件 第Ⅰ期 8 件 第Ⅰ期 70 件 第Ⅰ期 464 件 第Ⅱ期 411 件 第Ⅱ期 18 件 第Ⅱ期 75 件 第Ⅱ期 504 件 第Ⅰ期 411 件 第Ⅰ期 120 件 第Ⅰ期 200 件 第Ⅰ期 731 件 第Ⅱ期 431 件 第Ⅱ期 151 件 第Ⅱ期 218 件 第Ⅱ期 800 件 (2) 特許等出願件数 第Ⅰ期 1 件 (うち国内 1 件、国外該当なし) 第Ⅱ期 2 件 (うち国内 2 件、国外 1 件) 合計 3 件 (うち国内 3 件、国外 1 件) (3) 受賞等 第Ⅰ期 5件 (うち国内2件、国外3件) 1. 小澤鍈二郎、杉田秀夫:武田医学賞 1996 2. 荒畑喜一:キングファイサル国際賞 1997 その他3件 9 合 計 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 第Ⅱ期 2件 (うち国内2件、国外該当なし) 1. 佐藤準一:「第 17 回日本神経免疫学会賞」2005. 3.3 その他1件 (4) 主な原著論文による発表の内訳 国内誌(国内英文誌を含む) 本研究に関連して発表した論文 1. 田平 武:家族性アルツハイマー病遺伝子:プレセニリン1と2 神経研究の進歩 41(1):8-17, 1997 2. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症−新しい遺伝子変異と治療戦略.最新内科学大系プログレス 12, 神経・筋疾患 366-375, 1998 3. 小澤鍈二郎: ジストロフィン・ジストロフィン結合タンパク質と筋ジストロフィー, 日本神経精神薬理学雑誌 15, 289-293, 1995 関連して発表した論文 1. 山村 隆:多発性硬化症の発症機構と NK 細胞/NKT 細胞. 日本臨床 61: 1329-1334, (2003) 2. 西野一三:「縁取り空砲を伴う遠位型ミオパチーの分子病態」, Annual Review2005 神経,284-291,(2005) 海外誌 本研究に関連して発表した論文 1. Noguchi S, McNally EM, Ben Othmane K, Hagiwara Y, Mizuno Y, Yoshida M, Yamamoto H, Bonnemann CG, Gussoni E, Denton PH, Kyriakides T, Middleton L, Hentati F, Ben Hamida M, Nonaka I, Vance JM, Kunkel LM, Ozawa E. Mutations in the dystrophin-associated protein gamma-sarcoglycan in chromosome 13 muscular dystrophy. Science. 270(5237):819-22 (1995) 2. Yagami-Hiromasa T, Sato T, Kurisaki T, Kamijo K, Nabeshima Y, Fujisawa-Sehara A. A metalloprotease-disintegrin participating in myoblast fusion. Nature. 377(6550):652-6 (1995) 3. Hirata J, Nakagoshi H, Nabeshima Y, Matsuzaki F. Asymmetric segregation of the homeodomain protein Prospero during Drosophila development. Nature. 377(6550):627-30 (1995) 4. Ikeshima-Kataoka H, Skeath JB, Nabeshima Y, Doe CQ, Matsuzaki F. Miranda directs Prospero to a daughter cell during Drosophila asymmetric divisions. Nature. 390(6660):625-9 (1997) 5. Tanaka K, Watase K, Manabe T, Yamada K, Watanabe M, Takahashi K, Iwama H, Nishikawa T, Ichihara N, Kikuchi T, Okuyama S, Kawashima N, Hori S, Takimoto M, Wada K. Epilepsy and exacerbation of brain injury in mice lacking the glutamate transporter GLT-1. Science. 276(5319):1699-702 (1997) 6. Ohki-Hamazaki H, Watase K, Yamamoto K, Ogura H, Yamano M, Yamada K, Maeno H, Imaki J, Kikuyama S, Wada E, Wada K.Mice lacking bombesin receptor subtype-3 develop metabolic defects and obesity. Nature. 390(6656):165-9 (1997) 7. Kuro-o M, Matsumura Y, Aizawa H, Kawaguchi H, Suga T, Utsugi T, Ohyama Y, Kurabayashi M, Kaname T, Kume E, Iwasaki H, Iida A, Shiraki-Iida T, Nishikawa S, Nagai R, Nabeshima YI.Mutation of the mouse klotho gene leads to a syndrome resembling ageing Nature. 390(6655):45-51 (1997) 8. Hayashi YK, Chou FL, Engvall E, Ogawa M, Matsuda C, Hirabayashi S, Yokochi K, Ziober BL, Kramer RH, Kaufman SJ, Ozawa E, Goto Y, Nonaka I, Tsukahara T, Wang JZ, Hoffman EP, Arahata K. Mutations in the integrin alpha7 gene cause congenital myopathy. Nat Genet. 19(1):94-7 (1998) 9. Chui DH, Tanahashi H, Ozawa K, Ikeda S, Checler F, Ueda O, Suzuki H, Araki W, Inoue H, Shirotani K, 10 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 Takahashi K, Gallyas F, Tabira T. Transgenic mice with Alzheimer presenilin 1 mutations show accelerated neurodegeneration without amyloid plaque formation. Nat Med. 5(5):560-4 (1999) 10. Saigoh K, Wang YL, Suh JG, Yamanishi T, Sakai Y, Kiyosawa H, Harada T, Ichihara N, Wakana S, Kikuchi T, Wada K. Intragenic deletion in the gene encoding ubiquitin carboxy-terminal hydrolase in gad mice. Nat Genet. 23(1):47-51 (1999) 11. Nishino I, Fu J, Tanji K, Yamada T, Shimojo S, Koori T, Mora M, Riggs JE, Oh SJ, Koga Y, Sue CM, Yamamoto A, Murakami N, Shanske S, Byrne E, Bonilla E, Nonaka I, DiMauro S, Hirano M. Primary LAMP-2 deficiency causes X-linked vacuolar cardiomyopathy and myopathy (Danon disease). Nature. 406(6798):906-10 (2000) 12. 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Immunol. 25:508-512, (2004) 11 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 1. 遺伝性神経・筋変性疾患の分子機構の解明と予防・治療法の開発 1.1. 筋ジストロフィー 国立精神・神経センター 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部、同疾病研究第一部 武田 伸一、小澤 鍈二郎、荒畑 喜一 ■要 約 本研究では、筋ジストロフィーの病因・病態を解明し、治療法を開発することを目的とした。筋ジストロフィーの病因に関 しては、サルコグリカン欠損症の概念を確立し、Emery-Dreifuss 型筋ジストロフィー、先天性筋ジストロフィーと先天性ミオ パチーの幾つかの病型について原因遺伝子を見出した。また、ノックアウトマウスの作製を通じて、ジストロフィン-糖蛋白 質複合体に nNOS などのシグナル分子が関わることを明らかにした。さらにウイルスベクターと治療用遺伝子を組み合わせ て、骨格筋に対する遺伝子導入法を確立し、筋ジストロフィーに対する遺伝子治療法の基礎を築いた。 ■目 的 筋ジストロフィーの原因遺伝子の追究、病態の解明と治療法の開発を進める。 これらの研究は、神経研究所の疾病研究第一部(荒畑喜一部長、林由起子室長)、機能研究部(∼2000)(小澤鍈二郎 部長、吉田幹晴室長)、遺伝子工学部(1995-2000)(武田伸一室長)、遺伝子疾患治療研究部(2000∼)(武田伸一部長) によって遂行された。なお、この過程で研究のリーダーの一人であって、数々の業績を残された荒畑喜一部長を喪ったこ とを特に記し、故人の冥福をお祈りしたい。 ■ 研究方法 1.筋ジストロフィーの病因の追究 (1)最も重要な筋ジストロフィー患者の検体については、国立精神・神経センター神経研究所内に埜中らによって、樹立さ れ、後藤、西野によって維持されている筋バンクを中心とし、それ以外に米国の Boston, Children’s hospital の Kunkel ら、Pittsburgh 大学の Hoffmann ら、イタリアの Nigro ら、英国の Imperial College の Sewry、 Muntoni らなど世界中の研 究者の協力によった。 (2)方法論としては、ゲノム、cDNA ライブラリー等を駆使した分子遺伝子的な手法によった。 2.筋ジストロフィーの病態の追究 (1)ジストロフィン複合体に含まれる分子を中心に、ノックアウト及びトランスジェニックの手法を用いてモデルマウスを作成 した。そのうち、遺伝子工学部—遺伝子疾患治療研究部の武田らの研究グループは、北里大学の花岡研究室と共同 で研究を行った。 (2)筋ジストロフィー犬の研究に関しては、人工授精から筋ジス犬の誕生に至るまで、実験動物中央研究所及び中外製薬 医科学研究所との共同研究によった。また、筋ジス犬の飼育に関しては、オーストラリア・マードック大学の Howell 教授 との共同研究によった。 3.筋ジストロフィーに対する治療法の開発 (1)マイクロ・ジストロフィン遺伝子の開発については、英国 London 大学の G.Dickson との共同研究によった。 12 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 (2)アデノウイルスベクターは、東京大学医科研の斉藤泉教授の研究室によるところが大きい。アデノ随伴ウイルス(AAV) ベクターに関しては、Pittsburgh 大学の Xiao らとの共同研究によった。 細胞外マトリックス ラミニン α2 サルコグリカン( α7 β 細胞膜 ジストログリカン CAV3 インテグリン α β ジスフェルリン 核 ジストロフィン サルコスパン VGS SYN PDZ nNOS DTN COOH COOH Fアクチン エメリン ラミン A/C カルパイン -3 コネクチン PABP2 筋形質 α∼δ ) M線 Z板 Z板 図1 筋ジストロフィーの原因分子とその局在 図2 ジストロフィン欠損による Duchenne 型筋ジストロフィーに対する遺伝子治療法の開発 13 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 ■ 研究成果 1.筋ジストロフィーの病因の追究 (1)サルコグリカン欠損症 筋ジストロフィーの多くの臨床型のうち、最重症で最も頻度が高い疾患に Duchenne 型筋ジストロフィー(DMD)がある。 DMD の原因遺伝子産物であるジストロフィンは positional cloning の結果として、1987 年に見出された。ジストロフィンには 多くのジストロフィン結合蛋白質と共に複合体を形成している(ジストロフィン-糖蛋白質複合体)。同複合体には、ジストログ リカン、サルコグリカン、ジストロブレビン、シントロフィンなどの分子が含まれている。これらの分子の同定を行ってきた機能 研究部の小澤、吉田らの研究グループは、サルコグリカン遺伝子のクローニングを進めると共に、従来 SCARMD(severe autosomal recessive muscular dystrophy)と呼ばれてきた病型の患者さんの中に遺伝子異常を見出した(「引用文献1」)。し かもサルコグリカン複合体を構成している4つの分子の異常の何れによっても複合体全体が失われることを明らかにし、こ れらの疾患をサルコグリカノパチーと呼ぶことを提唱したが、世界中から認知された(「引用文献 2」、「引用文献 3」)。 (2)Emery-Dreiffuss 型筋ジストロフィー 筋ジストロフィーと刺激伝導系の異常を来す疾患に Emery-Dreifuss 型筋ジストロフィー(EDMD)があるが、疾病研究第 一部の荒畑らの研究グループは、EDMD の3家系について、EDMD 遺伝子のゲノム DNA と cDNA から類推されるアミノ酸 配列に基づき、合成ペプチドに対する2種類のポリクローナル抗体を作製し、その局在を検討した。その結果、エメリンが筋 細胞の核膜に局在し、遺伝子変異に見出された患者では、完全に欠損していた(「引用文献 4」)。 (3)先天性筋ジストロフィーと先天性ミオパチー 先天性筋ジストロフィーは、福山型と非福山型に大別される。非福山型の中に含まれるメロシン欠損型の筋ジストロフィー について、疾病研究第一部の荒畑、林らは、ラミニンα2 鎖遺伝子の異常によって、軽症型の先天性筋ジストロフィーを来 すことを初めて報告した(「引用文献 5」)。また、荒畑らはラミニンα2 鎖のレセプターといして、ジストロフィン複合体に含まれ るαジストログリカンの他にインテグリンα7 鎖が存在することに注目し、比較的軽症の先天性ミオパチー患者の中に、インテ グリンα7 鎖の異常を見出した(「引用文献 6」)。さらに、荒畑らは、先天性筋ジストロフィーと共に、脳症状を示す福山型筋 ジストロフィーについてα-ジストログリカンの糖鎖異常を見出した(「引用文献 7」)。その後の研究で、その他の先天性筋ジ ストロフィー(FKRP の異常に伴う先天性筋ジストロフィー、Walker Walburg 症候群、Muscle Eye Brain 病)でも同じ異常が見 出され、現在、これらの疾患はαジストログリカノパチーと総称される方向にある。 2.筋ジストロフィーの病態の追究 筋ジストロフィーの病態を追究するためには、臨床における研究を進める一方で、優れた動物モデルを作製し、その病 態マウスを用いて解析を進めることが重要である。 A.マウスモデルの作製とその検討 (1)ラミニンα2 鎖欠損マウス ラミニンα2 鎖の欠損はメロシン欠損型先天性筋ジストロフィーを来す。これまで自然発症モデルとして dy マウスと dy2J マ ウスが知られていたが、dy マウスについてはそのローカスがラミニンα2 鎖遺伝子にあることは同定されたものの、遺伝子異 常は不明であり、dy2J マウスは軽症であった。遺伝子疾患治療研究部(当時は遺伝子工学研究部)の武田、鈴木らによっ て、相同組み換えの理論を用いて作製されたラミニンα2 鎖欠損マウス dy3k は同分子の完全欠損によって最も重症の臨床 症状を呈し、それ以降、最良のモデルと認知され、世界中で用いられている(「引用文献 8」、「引用文献 9」、「引用文献 10」、 「引用文献 11」、「引用文献 12」)。 (2)α1-シントロフィン欠損マウス シントロフィンはジストロフィン-糖蛋白質複合体に含まれているが、その役割は必ずしも明瞭ではなかった。そこで、遺伝 14 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 子疾患治療研究部(当時は遺伝子工学研究部)の武田らの研究部は、北里大学の花岡と協力して、α1-シントロフィンの欠損 マウスを作出した。同マウスではα1-シントロフィンの発現を完全に欠損するが、そのために神経型一酸化窒素合成酵素 (nNOS)、水チャネルを担う Aquaporin-4 などの機能分子を膜にアンカーしていることが明らかになった。しかも、同マウスは 筋変性を生じにくいために、最適のモデルと考えられた(「引用文献 13」、「引用文献 14」、「引用文献 15」、「引用文献 16」)。 (3)サルコグリカン欠損マウス 骨格筋のサルコグリカン複合体は、α、β、γ、δ-サルコグリカンから構成されている。そのうち、β-サルコグリカン欠損マウ スは機能研究部(当時)新石、笹岡らにより作出された。同欠損マウスは筋変性に伴って、筋肥大を呈することが明らかに なった(「引用文献 17」、「引用文献 18」)。一方、笹岡らはγ-サルコグリカン欠損マウスも作出し、これが筋ジストロフィーの モデルマウスとして有用であることを示している(「引用文献 19」)。 (4)カベオリン-3 欠損マウス カベオリンー3 は骨格筋の膜にあるカベオラを構成し、ジストロフィン複合体とは nNOS を介して連関している。モデル動 物開発部の萩原は機能研究部(当時)の笹岡らと協力して、カベオリン-3 欠損マウスを作出し、比較的軽症の筋変性を呈 することを示した(「引用文献 20」)。 B.筋ジストロフィー犬コロニーの設立 COE プログラムと関連し、筋ジストロフィーの研究分野で最も重要な成果を挙げたのが、筋ジストロフィー犬コロニーの設 立と同犬の繁殖・飼育・実験を行うための施設の立ち上げである。 筋ジストロフィーのうち、ジストロフィンの欠損による Duchenne 型筋ジストロフィーについては、原因遺伝子が究明され、 分子病態の研究にも進展が認められるので、治療法の開発に注目が集まっている。これまでは主として、ジストロフィン欠 損のモデルとして mdx マウスが用いられてきたが、小型である上に症状が比較的軽症であるところに限界がある。そこで注 目されたのが、筋ジストロフィー犬である。筋ジストロフィー犬は初め Golden Retriever 種に見出され、1988 年ジストロフィン を欠損していることが明らかになったが、重症で進行性の症候を示す。 そこで、1995 年微細構造研究部の埜中により筋ジス犬精子が輸入され、以降、COE プログラム、精神・神経疾患研究委 託費、国立精神・神経センター、実中研などの協力によってコロニーの樹立が押し進められた。殊に我が国では、動物種 のサイズ等から考えて適切と考えられた Beagle 種に対して人工授精が行われた結果、1998 年キャリア犬、1999 年筋ジス犬 の誕生をみた(「引用文献 21」)。 以上の進歩を背景に、筋ジス犬を繁殖・飼育する共に、研究者に最も近いところで筋ジス犬を用いた実験をするための 専用施設が必要との発案がなされ、2001 年 3 月国立精神・神経センター内に中型実験動物研究施設の竣工をみた。同年 11 月から施設内での飼育が開始され、以下の研究が行われている。 (1)筋ジストロフィー犬の病態研究 最近、DMD に関しては、人工呼吸器の採用により呼吸障害の管理が容易になり、10 年近い寿命の延長をみている。ところが、 逆に死因における心障害の比率が高まっていることが、大きな注目を集めている。遺伝子疾患治療研究部では、麻布大学第 一外科等と協力して、筋ジストロフィー犬の心障害の検討を進め、刺激伝導系の一部に特異的な障害を生じていることを見出し た。現在、この障害がジストロフィンの欠損を背景にどのような分子機構に従って生じたのか詳細な検討を行っている。 (2)筋ジストロフィー犬を用いた治療研究 次項に述べるように、遺伝子疾患治療研究部では様々なウイルスベクターを用いて筋ジストロフィーに対する遺伝子治 療の研究を進めている。殊に、マイクロ・ジストロフィン遺伝子とアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた治療研究を積 極的に押し進めている。オーストラリア・マードック大学の Howell 教授らと共同で実験を行った結果、実験犬の骨格筋では、 導入遺伝子産物に対する過剰な細胞毒性と免疫応答が誘導されることが判明している。 15 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 3.筋ジストロフィーに対する治療法の開発 病因遺伝子が次々に明らかにされ、分子病態が明らかにされつつある筋ジストロフィーについては、治療法の開発が最 も重要である。特に、ジストロフィン欠損による DMD に対しては、遺伝子治療法、幹細胞移植値、薬物治療の3つの方法論 を中心に研究が進められてきた。 (1)遺伝子治療法の開発 遺伝子疾患治療研究部の武田らは、ジストロフィン cDNA が全長で 14 kb あまりと長大で、多くのウイルスベクターに組み 換えることが難しいことに着目し、ジストロフィンのロッド・ドメインに相当する部分を大幅に欠損させたマイクロ・ジストロフィン 遺伝子を提案した(「引用文献 22」、「引用文献 23」)。このマイクロ・ジストロフィン遺伝子に組み合わせるウイルスベクターと しては、最初アデノウイルスベクターを利用したが、強い免疫応答を誘導することが判明した(「引用文献 24」)。そこで骨格 筋に対して高い導入効率を示すアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いて、マウスモデルである mdx マウスにおいて極 めて良好な治療成績を得た(「引用文献 25」、「引用文献 26」)。さらに、中型でより重症の症候を示す筋ジストロフィー筋に 対して導入を行ったが、強い細胞毒性と細胞浸潤を見出している。この背景として、AAV がイヌの骨格筋に対して高い感 染性を示し、一方、免疫応答を誘導しやすい点を指摘している。 次に、武田の研究グループは、国立感染研のグループと協力して、カニクイザル骨格筋に対して遺伝子導入を行い、有 効な遺伝子発現が生ずることを明らかにしつつある。 (2)幹細胞移植治療 筋ジストロフィーが全身性の疾患であることを考えると、幹細胞の移植治療は極めて魅力的な方法論である。遺伝子疾 患治療研究部の武田らの研究グループは、骨格筋の幹細胞である筋衛星細胞及び骨髄と骨格筋自身に存在する SP 細 胞については興味深い事実を明らかにしている。筋衛星細胞に関しては大阪大学の山元らと共に同細胞を特異的に認識 する抗体を得て、静止期の筋衛星細胞のみを集積することが可能になった(「引用文献 27」、「引用文献 28」)。静止期の筋 衛星細胞は、従来の筋芽細胞と比較して、高い移植効率を示すことを明らかにしている。 一方、骨髄及び骨格筋の SP 細胞に関しては、骨格筋に対する分化能を持つことが明らかになりつつあると同時に、特に 筋再生の過程で骨格筋中で増殖する CD45 陰性、CD31 陰性の SP 細胞を筋芽細胞と共に移植すると高い筋再生能を示 すことが明らかになった(「引用文献 29」)。 (3)薬物治療 ジストロフィン欠損症に対する薬物治療としては、抗生剤による read through、myostatin blockade 等と共にユートロフィン の発現増強が注目される。遺伝子疾患治療研究部の武田らの研究グループは、アデノウイルスベクターを用いた遺伝子 導入に対する免疫応答の結果として、ユートロフィンの発現増強を生じ、しかもその結果が炎症性のサイトカインの導入に より、再現されることを見出した(「引用文献 30」、「引用文献 31」)。これは内在性ユートロフィンの発現増強を見出した最初 の報告である。さらに、同グループは、ユートロフィン遺伝子の上流配列を組み込んだトランスジェニックマウスを作製し、上 流 5 kb までには、骨格筋の発現を制御できないことを見出している(「引用文献 32」)。 一方、遺伝子疾患治療研究部の今村らは、ε-サルコグリカンの発現と機能に関する研究を進め、α-サルコグリカンのホ モログであるε-サルコグリカンを発現させると、α-サルコグリカンの欠損による筋ジストロフィーの所見を代償し得ることをトラ ンスジェニックマウスの手法を用いて証明した(「引用文献 33」)。 ■考 察 国立精神・神経センター神経研究所は、COE プログラムの援助を得て、1995∼2005 年にかけての筋ジストロフィーの研 究に大きく関与したことは間違いない。世界的にみても筋ジストロフィーの病因の解明、分子病態の検討、新たな治療法の 開発の分野において、指導的な立場に立つ研究所になったことには疑いがない。 16 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 それでは逆に、この間筋ジストロフィーの研究分野で起こった研究の進歩のうち、神経研究所のグループが比較的関わ ってこなかった進歩にはどのようなものがあったのだろうか。 (1)α-ジストログリカンの糖鎖修飾 この研究は、福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD)の原因遺伝子がクローニングされ、Fukutin と命名されたことに端を 発している。Fukutin は putative な糖鎖修飾酵素モチーフを持っていた。また、神経研究所疾病研究第一部の林らが FCMD ではαジストログリカンの糖鎖修飾には異常があることを指摘したことも重要である。その後 Fukutin には良く構造の 似た遺伝子が存在し、Fukutin Related Protein(FKRP)と命名され、しかも FKRP は先天性筋ジストロフィーCMD1C と肢帯 型筋ジストロフィー(2I)の病因であった。さらに FCMD と比較的症候的に近い Walker Walburg symdrome(WWS)や Muscle Eye Brain 病(MEB)で糖鎖修飾酵素あるいは、その酵素の作用を制御する分子が病因として明らかにされたことも大きな注 目を集めている。 (2)ジストロブレビンに結合する分子 ジストロフィン・糖蛋白質複合体に参加する分子のうち、ジストロブレビンは、その欠損による筋ジストロフィーが知られてい ない。ところが、同分子には相互作用する分子が次々と報告されている。そのうち最も注目されている分子に Dysbindin があ る Dysbindin の作用はまだ明らかになっているとはいえないが、統合失調症と Dysbindin 遺伝子内の SNIP(Single Nucleotide Polymorphism)が強く連鎖しており、しかも統合失調症の脳では Dysbindin の発現低下が報告された。このことは、少なくとも ジストロフィン複合体に関わる分子が脳内でも重要な機能を持ち、疾患に関与していることを強く示唆している。 (3)エクソン・スキッピング ジストロフィン欠損の治療法として、最近注目を集めているものに、エクソン・スキッピングがある。特に、AAV ベクター、ス プライシングに関連した small RNA とアンチセンス・オリゴヌクレオチドを組み合わせた導入法は、ジストロフィン欠損の mdx マウスにおいて、華々しい成功を収めている。おそらくこの治療法の問題点は様々な遺伝子変異に対して、それぞれオリゴ ヌクレオチドを確立する必要があるところにある。この方法もまた、遺伝子治療法が取り組んでいるような充分な pre-clinial study を行う必要があると考えられる。 このように、この数年間、神経研究所が比較的関与してこなかった分野を取り上げたとしても、COE プログラムの援助の 下、神経研究所が果たしてきた仕事がその研究の背景となっていることは明瞭である。今後とも国内外を問わず、多くの研 究者と協力しながら、筋ジストロフィーの克服という大きな目標を目指して、研究を進めることが重要であると考える。 ■ 引用文献 1. 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Brain Res. 1032(1-2):162-70 (2005) 国内誌 該当なし 原著論文以外による発表 国内誌 1. 和田圭司、前野浩巳:ソマトスタチン受容体 Bio Science 用語ライブラリー「脳神経」羊土社, 104 (1997) 2. 和田圭司、前野浩巳:アンジオテンシン受容体 Bio Science 用語ライブラリー「脳神経」羊土社, 106 (1997) 3. 和田圭司、前野浩巳:TRH受容体 Bio Science 用語ライブラリー「脳神経」羊土社, 107 (1997) 4. 和田圭司、前野浩巳:VIP受容体 Bio Science 用語ライブラリー「脳神経」羊土社, 110 (1997) 5. 関口正幸、和田圭司:AMPA 受容体の分子解剖、神経精神薬理、18: 443-450 (1996) 6. 前野浩巳、和田圭司:タキキニン受容体 Bio Science 用語ライブラリー「脳神経」羊土社, 101 (1997) 7. 前野浩巳、和田圭司:ニューロテンシン受容体 Bio Science 用語ライブラリー「脳神経」羊土社, 102-103 (1997) 8. 前野浩巳、和田圭司:ニューロペプチドY受容体 Bio Science 用語ライブラリー「脳神経」羊土社, 105 (1997) 9. 和田恵津子:ボンベシン Bio Science 用語ライブラリー「脳神経」羊土社, 76-77 (1997) 10. 山田一之, 山田祐子, 和田圭司: 遺伝子改変動物によるストレス研究. 分子精神医学, 2: 211-218 (2002) 11. 山田一之, 和田圭司: ボンベシン関連ペプチドによる社会行動の調節. アニテックス 14: 254-258 (2002) 12. 和田圭司,滝澤修一,山田祐子,山田一之:認知の分子遺伝学的基盤.「新世紀の精神科治療」(松下正明総 30 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 編集,第 6 巻武田雅俊編「認知の科学と臨床」),中山書店,東京,pp3-14 (2003) 13. 和田恵津子,山田一之,和田圭司:ボンベシンファミリーとニューロメジン U.日本臨床 61, suppl. 6: 77-81 (2003) 国外誌 該当なし 口頭発表 招待講演 1. Mayer LM, Sekiguchi M, Fleck MW, Wada K: Subunit and splice variant selective allosteric modulator of AMPA receptors.Gordon Research Conference on Excitatory Amino Acids and Brain Function, New Hampshire, 6. 29 (1997) 2. Sekiguchi M, Mayer ML, Wada K: The third line of positive allosteric modulations of AMPA receptors. Satellite Symposium on "Slow Synaptic Responses and Modulation" of the 75th annual Meeting of The Japanese Physiological Society, Kanazawa, 3. 31 (1998) 3. 和田圭司:ボンベシン受容体サブタイプ3欠損マウスにおける肥満と代謝異常,第35回日本臨床代謝学会学術 総会シンポジウム「脂肪細胞の分子生物学と病態」, 東京, 3. 6 (1998) 4. 和田圭司: 個体を用いた哺乳類ボンベシン受容体の生理的・病態生理的役割の解明官民共同研究成果シン ポジウム(第 IV 期), 東京, 3. 19 (1998) 5. Tabira T, Chui D-H, Tanahashi H, Ozawa K, Takahashi K. Accelerated Neuronal Apoptosis in Transgenic Mice Carrying Alzheimer’s Presenilin (PS-1) Mutations. The 10th Naito Conference on Molecular Biological Approaches for Intractable Diseases 6. October 29-November 1, Shonan Village Center, Kanagawa (1998) Takeshi Tabira Genes for Alzheimer’s Disease and related disorders December 4, Seminar at Pusan National University, Korea (1998) 7. Takeshi Tabira Genes for Alzheimer’s Disease and related disorders December 5, Symposium, 13th Anniversary of the Geung-Ho-Nam branch of the Korean Neurological Association, Korea (1998) 8. Tabira T, Chui DH, Tanahash H, Ozawa K, Araki W, Takahashi K Accelerated neuronal apotosis in transgenic mice carrying Alzheimer’s presenilin 1 (PS 1) mutations. Keystone Symposia, Molecular Mechanisms in Alzheimer’s Disease March 4, Taos, New Mexico (1999) 9. Tabira T. Presenilin 1, Amyloid β-peptide and Neuronal Death Center on Aging Seminar 10. Tabira T. Kentucky Oct 22 (1999) Pathogenic Mechanisms of Presenilin Mutation Research in Developmental University Kentucky Sanders-Brown Interdisciplinary seminars Institute for Basic Disabilities, New York Dec. 6 (1999). 11. 関口正幸, 和田圭司: AMPA 受容体の新しいアロステリックポテンシエーター: PEPA.第21回日本神経科学第4 1回日本神経化学合同大会ミニシンポジウム「グリア細胞による神経伝達調節機構」, 東京, 9. 21, (1998) 12. 和田圭司:中枢疾患の病態と創薬研究,第1回ヒューマンサイエンス総合研究セミナー「次世代の創薬研究に向 けて,新事業キックオフ」, 東京, 9. 29 (1998) 13. Wada K: Development of new biological and pharmacological tools for studying glutamate transmission and excitotoxicity.'98 Seoul Symposium on "Gene and human Disease" by Korean Society of Medical Biochemistry and Milecular Biology and Korean Academy of Medical Sciences, Seoul,10. 30 (1998) 14. Wada K: Development of new biological and pharmacological tools for studying glutamate transmission and excitotoxicity. Special Lecture at Chung Ang University Symposium on Degenerative Disease Modeling and Drug Development, Seoul, 10. 30 (1998) 31 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 15. 関口正幸:脳 AMPA 型グルタミン酸受容体増強薬、精神神経疾患研究のプローブとしての可能性.長崎最先端 科学シンポジウム「薬学からの発信、薬学は何をめざすか」, 長崎, 3. 20 (1999) 16. 田平 武 タウ遺伝子変異と神経疾患 第 22 回日本神経科学大会 シンポジウム 7.8 (1999) 17. Takeshi Tabira Studies in presenilin 1 transgenic mice 理学会合同公開シンポジウム 18. 田平 武 第 29 回日本神経精神薬 9.15, (1999) 遺伝子変異から考えるアルツハイマー病解明のアプローチ セミナー「Neuroscience と神経疾患研究」 19. 田平 武 第 42 回日本神経科学会 第 2 回ヒューマンサイエンス総合研究 9.22, (1999) プレセニリン変異と神経細胞死(シンポジウム) 第18回日本痴呆学会 10.7, 1999 熊本 20. 20. 田平 武 アルツハイマー病の発症機序の解明:家族性アルツハイマー病遺伝子から 推進事業研究成果発表会 脳科 学研究 11.5, (1999) 21. 山田一之, 和田恵津子, 山田祐子, 和田圭司: ニューロメジンB受容体欠損マウス: 防御行動とストレス反応性 の変化, 第25回日本分子生物学会年会ワークショップ「遺伝子変異動物を用いた行動制御遺伝子の解析, 遺 伝子変異と行動異常」, 横浜, 12.12 (2002) 22. 和田圭司: 精神神経難病の克服と脳の健やかさをめざして、九州大学生体防御医学研究所セミナー、7.11, 2003 23. 西本美香、原 洋子、鮎川幸一、大橋洋輝、工藤佳久、阿部俊昭、青木俊介、和田圭司: 胎児由来神経幹細 胞における G 蛋白質共役型受容体の網羅的解析、第46回日本神経化学会大会ミニシンポジウム「神経再生」, 新潟, 9.24 (2003). 24. Noda M, Kariura Y, Kosai Y, Pannasch U, Wang L, Kettenmann H, Nishikawa K, Okada S, Aoki S, Wada K: Inflammation in the CNS: The role of bradykinin in glial cells. Symposium on the Mechanism of Neuron-microglia Interaction. The 6th Biennial Meeting of the Asian-Pacific Society for Neurochemistry, Hong Kong, 2.7 (2004) 応募・主催講演等 1. 前野浩巳、吉村亮一、田中光一、和田圭司、木山博資:Neurotensin receptor 遺伝子プロモーターの単離およ び解析,第19回日本神経科学大会、神戸、7. 11 (1996) 2. 前野浩巳、田中光一、木山博資、和田圭司:ラット neurotensin receptor 遺伝子プロモーターの単離および解析, 第69回日本生化学会大会、第19回日本分子生物学会年会合同年会、札幌, 8. 26 (1996) 3. 前野浩巳、吉村亮一、田中光一、和田圭司、木山博資:Neurotensin receptor 遺伝子プロモーターの単離およ び解析, 第19回日本神経科学大会、神戸、7. 11 (1996) 4. 渡瀬 啓、関口正幸、松井隆明、田川優子、和田圭司:AMPA 受容体のドミナントネガティブミュータント:GluR3 細胞外ループ部分の site-directed mutagenesis 法による検討, 第69回日本生化学会大会、第19回日本分子 生物学会年会合同年会、札幌、8. 27 ( 1996) 5. Sekiguchi M, Fleck MW, Mayer ML, Takeo J, Chiba Y, Yamashita S, Wada K: Allosteric potentiator of recombinant AMPA rcurrents by a novel sulfonylamino compound. 27th Annual Meeting of Society for Neuroscience, New Orleans, 10. 27 (1997) 6. Takeo J, Yamashita S, Fleck MW, Mayer ML, Morimoto T, Harada T, Wada K, Sekiguchi M, : Actions of a novel AMPA receptor allosteric potentiator upon cultured rat neurons. 27th Annual Meeting of Society for Neuroscience, New Orleans, 10. 27 (1997) 7. 山田一之, 浜崎浩子, 和田圭司: NMBR 欠損マウスの餌探索行動の解析 第57回日本動物心理学会大会, 大 津, 4. 27 (1997) 8. 山田一之, 浜崎浩子, 和田圭司: NMBR 欠損マウスの行動解析 (1). 第58回日本動物心理学会大会, 名古屋, 5. 8 (1998) 9. Ohsawa, I., Takamura, C. and Kohsaka, S.: The region of amyloid precursor protein responsible for promotions 32 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 of neurite outgrowth and neuroblast proliferation. 6th International Conference on Alzheimer's Disease and Related Disorders, Amsterdam, 7.18 (1998) 10. Morimoto, T., Ohsawa, I., Takamura, C., Nakamura, Y. and Kohsaka, S.: Involvement of amyloid precursor protein in synaptogenesis and modulation of synaptic activity. 3rd Congress of the Asian-Pacific Organization for Cell Biology, Osaka, 8.26 (1998) 11. 浜崎浩子, 坂井 泰, 鎌田勝雄, 渡瀬 啓, 山田一之, 和田圭司: ニューロメジン B 受容体欠損マウスの作製 と機能解析. 第21回日本神経科学第41回日本神経化学合同大会ミニシンポジウム「グリア細胞による神経伝 達調節機構」, 東京, 9. 22 (1998) 12. 中川敏之, 飯野昌枝, 関口正幸, 和田圭司, 小澤瀞司: 海馬歯状回の興奮性シナプス伝達に対する AMPA 受容体増強剤(PEPA)の作用. 第21回日本神経科学第41回日本神経化学合同大会ミニシンポジウム「グリア 細胞による神経伝達調節機構」, 東京, 9. 22 (1998) 13. 山田一之, 浜崎浩子, 和田恵津子, 関口正幸, 和田圭司: 嗅覚系におけるニューロメジンB受容体(NMB-R) の機能について. 第32回日本味と匂学会, 郡山, 10. 8 (1998) 14. 前野浩巳, 山田恵子, 渡辺雅彦, 田中光一, 和田圭司: グルタミン酸トランスポーターEAAT4 遺伝子欠損マウ スの作製及び解析. 第104会日本解剖学会総会, 三鷹, 3. 29 (1999) 15. Maeno H, Sun Y-J, Yamano M, Ogura H, Kiyama H, Wada K: Generation and analysis of neurotensin 1 receptor deficient mice. 29th Annual Meeting of Society for Neuroscience, Miami Beach, 10. 24 (1999) 16. 孫 英傑, 前野浩巳, 和田圭司: マウス低親和性ニューロテンシン受容体遺伝子のクローニング及び構造解析. 第22回日本神経科学大会, 大阪, 7.7 (1999) 17. 山田一之, 和田恵津子、和田圭司: ガストリン放出ペプチド受容体(GRP-R)欠損マウスにおける嗅覚関連行動 の分析. 第33回日本日本味と匂学会, 東京, 10. 7 (1999) 18. 荒木 亘、湯浅勝敏、武田伸一、城谷圭朗、高橋慶吉、田平 武 Presenilin-2 過剰発現の初代培養神経細胞 に対する影響 第 42 回日本神経科学会(広島)大会 (1999) 19. 城谷圭朗、高橋慶吉、荒木 亘、田平 武 プレセニリン 2 のプロセシングと Aβ42 産生 第 18 回日本痴呆学会 (1999) 20. 飯島正明、田平 武、糸賀 基、三浦星治 討 第 18 回日本痴呆学会 FTDP-17 におけるリン酸化・脱リン酸化酵素の免疫組織化学的検 (1999) 21. 小鳥居聡、高橋慶吉、上村光平、宇山英一郎、内野 誠、末永章人、山田治来、田平 武 CADASIL 様症状を 呈する家族性白質脳症家系における Notch3 遺伝子変異解析 第 18 回日本痴呆学会 (1999) 22. Ohsawa, I., Takamura, C. and Kohsaka, S.: Fibulin-1 binds the amino-terminal head of β-amyloid precursor protein and modulates its physiological function. 7th International conference on Alzheimer's Disease & Related Disorders, Washington D.C., 7.9-13 (2000) 23. 小鳥居 聡、高橋慶吉、田平 武、西尾健資、有馬邦正、宇山英一郎、末永章人 白質脳症を伴った家族性痴 呆患者における Notch3 遺伝子変異の解析 第 40 回日本神経学会総会 (1999) 24. 飯島正明、田平 武 タウ異常を伴う前頭側頭型痴呆 第 40 回日本神経病理学会総会学術研究会 (1999) 25. Cui DH, Tanahashi H, Ozawa K, Ikeda S, Checler F, Ueda O, Suzuki H, Araki W, Inoue H, Shirotani K, Takahashi K, Tabira T Aged transgenic mice carrying Alzheimer's presenilin 1 mutation show accelerated neurodegeneratrion 第 40 回日本神経病理学会総会学術研究会 (1999) 26. Sun Y-J, Maeno H, Wada K: Cloning and comparison of mouse neurotensin receptors gene. 30th Annual Meeting of Society for Neuroscience, New Orleans, 11. 5 (2000) 27. 山田一之, 和田恵津子, 和田圭司: マウスの社会行動におけるガストリン放出ペプチドの調節機能. 第60回日 本動物心理学会大会, 東京, 6. 3 (2000) 28. 竹澤俊明, 井上美保, 青木俊介, 関口正幸, 和田圭司, 穴澤秀治, 花井陳雄: 器官工学の概念: ラット肝臓 33 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 のインビトロ培養系における再構築方法. 第3回日本組織工学会, 広島, 6.30(2000) 29. 前野浩巳, 小倉博雄, 山野眞利子, 和田圭司: ニューロテンシン1型受容体遺伝子欠損マウスの作製と解析. 第23回日本神経科学大会, 横浜, 9.5 (2000) 30. 藍田礼子, 守屋孝洋, 秋山正志, 和田恵津子, 和田圭司, 柴田重信: GRP 受容体遺伝子欠損マウスの体内 時計の光同調低下. 第23回日本神経科学大会, 横浜, 9.6 (2000) 31. 山田一之, 和田恵津子, 和田圭司: ボンベシン様ペプチド受容体欠損マウスにおける危険評価行動の分析. 第64回日本心理学会大会, 京都, 11.6 (2000) 32. 萩野由紀子, 関口正幸, 和田圭司, 野田百美: 新規 AMPA 型グルタミン酸受容体増強薬(PEPA)のラット・ミクロ グリアに及ぼす作用. 第74回日本薬理学会年会, 横浜, 3.22 (2001) 33. Maeno H, Sun YJ, Kiyama H, Wada K: Analysis and charcterization of the NTR1 KO mice. Society for Neuroscience, 31st Annual Meeting, San Diego, USA, 11.11. (2001). 34. Noda M, Hagino Y, Sekiguchi M, Harada T, Wada K: Potentiating effect of PEPA (4-[2-(phenylsulfonyl-amino)ethylthio]-2,6-difluoro-phenoxy-acetamide) on AMPA type of glutamate receptor in rat microglia.. Society for Neuroscience, 31st Annual Meeting, San Diego, USA, 11.13 ( 2001) 35. 山田祐子,山田一之,和田恵津子,和田圭司: ガストリン放出ペプチド(GRP)の記憶改善効果 −記憶障害モデ ルマウスを用いた研究. 第 20 回日本基礎心理学会大会, 神戸, 9.23, (2001) 36. 山田一之,山田祐子,和田圭司: ニューロメジン B 受容体(NMB-R)欠損マウスにおけるストレス性行動変化. 第 65 回日本心理学会大会, 筑波, 11.7 (2001) 37. 萩野由紀子, 関口正幸, 和田圭司, 野田百美: 新規 AMPA 型グルタミン酸受容体増強薬(PEPA)のラット・ミクロ グリアに及ぼす作用. 第74回日本薬理学会年会, 横浜, 3.22 (2001) 38. 深澤伸名, 李 航, 青木俊介, 鮎川幸一, 工藤佳久, 木山博資, 和田圭司: 新規オリゴデンドロサイト膜蛋白 質 AIGP3 の生理機能解析, 第75回日本生化学会大会, 京都, 10.15 (2002) 39. 深澤伸名, 李 航, 青木俊介, 鮎川幸一, 工藤佳久, 木山博資, 和田圭司: 新規オリゴデンドロサイト膜蛋白 質 AIGP3 の生理機能解析, 第7回グリア研究会, 東京, 11.30 (2002) 40. 前野浩巳, 山田一之, 佐藤栄一, 山田祐子, Kinkiead B, Nemeroff CB, 和田圭司: ストレス感受性変異マウス を用いたストレス性精神疾患病態解明と治療法の開発, 第35回精神神経薬物治療研究報告会, 大阪, 12.6 (2002) 41. Maeno H, Yamada K, Sato E, Santo-Yamada Y, Wada E, Wada K: Low affinity neurotensin receptor (NTR2) revealed to be involved in thermal nociception using NTR2 KO mice. 33rd Annual Meeting of Society for Neuroscience, New Orleans, LA, 11.8, (2003) 42. Hara Y, Nishimoto M, Ayukawa K, Ohashi H, Kudo Y, Abe T, Aoki S, Wada K: Analysis of expression profiles of G-protein coupled receptor genes in embryonic neural stem cells. 33rd Annual Meeting of Society for Neuroscience, New Orleans, LA, 11.8 (2003). 43. Noda M, Amano T, Aoki S, Wada K, KCN channels in glial cells, 33rd Annual Meeting of Society for Neuroscience, New Orleans, LA, 11.8 (2003) 44. 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Neurochem, 2005)。 2.4 小脳特異的遺伝子としてグルタミン酸トランスポーターEAAT4、ならびに Solo を見いだした。 2.5 グルタミン酸トランスポーターの機能解析からグリアによる神経伝達調節の可能性が示された(Science 1997 など)。 3. 治療法の開発 3.1 NMDA 受容体のグリシン結合部位を認識する D セリンが NMDA 受容体活性を高めることを見いだした。さらに D セリン ならびにその誘導体である D サイクロセリンが薬剤誘発性小脳変性モデルマウスの臨床症状を改善することを見いだ した(Brain Res, 1998 など)。 3.2 D サイクロセリンは抗結核薬として承認されているため国立精神・神経センター倫理委員会に脊髄小脳変性症患者に 対する適用外使用の申請をし、審議承認を受けたので患者に使用した。その結果、有効で有る結果を得た(J. Neurolo Sci 2003 など)。 3.3 thyrotropin releasing horome の経鼻投与が有効であることを遺伝性小脳変性モデルマウスならびに薬剤誘発性小脳 変性モデルマウスを用いて見いだした。 3.4 ポリグルタミン病の一つであるハンチントン病の原因遺伝子に対する siRNA を複数作製し、原因遺伝子発現抑制効果を 細胞で検討した。その結果ポリグルタミン鎖伸長部分前側に設定した siRNA は特異的に原因遺伝子の発現を抑制した。 しかしポリグルタミン鎖伸長部分自体に設定した siRNA は特異的効果を示さず非特異的に遺伝子の発現を抑制した。 3.5 細胞で効果のあった siRNA を生直後のハンチントン病モデルマウスに投与し、その後の体重変動、生存日数を計測し たところ、治療群では有意に体重減少が抑えられ、寿命も延長した。 3.6 さらに病理学的解析を行ったところ、治療群では原因遺伝子産物の凝集体形成が抑制され、神経細胞死も減弱してい た。臨床神経学的には運動量の低下が軽減した。 37 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 図1 感覚性運動失調マウスの原因遺伝子、UCH-L1 図2 UCH-L1 と神経変性 38 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 ■ 考 察 疾患遺伝子の同定については神経変性疾患におけるユビキチンシステムの変異の発見という世界に先駆けた成果を上 げた。この報告は Nature Genetics に掲載されたが単に疾患モデルの原因を特定したというだけでなく、ユビキチンシステム の変異により神経変性が生じると言うことを個体で実証した世界初の成果であったことから、今日の神経変性とユビキチン システム研究の隆盛の礎になったとして世界的にも高く評価されている。その後 UCH-L1 の生物学的意義に着目した研究 を展開し、UCH-L1 が本来考えられていた脱ユビキチン化酵素としての側面だけでなく、多機能蛋白質として機能し(Hum Mol Genet, 2003)、とりわけ神経細胞体においては神経細胞死との関連性において抗アポトーシス蛋白質や prosurvival 蛋白質と機能的リンクを形成し神経細胞の生存に密接に関わること(Am J Pathol 2004a, 2004b)、神経軸索端においては 神経伝達物質受容体などと相互作用しシナプス伝達効率の制御に係わることが明らかになった(J Neurochem, in press)。 これらの成果は、UCH-L1 研究に新局面をもたらすことになり、その結果神経研究所は UCH-L1 研究のリーディングラボの 一つとして内外において認知されるに至っている。ヒト症例を用いた疾患遺伝子の同定については症例の蓄積が十分でな く予定の成果は上げられなかったが、その分を考慮しても画期的成果を本研究によって上げられたと考える。 病態機序の解明については原因遺伝子が脱ユビキチン化酵素そのものであったことから、上述したように生物学的な解 析が計画以上に進んだ。小脳特異的な変性についてはまだその選択性を決定する内在性因子が不明なこともあり研究に 課題を残すが、プルキニエ細胞特異的な新規遺伝子の同定に成功するなどの成果を上げており今後の展開で小脳変性 の分子機序解明が一層進むと期待される。 治療法開発についてはまず特筆すべきものとしてヒト症例で D サイクロセリンの投与が運動失調症の改善をもたらした成 果が上げられる。D サイクロセリンは抗結核薬と認可されており、国立精神・神経センター武蔵地区倫理委員会にて審議承 認のうえ適用外使用として円滑に使用できたことが成果を上げる一助となった。また、近年 RNAi を用いた治療法が疾患の 克服に新たな道を拓くとの可能性が指摘されているが、本プロジェクトではされに先駆けるようにポリグルタミン病の一つで あるハンチントン病についてモデル動物でその治療効果を確認した。Drug delivery system の開発など臨床での実用化に は解決すべき課題も多いが新規手法である RNAi 法が神経変性疾患治療に有用である可能背を示せた。 以上要約すれば、ほぼ当初計画通りに研究が展開され、超一流誌に論文が掲載されるなど画期的な成果を上げること が出来た。 ■ 引用文献 該当なし ■ 成果の発表 原著論文による発表 国内誌 該当なし 国外誌 1. 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Harada, C., Harada, T., Quah, H.M.A., Maekawa, F., Yoshida, K., Ohno S., Wada, K., Parada, L.F., Tanaka, K. Potential role of glial cell line-derived neurotrophic factor receptors in Muller glial cells during light-induced retinal degeneration. Neuroscience, 122, 229-235 (2003). 41. Harada, T., Harada, C., Wang, Y.L., Osaka, H., Amanai, K., Tanaka, K., Takizawa, K., Setsuie, R., Sakurai, M., Sato, Y., Noda, M. and Wada, K., Role of ubiquitin carboxy terminal hydrolase-L1 in neural cell apoptosis induced by ischemic retinal injury in vivo. Am. J. Pathol., 164, 59-64 (2004) 42. Harada, C., Harada, T., Mitamura, Y., Quah, H.M., Ohtsuka, K., Kotake, S., Ohno, S., Wada, K., Takeuchi, S. and Tanaka, K. Diverse NF-kappaB expression in epiretinal membranes after human diabetic retinopathy and proliferative vitreoretinopathy. Mol Vis. 10, 31-36 (2004). 43. Castegna, A., Thongboonkerd, V., Klein, J., Lynn, B., Wang, Y.L., Osaka, H., Wada, K. and Butterfield, D.A. Proteomic analysis of brain proteins in the gracile axonal dystrophy (gad) mouse, a syndrome that emanates from dysfunctional ubiquitin carboxyl-terminal hydrolase L-1, reveals oxidation of key proteins. J. Neurochem., 88, 1540-1546 (2004) 44. Noda, M., Higashida, H., Aoki, S. and Wada, K. Multiple signal transduction pathways mediated by 5HT receptors. Mol. Neurobiol., 29, 31-40 (2004) 45. Noda, M., Kariura, Y., Amano, T., Manago, Y., Nishikawa, K., Aoki, S. and Wada, K. Kinin receptors in cultured rat microglia. Neurochem. Int., 45, 437-442 (2004) 46. Bonin, M., Poths, S., Osaka, H., Wang, Y.L., Wada, K. and Riess, O. Microarray expression analysis of gad mice implicates involvement of Parkinson’s disease associated UCH-L1 in multiple metabolic pathways. Mol Brain Res, 126, 88-97 (2004). 47. Wang, Y.L., Takeda, A., Osaka, H., Hara, Y., Furuta, A., Setsuie, R., Sun, Y.J., Kwon, J., Sato, Y., Sakurai, M., Noda, M., Yoshikawa, Y. and Wada, K. Accumulation of ・- and ・-synucleins in the ubiquitin C-terminal hydrolase L1 deficient gad mouse. Brain Res, 1019, 1-9 (2004) 48. Kwon, J., Wang, Y.L., Setsuie, R., Sekiguchi, S., Sato, Y., Sakurai, M., Noda, M., Aoki, S., Yoshikawa, Y. and Wada, K. Two closely related ubiquitin C-terminal hydrolase isozymes function as reciprocal modulators of germ cell apoptosis in cryptorchid testes. Am. J. Pathol., 165, 1367-1374 (2004). 49. Manago, Y., Kanahori, Y., Shimada, A., Sato, A., Amano, T., Sato, Y., Setsuie, R., Sakurai, M., Aoki, S., Wang, Y.L., Osaka, H., Wada, K. and Noda, M. Potentiation of ATP-induced currents due to the activation of P2X receptors by ubiquitin carboxy-terminal hydrolase L1. J. Neurochem., in press 42 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 原著論文以外による発表 国内誌 1. 和田圭司:てんかんとグルタミン酸トランスポーター:遺伝子欠損マウスを中心に、蛋白質核酸酵素、43, 244-250 (1998) 2. 和田圭司:新しい薬理学的・生物学的ツールを利用した精神・神経疾患克服への挑戦、脳の科学、20、 800-804 (1998) 3. 和田圭司:遺伝子と脳機能、遺伝子医学、2、550-554 (1998) 4. 和田圭司:運動失調症、Molecular Medicine、臨時増刊、症候・病態の分子メカニズム、518-519 (1998) 5. 菊池建機、和田圭司:Charcot-Marie-Tooth 病 IA 型、Molecular Medicine、36, 92-95 (1999) 6. 和田圭司:てんかん研究の最前線、実験医学, 17, 161-167 (1999) 7. 菊池建機、和田圭司:Charcot-Marie-Tooth 病 IA 型、Molecular Medicine、36, 128-131 (1999) 8. 原田高幸、原田知加子、和田圭司:網膜変性とニューロトロフィン、神経研究の進歩、44, 394-401 (2000) 9. 小坂 仁、和田圭司:脱ユビキチン化酵素と神経異常マウス“gad”、実験医学, 18, 1491-1495 (2000) 10. 小坂 仁、和田圭司:ポストゲノム医療の展望:神経変性疾患、日本臨床、59, 119-125 (2001) 11. 小坂 仁、和田圭司:ポストゲノムシークエンス研究の展望、脳研究の新展開:ゲノムと脳機能、脳疾患、最新医 学、56, 72-78 (2001) 12. 小坂 仁、和田圭司:ユビキチン・プロテオソーム系と神経細胞死、医学のあゆみ、198, 339-343 (2001) 13. 小坂 仁、和田圭司:ユビキチンシステムの破綻と神経変性疾患、Vita、76, 37-41 (2002) 14. 小坂 仁、和田圭司:脱ユビキチン化酵素と神経変性モデルマウス、Medical Front Line、38, 82-87 (2002) 15. 原田高幸、原田知加子、和田圭司:網膜変性におけるミューラー細胞の役割、神経研究の進歩「グリアの生物 学」、46, 544-550 (2002) 16. 滝澤修一、小坂 仁、和田圭司:Ubiquitin-proteasome 経路と unfolded protein response、脳の科学、26 増刊、 パーキンソン病のすべて、148-154 (2004) 17. 節家理恵子、小坂 仁、和田圭司:UCH-L1 と神経変性疾患、神経研究の進歩、48, 63-73 (2004) 18. 節家理恵子、小坂 仁、和田圭司:パーキンソン病とユビキチンリサイクリング酵素、ニューロサイエンス、22, 6-7 (2004) 19. 和田圭司、節家理恵子:ユビキチンシステムとパーキンソン病 ‐UCH-L1 の役割‐、医学のあゆみ、208, 498-503 (2004) 20. 和田圭司:神経変性と脱ユビキチン化酵素、現代医療、36, 921-926 (2004) 21. 和田圭司、節家理恵子:脱ユビキチン化酵素、医学のあゆみ、211, 23-28 (2004) 国外誌 該当なし 特許等出願等 特許 2003-303370「ユビキチン C 末端水解酵素変異体遺伝子導入動物」発明者:和田圭司 他 4 名 H15.8.27 口頭発表 招待講演 1. 和田圭司:神経機能保護に関与するグルタミン酸受容体とトランスポーター, 厚生省精神・神経疾患委託発達 障害関係研究5班平成7年度合同シンポジウム、東京 10. 13 (1995) 2. 田中光一, 渡瀬 啓, 和田圭司, 岩間久行, 西川 徹, 山田恵子, 渡辺雅彦, 真鍋俊也: 新しいてんかんモ 43 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 デルとしてのグルタミン酸トランスポーター欠損マウスの作成, 第31回日本てんかん学会神経科学セッション「て んかんへの神経薬理学的接近」, 京都, 9. 18 (1997) 3. 田中光一: グルタミン酸トランスポーターの機能, 第33回脳のシンポジウム「トランスポーター」, 広島, 3. 11 (1998) 4. 和田圭司: 神経伝達物質受容体・トランスポーターの発生工学的機能解析と疾患モデルの作製. 第126回日 本獣医学会ワークショップ「動物モデルー発生原理に基づいた神経疾患モデル研究の新しい展開」, 江別, 8. 23 (1998) 5. 和田圭司: グルタミン酸トランスポーター・受容体と脳機能障害. 日本薬学会第 119 年会シンポジウム「薬物動 態研究と分子細胞生物学的研究の接点」, 徳島, 3. 31 (1999) 6. 和田圭司:モデル動物を用いた精神・神経疾患の研究.平成11年度哺乳動物遺伝学研究会, 木更津, 6.8 (1999) 7. 和田圭司, 西川 徹, 関口正幸:グルタミン酸トランスポーターおよび受容体:機能異常と病態・創薬,日本神経 化学会公開シンポジウム「神経情報信号化分子ーチャンネル・トランスポーターの生理と病態」, 広島, 9.16 (1999)9 8. 和田圭司: グルタミン酸トランスポーター・受容体:機能障害と病態・創薬について. 国立循環器病センター COE シンポジウム「生体内情報伝達とその制御」, 大阪, 3. 12 (1999) 9. Wada K, Saigoh K, Wang Y-L, Osaka H, Osawa Y, Kikuchi T, Intragenic deletion in the gene encoding ubiquitin C-terminal hydrolase 1 in gad mice. International Symposium on Elucidation of Molecular Mechanisms of Human Brain Disease based on Genome Analysis, Niigata, 11.4 (1999) 10. 和田圭司, 王 玉来, 小坂 仁, 大澤由記子, 西郷和真, 菊池建機:神経軸索変性とユビキチンシステム.第22 回日本分子生物学会年会ワークショップ「神経・精神疾患研究の新展開」, 福岡, 12.7 (1999) 11. Wada K, Wang YL, Saigoh K, Aoki S, Osawa Y, Li H, Takizawa S, Sakurai M,Hara Y, Osaka H, Kikuchi T: THE gad MOUSE: A USEFUL MODEL FOR INVESTIGATING NEURO-DEGENERATION AND REGENERATION. 第4回日独共同ワークショップ, 箱根,9.27 (2000) 12. 和田圭司: ユビキチンシステムと神経変性. 文部省特定領域研究「神経細胞死制御」夏のワークショップ, 軽井 沢, 6.28 (2000) 13. 和田圭司: グリア・ニューロン相互作用を利用した神経変性の新しい治療法の開発. 文部省科学研究費補助金 特定領域研究(B) 「グリア細胞による神経伝達調節機構の解明」班平成12年度公開シンポジウム, 東京, 8.25 (2000) 14. Kurihara LJ, Kikuchi T, Wada K, Tilghman S: The role of Uch-L1 and Uch-L3 in neurodegeneration. Cold Spring Harbor meeting on Mouse Molecular Genetics, New York, USA, 8.30 (2000) 15. 菊池建機, 市原伸恒, 西郷和真, 呉 江, 徐 俊教, 王 玉来, 和田圭司: 軸索変性マウス(gad)の病態とそ の責任遺伝子(UCH-L1). 第130回日本獣医学会大会ワークショップ, 大阪, 10.7 (2000) 16. 和田圭司, 小坂 仁, 青木俊介, 王 玉来: ubiquitin-proteasome 系と神経変性、第42回日本神経学会総会 シンポジウム「神経変性疾患の細胞死をめぐって」,5.12 (2001) 17. Wada K, Osaka H, Wang YL, Harada T, Takada K, Noda M: Role of ubiquitin carboxy-terminal hydrolase in ubiquitin stability and neural cell function.FASEB Summer Conference 2002「Amyloids and Other Abnormal Protein Folding Processes」, Snowmass, Colorado, 6.18 (2002) 18. 和田圭司, 原田高幸, 原田知加子, 王 玉来, 野田百美, 小坂 仁: グリア・ニューロン相互作用を利用した神 経変性疾患の治療法の開発, 第45回日本神経化学会大会シンポジウム「グリア細胞の機能と病態, 神経疾患 の治療に向けて」, 札幌,7.18 (2002 19. 和田圭司: 神経変性とユビキチンシステム, 第7回金沢神経科学シンポジウム,金沢, 10.13 (2002 20. Wada K: Role of ubiquitin carboxy-terminal hydrolase in ubiquitin stability and neural cell function. Nagoya 44 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 University COE Symposium on Molecular Pathogenesis and Therapeutic Strategies for Neurodegenerative Disease and Malignant Tumor. Nagoya, 11.28 (2002 21. Kanahori Y, Shimada A, Aoki S, Wada K, Noda M: Regulation of P2X receptor by ubiquitin C-terminal hydrolase L1,第2回九州脳研究シンポジウム、福岡、1.25 (2002 22. Hagino Y, Sekiguchi M, Harada T, Aoki S, Wada K, Noda M:Heterogeneity of AMPA type of glutamate receptor in rat microglia 第2回九脳研究シンポジウム、福岡、1.25 (2002 23. Osaka H, Wang YL, Takada K, Takizawa S, Li H, Sato Y, Nishikawa K,Sun YJ, Sakurai M, Harada T, Hara Y, Kimura I, Noda M, Namikawa K, Kiyama H Aoki S, Wada K. Ubiquitin Carboxy-Terminal Hydrolase L1 mediates ubiquitin stability and function in neurons. The COE International Symposium on Recent Advances in Research for Neurodegeneration. Tokyo, 3.6 (2002 24. 山田一之, 和田恵津子, 山田祐子, 和田圭司: ニューロメジンB受容体欠損マウス: 防御行動とストレス反応性 の変化, 第25回日本分子生物学会年会ワークショップ「遺伝子変異動物を用いた行動制御遺伝子の解析, 遺 伝子変異と行動異常」, 横浜, 12.12 (2002 25. 和田圭司, 野田百美: 神経変性・神経伝達におけるユビキチンシステムの関与と神経再生に向けた神経幹細 胞の機能解析, 第13回日本病態生理学会大会シンポジウム「精神神経疾患研究の新局面, 分子から画像ま で」, 千葉, 1.25 (2003) 26. 和田圭司: パーキンソン病と脱ユビキチン化酵素 UCH-L1、慶應ニューロサイエンス研究会、11.22 (2003) 27. Wada K: Pathophysiological role of ubiquitin C-terminal hydrolase L1 in neurodegeneration. Symposium on the Ubiquitin-proteasome System and Neurological Diseases, 46th Annual Meeting of the Japanese Society for Neurochemistry, Niigata, 9.26 (2003) 28. 和田圭司: 精神神経疾患と生命工学的創薬、国立精神・神経センター神経研究所・早稲田大学大学院理工学 研究科合同シンポジウム「システムとしての脳のはたらきを探る」, 10.1 (2003) 応募・主催講演等 1. Yamada K, Watanabe M, Shibata T, Tanaka K, Wada K, Inoue, Y. : The EAAT4 is a Purkinje cell-specific, post-synaptic glutamate transporter in the brain. 26th Annual Meeting of Society for Neuroscience, Washington, D.C., 11. 16 (1996) 2. Maeno H, Tanaka K, Kiyama H, Wada K: Molecular cloning and characterization of the rat neurotensin receptor gene. 26th Annual Meeting of Society for Neuroscience, Washington, D.C., 11. 18 (1996) 3. 西 郷 和 真 、 山 西 敏 之 、 和 田 圭 司 、 菊 池 建 機 : Pmp22 遺 伝 子 の 新 し い 欠 失 変 異 を 認 め た モ デ ル 動 物 (Pmp22Tr-ncnp マウス)の検討, 第37回日本神経学会総会、大宮、5.17 (1996) 4. 菊池建機、徐 俊教、市原伸恒、中林 修、和田圭司: Pmp22 遺伝子に欠失変異を認める疾患モデル動物、1. 分子遺伝学的検討, 第37回日本神経病理学会総会、倉敷、5.25 (1996) 5. 市原伸恒、菊池建機、徐 俊教、中林 修、和田圭司, Pmp22 遺伝子に欠失変異を認める疾患モデル動物、2. 微細構造学的検討, 第37回日本神経病理学会総会、倉敷、5.25 (1996) 6. 柴田 隆、渡辺雅彦、山田恵子、田中光一、和田圭司、井上芳郎:小脳シナプス形成と Bergmann グリア型グル タミン酸トランスポーターGluT-1 の発現調節, 第19回日本神経科学大会、神戸、7. 11 (1996) 7. 前野浩巳、吉村亮一、田中光一、和田圭司、木山博資, Neurotensin receptor 遺伝子プロモーターの単離およ び解析, 第19回日本神経科学大会、神戸、7. 11 (1996) 8. 山田恵子、渡辺雅彦、柴田 隆、田中光一、和田圭司、井上芳郎:プルキンエ細胞特異的発現を示すグルタミ ン酸トランスポーターEAAT4 の組織化学的検索, 第19回日本神経科学大会、神戸、7. 12 (1996) 9. 前野浩巳、田中光一、木山博資、和田圭司:ラット neurotensin receptor 遺伝子プロモーターの単離および解析, 第69回日本生化学会大会、第19回日本分子生物学会年会合同年会、札幌、8. 26 (1996) 45 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 10. 田中光一、渡瀬 啓、和田圭司:グリア型グルタミン酸トランスポーター欠損マウスの作成と解析, 第69回日本生 化学会大会、第19回日本分子生物学会年会合同年会、札幌、8. 27 (1996) 11. 高井節夫、田中光一、和田圭司、山田清美:FISH 法による染色体マッピング、注意を要したグルタミン酸トランス ポーターの3サブタイプ, 第69回日本生化学会大会、第19回日本分子生物学会年会合同年会、札幌 8. 27 (1996) 12. 山西敏之、西郷和真、酒井喜久、清澤秀孔、田中光一、若菜茂晴、和田圭司:Gracile axonal dystrophy (gad)マ ウスの責任遺伝子単離の試み、第69回日本生化学会大会、第19回日本分子生物学会年会合同年会、札幌、 8. 28 (1996) 13. 堀 清次、佐々木幸生、滝本 京、大前恭子、川上秀史、田中光一、岡田敏一:ヒトグリオブラストーマ U-138 に 発現させたグルタミン酸トランスポーターの性質と活性の調節, 第69回日本生化学会大会、第19回日本分子 生物学会年会合同年会、札幌、8. 27 (1996) 14. Nishikawa T, Hashimoto A, Tomita U, Kumashiro S, Matoba M, Iwama H, Hayashi F, Wada K, Takahashi K: D-Serine:A putative endogenous modulator of the NMDA receptor. excitatory amino acid receptors as a strategy for the therapy XXth C.I.N.P.Congress : Modulation of of neuropsychiatric disorders, Melbourne Australia , 6. 27 (1996) 15. Wada K, Sekiguchi M, Watase K, Takeo J, Matsui K, Watanabe M, Nishikawa T, Tanaka K: Molecular studies of glutamate receptors and transporters: Toward the development of neuro-protective drugs. National Institute of Neuroscience COE International Symposium on Degenerative Neurological Disorders, Tokyo, 2. 14 (1997) 16. Nishikawa T, Tanii Y, Hashimoto A, Kumashiro S, Tomita U, Matoba M, Iwama H, Hayashi F, Umino A, Wada K, Kure S, Takahashi K: D-serine as an endogenous modulator of the NMDA receptor: Implication for Neurological Disorders. National Institute of Neuroscience COE International Symposium on Degenerative Neurological Disorders, Tokyo, 2. 14 (1997) 17. Watase K, Hashimoto K, Kano M, Yamada K, Watanabe M, Inoue Y, Okuyama S, Sakagawa T, Hori S, Takimoto M, Wada K, Tanaka K: Targeted disruption of the murine GLAST gene. 27th Annual Meeting of Society for Neuroscience, New Orleans, 10. 26 (1997) 18. Tanaka K, Watase K, Manabe T, Yamada K, Watanabe M, Takahashi K, Iwama H, Nishikawa T, Ichihara N, Kikuchi T, Okuyama S, Kawashima N, Hori S, Takimoto M, Wada K: Targeted disruption of the murine GLT-1 gene. 27th Annual Meeting of Society for Neuroscience, New Orleans, 10. 26 (1997) 19. Harada T, Harada C, Watanabe M, Okuyama S, Sakagawat, Watase K, Wada K, Tanaka K: Glutamate transporter of retinal glial cells plays crucial role in glutamate clearance. 27th Annual Meeting of Society for Neuroscience, New Orleans, 10. 28 (1997) 20. Yamada K, Shibata T, Watanabe M, Tanaka K, Wada K, Inoue, Y. : Expression of glutamate transporter GLAST from radial glia to astrocyte in developing spinal cord. 27th Annual Meeting of Society for Neuroscience, New Orleans, 10. 28 (1997) 21. Tanaka J, Ichikawa R, Watanabe M, Nagashima M, Tanaka K, Inoue Y: Extrajunctional localization of glutamate transporter EAAT4 at parallel fiber and climbing fiber synapses in cerebellar Purkinje cells. 27th Annual Meeting of Society for Neuroscience, New Orleans, 10. 28 (1997) 22. 田中光一, 渡瀬 啓, 和田圭司, 岩間久行, 西川 徹, 山田恵子, 渡辺雅彦: グリア型グルタミン酸トランスポ ーター欠損マウスの作成と機能解析 第38回日本神経学会総会, 横浜, 5.14 (1997) 23. 山西敏之, 西郷和真, 酒井喜久, 清澤秀孔, 田中光一, 和田圭司: Gracile axonal dystrophy (gad)マウスの責 任遺伝子単離の試み, 第38回日本神経学会総会, 横浜, 5.15 (1997) 24. 松井隆明, 関口正幸, 和田圭司, 西川 徹: D-アミノ酸による NMDA 受容体活性増強に関する薬理学的検討, 46 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 第38回日本神経学会総会, 横浜, 5.15 (1997) 25. 伊藤雅之, 稲毛祐基子, 和田圭司, 高嶋幸男: ヒト小脳におけるグルタミン酸トランスポーターEAAT4 の発達, 第38回日本神経病理学会総会, 東京, 5.26 (1997) 26. 田中光一, 渡瀬 啓, 和田圭司, 岩間久行, 山田恵子, 渡辺雅彦, 橋本浩一, 狩野方伸, 真鍋俊也: グリア 型グルタミン酸トランスポーター欠損マウスの作製と機能解析, 第20回日本神経科学大会, 仙台, 7. 16 (1997) 27. 田中 淳, 山田恵子, 渡辺雅彦, 田中光一, 和田圭司, 井上芳郎: プルキンエ細胞棘突起におけるグルタミン 酸トランスポーターEAAT4 の局在, 第20回日本神経科学大会, 仙台, 7. 17 (1997) 28. Saigoh K, Nishikawa T, Matsui T, Kihara M, Takahashi M, Wada K: The stero-specific effect of D-serine ethylester and D-cycloserine in ataxic mutant mice. 29th Annual Meeting of Society for Neuroscience, Miami Beach, 10. 26 (1999) 29. 原田高幸, 原田知加子, 松田英彦, 和田圭司: 視細胞のアポトーシスにおける神経栄養因子受容体の役割. 第103回日本眼科学会, 千葉, 4. 22 (1999) 30. 山田一之, 山野眞利子、浜崎浩子, 和田圭司: セロトニン活性異常マウスにおける防御行動の研究 第59回 日本動物心理学会大会, 金沢, 5. 9 (1999) 31. 西郷和真, 松井隆明, 高橋光雄, 西川 徹, 和田圭司: 運動失調症モデルマウスにおける D-serine 誘導体の 効果 第40回日本神経学会総会, 東京, 5.21 (1999) 32. 大芦典子, 中村 健, 小川美由紀, 平田三保, 和田圭司, 宮川博義, 工藤佳久: 海馬におけるグリア型グル タミン酸トランスポーター(GLT-1)の生後発達. 第22回日本神経科学大会, 大阪, 7.6 (1999) 33. 和田圭司, 王 玉来, 小坂 仁, 大澤由記子, 西郷和真, 菊池建機: Gracile axonal dystrophy マウスの責任 遺伝子のポジショナルクローニング. 第16回日本疾患モデル学会, 大阪, 11.26 (1999) 34. 西郷和真, 山西敏之, 高橋光雄, 王 玉来, 和田圭司: UCH-L1 遺伝子欠失マウス(gad)の分子遺伝学的検 討. 第41回日本神経学会総会, 松本, 5.24 (2000) 35. Kanahori Y, Shimada A, Aoki S, Wada K, Noda M: Regulation of P2X receptor by ubiquitin C-terminal hydrolase L1,第2回九州脳研究シンポジウム、福岡、1.25 (2002) 36. Hagino Y, Sekiguchi M, Harada T, Aoki S, Wada K, Noda M: Heterogeneity of AMPA type of glutamate receptor in rat microglia 第2回九州脳研究シンポジウム、福岡、1.25 (2002) 37. Osaka H, Wang YL, Takada K, Takizawa S, Li H, Sato Y, Nishikawa K, Sun YJ, Sakurai M, Harada T, Hara Y, Kimura I, Noda M, Namikawa K, Kiyama H, Aoki S, Wada K. Ubiquitin Carboxy-Terminal Hydrolase L1 mediates ubiquitin stability and function in neurons. The COE International Symposium on Recent Advances in Research for Neurodegeneration. Tokyo, 3.6 (2002) 38. Wada K, Wang YL, Aoki S, Osawa Y, Li H, Takizawa S, Sakurai M, Yuda K, Hara Y, Osaka H: THE gad MOUSE: A USEFUL MODEL FOR INVESTIGATING NEURO-DEGENERATION 、 XIV International Congress on Parkinson’s Disease, Helsinki, 7.30 (2001) 39. Osaka H, Wang YL, Takizawa S, Aoki S, Sakurai M, Li H, Hara Y, Takada K, Noda M, Wada K: Ubiquitin C-terminal hydrolase as a regulator of ubiquitin level. Society for Neuroscience, 31st Annual Meeting, San Diego, USA, 11.11 (2001) 40. Takizawa S, Wang YL, Osaka H, Yuda K, Sakurai M, Aoki S, Nishikawa K, Sato Y, Wada E, Harada T, Harada C, Takada K, Takeda A, Wada K: Novel function of ubiquitin C-terminal hydrolase and therapeutic trial. Society for Neuroscience, 31st Annual Meeting, San Diego, USA, 11.11 (2001 41. 小川雅文, 川井 充, 重藤寛史, 大矢 寧, 山本敏之, 大石健一, 西川 徹, 和田圭司: サイクロセリンの脊髄 小脳変性症への臨床応用. 第42回日本神経学会総会, 東京, 5.11 (2001 42. 山田一之,山田祐子,小坂 仁,王 玉来,和田圭司: 2 薄束核−軸索変性(gad)マウスの行動解析. 日本動物心理学会大会、神戸, 9.23 (2001 47 第61回 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 43. 野田百美, 萩野由紀子, 仮浦幸弘, 渋谷佳子, 中西 博, 青木俊介, 和田圭司: ラット・ミクログリアに発現す るブラジキニン受容体、第44回日本神経化学・第24回日本神経科学合同大会(京都)9.28 (2001 44. 小坂 仁, 王 玉来, 滝沢修一, 櫻井省花子, 青木俊介, 李 航, 原 洋子, 佐藤野衣, 西川香理, 竹田礼子, 木村一郎, 高田耕司, 野田百美, 和田圭司: Ubiquitin C-terminal Hydrolase L1 の機能と神経変性、第44回 日本神経化学・第24回日本神経科学合同大会(京都)9.28 (2001 45. 滝沢修一, 小坂 仁, 王 玉来, 高田耕司, 櫻井省花子, 千葉 茂, 野田百美, 和田圭司: ユビキチン C 末端 水解酵素1型の機能解析 I:―基質・相互作用蛋白の同定―、 第24回日本分子生物学会年会、横浜、12. 12 (2001 46. 王 玉来, 小坂 仁, 高田耕司, 佐藤野衣, 孫 英傑, 李 航, 青木俊介, 櫻井省花子, 原 洋子, 木村一郎, 西川香里, 竹田礼子, 野田百美, 濤川一彦, 木山博資, 和田圭司: ユビキチン C 末端水解酵素1型の機能解 析 II:―神経系におけるユビキチン量の制御―、第24回日本分子生物学会年会、横浜、12. 12 (2001 47. 小坂 仁, 王 玉来, 滝沢修一, 高田耕司, 佐藤野衣, 原田高幸, 原田知加子, 千葉 茂, 野田百美, 和田 圭司: ユビキチン C 末端水解酵素1型の機能解析 III:―ユビキチン化・ユビキチン依存性蛋白分解への影響―、 第24回日本分子生物学会年会、横浜、12. 12 (2001 48. 佐藤野衣, 湯田和洋, 小坂 仁, 王 玉来, 滝沢修一, 大澤由記子, 千葉 茂, 野田百美, 和田圭司: ユビキ チン C 末端水解酵素1型の蛋白導入治療、 第24回日本分子生物学会年会、横浜、12. 12 (2001 49. 野田百美, 和田圭司: パーキンおよび脱ユビキチン化酵素の過剰発現による ATP 受容体の修飾、第12回日本 病態生理学会、松山、1.26 (2002) 50. 和田圭司, 野田百美: 脱ユビキチン化酵素によるユビキチンの安定化と神経変性・神経伝達、第12回日本病 態生理学会、松山、1.26 (2002) 51. Kariura Y, Nishikawa K, Aoki S, Wada, K, Noda M: Expression and function of bradykinin receptor in microglia. The Third International Symposium on the Study of Brain Function. Fukuoka, 5.9 (2002) 52. Shimada S, Kanahori Y, Wada K, Noda M: Regulation of ATP receptor by de-ubiquitinating isozyme. The Third International Symposium on the Study of Brain . Fukuoka, 5.9 (2002) 53. Takada K, Ohkawa K, Wada K, Ohtaki H, Shioda S: Direct identification of ubiquitin-protein conjugates accumulated in post-ischemic reperfused brains. FASEB Summer Research Conference: Amyloids and Other Abnormal Protein Folding Processes. Snowmass, Colorado, 6.17 (2002) 54. Yoshida, M., Yonetani, A., Shirasaki, T. and Wada, K. Inhibitory effect of NaCl on degeneration in mdx mouse muscle. Xth International Congress on Neuromuscular Disease, Vancouver, 7.1 (2002) 55. Noda M, Kanahori Y, Shimada A, Nishikawa K, Aoki S, Osaka H, Wada K: Regulation of ATP receptor by a de-ubiquitinating isozyme. 32nd Annual Meeting of Society for Neuroscience, Orlando, FL, 11.5 (2002) 56. Osaka H, Wang YL, Sato Y, Setsuie R, Sakurai M, Takada K, Noda M, Wada K: Ubiquitin carboxy-terminal hydrolase mediates ubiquitin stability and function in neurons. Society for Neuroscience. 32nd Annual Meeting of Society for Neuroscience, Orlando, FL, 11.5 (2002) 57. Mi W, Beirowski B, Wagner-Stippich D, Glass JD, Addicks K, Osaka H, Wada K, Coleman MP: The Wlds mutation: inheritance and the effect on garcile axonal dystrophy. 32nd Annual Meeting of Society for Neuroscience, Orlando, FL, 11.5 (2002) 58. Fukazawa N, Aoki S, Ayukawa K, Maeno H, Kudo Y, Kiyama H, Wada K: AIGP3, a novel oligodendrocyte membrane protein. 32nd Annual Meeting of Society for Neuroscience, Orlando, FL, USA, 11. 7 (2002) 59. Harada T, Harada C, Kohsaka S, Tanaka K, Parada LF, Wada K: Microglia-Muller glia cell interaction controls neurotrophic factor production during light-induced retinal degeneration. 32nd Annual Meeting of Society for Neuroscience, Orlando, FL, USA, 11. 7 (2002) 60. Noda M, Kariura Y, Amano T, Manago Y, Nsihikawa K, Aoki S, Wada K: Expression and function of bradykinin 48 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 receptors in microglia. Gordon Research Conference, Ventura, CA, USA, 2.25 (2003) 61. 滝澤修一, 小坂 仁, 王 玉来, 佐藤野衣, 櫻井省花子, 原 洋子, 孫 英傑, 李 航, 青木俊介, 和田圭司: ユビキチンC末端水解酵素の機能解析, 第43回日本神経学会総会, 札幌, 5.30 (2002) 62. 吉田瑞子、米谷 明、白崎俊浩、和田圭司: mdx マウス雌の血中の CK 値は雄の約半分, その原因を求めて, 第43回日本神経学会総会, 札幌, 5.30 (2002) 63. 小坂 仁, 王 玉来, 佐藤野衣, 節家理恵子, 李 航, 西川香里, 青木俊介, 高田耕司, 野田百美, 和田圭 司: 脱ユビキチン化酵素によるユビキチン代謝制御と神経変性, 第25回日本神経科学大会, 東京, 7.8 (2002) 64. 野田百美, 金堀佳子, 嶌田亜希, 青木俊介, 王 玉来, 小坂 仁, 和田圭司: Regulation of P2X receptor by ubiquitin C-terminal hydrolase 1, 第45回日本神経化学会大会, 札幌, 7.1 (2002) 65. 真子好正, 嶌田亜希, 青木俊介, 西川香里, 和田圭司, 野田百美: パーキンソン病遺伝子産物による受容体 チャネルの制御, 第2回神経科学合同セミナー, 福岡, 9.9 (2002) 66. 小坂 仁, 王 玉来, 佐藤野衣, 節家理恵子, 安田理人, 工藤佳久, 高田耕司, 野田百美, 和田圭司: 脱ユ ビキチン化酵素による新たなユビキチン代謝制御, 第 75 回日本生化学会大会, 京都, 10.16 (2002) 67. 高田耕司, 青木勝彦, 高橋紗夜子, 大滝博和, 塩田清二, 和田圭司, 大川 清: 脳内ユビキチン化蛋白質の 網羅的解析− 虚血再還流はなにをもたらすのか.第 75 回日本生化学会大会, 京都, 10.17 (2002) 特許等出願等 特許出願番号:2003−303370 発明の名称:ユビキチン C 末端水解酵素発現マウス 発明者:和田圭司他4名 特許出願人:国立精神・神経センター、科学技術振興事業団 出願年月日:平成15年8月27日 特許出願番号:2003−136477 発明の名称:ハンチントン病遺伝子の発現抑制 発明者:和田圭司他5名 特許出願人:科学技術振興事業団 出願年月日:平成15年5月15日 受賞等 なし 49 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 1. 遺伝性神経・筋変性疾患の分子機構の解明と予防・治療法の開発 1.4. ミトコンドリア脳筋症 国立精神・神経センター神経研究所微細構造研究部、同疾病研究第二部 後藤 雄一、埜中 征哉、西野 一三、作田 亮一、小澤 真津子、村木 可枝、小牧 宏文、井手 口博、赤沼 順、三牧 正和 ■要 約 この 10 年間の研究で、ミトコンドリア脳筋症の病因・病態の解明は大きく進歩した。特に、ミトコンドリア脳筋症患者骨格 筋、筋芽細胞およびそれらを用いた各種サイブリッドの保存は、臨床研究や基礎研究の基盤となる。また、欠失ミトコンドリ ア DNA を有するモデル動物の作製の成功は大きな成果であり、国際的にも高く評価された。この成功を他の点変異を有 する疾患へと応用させることが新しい予防法・治療法を開発するための今後の課題となる。ミトコンドリア脳筋症の研究は特 殊な病気の研究ではなく、がんをはじめ、肥満、高血圧、糖尿病などの生活習慣病との関連でも重要な研究分野となって おり、着実に研究を推進させなくてはならない。 ■目 的 ミトコンドリア脳筋症とは、細胞レベルのミトコンドリア機能異常を本態とし、組織・臓器レベルで臨床症状を発現している 病気の総称であると定義できる。ミトコンドリアは細胞内小器官の一つであり、その主要なはたらきはエネルギー産生である。 糖、アミノ酸、脂肪酸などのエネルギー産生源となる基質が最終的にミトコンドリア内で効率的に ATP へと変換される。した がって、ミトコンドリア脳筋症は、細胞のエネルギー産生低下による病態と考えられる。脳筋症という名前の由来も、特にエ ネルギー依存度の高い中枢神経細胞や骨格筋細胞が障害されやすいことからきている。実際、特徴的な中枢神経症状か らミトコンドリア脳筋症の3大病型が提唱された1)が、中枢神経症状だけでも実に様々な症状が出現するため、この病型に 合わない症例が続出しているのが現状である。さらに、ミトコンドリアは身体の至る所の細胞内に存在しているので、その機 能障害はあらゆる臓器症状を引き起こすと言っても過言ではない。 ミトコンドリア脳筋症の中で、最も頻度が高いのが電子伝達系酵素異常症である。電子伝達系酵素は蛋白複合体であり、 いくつものサブユニットからできている。特徴的なことは、そのサブユニットをコードしている遺伝子が核 DNA とミトコンドリア DNA(mtDNA)の両方に存在し、病因として両者の変異がありうることである。mtDNA は環状2本鎖構造であり、ヒトでは 16568 塩基でできている。1 個のミトコンドリアに 5 ないし 10 コピー存在し、ミトコンドリアが 1 細胞に数百存在するので、1 細 胞には数千コピー存在する計算になる。また、mtDNA は核 DNA に比較して 10 倍くらい変異を起こしやすい。また、細胞分 裂に際して、核ではない成分から遺伝情報が伝わるという意味で細胞質遺伝という性質があり、その極端な例は受精の際 に認められ、精子由来のミトコンドリア(DNA)は卵に入らず、万が一入っても排除される機構の存在が知られている。すな わち、mtDNA 変異自体の遺伝様式は、突然変異か母系遺伝となる。 mtDNA は、欠失が 1988 年に初めて報告されて以来、重複、点変異、欠乏状態(量の減少)といろいろな異常が実際の 患者で明らかにされてきた。本研究では、特に mtDNA 異常に関連する病気の発症メカニズムを理解し、予防・治療法を開 発することをめざした。 また、ミトコンドリア機能異常は、核 DNA 変異によっても起こり、徐々にその病因遺伝子が同定されてきた。本研究では、 そのような核 DNA の研究も進めることで、さらにミトコンドリアと核のクロストークの理解とその破綻についての理解が進み、 新たな治療法の開発を試みることも大きな目的である。 ■ 研究方法 1. 病因となるミトコンドリア DNA 変異の同定及び患者由来培養細胞の樹立 50 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 ヒトの mtDNA を調べると、報告されている標準的な配列、正常者に認める多型、病気との関係が強い変異とに分けられ る。1980 年に HeLa 細胞の mtDNA 塩基配列が報告され2)、1999 年に再検査と改訂が行われた3)。また、正常者に認める 多型は、MITOMAP(http://www.mitomap.org/)などのデーターベースに情報が蓄積されるとともに、人種ごとの詳細なデ ータが多くの研究者により報告されている。 我々は日本各地の病院(大学病院、一般病院)の医師から、年間 200 例以上のミトコンドリア脳筋症の検査依頼がくる。 その内容は、生検骨格筋による病理検査、生化学検査、遺伝子検査であり、また剖検臓器や血液を用いた遺伝子検査で ある。その結果、現在までに、ミトコンドリア脳筋症確定例だけで 500 例を越え、そのほとんどの例で生検骨格筋が凍結保 存されている。また最近は、患者骨格筋細胞の培養を行い、種々の mtDNA 変異を有する貴重な培養細胞系を得ている。 これらの貴重な試料は、患者のインフォームド・コンセントを得て、研究使用した。 病的遺伝子の同定を効率的にまた確実に行なうために、mtDNA 全周をオーバーラップする3個の領域に分け、long PCR 法で増幅した。この方法により、核 DNA 上に存在している mtDNA 類似配列の排除を確実に行うことが可能となった。 さらに、3 個の領域を鋳型として、96 個のシークエンスプライマーを作製し、96 キャピラリーの蛍光シークエンサーで一度に 塩基配列を同定する方法を開発し、研究に活用した 4)。 2. 任意の DNA をミトコンドリアに導入する方法の開発 1990 年代に、HeLa 細胞などの培養細胞を低濃度の ethidium bromide という薬剤で処理すると、ミトコンドリアはあるが、 ミトコンドリア DNA の存在しない細胞(これをローゼロ細胞という)を作ることが報告された。このローゼロ細胞に対して、別な mtDNA を持つミトコンドリアを含む細胞質を融合させる方法(サイブリッド作製法)が確立し、mtDNA 変異の研究に使用され ている5)(図1)。 ローゼロ 細胞 HeLa 細胞など N 遠心分離法 mtDNA なし 前段階 N N エレクトロ ポレーション EtBr 処理 融合 第1段階 N マイクロ インジェクション 患者由来細胞 サイブリッド 第2段階 N N 脱核 図2 ミトコンドリアへの2段階 図1 ローゼロ 細胞とサイブリッド DNA 導入法 サイブリッドは、変異 mtDNA を維持する効用とともに、サブクローンを行うことで変異率の高い細胞を得ることができるメリ ットがある。しかし、これらは自然に発生した mtDNA 変異を維持・増殖させることは可能であるが、任意の変異を mtDNA に 導入することは不可能である。そこで、任意の DNA を導入することを目的に、DNA をコーティングしたタングステン粒子を外 部から空気銃で細胞に打ち込む方法、ミトコンドリア移行シグナルをつけた DNA を用いる方法、などが試みられたが、DNA がレシピエント細胞のミトコンドリアに導入できてもそれが機能した証拠が得られておらず、mtDNA の改変は成功していな い。われわれは、細胞から一度ミトコンドリア分画を分離し、そこに外から DNA を導入した後、ミトコンドリアを細胞にもどす 方法(2段階導入法)を試みた(図 2)。 3. ミトコンドリア脳筋症モデル動物の作製 老齢マウスの脳内シナプスから得られた欠失 mtDNA を有するマウス-サイブリッドを作製し、欠失 mtDNA の比率の高い 細胞を脱核し、受精卵と融合させることで、新たなマウスを作製した 6)(図 3)。 51 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 Electrofusion Cytoplasts Cybrids with △mtDNA Insert into The perivitelline space Embryo transfer Embryo culture Polar body Pronuclear stage embryo Embryo donor Pseudopregnant mouse F1 - F3 mice F0 mice Foster mother 図3 欠失mtDNA を 有するマウスの作製のしかた 4. 核とミトコンドリアのクロストークとその破綻による病態の研究 病的 mtDNA 変異の多くは転移 RNA 領域にあるヘテロプラスミーで存在している点変異である。特に 3243 変異はミトコ ンドリア脳筋症でもっとも頻度の高い変異として知られている 7)。このような 3243 変異に代表されるヘテロプラスミーで存在 する変異は、患者剖検組織毎でその変異型の比率が大きく異なり、当初はその違いが臨床症状の多様性の根拠と考えら れた。そこで、われわれは患者骨格筋の切片から個々の筋線維(筋細胞)を取り出し、変異型の比率を調べたところ、ミトコ ンドリア形態異常を持つ筋線維には高い変異率が検出された 8) 。また、サイブリッドを使って形態学的・生化学的に研究し た結果、変異率がある一定値(閾値)以上になって初めて、電子伝達系酵素活性の低下、形態学的変化が出現することを すでに証明した。 そこで、変異 mtDNA 比率が改善した症例の特殊例の患者細胞株を樹立し、サイブリッドを作製した。この変異 mtDNA 比率が改善した症例は、12.5 年の経過で骨格筋における 3243 変異の比率が 78%から 25%にまで減少し、臨床症状も改 善した 9)。その患者からインフォームド・コンセントを得て、線維芽細胞を樹立した。患者の mtDNA には、L 鎖複製開始点周 辺に新規の多型がみつかり、DNA 複製に関わる可能性が考えられた。また、この線維芽細胞を継代し変異率が変動する かどうかを確認したところ、3243 変異が上昇するクローンと低下するクローンが得られた。この2群を比較することで、3243 変異の変動に関わる新たな因子の同定を試みた。 ■ 研究成果 1. 病因となるミトコンドリア DNA 変異の同定及び患者由来培養細胞の樹立 表1 新規に同定した病的変異 転移RNA 転移RNA 3242 3244 3260 8296 8356 8363 9155 15915 変異 変異 変異 変異 変異 変異 変異 変異 患者由来培養細胞系 転移RNA 転移RNA 以外 初代培養系 3243 変異 3271 変異 などの点変異 欠失 COX欠損症 などで、 総計78 症例 9176 変異 13513 変異 核DNA SDH1 SURF1 ANT *下線は日本人で初めての症例 52 ローゼロ 細胞 3243 変異 3244 変異 3271 変異 3290 変異 8344 変異 8363 変異 9155 変異 11777 変異 15915 変異 欠失 など 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 2. 任意の DNA をミトコンドリアに導入する方法の開発 前段階として、HeLa 細胞を用いて、従来から行われている遠心分画法で得られたミトコンドリア分画をフィルタリングした。 この行程は1時間以内で終了した。この分画を電子顕微鏡で形態を観察すると、核の成分や他の細胞分画が比較的少な いサンプルが得られていることが判明した。内膜のクリスタも良く保たれたミトコンドリアが多数存在した。さらに、DNase 処理 をした分画と処理しない分画を用いて、核成分の残りぐあいをサザン法で検討した。プローブは、mtDNA の部分プローブと 核 DNA 上に存在するリボソーム RNA をコードする領域を認識するプローブを用いた。この分画を DNase 処理したものでは、 サザン法で核のプローブで反応するものがなく、きわめて純度の高いミトコンドリア分画が得られていることが証明できた。 第1段階の、ミトコンドリア分画に外から DNA を導入する方法としてエレクトロポレーションを用いた。エレクトロポレーショ ン前後のミトコンドリア膜を電子顕微鏡で観察したが、特に相違を認めなかった。導入する DNA としては、4kb の plasmid DNA を用い、導入の確認は PCR 法とサザン法を用いた。エレクトロポレーションを行ったミトコンドリア分画と plasmid DNA との混合液は、Dnase 処理を行ってミトコンドリア外に存在する DNA を除いてから DNA を抽出した。第1段階でエレクトロポ レーションを行ったあと、plasmid DNA は確実に導入されていることをサザン法と PCR 法で確認した(図 4)。 第2段階のミトコンドリアを細胞に戻す方法として、マイクロインジェクション法を用いた。まず前段階の方法で得られたミト コンドリア分画の浮遊液をそのままミトコンドリア DNA を欠く細胞(ローゼロ細胞)にインジェクションしたところ、cytochrome c oxidase (COX) 活性を有するミトコンドリアが光顕レベルで確認できた(図 5)。しかし、インジェクションされたミトコンドリアは 少量であり、しかも1週間以上の培養でも導入された細胞の選択的増殖は得られなかった。 3. ミトコンドリア脳筋症モデル動物の作製 老齢マウスの脳内シナプスから得られた欠失 mtDNA を有するマウス-サイブリッドを作製し、欠失 mtDNA の比率の高い 細胞を脱核し、受精卵と融合させることで、新たなマウスを作製した 6)(図 3,6)。このマウスの特徴は、変異率の低い場合は 臨床症状を示さずに 2 年間生存したのに対し、変異率の高い(約 80%以上)場合は、おおよそ生後 6 ヶ月で腎不全で死亡 53 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 する。死亡前の骨格筋(図 7)、心臓、網膜などを検討したところ、ヒト疾患である Kearns-Sayre 症候群ときわめて類似した病 理所見を呈した 6)10)11) 。これらの事実は、このマウスが欠失 mtDNA を有するミトコンドリア脳筋症のモデル動物として、病 態・治療研究にきわめて有用であることを示している。しかし、腎障害が強く早期に死亡するため、年齢が進んでから発現 する中枢神経障害の研究には使用しにくい。 また、遺伝形式に関して、大きな問題を提起した。このマウスは、母系遺伝で欠失 mtDNA が伝わっている。通常ヒト疾患 では、単一欠失を有する患者は散発性に認められる。したがって、多くは突然変異によるものと考えられている。しかし、例 外的に、重複 mtDNA を有する場合に母系遺伝と考えられる症例の報告がある。実際、この一部のマウスでも骨格筋や血 液に重複 mtDNA が検出できている 6)。この事実から、直ちに重複 mtDNA を介して母系遺伝したとは結論づけられないが、 このマウスの卵を詳細に調べることで重複 mtDNA と母系遺伝の関係、もしくは欠失 mtDNA 自体の母系遺伝の可能性につ いての研究が進められる。 4. 核とミトコンドリアのクロストークとその破綻による病態の研究 3243 変異の比率が時間の経過とともに増加するA系列と低下するB系列が得られた(図8)。両系列において、変異率が 増加(もしくは低下)する前後におけるミトコンドリア DNA の全塩基配列を調べたところ、3243 変異を含む4個の変異が存在 した(表2)。 % Mutant 100 A系列 B系列 80 60 185 WT A G T T A1 G 10 % G 78 % G 10 % G 1% A (Homo) A/G (Hetero) A (Homo) C (Homo) C (Homo) C (Homo) C (Homo) T (Homo) T/C (Hetero) T (Homo) A2 40 B1 20 0 3243 B2 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 Days after cultivation A (Homo) 5775 表2 両細胞系列の培養初期と後期のミトコンドリア 図8 3243 変異率が時間とともに変動する2つの細胞系列 7080 T (Homo) DNA 全塩基配列 そのうち、5775 変異はホモプラスミーで存在していたが、3243 変異と同様にヘテロプラスミーとして存在していたのは 2 個 であった。1つは 185 変異で、3243 変異率の上昇とともに変異型のAの比率が低下し野生型のGをもつゲノムの比率が増加 していた。もう一つは 7080 変異であり、185 に比較すると 3243 変異の挙動に一致はしないが、野生型のTの比率が低下し変 異型のCの比率が増加していた。さらに詳細に 3243 変異率の変動との関係を調べたところ、図9のような挙動を示した。 54 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 % Mutant 100 3243 変異型 185 野生型 80 7080 変異型 60 40 20 10 20 30 40 50 60 70 Days after cultivation 図9 3243 VS 185 VS 7080 時間の経過とともに 3243 変異率が上昇する系列では、185 変異型の減少(野生型の増加)と 7080 変異型の上昇がパラ レルに動いていた。185 変異は、正常対照者 200 人のうち1人に存在し、7080 変異は正常対照者 200 人には存在しなかっ た)。したがって、これらはきわめて希な多型であり、3243 変異率の変動への関与の可能性がある。 185 変異の存在する部位は D-loop の中のH鎖複製開始点の近傍である。DNA ポリメラーゼγや Tfam などの複製に係 わる諸因子と 185 部位の塩基との相互作用が存在し、それに変化が起きている可能性がある。今後の検討課題である。ま た、7080 変異は COIサブユニットのなかの 386 番目のアミノ酸であるフェニルアラニンがリジンに変化する変異であるが、 3243 変異率の変動との直接的な関係は不明である。 ■考 察 1. 得られた成果の臨床的意義 ミトコンドリア脳筋症患者骨格筋、筋芽細胞およびそれらを用いた各種サイブリッドの保存は、臨床研究や基礎研究の基 盤となる。また、今回のミトコンドリア脳筋症のモデル動物の作製の成功は、それに対応するヒト疾患の病態解明、治療薬の 投与実験などにきわめて有用である。また、遺伝形式に関する研究から、臨床的には遺伝カウンセリングなどに重要な情 報を与えることが可能になるであろう。さらに、変異率の変動に関わる因子の探索については、確たる因子の同定には至っ ていないものの、今後の新たな予防法や治療法の開発研究の進展が十分期待できる状況である。 2. 今後の課題および展望 2.1. mtDNA 異常の発現研究 ミトコンドリア脳筋症、特に mtDNA 異常による病態を理解するためには、変異mtDNA の発現解析(分子レベル、ミトコンドリ アレベル、細胞レベル)が重要である。その意味で、日本医大と東大のグループによる 3243 変異や 8344 変異による転移 RNA アンチコドン修飾異常の研究は分子レベルの研究として意義深い。また、筑波大学の林らの研究で、異種の mtDNA が 互いに代償するかどうかのミトコンドリアもしくは細胞レベルの研究も重要である。しかし、核 DNA に比べると mtDNA の in vitro 発現系は不十分であり、やはり任意の DNA をミトコンドリア内に導入する方法の確立が望ましい。また、細胞レベルと越えて、 組織・臓器レベルの mtDNA 発現を研究するには、モデル動物の作製が不可欠であり、一度変異を導入できた mtDNA さえ得 れば新たなモデルマウスの作製を可能にした今回のわれわれの研究成果は、将来の研究につながるものと考える。 2.2. 治療法の開発 ヘテロプラスミーと閾値の関係から、変異率のわずかな減少が細胞機能を回復させたり、機能障害を引き起こさないよう にしたりすることが理論的に可能である。したがって、ヘテロプラスミーを決めている要因の解析は、今後の研究の一つの 流れになるであろう。そのためには、われわれが用意した患者培養系は大きなリソースになる。特に、自然に軽快するミトコ ンドリア脳筋症の患者培養細胞を有効に利用することが肝要である。また、外部からの mtDNA 改変技術の開発は、将来の mtDNA 遺伝子治療の基盤となる。 55 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 2.3.ミトコンドリアの生理作用の基礎研究 ミトコンドリア機能低下による病気であるミトコンドリア脳筋症において、その基本はエネルギー産生低下であると考えられ る。しかし、ミトコンドリアはエネルギー産生ばかりでなく、同時に活性酸素を産生する場所でもあり、またカルシウムイオンの リザーバーの場所でもあり、さらにアポトーシスにおけるシグナルの拠点でもある。このような、ミトコンドリア機能の多様性か ら、ミトコンドリア脳筋症においてもこれら機能の解析が病態を理解するには必要である 11)。したがって、ミトコンドリア機能の 生理作用の基礎研究をミトコンドリア脳筋症研究に応用する必要があり、その意味でも基礎研究者と臨床研究者の連携が 重要である。 ■ 引用文献 1. 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Nakamura M, Nakano S, Goto Y, Ozawa M, Nagahama Y, Fukuyama H, Akiguchi I, Kaji R, Kimura J: A novel point mutation in the mitochondrial tRNA-Ser(UCN) gene detected in a family with MERRF/MELAS overlap syndrome. Biochem Biophys Res Commun 214, 86-93 (1995) 3. Mizukami K, Sasaki M, Imai K, Hori T, Shiraishi H, Haraoka S, Watanabe T, Kosaka K, Goto Y: Progressive myoclonus epilepsy with unusual neuropathologic features. Neuropathology 15, 127-132 (1995) 4. Nakagawa E, Osari S, Yamanouchi H, Matsuda H, Goto Y, Nonaka I: Long-term therapy with cytochrome c, flavin mononucleotide and thiamine diphosphte for a patient with Kearns-Sayre syndrome. Brain Dev 18, 68-70 (1996) 5. Nakagawa E, Ozawa M, Yamanouchi H, Sugai K, Goto Y, Nonaka I: Severe central nervous system involvement in a patient with congenital fiber-type disproportion myopathy. J Child Neurol 11, 71-73 (1996) 6. 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Suzuki Y, Goto Y, Taniyama M, Nonaka I, Murakami N, Hosokawa K, Asahina T, Atsumi Y, Matsuoka K: Muscle histopathology in diabetes mellitus associated with mitochondrial tRNA-Leu(UUR) mutation at position 3243. J 57 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 Neurol Sci 145, 49-53 (1997) 15. Takai D, Inoue K, Goto Y, Nonaka I, Hayashi J-I: The interorganellar interaction between distinct human mitochondria with deletion mutant mtDNA from a patient with mitochondrial disease and with HeLa mtDNA. J Biol Chem 272, 6028-6033 (1997) 16. Ozawa M, Nishino I, Horai S, Nonaka I, Goto Y: Myoclonus epilepsy associated with ragged-red fibers: a G-to-A mutation at nucleotide pair 8363 in mitochondrial RNA-Lys in two families. Muscle Nerve 20, 271-278, 1997 17. Muraki K, Goto Y, Nishino I, Hayashi M, Takeuchi S, Horai S, Sakura N, Ueda K: Severe lactic acidosis and neonatal death in Pearson syndrome. J Inherit Metab Dis 20, 43-48 (1997) 18. 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Annals of Otology, Rhinology & Laryngology, 114: 153-160 (2005) 58. . Kirino Y, Goto Y, Campos Y, Arenas J, Suzuki T: Specific correlation between the wobble modification deficiency in mutant tRNA and the clinical features of a human mitochondrial disease. Proc Natl Acad Sci (in press) 原著論文以外による発表(レビュー等) 国内誌(国内英文誌を含む) 1. 後藤雄一:筋ジストロフィー、筋強直症、696 頁−699 頁、ミトコンドリア脳筋症、700 頁−701 頁(矢崎義雄・戸田剛 太郎 監修:疾患別最新処方、メジカルビュー社、東京) (1995) 2. 後藤雄一:KSS/CPEO、691 頁−692 頁、その他のミトコンドリア病、707 頁−708 頁(古庄敏行・井村裕夫 監修・ 編集:臨床DNA診断法、金原出版、東京)(1995) 3. 後藤雄一:ミトコンドリア病、795 頁−808 頁(SELECTED ARTICLES 1996;イヤーノート 1996,メディックメディア、 東京)(1995) 4. 後藤雄一:MELAS、小児科診療 61、581-584 (1995) 5. 小澤真津子、後藤雄一:MELAS、最新医学 50、1292-1296 (1995) 6. 埜中征哉:ミトコンドリア病の組織像、最新医学 50、36-45 (1995) 7. 埜中征哉:ミトコンドリア脳筋症の診断基準・病型分類・重症度、内科 75、1392-1395 (1995) 8. 埜中征哉:ミトコンドリア病、ブレインサイエンス 17、47-5 (1996) 9. 後藤雄一:MELAS、51 頁−55 頁(最新内科学大系第 11 巻代謝疾患6「ミトコンドリア病、リソソーム病」、中山書店、 東京)(1996) 10. 後藤雄一:MELAS、88 頁−89 頁(垂井清一郎・多田啓也 編:Molecular Medicine Vol.33 臨時増刊号 遺伝子 病マニュアル㊦、中山書店、東京)(1996) 11. 西野一三:ミトコンドリア DNA 欠乏症(垂井清一郎・多田啓也 編:Molecular Medicine Vol.33 臨時増刊号 遺伝 子病マニュアル㊦、中山書店、東京)(1996) 12. 後藤雄一:遺伝子解析による先天代謝異常検査(ミトコンドリア病)、197 頁−200 頁(松尾宣武編:小児科診療第 59 巻増刊号、診断と治療社、東京)(1996) 13. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症、63 頁−71 頁、MELAS、271 頁−278 頁(最新内科学大系第 71 巻神経疾患7「ミ 60 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 オパチー」、中山書店、東京)(1996) 14. 後藤雄一:ミトコンドリア遺伝子異常を伴う疾患、196 頁−198 頁(中村祐輔編:実験医学別冊 Bio Science 用語 ライブラリー 『遺伝子病』、羊土社、東京)(1996) 15. 後藤雄一:ミトコンドリア病、1305 頁−1323 頁(SELECTED ARTICLES 1997, イヤーノート 1997, メディックメディ ア、東京)(1996) 16. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症、医学のあゆみ 179、348-353 (1996) 17. 小澤真津子、後藤雄一:ミトコンドリア病と遺伝子、小児科診療 59、1851-1857 (1996) 18. 後藤雄一:総論−診断へのアプローチ、77 頁−83 頁、MELAS、84 頁−98 頁、Leber 病、149 頁−153 頁、Pearson 病、163 頁−166 頁、ミトコンドリア DNA 欠乏症候群、183 頁−188 頁、治療、189 頁−194 頁(埜中征哉・後藤雄一 編:ミトコンドリア病、医学書院、東京) (1997) 19. 岡 芳知、後藤雄一:ミトコンドリア糖尿病、86 頁、診断と治療社、東京(1997) 20. 後藤雄一:ミトコンドリア病、1305 頁−1323 頁(SELECTED ARTICLES 1998, イヤーノート 1998, メディックメディ ア、東京)(1997) 21. 後藤雄一:片頭痛の分子生物、224 頁−230 頁(高倉公朋・宮本忠雄 監修:最新 脳と神経科学シリーズ6, 痛 みの神経科学、メディカルビュー社、東京)(1997) 22. 後藤雄一:ミトコンドリア遺伝病、細胞 29、496-499 (1997) 23. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症、臨床検査 41、1293-1296 (1997) 24. 後藤雄一:ミトコンドリア DNA 変異とミトコンドリアミオパチーの3大病型−CPEO, MELAS, MERRF−、日本臨床 55、 3259-3264 (1997) 25. 埜中征哉:ミトコンドリア病の組織化学、臨床検査 41、1505-1508 (1997) 26. 後藤雄一:ミトコンドリア病、1405 頁−1423 頁(SELECTED ARTICLES 1999, イヤーノート 1999, メディックメディ ア、東京) (1998) 27. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症−新しい遺伝子変異と治療戦略、366 頁−375 頁(最新内科学大系プログレス12、 神経・筋疾患、中山書店、東京)(1998) 28. 後藤雄一: Kearns-Sayre 症候群、382 頁−383 頁(梶井正・黒木良和・新川詔夫・福嶋義光編: 新 先天奇形症 候群アトラス、南江堂、東京)(1998) 29. 後藤雄一:電子伝達系複合体I欠損症、488 頁−490 頁、電子伝達系複合体Ⅱ欠損症、491 頁−493 頁(領域別 症候群シリーズ NO.19、先天代謝異常症候群(下巻)、日本臨床、東京)(1998) 30. 村木可枝、後藤雄一:ミトコンドリア異常症の遺伝相談、小児内科 30、1135-113 (1998) 31. 村木可枝、後藤雄一:ミトコンドリアミオパチー、小児内科 30、1317-1321 (1998) 32. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症、アムニス 3、18-23 (1998) 33. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症の最新治療情報、難病と在宅ケア 4、14-17 (1998) 34. 埜中征哉:ミトコンドリア病、54 頁−59 頁(内科臨床リファレンスブック疾患編Ⅱ、中山書店、東京)(1998) 35. 埜中征哉:人体のエネルギー代謝−代謝管理と運動療法の機序 ミトコンドリア病、最新医学 54、40-4 (1999) 36. 埜中征哉:ミトコンドリア:概論、483 頁−487 頁、電子伝達系複合体Ⅳ(チトクロームc酸化酵素)欠損症、497 頁 −500 頁(領域別症候群シリーズ NO.19、先天代謝異常症候群(下巻)、日本臨床、東京) (1998) 37. 牧野道子、埜中征哉:ミトコンドリア病の疫学、406 頁−412 頁(Annual Review 神経 1999、中外医学社、東京) (1998) 38. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症、249 頁−250 頁(多賀須幸男・尾形悦郎 総編集:1999 今日の治療指針、医学書 院、東京)(1998) 39. 後藤雄一:ミトコンドリア病、1405 頁-1423 頁(SELECTED ARTICLES 1999,イヤーノート 1999, メディックメディア, 東京) (1999) 40. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症、249 頁-250 頁(今日の治療指針 1999 年版 医学書院, 東京) (1999) 61 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 41. 後藤雄一:ミトコンドリア病、medicina 36、1325-1327 (1999) 42. 後藤雄一:Leigh 脳症、CLINICAL NEUROSCIENCE 17、288-29 (1999) 43. 後藤雄一、荒畑喜一:ミトコンドリア異常と神経障害、日本内科学会雑誌 88、29-34 (1999) 44. 後藤雄一:ミトコンドリア遺伝病、 臨床医 25、25-29 (1999) 45. 後藤雄一:ミトコンドリアミオパチー、CLINICAL NEUROSCIENCE17、47-50 (1999) 46. 埜中征哉:ミトコンドリア DNA 変異と疾患、細胞 31、187-191 (1999) 47. 後藤雄一:ミトコンドリア病、240 頁-246 頁(新女性医学大系 28 遺伝の基礎と臨床, 中山書店, 東京) (2000) 48. 後藤雄一:ミトコンドリアミオパチー、神経研究の進歩 44、243-251 (2000) 49. 西野一三、埜中征哉:ミトコンドリア脳筋症、ふたたび、実験医学 19、412-41 (2001) 50. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症、252 頁-258 頁(先端医療シリーズ 14 神経・筋疾患「神経・筋疾患の最新医療」 先端医療技術研究所, 東京)(2001) 51. 後藤雄一:ミトコンドリア病の病態特性と臨床診断、326 頁-331 頁、ミトコンドリア病の治療、376 頁-380 頁(内海 耕三、井上正康編, 新ミトコンドリア学, 共立出版, 東京)(2001) 52. 後藤雄一:小児神経学-最近の展望(先天異常、遺伝)、157 頁-158 頁(小児神経学の進歩第 30 集 診断と治療 社, 東京) (2001) 53. 後藤雄一: ミトコンドリア病、496 頁-502 頁(領域別症候群シリーズ No.29 神経症候群(Ⅳ), 日本臨床社, 大 阪) (2001) 54. 後藤雄一: Necrotizing encephalopathy、629 頁-630 頁(領域別症候群シリーズ No.33 先天異常症候群(上), 日本臨床社, 大阪) (2001) 55. 後藤雄一: Mitochondrial encephalopathy、203 頁-206 頁(領域別症候群シリーズ No.34 先天異常症候群 (下), 日本臨床社, 大阪) (2001) 56. 後藤雄一:ミトコンドリア病の臨床的表現型による分類、144 頁-145 頁, MELAS (mitochondrial myopathy, encepahlopathy, lactic acidosis, and stroke-like episodes)、146 頁-149 頁, MERRF (myoclonus epilepsy associated with ragged-red fibers)、150 頁-152 頁, MELAS +KSS、157 頁-158 頁、MERRF/MELAS overlap syndrome、159 頁、NARP (neurogenic muscle weakness, ataxia and retinitis pigmentosa)、164 頁-165 頁, Luft 病、166 頁-167 頁,、Ekbom 症候群、168 頁-169 頁、ARCO (autosomal recessive cardiomyopathy and ophthalmoplegia) pp.170-171, SANDO (sensory ataxic neuropathy, dysarthria and ophthalmoplegia)、172 頁、ミト コンドリア DNA 欠乏症候群、217 頁-221 頁(領域別症候群シリーズ No.36 骨格筋症候群(下), 日本臨床社, 大阪) (2001) 57. 後藤雄一:Kearns-Sayre 症候群、104 頁(小児科診療増刊号 小児の症候群, 診断と治療社, 東京)(2001) 58. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症、615 頁-621 頁(本邦臨床統計集2, 日本臨床社, 大阪) (2001) 59. 後藤雄一:ミトコンドリア機能異常と脳形成異常、脳と神経 53、421-426、(2001) 60. 後藤雄一:ミトコンドリア病研究の進歩、医学のあゆみ 199、245-248、(2001) 61. 後藤雄一:複合体Ⅳ欠損症、医学のあゆみ 199、279、(2001) 62. 小牧宏文、後藤雄一:ミトコンドリア病の遺伝子診断、小児科診療 64、1533-1538 (2001) 63. 小牧宏文、後藤雄一:複合体Ⅰ欠損症、医学のあゆみ 199、275-276 (2001) 64. 埜中征哉:ミトコンドリアと Leigh 脳症、医学のあゆみ 199、259-262 (2001) 65. 埜中征哉:複合体Ⅰ(NADH-ユビキノン酸化還元酵素)欠損症、129 頁-131 頁、複合体Ⅱ(コハク酸-ユビキノン 酸化還元酵素)欠損症、132 頁-134 頁、複合体Ⅲ(ユビキノンーチトクロームc酸化還元酵素)欠損症、135 頁 -136 頁、複合体Ⅳ(チトクロームc酸化酵素)欠損症、137-141 頁、複合体Ⅴ(ATP 合成酵素)欠損症、142 頁 -143 頁(領域別症候群シリーズ No.36 骨格筋症候群(下), 日本臨床社, 大阪) (2001) 66. 西野一三:MNGIE (mitochondrial neurogastrointestinal encephalomyopathy)、160 頁-163 頁(領域別症候群シリ ーズ No.36 骨格筋症候群(下), 日本臨床社, 大阪) (2001) 62 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 67. 石川晴美、西野一三:慢性進行性外眼筋麻痺症候群(CPEO)、Kearns-Sayre 症候群(KSS)、153 頁-156 頁(領 域別症候群シリーズ No.36 骨格筋症候群(下), 日本臨床社, 大阪) (2001) 68. 後藤雄一:序文-臨床医学から、4 頁-6 頁、ミトコンドリア病(広義)の概念と分類、213 頁-217 頁、ミトコンドリア病 (狭義)の概念と分類に関する問題点、221 頁-223 頁、Pearson 病、270 頁-272 頁、MALAS、287 頁-291 頁、 MERRF、292 頁-295 頁、MERRF/MELAS 重複、296 頁-297 頁、視神経萎縮・運動失調(複合体Ⅱ欠損症-コハ ク酸脱水素酵素の Fp サブユニット遺伝子変異)、376 頁-377 頁、ミトコンドリア病(狭義)の臨床的表現型の分類、 499 頁-500 頁、遺伝形式からみたミトコンドリア病の分類と遺伝相談、693 頁-697 頁(日本臨床別冊 ミトコンドリ アとミトコンドリア病, 日本臨床社, 大阪) (2002) 69. 西野一三、平野道雄:MNGIE-チミジンホスホリラーゼ欠損症、349 頁-352 頁(日本臨床別冊 ミトコンドリアとミト コンドリア病, 日本臨床社, 大阪) (2002) 70. 松本浩、西野一三:複合体Ⅴ欠損症、495 頁-498 頁(日本臨床別冊 ミトコンドリアとミトコンドリア病, 日本臨床 社, 大阪) (2002) 71. 杉江和馬、西野一三:複合体Ⅳ(チトクロームc酸化酵素)欠損症、490 頁-493 頁(日本臨床別冊 ミトコンドリアと ミトコンドリア病, 日本臨床社, 大阪) (2002) 72. 小牧宏文、後藤雄一:ミトコンドリア病、181 頁-184 頁(領域別症候群シリーズ 神経症候群-てんかん症候群-Ⅵ, 日本臨床社, 大阪) (2002) 73. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症、神経研究の進歩 46、841-849 (2002) 74. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症、140 頁-141 頁(キーワード精神,第 3 版 (樋口輝彦他編) 先端医学社,東京) 2003 75. 後藤雄一:ミトコンドリア病の診断プロセス、275 頁-287 頁(小児神経学講義 (有馬正高,加我牧子編) 診断と治 療社,東京) (2003) 76. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症研究の進歩、145 頁-160 頁(脳科学研究の現状と課題 (杉田秀夫,高橋清久編) じほう,東京)(2003) 77. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症.遺伝カウンセリングマニュアル,87 頁-88 頁(改訂第 2 版 (新川詔夫監修,福嶋 義光編) 南工堂,東京)(2003) 78. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症.345 頁-350 頁(図説分子病態学 (一瀬白帝,鈴木宏治編著) 中外医学社,東 京)(2003) 79. 後藤雄一:先天性ミオパチー.948 頁-953 頁(小児疾患治療のための病態生理2,小児内科増刊号,東京医学 社)(2003) 80. 後藤雄一:筋ジストロフィー検査の進め方、小児科 44、10-16 (2003) 81. 後藤雄一:ミトコンドリアミオパチー、医学のあゆみ 204、193-197 (2003) 82. 後藤雄一:核遺伝子変異によるミトコンドリア異常症.脳の科学 25, 321-328 (2003) 83. 小牧宏文,後藤雄一:ミトコンドリア遺伝子変異による病態Ⅰ(ホモプラスミー):Leigh 脳症、Leber 病、アミノグリコ シド難聴 脳の科学 25, 335-342 (2003) 84. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症の病因・病態解析.遺伝子医学 7, 374-379 (2003) 85. 後藤雄一:ミトコンドリア機能異常と変性性痴呆との関連、220 頁-223 頁(痴呆症学 3、日本臨床、大阪) (2004) 86. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症、798 頁-801 頁(今日の治療と看護、改訂第2版、南江堂、東京)(2004) 87. 後藤雄一:母系遺伝性疾患、ミトコンドリア異常症、2976 頁-2977 頁(家庭医学大百科、法研、東京)(2004) 88. 後藤雄一:ミトコンドリア病の分子メカニズム.Molecular Medicine 41, 299-305 (2004) 89. 小牧宏文,後藤雄一:核とミトコンドリアの相互干渉およびその異常による疾患.Molecular Medicine 41, 299-305, (2004) 90. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症の病態と治療への展望. 神経治療学 21, 521-528 (2004) 91. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症、657 頁(今日の治療指針 2005、医学書院、東京) (2005) 63 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 国外誌 1. Goto Y: Clinical features of MELAS and mitochondrial DNA mutations. Muscle Nerve Suppl 3, S107-S112 (1995) 2. Goto Y: Mitochondrial Myopathy. NeuroSience News 3, 46-50 (2000) 3. Goto Y: Mitochondrial encephalomyopathy. Neuropathol 20, 82-84 (2000) 4. Goto Y: Clinical and molecular studies of mitochondrial disease J Inherit Metab Dis 24, 181-188 (2001) 5. Goto Y, Nonaka I, Hayashi J-I: Mitochondrial DNA deletion and duplication in human disease and mouse model. Acta Myologica 20, 110-114 (2001) 口頭発表 招待講演 1. 後藤雄一、埜中征哉:ミトコンドリア脳筋症−3243 変異を中心として−(第 36 回日本神経学会、シンポジウム「筋 疾患の遺伝子診断と問題点」、名古屋)5.1 (1995) 2. Nonaka I: Pathologic and molecular diagnosis of Leigh’s disease. 第 39 回小児神経学会総会、東京、6.7、1998 3. 後藤雄一:ミトコンドリア病、第 39 回日本小児神経学会総会 (1998) 4. Goto Y: Clinical, pathological and molecular genetic study of 5 patients with succinate dehydrogenase deficiency. Symposium on Mitochondrial Myoencephalopathies, The IX International Congress on Neuromuscular Diseases, Adelaide, Australia, 9.2 (1998) 5. 後藤雄一:ミトコンドリア異常と脳形成障害(第 22 回日本小児遺伝学会学術集会、シンポジウム「中枢神経系形 成障害の発生と遺伝」、東京)11. (1999) 6. 後藤雄一, 村木可枝, 小牧宏文, 井手口博, 赤沼 順, 埜中征哉:ミトコンドリア DNA および核 DNA 異常によ るミトコンドリア病の病態解明(第 72 回日本生化学会、シンポジウム「ミトコンドリア機能の新しい側面」、横浜)10. (1999) 7. Goto Y: Clinical and molecular studies of mitochondrial disease. Plenary lecture. Ⅷ International Congress of Inborn Errors of Metabolism, Cambridge, UK, 9.16 (2000) 8. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症研究の最近の進歩.日本小児神経学会近畿地方会特別講演, 豊中, 10.28 (2000) 9. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症研究の最近の進歩. 東日本小児科学会特別講演,盛岡, 10.2 (2001) 10. Goto Y: Mitochondrial DNA deletions. Symposium “Mitochondrial myopathy”, AOMC 2001 Interim Meeting, Chiang Mai, Thailand, 11.9 (2001) 11. 後藤雄一、小牧宏文、埜中征哉:電子伝達系酵素異常症の病因と病態(第 73 回日本生化学会、シンポジウム 「ミトコンドリアゲノムの維持と破綻の生物学的意義」、横浜)10.12 (2000) 12. 後藤雄一:ミトコンドリア脳筋症(第 37 回脳のシンポジウム, 松本)3.17 (2002) 13. Goto Y: Mitochondrial DNA mutations and clinical phenotypes. UMDF Mito-Dallas 2002 Symposium, Dallas, USA, 6.6 (2002) 14. 後藤雄一、三牧正和、小牧宏文、川上康彦:ミトコンドリア DNA3243 変異率が変動する患者由来線維芽細胞の 分子遺伝学的検討(第 25 回日本分子生物学会年会、ワークショップ「ミトコンドリアゲノムの均一性維持とその普 遍的分子機構」、横浜)12.13 (2002) 15. Goto Y: Diagnostic Approach of mitochondrial disorders and introduction of recent advance of mitochondrial research. The Korean Child Neurology Society, Soeul, Korea, 2.7 (2003) 16. 後藤雄一:ミトコンドリア病の治療:オーバービュー・治療薬の現況(第 45 回日本小児神経学会総会イブニング セミナー.福岡)5.22 (2003) 応募・主催者講演等(国内学会は主なもののみ) 64 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 1. 埜中征哉:ミトコンドリア病の形態学、第 24 回日本医学会総会、名古屋、4. (1995) 2. Goto Y, Osari S, Nonaka I: Mutant mtDNA and their phenotypic expression in skeletal muscle biopsies from MELAS and MERRF patients. Gordon Research Conference "Mitochondria & Chloroplasts", Plymouth, U.S.A., 6.16-21 (1996) 3. Nonaka I, Kobayashi O, Nishino I, Ozawa M, Fujita T, Hashimoto K, Kurihara M, Kumagai K, Goto Y: Congenital encephalomyopathy with mitochondrial depletion. The 1st Congress of the World Muscle Society, London, UK, 9.27 (1996) 4. Goto Y, Nishino I, Ozawa M, Nonaka I: Point mutations in mitochondrial tRNA-Lys gene are associated with MERRF phenotype and cytochrome c oxidase deficiency. The 1st Congress of the World Muscle Society, London, UK, 9.27 (1996) 5. Nishino I, Komatsu M, Kodama S, Horai S, Nonaka I, Goto Y: The 3260 mutation in mitochondrial DNA can cause mitochondrial myopathy, encephalomyopathy, lactic acidosis, and stroke-like episodes (MELAS). The 1st Congress of the World Muscle Society, London, UK, 9.27 (1996) 6. Nishino I, Nonaka I, Goto Y: Mitochondrial DNA depletion in Japan. 1997 Annual Meeting of American Society of Human Genetics, Baltimore, U.S.A., 10.29 (1997) 7. Makino M, Goto Y, Nonaka I: Mitochondrial DNA mutations in Leigh syndrome. The IX International Congress on Neuromuscular Diseases, Adelaide, Australia, 9.2 (1998) 8. Goto Y: Difference in phenotypic expression among mutations in mitochondrial transfer RNA-Leu(UUR) and -Lys. Mitochondrial Dysfunction in Human Pathology, The Satellite Meeting of the IX International Congress on Neuromuscular Diseases, Melbourne, Australia, 9.7 (1998) 9. Nonaka I, Makino M, Goto Y: Leigh disease and mitochondrial abnormalities. Mitochondrial Dysfunction in Human Pathology, The Satellite Meeting of the IX International Congress on Neuromuscular Diseases, Melbourne, Australia, 9.7 (1998) 10. Goto Y, Muraki K, Komaki H, Ideguchi H, Akanuma J, Murayama K, Oketa R, Nonaka I: Clinical features of the disease with mitochondrial DNA abnormalities. COE International Symposium on Mitochondrial Encephalomyopathy - from pathophysiology to treatment-, Tokyo, Japan, 9.27 (1999) 11. Goto Y, Murayama K, Hirawake H, Kita K: Clinical, pathological and molecular genetic study of succinate dehydrogenase deficiency. 1998 Annual Meeting of American Society of Human Genetics, Denver, U.S.A., 10.28, (1998) 12. Goto Y, Ideguchi H, Makino M, Nonaka I: Clinical and genetic heterogeneity of cytochrome c Oxidase deficiency. Third Japanese-French Workshop on Muscular Dystrophies-Pathogenesis and Management-, Tokyo, Japan, 5.29, (1999) 13. Goto Y, Muraki K, Komaki H, Ideguchi H, Akanuma J, Murayama K, Oketa R, Nonaka I: Clinical features of the disease with mitochondrial DNA abnormalities. COE International Symposium, Tokyo, 9.27, 1999 14. Nonaka I, Ideguchi H, Komaki H, Makino M, Goto Y: Cytochrome c oxidase deficiency: genotype and phenotype. COE International Symposium, Tokyo, 9.27 (1999) 15. Ikezoe K, Goto Y, Nonaka I: Ultrastructural investigation and detection of DNA strand breaks in mitochonmdrial encephalomyopathy. COE International Symposium, Tokyo, 9.27 (1999) 16. Muraki K, KozukaY, Goto Y: Two-step introduction of exogenous DNA into intracellular mitochondria - Toward a new therapeutic approach -. COE International Symposium, Tokyo, 9.27 (1999) 17. Goto Y: Diagnostic criteria in mitochondrial diseases. The Forth International Congress of the World Muscle Society, Antalya, Turkey, 10.16 (1999) 18. Goto Y, Nakada K, Inoue K, Ogura A, Isobe K, Nonaka I, Hayashi J-I: A novel mice with respiration defects by 65 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 introducing deleted mtDNA into zygotes. 50th Annual Meeting of American Society of Human Genetics, Philadelphia, Pennsylvania, USA, 10.6 (2000) 19. Goto Y, Komaki H, Akanuma J, Murayama K, Hayashi J-I, Nonaka I: Mitochondrial DNA deletion and duplication in human disease and mouse model. The 4th Japanese-French Workshop on Muscular Dystrophies, Paris, France, 6.15 (2001) 20. 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The 52th Meeting of American Society of Human Genetics, Toronto, Canada, 10.27 (2004) 特許等出願等 特になし 受賞等 特になし 66 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 1. 遺伝性神経・筋変性疾患の分子機構の解明と予防・治療法の開発 1.5. 筋組織レポジトリー 国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第一部 西野 一三 国立精神・神経センター神経研究所微細構造研究部 埜中 征哉 ■要 約 我々の施設では、全国各地の病院に対して、筋疾患診断サービスを提供している。診断の際に用いた検体は、再診断 の可能性を考えて保管し、患者の許可を得たものは、神経・筋疾患の治療法開発と病態解明を目指した研究に用いている。 筋凍結筋検体数は、1978 年の開始当初から 1992 年頃までは、次第に増加していたが、COE プロジェクト開始後の過去 10 年間は、年間 400∼450 検体で安定的に推移した。さらに、1997 年からは、筋培養検体のレポジトリー化も開始し、2004 年 12 月末で総検体数は、凍結筋 8,781、培養筋 626 となった。いずれも、事実上全ての筋疾患を網羅する貴重な研究資源に 成長し、神経・筋疾患研究の推進に大きな貢献をしてきた。 ■目 的 国立精神・神経センターでは、1978 年より筋病理を中心とした統合的診断サービスを提供してきた。筋病理学では、伝 統的に凍結検体が用いられることから、組織学的解析のみならず、各種の分子生物学的解析に適している。加えて、筋疾 患の診断と分類は殆どが病理所見に基づいているため、病理診断情報が付加されている診断後の検体を、神経・筋疾患 の病態解明と治療法開発を目指した研究に活用することが出来れば、大きく神経・筋疾患研究が発展することが期待され る。これまでに蓄積された検体を有効に活用するとともに、さらに充実した生検筋レポジトリーを整備し、それを有効に活用 することを目指した。 ■ 研究方法 生検筋レポジトリーの整備・拡充のために、1.データベースの確立、2.病理診断の充実、3.遺伝子診断の充実、4.イ ンフォームドコンセントの整備、5.筋培養細胞のレポジトリー化、を行うとともに、レポジトリー内検体を積極的に活用し、出 来るだけ多くの成果が社会に還元されるようにした。また、凍結筋の溶解を防ぐべく、ディープフリーザーに温度管理装置と 液体炭酸ガスによる急速冷却システムを設置して、付与の事故に備える体制を取った。 ■ 研究成果 国立精神・神経センターでは、全国各地の病院に対して、1978 年より筋疾患診断サービスを提供してきた。COE プロジ ェクト開始の時点では、組織バンクとしての十分な整備が出来ていたとは言い難かったが、この 10 年間で、毎年 400∼450 検体が安定して登録され、2004 年末までの凍結筋総検体数は、8,781 検体に達した(図-1)。 67 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 図-1 生検筋レポジトリーへの新規登録検体数 このレポジトリーは、数において、世界最大規模であるのみならず、質においても、世界最高水準にある。全ての検体に対 して 20 種類以上の組織化学染色を行うとともに、各種免疫染色、ウェスタンブロット、遺伝子解析までを行っているのは、全世 界で当施設のみである。当然のことながら、診断における間違いや見逃しの可能性が極めて低い。加えて、1997 年からは、 筋培養検体のレポジトリー化も開始し、2004 年 12 月末で総検体数は、626 となっている。これらの情報は全て、データベース 化し、臨床医からの問い合わせに直ぐに対応出来る体制にするとともに、検体を用いたトランスレーショナル・リサーチが容易 に行えるようにした。また、社会的な要請に対応し、所定の承諾書を作製し、国立精神・神経センター倫理委員会において、 承認された。不慮の事故による凍結筋融解防止策も講じており、これ程の管理が行われているヒト生検筋レポジトリーは類を 見ない。我々のレポジトリー検体は、極めて付加価値が高く、当然のことながら、我々の筋レポジトリーを用いて多くの発見が なされ、ライフサイエンスの進歩に対して、大きな貢献をしてきた(表-1)。この表からも明らかなように、近年では、特に培養細 胞を用いた研究が盛んに行われるようになっており、培養細胞のレポジトリー化の有用性がよく示されている。 表-1 生検筋レポジトリーを用いた代表的な研究 γ-サルコグリカン欠損症の発見 Noguchi S, et al. Science 1995 凍結筋 インテグリンα7欠損症の発見 Hayashi YK, et al. Nat Genet 1998 凍結筋 Danon 病の原遺伝子発見 Nishino I, et al. Nature 2000 凍結筋 α-dystroglycanopathy の病態発見 Michelle D, et al. Nature 2002 培養筋 cDNA マイクロアレイ開発とその応用 Noguchi S, et al. Hum Mol Genet 2003 凍結筋 縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーの病態解明 Noguchi S, et al. J Biol Chem 2004 培養筋 α-dystroglycanopathy の治療開発可能性 Barresi R, et al. Nat Med 2004 培養筋 この内、代表例として、γ―サルコグリカン欠損症の発見、インテグリンα7欠損症の発見、Danon 病の原因遺伝子発見 について、その成果をここに示す。 【インテグリンα7欠損症】(引用文献 1) 骨格筋の機能ならびに恒常性の維持には、細胞膜内外のタンパク質連関がきわめて重要な役割を果たしていることが、 近年筋ジストロフィ−の病因解明の研究を通して明らかになってきた。特にラミニン-ジストロフィン結合蛋白質複合体-ジスト ロフィンというタンパク質連関の重要性が相次いで明らかにされてきたが、我々はそれ以外にも筋細胞膜内外の情報伝達 に重要な役割を担っているタンパク質が存在するであろうと考え、ラミニンレセプターであるインテグリンに注目しその発現 を検討した。 我々はまず、筋細胞基底膜のラミニンに異常のある先天性筋ジストロフィ−(メロシン欠損型)において、その筋細胞膜側 の受容体であるインテグリンα7β1D の発現が著減していることをみいだし、骨格筋におけるラミニン-インテグリンの相互 68 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 作用の重要性を示唆した。さらにラミニン α2 鎖を欠損する筋細胞株において、インテグリンα7β1D の局在が乱れ、アポト ーシスが引き起こされるが、この細胞株にα2 鎖を強発現させると、α7β1D の局在が正常化し生存可能となることも判明し た。以上のことから、ラミニンの異常は、その受容体のうちインテグリンα7β1D に強い影響を及ぼし、そのことが筋細胞の 障害に強く関わっている可能性が示唆されたのである。 我々はさらに、これまでに確定診断のついていない先天性筋ジストロフィーおよび、先天性ミオパチー117 例の生検筋に ついて、インテグリンα7β1D の発現を検討した。その結果、3例でα7 の免疫反応が欠損しており、同時にヘテロダイマー を形成しているβ1D の免疫反応も減弱していることを発見した(図-2)。 図-2 患者骨格筋のインテグリン免疫染色 さらにインテグリンα7 遺伝子に変異を見出し、インテグリンα7 欠損が先天性ミオパチーの原因の一つになり得ることを発 見した。これらの患者はいずれも臨床筋病理学的には軽度の変化を示す、先天性ミオパチーの範疇に入るものであった。 インテグリンα7 遺伝子をノックアウトしたマウスもすでに報告されており、臨床的には明らかな症状は認められないが、筋 病理像を見ると筋線維の大小不同、中心核線維の増加など、ミオパチーの所見を呈することが報告されており、我々の報 告したヒトのα7 欠損症の所見と矛盾しないことが明らかとなっている。 【Danon 病の原因遺伝子同定】(引用文献 2) Danon らは、1981 年に「酸性マルターゼが正常なリソソーム性糖原病」と題して肥大型心筋症、ミオパチー、精神遅滞を臨 床的特徴として有する 2 例の 16 歳男児を報告した.英語文献上 15 件の症例報告しかない、極めてまれな疾患である.発端 者は全例男性で、典型的には 10 歳代で心症状が出現し、30 歳代で心不全または不整脈で死亡する.今のところ、根本的治 療は心臓移植しかない。ミオパチーは本人が気づかないほど軽度なこともあるが、例外なく血中クレアチニン・キナーゼが 1000 IU/l 程度に上昇している.筋病理学的には、筋線維内に多数の小空胞が出現し、様々な程度にグリコーゲンが蓄積し ている。精神遅滞は軽微で、約 1/3 の例は、IQ が正常範囲にある。また、ほぼ例外なく、発端者の母親も軽度な心筋障害を 中年期に発症する。このことから、臨床的にはX連鎖性優性遺伝形式を取る疾患ではないかと考えられてきた。 Danon 病に見られる筋線維内の空胞は、電顕的には細胞質崩壊産物やグリコーゲン顆粒を有しており、自己貪食空胞 である。しかし、同時に酸性フォスファターゼの活性が高く、リソソームとしての性質を有していることから、オートファゴリソソ ームであると考えられる。不思議なことに、これらの空胞の膜は、細胞膜の性質を持つ。免疫染色を行うと、筋鞘膜のみなら ず空胞膜にも、ジストロフィンやサルコグリカンなどの筋鞘膜特異的タンパク質が発現している。また、電顕的にも、細胞膜 の特徴である基底膜を有する自己貪食空胞がしばしば観察される。以上の病理学的特徴から、Danon 病患者骨格筋で見 られる空胞は、オートファゴリソソームでありながら筋鞘膜の性質を有するといえる。 Danon 病が X 連鎖性のリソソーム病であり、細胞膜と空胞膜の間に何らかの異常な関連をみることから、X染色体上に遺 伝子座があり、リソソーム膜と細胞膜に発現している Lysosome-associated membrane protein-2 (LAMP-2)が、Danon 病の 重要な候補遺伝子と考えられた。Danon らの最初の症例報告中にある1例を含む10名の患者検体を用いて、LAMP-2 遺 伝子のシークエンスを行ったところ、全例で変異を見出した。変異は、一患者を除いて、全例 null またはフレーム・シフト変 69 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 異であり、変異体では膜貫通ドメインが失われていた。つまり、変異体はもはや膜蛋白として機能し得ないことになる。Null 変位を有さない患者では、エクソン 6 がエクソン・スキッピングにより読み飛ばされていた。これは、イン・フレーム変異である が、ループ構造形成に必要なシステイン残基を1つ失うことから、タンパク質の大きな構造変化が予想される。 ウエスタン・ブロットおよび骨格筋の免疫染色では、調べた全例で LAMP-2 蛋白が消失していた(図 3)。 図3 Danon 病患者骨格筋の LAMP-2 免疫染色 mRNA は少なくとも RT-PCR が可能な程度には存在していることから、恐らく、変異体が不安定で、生成されてもすぐに分 解されてしまうのではないかと考えられた。 LAMP-2 は、リソソーム膜の主要な糖タンパク質であり、遺伝子座はX染色体長腕上(Xq24)にある.発現量が極めて多 いことから、その相同体である LAMP-1 とともに、リソソーム膜をほぼ完全に埋め尽くし、リソソーム膜及び細胞質をリソソー ム腔内の消化酵素から守っていると考えられている。しかし、一方で、このタンパク質はリソソームだけでなく細胞膜にも少 量発現しており、その生物学的な意味は不明であるが、転移性癌細胞など様々な状況で、細胞表面での発現が増えてい る。これらの事実から、LAMP-2 は、リソソームのみならず、細胞膜においても何らかの機能的な役割を持っている可能性が 示唆される。 LAMP-2 は、リソソーム膜を1回だけ貫通する膜蛋白で、N端→C端の順にリソソーム腔内ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞 質ドメインの 3 つの領域からなる。リソソーム腔内ドメインにアミノ酸残基の 90%以上が存在し、強力な糖修飾を受けている。 このドメインには、システイン残基間のジスルフィド結合により形成される4つのループが存在する。細胞質ドメインは小さく、 C 端の 11 残基のみで構成され、リソソーム移行シグナルと考えられるチロシン残基が存在している。 LAMP-2 オープン・リーディング・フレームは、1233 ヌクレオチドからなり、410 アミノ酸をコードする。mRNA は、9 個のエ クソンがスプライシングを受けて作られる。ヒトでは第 9 エクソンがエクソン 9aと 9bの 2 種類あり、オールタネイティブ・スプラ イシングにより、LAMP-2a と 2b の 2 つのアイソフォームが作られる。 我々が Danon 病の原因遺伝子を同定するに至ったのは、詳細な筋病理変化を見逃さないシステムを構築し、希な疾患 検体を良好な状態で保管していたからである。我々の生検筋レポジトリーの有用性が特に示されたと考えられる。 ■考 察 本研究では、世界に類を見ない量と質を持つヒト生検筋レポジトリーを確立した。このレポジトリーは極めて希な筋疾患を も含み、事実上全ての筋疾患を網羅している。このことから、各種の希な筋疾患であっても十分な検体数があり、原因遺伝 子同定にいたることができた。また、1997 年よりは、培養筋のレポジトリー化も開始しているが、近年の研究においては、特 に培養筋が用いられるようになってきており、その有用性は明らかである。このように、凍結筋、培養筋ともに他を圧倒する 量と質を誇る生検筋レポジトリーが完成したことにより、今後益々、ライフサイエンスの発展に寄与するものであると強く期待 70 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 される。なお、研究に使用される全ての検体は、国立精神・神経センター倫理委員会で承認された所定の承諾書を用いて、 患者あるいはその親権者から遺伝子解析を含む研究使用に対する検体の使用許可(インフォームドコンセント)を得たもの である。検体を使用するに当たっては、プライバシーを尊重し、匿名化した上で使用している。検体の保存ならびに匿名化 したうえでの破棄は、患者および家族の意思を尊重している。 ■ 引用文献 1. Hayashi YK, Chou FL, Engvall E, Ogawa M, Matsuda C, Hirabayashi S, Yokochi K, Ziober BL, Kramer RH, Kaufman SJ, Ozawa E, Goto Y, Nonaka I, Tsukahara T, Wang JZ, Hoffman EP, Arahata K:「Mutations in the integrin alpha7 gene cause congenital myopathy」,Nat Genet,19:94-97,(1998) 2. Nishino I, Fu J, Tanji K, Yamada T, Shimojo S, Koori T, Mora M, Riggs JE, Oh SJ, Koga Y, Sue CM, Yamamoto A, Murakami N, Shanske S, Byrne E, Bonilla E, Nonaka I, DiMauro S, Hirano M:「Primary LAMP-2 deficiency causes X-linked vacuolar cardiomyopathy and myopathy (Danon disease)」,Nature,406:906-910,(2000) ■ 成果の発表 原著論文による発表 国内誌 1. 吉岡三恵子,杉江和馬,西野一三,戸田達史:「福山型と遺伝学的に異なる先天性筋ジストロフィーの免疫組織化 学的検討」,脳と発達,36,55-59,(2004) 2. 森野浩太郎,喜多也寸志,米田行宏,田渕正康,西野一三,埜中征哉:「Dropped head plus syndromeの1例」,臨床 神経学,43,556-559,(2003) 3. 張尚美,石川達也,埜中征哉,塚本束子,斎藤万里子,坂京子,和田郁雄,杉江和馬,西野一三: 「早期より整形外 科 的 問 題 を 呈 し た メ ロ シ ン 陽 性 型 先 天 性 筋 ジ ス ト ロ フ ィ ー ‐Ullich 病 と の 関 連 を 含 め て 」 , 脳 と 発 達 ,35, 159-164,(2003) 4. 市川博雄,杉田幸二郎,野中晶子,渡辺泰樹,埜中征哉:「他の神経症候をともなわない慢性進行性眼瞼下垂を示 す1家系:新しい病型の可能性について」,臨床神経,42,1-6,(2002) 5. 大矢寧,當山潤,小川雅文,埜中征哉,川井充:「顔面・肩甲・上腕に強い筋罹患を示し、致死的な心筋障害をとも なった皮膚筋炎・強皮症の合併例」,臨床神経,41,289-295,(2001) 6. 大矢寧,森田浩之,小川雅文,埜中征哉,辻野精一,川井充:「顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー類似の筋罹患分布 を示した成人型酸性マルターゼ欠損症の 1 例」,臨床神経,41,390-396,(2001) 7. 市原靖子,佐々木順司,菊地博達,小澤真津子,後藤雄一,埜中征哉:「日本で初めてリアノジン受容体遺伝子の点 変異を確認した悪性高熱症患者の父子例」,麻酔,49,404-406,(2000) 8. 河村英博,下條貞友,埜中征哉,阿部光文,田所衛:「明らかな心筋症状, 知能発達遅滞をみない Lysosomal glycogen storage disease with normal acid maltase (Danon)の一例」,臨床神経学,40,259-262,(2000) 9. 大石健一,重藤寛史,丸山健二,大矢寧,小川雅文,埜中征哉,川井充: 「頸部伸展筋群の負荷増大は isolated neck extensor myopathy (Katz) の首下がりをさらに進行させる」,臨床神経学,40,933-936,(2000) 10. 溝渕雅広,田中千春,佐光一也,村上宣人,仁平敦子,阿部剛典,館農幸恵,高橋徹,埜中征哉:「Stormorken 症候 群における筋病変」,臨床神経学,40,915-920,(2000) 11. 大矢寧,瀬川昌巳,小川雅文,後藤雄一,埜中征哉,川井充:「ミトコンドリア異常をともなった先天性ネマリンミオパ チーの1成人例」,臨床神経学,40,452-458,(2000) 12. 東條恵,郡司哲己,山口清次,清水信雄,古賀靖敏,埜中征哉:「正常発達をしている乳児期発症, 軽症型グルタル 酸尿症 II 型の 1 例」,脳と発達,32,163-168,(2000) 71 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 13. 栗原まな,熊谷公明,中江陽一郎,西野一三,埜中征哉:「低セレン血症を伴った非福山型先天性筋ジストロフィー の姉・弟例―経口的セレン投与の治療効果―」,脳と発達,32,346-351,(2000) 14. 長澤哲郎,佐久間啓,荒木聡,渡辺章充,牧野道子,埜中征哉:「Respiratory syncytium ウイルス感染を契機に発 症した多発性筋炎の1乳児例」,脳と発達,2000,32,543-546,(2000) 15. 井 上 正 和 , 小 島 當 三 , 愛 甲 浩 志 , 須 貝 研 司 , 村 上 信 行 , 埜 中 征 哉 , 早 坂 清 , 山 本 正 彦 , 祖 父 江 元 : 「Charcot-Marie-Tooth 病1A 型の孤発例」,脳と発達,31,452-457,(2000) 16. 松本省二,山田猛,田中公裕,原英夫,埜中征哉,内田俊和,宮城譲,福富崇能,吉良潤一:「酸性マルターゼ活性が 正常な糖原病症例における肝病変」,臨床神経, 39,717-721,(1999) 17. 佐々木征行,近藤恵理,山下裕史朗,戸田達史,埜中征哉:「福山型先天性筋ジストロフィーとハプロタイプを異に する Walker-Warburg 症候群の 1 例」,脳と発達,31,445-451,(1999) 18. 須賀定雄,諸岡正史,安藤仁志,増田恵子,宇理須厚雄,浅野喜造,矢崎雄彦,宮田栄三,古閑寛,山本紘子,埜中征 哉:「頭蓋内石灰化および大脳基底核病変を認めた非福山型メロシン陽性型先天性筋ジストロフィーの1例」,小 児科臨床,52,89-94,(1999) 19. 鈴木ゆめ,埜中征哉,秋山千枝子,黒岩義之:「成人ネマリンミオパチーの臨床的, 筋病理学的検討」,臨床神経 学,38,791-795,(1998) 20. 谷田部可奈,平栗雅樹,松石眞,竹内恵,埜中征哉,川井充:「各種筋疾患の Ulex europaeus agglutinin I (UEA I) lectin 陽性線維の意義」,臨床神経学,38,395-401,(1998) 21. 渡辺達也,渡辺真史,斎藤徹,東谷暁子,田中総一郎,西野一三,埜中征哉:「遺伝子異常を明らかにし得た重症型 ミオチュブラー・ミオパチーの1例」,脳と発達,30,523-527,(1998) 22. 柴田理恵,草川功,小澤真津子,大矢達男,埜中征哉:「先天性筋線維タイプ不均等症からタイプ1線維優位先天 性ミオパチーの病理像に変容した先天性ミオパチーの1例」,脳と発達,30,307-311,(1998) 23. 斎藤義朗,須貝研司,佐々木征行,平野悟,花岡繁,橋本俊顕,埜中征哉,永井敏郎:「Chiari Ⅰ型奇形を合併し精 神発達遅滞を認めた congenital hypomyelination neuropathy の 1 例」,脳と発達,29,378-383,(1997) 24. 森庸祐,金子衣野,中山豊明,仲本なつ恵,小林正明,杉浦正俊,柱新太郎,阿部敏明,広川秀明,埜中征哉:「X 連 鎖性劣性遺伝と考えられた重症ミオチュブラーミオパチーの従兄弟例」,脳と発達,29,310-314,(1997) 25. 是松聖悟,小林治,福島直喜,澤口博人,石原高信,泉達郎,小川昭之,埜中征哉:「著明な筋線維の分化遅延を認 めた非福山型先天性筋ジストロフィー(メロシン陽性型)の重症例」,脳と発達,27,309-314,(1995) 国外誌 1. 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Matsumura T, Aoki M, Nagano A, Hayashi YK, Asada C, Ogawa M, Yamanaka G, Goto K, Nakagawa M, Oka H, 73 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 Sahashi K, Kouhara N, Saito Y, Brown RHJr, Nonaka I, Arahata K:「Molecular genetic analysis of dysferlin in Japanese patients with Miyoshi myopathy」,Japan Acad,75: 207-212,(1999) 24. Kubo S, Tsukahara T, Takemitsu M, Yoon KB, Utsumi H, Nonaka I, Arahata K:「Presence of emerinopathy in cases of rigid spine syndrome」,Neuromuscul Disord,8:502-507,(1998) 原著論文以外による発表(レビュー等) 国内誌 1. 西野一三:「縁取り空砲を伴う遠位型ミオパチーの分子病態」, Annual Review2005 神経,284-291,(2005) 2. 埜中征哉:「筋疾患 ネマリンミオパチーの分子病態」,Annu Rev 神経 2004,279-285,(2004) 3. 川原玄理,野口 悟,西野一三:「筋肉組織での遺伝子発現」,Clinical Neuroscience,22,134-135,(2004) 4. 西野一三:「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーの原因遺伝子と分子病態」,ゲノム医学,4,21-26,(2004) 5. 川原玄理,田中幹人,野口悟,西野一三:「筋疾患の診断− 筋病理と分子生物学」,病理と臨床[臨時増刊号],22, 240-246,(2004) 6. 埜中征哉:「先天性ミオパチー, ミトコンドリア病」,内科学(第8版),朝倉書店,2170-2176,(2003) 7. 埜中征哉:「【運動器疾患の再生医学】 筋肉の再生医学」,リウマチ科,30,458-462,(2003) 8. 西野一三,石川晴美:「コラーゲン異常による先天性筋ジストロフィー− Ullrich 型先天性筋ジストロフィー− 」, 医 学のあゆみ,204:201-203,(2003) 9. 田中幹人,西野一三:「自己貧食空腔性ミオパチー」,生体の科学,54:556-561,(2003) 10. 埜中征哉:「診断学 総論 診断確定へのアプローチ」,ミトコンドリアとミトコンドリア病 日本臨床,60supppl 4,224-228,(2002) 11. 西野一三,平野道雄:「MNGIE− チミジンホスホリラーゼ欠損症」,ミトコンドリアとミトコンドリア病 日本臨牀,60, 349-352,(2002) 12. 松本浩,西野一三:「複合体Ⅴ欠損症」,ミトコンドリアとミトコンドリア病 日本臨牀,60,495-498,(2002) 13. 杉 江 和 馬 , 西 野 一 三 : 「 複 合 体 Ⅵ ( チ ト ク ロ ー ム c 酸 化 酵 素 ) 」 , ミ ト コ ン ド リ ア と ミ ト コ ン ド リ ア 病 日 本 臨 牀,60,490-493,(2002) 14. 西野一三:「筋生検− 適応、方法、組織化学」,臨床検査,46,503-508,(2002) 15. 西野一三:「精神遅滞に伴う筋変性疾患ダノン病の解明」,Vita,19,42-45,(2002) 16. 埜中征哉:「筋疾患(ミオパチー)」,内科学書(改訂第6版),中山書店,2286-2303,(2002) 17. 西野一三:「中心核ミオパチー」,日本臨牀 別冊 領域別症候群シリーズ,35,414-417,(2001) 18. 西野一三:「X連鎖性ミオチュブラーミオパチー」,日本臨牀 別冊 領域別症候群シリーズ,35,418-420,(2001) 19. 埜中征哉:「複合体Ⅰ(NADH-ユビキノン酸化還元酵素)欠損症」,骨格筋症候群 日本臨床 別冊 領域別症候 群シリーズ,36: 129-131,(2001) 20. 埜中征哉:「複合体Ⅱ(コハク酸-ユビキノン還元酵素)欠損症」,骨格筋症候群 日本臨床 別冊 領域別症候群 シリーズ,36,132-134,(2001) 21. 西野一三:「Danon 病」,日本臨牀 別冊 領域別症候群シリーズ,36,225-229,(2001) 22. 西野一三:「MNGIE(mitochondrial neurogastrointestinal encephalomyopathy)」,日本臨牀 別冊 領域別症候群 シリーズ,36,160-163,(2001) 23. 西 野 一 三 : 「 過 剰 自 己 貧 食 を 伴 う X 連 鎖 性 ミ オ パ チ ー 」 , 日 本 臨 牀 別 冊 領 域 別 症 候 群 シ リ ー ズ,36,230-231,(2001) 24. 埜中征哉:「ミトコンドリアと Leigh 脳症」,医学のあゆみ,199,259-262,(2001) 25. 西野一三:「消化器症状を主徴とするミトコンドリア病− MNGIE」,医学のあゆみ,199,268-271,(2001) 26. 埜中征哉,神裕子:「筋肉の再生と修復機構」,実験医学,18,444-448,(2000) 27. 埜中征哉:「筋細胞は再生するか」,CLINICAL NEUROSCIENCE,18,114,(2000) 74 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 28. 埜中征哉:「筋ジストロフィー:最近の進歩」,日本内科学会雑誌,89,141-148,(2000) 29. 埜中征哉, 井元千佳子:「先天性筋線維タイプ不均等症」,CLINICAL NEUROSCIENCE, 17,1209-1211,(1999) 30. 埜中征哉:「自然発症疾患モデル動物-コモンディジーズの原因遺伝子ハンティング 疾患モデルと遺伝子解析 の現状 筋ジストロフィー」,Molecular Medicine,36:76-80,(1999) 31. 埜中征哉:「臨床のための筋病理」,日本医事新報社,(1999) 32. 埜中征哉:「筋疾患(ミオパチー)」,内科学書,中山書店,2149-2166,(1999) 33. 埜 中 征 哉 : 「 小 児 の 筋 ジ ス ト ロ フ ィ ー と ミ オ パ チ ー − 最 近 の 進 歩 小 児 筋 疾 患 の 診 断 と 検 査 」 , 小 児 内 科,30,1229-1235,(1998) 34. 埜中征哉:「自然発症疾患モデル動物 筋ジストロフィー」, Mol Med,35,1171-1175,(1998) 35. 埜中征哉:「ジストロフィン」,医学のあゆみ,181,755,(1997) 36. 埜 中 征 哉 , 南成 祐 : 「 進 行 性筋 ジ ス ト ロ フ ィー デ ュ シ ェ ンヌ 型 , ベ ッカー 型 , 先 天 型」 , 小 児 科 診療 ,60, 1077-1083,(1997) 37. 埜中征哉:「筋疾患の分子病理学」,日本臨床,55,3100-3105,(1997) 38. 埜中征哉、後藤雄一:「ミトコンドリア病」,医学書院, (1997) 39. 埜中征哉:「先天性ミオパチー」,小児内科,28,898-903,(1996) 40. 埜中征哉:「ミトコンドリア病」,発達障害研究,18,104-111,(1996) 41. 埜中征哉:「骨格筋の壊死と再生」,最新内科学大系 71 神経疾患ミオパチー,23-32,(1996) 42. 埜中征哉:「筋・神経疾患の臨床検査」,M B Otrhopaedics,9,35-41,(1996) 43. 埜中征哉:「ミトコンドリア病」,ブレインサイエンス,17,47-55,(1996) 44. 埜中征哉:「筋の組織学(光顕)」,新筋肉病学,3-29,(1995) 国外誌 1. 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Nonaka I,Hayashi YK,Nishino I:「Recent advances in congenital muscular dystrophy research」,The 4th AOMC Scientific Meeing,Kaohsiung,2005.3.4 2. Nonaka I: 「 Recent advances in congenital muscular dystrohies 」 ,The 9th International Child Neurology Congress,Beijing,China,2002.9.21 3. Nonaka I:「Hereditary inclusion body myopathy and distal myopathy」,2nd Annual Scientific Meeting of Asian and Oceanian Myology Center,Beijing,China,2002.9.19 4. Nishino I,Yamamoto A,Hirano M,Nonaka I:「Danon disease and its related disorders ‐ Are they glycogen storage diseases?」,4th French-Japanese Workshop on Muscular Dystrophies,Paris,2001.6.15 5. Nonaka I: 「 Distal myopathies 」 ,Third Egyptian-Japanese International Meeting; Muscle & Nerve 2001,Cairo,Egypt,2001.2.23 6. Nonaka I,Yan C,Ikezoe K:「Apoptotic muscle fiber degeneration in distal myopathy with rimmed vacuoles」,3rd Japanese-French Workshop on Muscular Dystrophies,Tokyo,1999.5.30 7. Ozawa M,Nonaka I:「Clinical and moleclar aspects of cental core disease」,第 41 回日本小児神経学会総会,東 京,1999.5.14 8. Goto Y,Muraki K,Komaki H,Ideguchi H,Akanuma J,Murayama K,Oketa R,Nonaka I:「Clinical features of the diseases with mitochondrial DNA abnormalities」,COE International Symposium,Tokyo,1999.9.27 9. Nonaka I,Ideguchi H,Komaki H,Makino M,Goto Y: 「 Cytochrome c oxidase deficiency: genotype and phenotype」,COE International Symposium,Tokyo,1999.9.27 10. Ikezoe K,Goto Y,Nonaka I:「Ultrastructural investigation and detection of DNA strand breaks in mitochondrial encephalomyopathy」,COE International Symposium,Tokyo,1999.9.27 11. 埜中征哉,杉田秀夫:「筋線維の壊死と再生のメカニズム」,第 39 回日本神経学会総会,京都,1998.5.20 12. Nonaka I:「Clinical and pathological aspects of distal myopathy with rimmed vacuoles (DMRV)」,The 9th International Conference of Neuromuscular Diseases,Adelaide,Australia,1998.8.31 13. 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Ishikawa H,Sugie K,Murayama K,Ito M,Minami N,Nishino I,Nonaka I:「Ullrich disease with collagen VI deficiency suggesting a new mechanism of muscular dystrophy 」 ,Xth International Congress on Neuromuscular Diseases,Vancouver,Canada,2002.7.8 7. Sugie K,Yamamoto A,Murayama K,Nonaka I,Nishino I,Oh SJ,Takahashi M,Saitoh S,Mora M,Riggs JE, Colomer J,Iturriaga C,Meloni A,Byrne E,Lamperti C,DiMauro S,Hirano M: 「 Clinicopathological features of genetically-confirmed danon disease 」 ,Xth International Congress on Neuromuscular Diseases,Vancouver,Canada,2002.7.11 8. Nonaka I: 「 Clinical and pathologic aspects of Ullrich’s disease 」 ,100th ENMC International Workshop,Amsterdam,The Netherlands,2001.11.24 9. Nonaka I: 「 Genetics in muscular disorders 」 ,The 23rd International Congress of Pediatrics,Beijing,China, 2001.9.10 10. Nonaka I:「Clinical and pathologic aspects of Distal myopathy with rimmed vacuoles (DMRV)」,104th ENMC International Workshop,Amsterdam,The Netherlands,2002.3.9 11. Nishino I,Fu J,Tanji K,Sue CM,Shanske S,Bonilla E,Nonaka I,DiMauro S,Hirano M:「Primary LAMP-2 deficiency 77 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 causes vacuolar cardiomyopathy, myopathy, and mental retardation (Danon’s disease) 」,5th International Congress of World Muscle Society,Greenway Woods,South Africa,2000.6.29 12. Nishino I, Fu J, Tanji K, Yamamoto A, Shanske S, Bonilla E, Nonaka I, DiMauro S, Hirano M: Primary LAMP-2 deficiency causes X-linked vacuolar cardiomyopathy and myopathy (Danon disease). 50th Annual Meeting of American Society of Human Genetics, Philadelphia, PA, USA, 2000.10.7 13. 南成祐,蔡宗希,神裕子,村山久美子,埜中征哉:「肢帯型筋ジストロフィー(LGMD)におけるカルパイン3異常症 の分子遺伝学的検索」,第 41 回日本神経学会総会,松本,2000.5.24 14. 牧野道子,後藤雄一,埜中征哉:「PCR-SSCP 法を用いた Leigh 脳症における変異ミトコンドリア DNA の定量」,第 41 回日本小児神経学会総会,東京,1999.5.13 15. 池澤誠,西野一三,後藤雄一,埜中征哉:「乳児重症型ミオチュブラーミオパチー29 例の臨床像」,第 41 回日本小 児神経学会総会,東京,1999.5.15 16. 南成祐,黒田弘貴,後藤雄一,埜中征哉,川井充:「眼咽頭型筋ジストロフィー(OPMD)および眼咽頭遠位型筋ジス トロフィー(OPDM)を対象とした Poly(A)-binding protein 2 (PABP2) の(GCG)リピート増大の検討」,第 40 回日本 神経学会総会,東京,1999.5.19 17. Jin Y, Murakami N,Saito Y,Goto Y,Nonaka I:「MyoD and myogenin expression in regenerating muscle fibers: A comparative study between dy and mdx mice 」 ,The 9th International Conference of Neuromuscular Diseases,Adelaide,Australia,1998.9.1 18. Saito Y,Murakami N,Jin Y,Goto Y,Nonaka I:「Coexistence of MyoD and myogenin in the same nuclei of regenerating fibers」,The 9th International Conference of Neuromuscular Diseases,Adelaide,Australia,1998.9.1 19. Makino M,Goto Y,Nonaka I: 「 Mitochondrial DNA mutations in Leigh syndrome 」 ,The 9th International Conference of Neuromuscular Diseases,Adelaide,Australia,1998.9.2 20. Nonaka I,Makino M,Goto Y:「Leigh disease and mitochondrial abnormalities」,The Satellite symposium of the 9th International Conference of Neuromuscular diseases,“Mitohocondrial Dysfunction in Human Pathology”, Melbourne,Australia,1998.9.7 21. 小澤真津子,後藤雄一,埜中征哉:「タイプ1線維優位を伴う先天性非進行性ミオパチー(Congenital myopathy with type 1 fiber predominance) の位置づけ」,第 100 回日本小児科学会学術集会,東京,1997.4.18 22. 南成祐,小林治,埜中征哉:「肢帯型筋ジストロフィー(LGMD)におけるカルパイン3の遺伝子変異検索」,第 38 回 日本神経学会総会,横浜,1997.5.16 23. 神裕子,村上信行,斎藤陽子,埜中征哉:「筋ジストロフィーマウスにおける MyoD および myogenin の発現につい て」,第 38 回日本神経学会総会,横浜,1997.5.16 24. Nonaka I,Kobayashi O,Nishino I,Ozawa M,Fujita T,Hashimoto K,Kurihara M,Kumagai K,Goto Y:「Congenital encephalopamyopathy with mitochondrial depletion 」 ,The 1st Congress of the World Muscle Society,London,UK,1996.9.27 25. 小林治,埜中征哉,小澤鑅二郎,J.N. Kornegay:「筋ジストロフィー犬における dystrophin-associated-glycoprotein complex の検討」,第 37 回日本神経学会総会,埼玉,1996.5.15 26. 長利伸一,後藤雄一,埜中征哉:「CCO 電顕を用いた MELAS における SSV のミトコンドリア異常」,第 38 回日本小 児神経学会総会,東京,1996.7.18 27. 小澤真津子,後藤雄一,埜中征哉:「Single fiber analysis を用いたミトコンドリア遺伝子のヘテロプラスミーの検討」, 第 37 回日本小児神経学会総会,大津,1995.6.1 28. 埜中征哉,小林治,長利伸一:「非福山型先天性筋ジストロフィーの臨床的、遺伝的位置づけ」,第 40 回日本人類 遺伝学会,熊本,1995.9.20 特許等出願等 78 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 該当なし 受賞等 該当なし 79 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 2. 外因性神経難病の分子機構の解明と予防・治療法の開発 2.1. 免疫性神経難病に免疫病態の解明とその制御による治療法開発研究 疾病研究第六部 山村 隆 ■要 約 本研究では、代表的な免疫性神経難病である多発性硬化症(MS)において、「病原性自己免疫性 T 細胞」および、それ を制御する「免疫調節細胞」(NK 細胞および NKT 細胞)の性状(数と機能)の変化について解析するとともに、それぞれの 機能を修飾する免疫学的方法を探索した。その結果、MS の寛解維持には、Th2 サイトカインを産生する NK 細胞と NKT 細胞が大きく貢献することを明らかにした。また、NKT 細胞を刺激する糖脂質リガンドにより、MS の動物モデル実験的自己 免疫性脳炎(EAE)を治療することに成功した。さらに、神経・免疫・内分泌制御ネットワークにおいて、ニューロペプチド Y が T 細胞を機能的に偏倚させることを発見した。 ■目 的 本研究では、MS の病態を、中枢神経自己抗原を認識する「病原性自己免疫性 T 細胞」、およびそれを制御する「免疫 調節細胞」(NK/NKT 細胞)の拮抗的なバランスによって理解することを目指し、それぞれの MS における変調を明らかに し、治療物質を探索するために、細胞免疫学および分子免疫学的な方法論を導入して開発研究を行う。 ■ 研究方法 本研究では、 MS の動物モデル EAE を使った動物実験(基礎神経免疫)と、MS の患者末梢血由来のリンパ球を利用し て行う研究(臨床免疫)を平行して進めた。 感作 EAE の誘導は、C57BL/6(B6)マウスに、ミエリンオリゴデンドロサイトグリコプロテイン(MOG)35-55 ペプチドを感作 する方法(文献 1)、あるいは SJL/J マウスにプロテオリピッド蛋白(PLP)139-151 ペプチド感作による方法によった。受身型 EAE は、感作リンパ節および脾臓細胞を免疫に用いたペプチドで刺激し、4 日目に回収した CD4+ 活性化 T 細胞を腹腔 内移入することによって誘導した。所属リンパ節細胞の細胞増殖反応のアッセイ(チミジン取り込み)、サイトカイン測定 (ELISA および CBA)、病理学的検索は、研究室で確立した方法によって行った(文献 1 と 2)。 ヒトのリンパ球を扱う研究では、末梢血から単核細胞(PBMC)を分離し、さらに NK 細胞(CD56+CD3-)や T 細胞 (CD56-CD3+)を磁気分離法によって分離し、サイトカイン関連遺伝子の発現などを解析した(文献 3)。また、PBMC より、ミ エリン塩基性蛋白(MBP)に反応する T 細胞クローンを限界希釈法により樹立し(文献 4)、NK 細胞の免疫制御作用を評価 する実験に利用した。 ヒト末梢血中の NKT 細胞数の評価には、1)RT-PCR-SSCP 法による Vα24-JαQ 抗原受容体アルファ鎖 mRNA 発現レ ベルの半定量的解析(文献 5)、2)抗 Vα24 抗体と抗 Vβ11 抗体による染色の後、フローサイトメーターによる解析(文献 6)、 3)α-galactosylceramide (α-GalCer)を付加した CD1d テトラマーによる染色(文献 6)を用いた。さらに、CD4+ NKT 細胞と CD4-CD8- (double-negative; DN)NKT 細胞を区別して解析するために、抗 Vα24 抗体と抗 Vβ11 抗体に加えて、抗 CD4 抗体、抗 CD8 抗体を加えて四重染色を行った(図 1A)。 80 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 CD8 TCR Vβ11 The identification of NKT cells by flow cytometry 28 9 50 23 NKT gated HS DN NKT CD4+ NKT CD4 MS CD8 TCR Vβ11 TCR Vα24 0.06% 22 4 18 56 NKT gated CD4 TCR Vα24 Cytokine profile of NKT cells from MS in remission and HS TCR Vβ11 図 1A: フローサイトメーターによる CD4+NKT 細胞と DN NKT 細胞の解析 PBMC α-GC stimulation TCR Vα24 NKT-enriched Culture NKT gated Cell sorting on Days 20-30 CD4- NKT Total / CD4+ / CD4 - NKT cells 70% CD4+ NKT CD3/CD28 stimulation 30% Cytokine profile by ELISA CD4 図 1B:CD4+ NKT 細胞と CD4- NKT 細胞の機能解析 MS 患者および健常人由来 NKT 細胞の機能的解析は、図 1B に示したプロトコールによった。まずα-GalCer で刺激して NKT 細胞を増殖させ、20-30 日後にセルソーターによって CD4+または CD4-NKT 細胞を分離し、抗 CD3抗体および抗 CD28 抗体をコートしたビーズで刺激し、培養上清中のサイトカインを ELISA で定量解析した。 ■ 研究成果 1)従来、MS や EAE における免疫調節細胞の研究は遅れていたが、抗 NK1.1 抗体投与で NK 細胞を除去することにより、 EAE が著明に悪化することを報告した(文献 1)。この発見は NK 細胞や NKT 細胞が自己免疫病態を制御する細胞として 重要であることを世界ではじめて明らかにしたものであり、以後論文は広く引用されている。 2)NK 細胞がヒトの病気 MS において病態制御的に働く可能性を実験的に検証した結果、同細胞が MS の寛解期には IL-5 を過剰に産生して Th1細胞の誘導を抑制していることを発見した(文献 3)。このような NK 細胞は、NK2 細胞に相当する。 ヒトの病態に NK2細胞がかかわることをはじめて示す重要な成果である(図 2A)。また MS 寛解期では、NK 細胞が CD95 分子を過剰に発現している症例(CD95 high)と、そうでない症例(CD95 low)に分かれることを確認し、前者では自己抗原 81 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 MBP に反応する T 細胞の数が増加していることを見いだした(文献 4) (図 2B)。この状態は、危険な自己反応性 T 細胞 が増加しているにもかかわらず、NK 細胞が積極的に介入して寛解を維持している状態を考えられ、「くすぶり型寛解」と命 名することを提唱した。 MSの寛解期には、 NK細胞がNK2細胞*の性質を示す。 Takahashi, Miyake, Kondo, R23-R29 Terao , Hatakenaka , Hashimoto, and Yamamura: J Clin Invest 2001; 107: NK2細胞* 1) IL-5を 過剰産生、 2) CD95を 弱く発現、 3) Th1の誘導を抑制 図 2A MS の寛解期における NK2 細胞の誘導 Cytokine secretion assay after 8 h stimulation with MBP: CD95 high では MBPに即座に反応する T細胞( memory T cells)が増加してい るが、 NK細胞に制御されているために、通常の方法では検出できない。 Fresh PBMC (%) 1 P<0.02 P<0.05 0.1 0.01 HS CD95 low CD95 high HS CD95 low 図 2B 0 CD95 high Frequency of MBP-specific CD4(+)T cells NK-deleted PBMC CD95 high MS における MBP 特異的 T 細胞の増加 3)寛解期 MS の末梢血では NKT 細胞が減少していることを、複数のアッセイによって確認した(文献 5 と 6)。減少の著しい 82 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 のは CD4-CD8- (DN)の NKT 細胞であり、CD4+ NKT 細胞の変化は軽度であった。機能的解析により、MS 寛解期では CD4+ NKT 細胞が IL-4 を過剰産生していることを示した(図 3A)。以上の結果は、NK 細胞、NKT 細胞ともに Th2 サイトカ インを産生して MS の寛解の維持に貢献していることを意味し、まったく新しい発見である(図 3B)。 International Immunology © 2003 Th2 bias of CD4 , Vol . 15, No. 2, pp. 279-288, February 2003 + NKT cells derived from multiple sclerosis in remission Manabu Araki1, Takayuki Kondo Takashi Yamamura 1 1, Jenny E. Gumperz 2, Michael B. Brenner 1 国立精神・神経センター神経研究所 2, Sachiko Miyake 1 and 2 ハーバード大学医学部 CD4 + NKT cell lines from MS in remission produce a larger amount of IL-4 and are Th2-biased CD4 + NKT CD4 NKT pg/m lL-4 NKT Lines from MS in remission pg/m lL-4 NKT Lines from HS 800 800 600 600 400 400 200 200 0 0 MS1MS2MS3MS4MS5MS6MS7 図 3A HS1HS2HS3HS4HS5HS6HS7 MS 寛解期 CD4+NKT 細胞の IL-4 過剰産生 Hypothesis: NK2 cells and CD4+ NKT cells may actively maintain the remission of MS. CD4+ NKT cells IL-5 production NK2 cells Relapse Relapse Remission Remission 0 yr 図 3B IL-4 production 1 yr MS の寛解維持における NK2 細胞と CD4+ NKT 細胞の貢献 4)NKT 細胞を刺激するリガンドとして既に報告されていたα-GC は NKT 細胞に疾患抑制的な Th2 サイトカインである IL-4 の産 83 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 生を誘導する。しかし、同時に疾患促進的に働くインターフェロン・ガンマ(IFN-γ)の産生も誘導するために、EAE を抑制しないこ とがわかった(文献 7)(図 4A)。しかし、我々は NKT 細胞に IL-4 の産生のみを誘導するリガンドを独自に開発し、この物質 OCH が EAE に対して治療効果を示すことを明らかにした(図 4B)。論文は NATURE に掲載され、反響を呼んだ(文献 2)。 α-GC IL-4 OCH IFN-γ IL-4 IFN-γ 図 4A OCH 刺激による NKT 細胞の選択的 IL-4 産生 OCH経口投与による EAEの抑制 EAE Score C57BL6 NKT-KO 3 Control 3 α-GC 2 2 1 OCH 1 0 0 0 5 10 15 20 25 30 0 5 10 15 20 25 30 Days Days 図 4B OCH 経口投与による EAE の抑制 ■考 察 84 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 本研究では、免疫性神経疾患の代表である MS において、NK 細胞や NKT 細胞が重要な免疫調節細胞として働き、病 態の把握および治療薬の標的として重要であることを、世界ではじめて明らかにできた。NKT 細胞を刺激する OCH 化合物 は、その後、EAE のみならず、関節炎(文献 8)、自己免疫性1型糖尿病(文献 9)、炎症性腸炎(文献 10)を抑制することも わかった。現在、その実用化に向けて検討を続けており、具体的な実績が上がっていると言えよう。NK 細胞や NKT 細胞に 関して本研究で明らかにされた事実は、originality が高く、基礎科学と臨床医学の広い分野にインパクトを与えた。実際、 本研究グループの発表した論文の多くが、高い引用率を誇っており、特に NATURE に掲載した論文は、3 年間で 117 回引 用された。ヒト NKT 細胞の性状に関する研究は、その細胞数が少ないために困難をきわめたが、シングルセルソートを利用 することによって、クローンが容易に樹立できるようになったので、今後研究が進展すると思われる。完成させたシステムを、 いかに新しいメンバーに引き継いでいくかという点に苦しんでいるが、これまでのところは大きな問題もなく、科学的な integrity を損なうことなく前身を続けている。 ■ 引用文献 1. Zhang, B-n., T. Yamamura, T. Kondo, M. Fujiwara, T. Tabira: Regulation of experimental autoimmune encephalomyelitis by natural killer (NK) cells. J. Exp. Med. 186:1677-1687, (1997) 2. Miyamoto, K., S. Miyake, and T. Yamamura: A synthetic glycolipid prevents autoimmune encephalomyelitis by inducing TH2 bias of natural killer T cells. Nature 413:531-534, (2001) 3. Takahashi, K., S. Miyake, T. Kondo, K. Terao, M. Hatakenaka, S. Hashimoto and T. Yamamura : Natural killer type 2 (NK2) bias in remission of multiple sclerosis. J. Clin. Invest. 107:R23-R29, (2001) 4. Takahashi, K., T. Aranami, M. Endoh, S. Miyake, and T. Yamamura: The regulatory role of natural killer cells in multiple sclerosis. Brain 127: 1917-1927, (2004) 5. Illes, Z., T. Kondo, J. Newcombe, N. Oka, T. Tabira, and T. Yamamura: Differential expression of natural killer T cell V・24J・Q invariant TCR chain in the lesions of multiple sclerosis and chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy. J. Immunol. 164:4375-4381, (2000) 6. Araki, M., T. Kondo, J.E. Gumperz, M.B. Brenner, S. Miyake and T. Yamamura: Th2 bias of CD4+ NKT cells derived form multiple sclerosis in remission. 7. Int. Immunol. 15: 279-288, (2003) Pal, E., T. Tabira, T. Kawano, M. Taniguchi, S. Miyake, T. Yamamura: Costimulation-dependent modulation of experimental autoimmune encephalomyelitis by ligand stimulation of V・14 natural killer (NK) T cells. J. Immunol. 166: 662-668, (2001) 8. Chiba, A., S. Oki, K. Miyamoto, H. Hashimoto, T. Yamamura, and S. Miyake: Natural killer T-cell activation by OCH, a sphingosine truncated analogue of ・-galactosylceramide, prevents collagen-induced arthritis. Arthr. Rheumat. 50:305-313, (2004) 9. Mizuno, M., M. Masumura, C. Tomi, A. Chiba, S. Oki, T. Yamamura and S. Miyake: Synthetic glycolipid OCH prevents insulitis and diabetes in NOD mice. J. Autoimmun. 23:293-300, (2004) 10. Ueno, Y., S. Tanaka, M. Sumii, S. Miyake, S. Tazuma, M. Taniguchi, T. Yamamura and K. Chayama: Single dose of OCH improves mucosal T helper type 1/T helper type 2 cytokine balance and prevents experimental colitis in the presence of V・14 natural killer T cells in mice. Inflamm. Bowel Dis. 11:35-41, (2005) ■ 成果の発表 原著論文による発表 国内誌(国内英文誌を含む) 1. Yamamura, T.: Therapeutic intervention causing immune deviation of CD4 T cells. Altered peptide ligands and 85 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 blockade of CD28/B7-1 interaction. Neuroimmunology Vol. 5, No.1. 56-59, (1997) 2. 山村 隆、Zsolt Illes: SSCP 法による多発性硬化症免疫病態の解析. PLP95-116 刺激一次培養細胞による検討. 神経免疫学 7: 217-221, (1999) 3. 山村 隆:多発性硬化症に対する新しい免疫療法. NK/NKT 細胞をめぐって. 臨床神経学 41: 1162-1164, (2001) 4. 宮本 勝一、三宅 幸子、河野 直子、山村 隆:P0+/-マウスにおける胸腺内 P0 発現低下と実験的自己免疫性 神経炎(EAN)感受性の亢進. 神経免疫学 9:225-228, (2001) 5. 宮本 勝一、三宅 幸子、山村 隆:P0+/-マウスにおける P0 発現低下と実験的自己免疫性神経炎(EAN)の増悪. 末梢神経 12:197-202, (2001) 6. 山村 隆:シンポジウム「日本における多発性硬化症の多様性とその病態」動物モデルからの提言. 臨床神経学 42:1201-1203, (2002) 7. 宮本勝一、三宅幸子、水野美歩、岡伸幸、山村 隆:実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の治療における選択 的 COX-2 阻害剤の効果. 神経免疫学 10:251-254,(2002) 8. 荒木 学、三宅幸子、山村 隆:多発性硬化症における NKT 細胞減少は長期ステロイド治療により補正される。 神経免疫学 12:175-179, (2004) 国外誌 1. Kondo, T., T. Yamamura, J-i. Inobe, T. Ohashi, K. Takahashi, T. Tabira: TCR repertoire to proteolipid protein (PLP) in multiple sclerosis (MS). homologies between PLP-specific T cells and MS-associated T cells in TCR junctional sequences. Int. Immunol. 8:123-130,(1996) 2. Kozovska, M., T. Yamamura, and T. Tabira. T-T cellular interaction between CD4-CD8- regulatory T cells and T cell clones presenting TCR peptide. Its implication for TCR vaccination against experimental autoimmune encephalomyelitis. J. Immunol. 157:1781-1790, (1996) 3. Yamamura, T., T-C. Geng, M.F. Kozovska, K. Yokoyama, I.R. Cohen, T. Tabira: An ・-chain TCR CDR3 peptide can enhance EAE induced by myelin basic protein or proteolipid protein. J. Neurosci. Res. 45:706-713, (1996) 4. Zhang, B-n., T. Yamamura, T. Kondo, M. Fujiwara, T. Tabira: Regulation of experimental autoimmune encephalomyelitis by natural killer (NK) cells. J. Exp. Med. 186:1677-1687, (1997) 5. Illes, Z., T. Kondo, K. Yokoyama, T. Ohashi, T. Tabira, T. Yamamura: Identification of autoimmune T cells among in vivo expanded CD25+T cells in multiple sclerosis. J. Immunol. 162:1811-1817, (1999) 6. Pal, E., T. Yamamura and T. Tabira: Autonomic regulation of experimental autoimmune encephalomyelitis in IL-4 knockout mice. J. Neuroimmunol. 100:149-155, (1999) 7. Illes, Z., T. Kondo, J. Newcombe, N. Oka, T. Tabira, and T. Yamamura: Differential expression of natural killer T cell V・24J・Q invariant TCR chain in the lesions of multiple sclerosis and chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy. J. Immunol. 164:4375-4381, (2000) 8. Kawamura, K., T. Yamamura, K. Yokoyama, D-H. Chui, Y. Fukui, T. Sasazuki, H. Inoko, C.S. David, and T. Tabira: HLA-DR2 restricted responses to proteolipid protein 95-116 peptide cause autoimmune encephalitis in transgenic mice. J. Clin. Invest. 105:977-984, (2000) 9. Nam, K-H., Zs. Illes, K. Terao, Y. Yoshikawa, T. Yamamura: Characterization of expanded T cell clones in healthy macaques: Ontogeny, distribution and stability. Dev. Comp. Immunol. 24: 703-715, (2000) 10. Pal, E., T. Tabira, T. Kawano, M. Taniguchi, S. Miyake, T. Yamamura: Costimulation-dependent modulation of experimental autoimmune encephalomyelitis by ligand stimulation of V・14 natural killer (NK) T cells. Immunol. 166: 662-668, (2001) 86 J. 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 11. Takahashi, K., S. Miyake, T. Kondo, K. Terao, M. Hatakenaka, S. Hashimoto and T. Yamamura : Natural killer type 2 (NK2) bias in remission of multiple sclerosis. J. Clin. Invest. 107:R23-R29, (2001) 12. Miyamoto, K., S. Miyake, and T. Yamamura: A synthetic glycolipid prevents autoimmune encephalomyelitis by inducing TH2 bias of natural killer T cells. Nature 413:531-534, (2001) 13. Gumperz, J.E., S. Miyake, T. Yamamura, and M.B. Brenner: Functionally distinct subsets of CD1d-restricted natural killer T cells revealed by CD1d tetramer staining. J. Exp. Med. 195: 625-636, (2002) 14. Araki, M., T. Kondo, J.E. Gumperz, M.B. Brenner, S. Miyake and T. Yamamura: Th2 bias of CD4+ NKT cells derived form multiple sclerosis in remission. Int. Immunol. 15: 279-288, (2003) 15. Miyamoto, K., S. Miyake, M. Schachner, and T. Yamamura: Heterozygous null mutation of myelin P0 protein enhances susceptibility to autoimmune neuritis targeting P0 peptide. Eur. J. Immunol. 33: 656-665, (2003) 16. Koike, F., J-i. Satoh, T. Kondo, S. Miyake, T. Yamamoto, M. Kawai, S. Kikuchi, K. Nomura, K. Yokoyama, K. Ota, T. Kanda, T. Fukazawa, and T. Yamamura: Microarray analysis identifies IFN・-regulated genes in multiple sclerosis. J. Neuroimunol. 139: 109-118, (2003) 17. Bedoui, S., S. Miyake, Y. Lin, K. Miyamoto, S. Oki, N. Kawamura, A. Beck-Sickinger, S. von Hoersten, and T. Yamamura: Neuropeptide Y (NPY) suppresses experimental autoimmune encephalomyelitis: NPY Y1 receptor-specific inhibition of autoreactive Th1 responses in vivo. J. Immunol. 171: 3451-3458, (2003) 18. Illes, Zs., M. Shimamura, J. Newcombe, N. Oka, and T. Yamamura: Accumulation of V・7.2J・33 invariant T cells in autoimmune inflammatory lesions of the nervous system. 19. Satoh, J-i., T. Yamamura, Int. Immunol. 16: 223-230, (2004) and K. Arima: The 14-3-3 protein ・ isoform, expressed in reactive astrocytes in demyelinating lesions of multiple sclerosis, binds to vimentin and glial fibrillary acidic protein in cultured human astrocytes. Am. J. Pathol. 165: 577-592, (2004) 20. Takahashi, K., T. Aranami, M. Endoh, S. Miyake, and T. Yamamura: The regulatory role of natural killer cells in multiple sclerosis. Brain 127: 1917-1927, (2004) 21. Satoh, J-i., and T. Yamamura: Gene expression profile following stable expression of the cellular prion protein. Cell. Mol. Neurobiol. 24:793-814, (2005) 22. Satoh, J-i., H. Onoue, K. Arima, and T. Yamamura: Nogo-A and Nogo receptor expression in demyelinating lesions of multiple sclerosis. J. Neuropathol. Exp. Neurol. 64: 129-138, (2005) 23. Satoh, J-i., M. Nakanishi, F. Koike, S. Miyake, T. Yamamoto, M. Kawai, S. Kukuchi, K. Nomura, K. Yokoyama, K. Ota, T. Kanda, T. Fukazawa and T. Yamamura: Microarray analysis identifies an abberant expression of apoptosis and DNA damage-regulatory genes in multiple sclerosis. Neurobiol. Dis. 18:537-550, (2005) 原著論文以外による発表(レビュー等) 国内誌(国内英文誌を含む) 1. 山村 隆, 近藤 誉之: 多発性硬化症の発症機構とT細胞レセプター. 臨床免疫 28:1178-1184, (1996) 2. 山村 隆: 自己免疫性脳炎の発症機構とその制御. シンポジウム炎症と免疫 vol.5, no. 2 14(90)-19(95), (1996) 3. 山村 隆: MBP および PLP 類似ペプチドによる EAE の治療. 臨床免疫 29: 504-507, (1997) 4. 山村 隆: TCR ペプチドワクチン -TCR ペプチド提示T細胞と TCR 特異的調節性T細胞の役割. 日本臨床 55:1519-1524, (1997) 5. 山村 隆: 特集. 自己免疫疾患と MHC 遺伝子. 実験的自己免疫性脳脊髄炎. 最新医学 52:1917-1922, (1997) 6. 山村 隆: 自己免疫性神経疾患の抗原ペプチド療法. 臨床免疫 29:1213-1218, (1997) 7. 山村 隆: T細胞ワクチネーションの作用機構. 臨床免疫, 29:1379-1385,(1997) 8. 山村 隆: 抗原ペプチド療法とT細胞レセプター・ワクチン. 神経治療学, 15:231-236, (1998) 9. 山村 隆: T 細胞ワクチン、T 細胞レセプターワクチンを利用した免疫制御療法. 医学のあゆみ 185: 87 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 239-243,(1998) 10. 山村 隆: T 細胞と自己免疫病. Mebio 15: 56-61, (1998) 11. 山村 隆: 調節細胞研究から多発性硬化症治療へ. 医学のあゆみ 185:937-940, (1998) 12. 山村 隆: NK 細胞による免疫制御. 免疫 Immunology Frontier 8:290-293, (1998) 13. 山村 隆: NK 細胞、NKT 細胞と自己免疫病. 最新医学 53:2724-2727, (1998) 14. 山村 隆: 免疫性神経疾患における T 細胞レセプターの解析. Brain Medical 10: 17-22,(1998) 15. 山村 隆: NK 細胞と神経免疫疾患. 神経免疫学 6:13-18,(1998) 16. 山村 隆 , 近藤 誉之: T cell receptor と神経免疫疾患. 特集. ゲノム時代の脳神経系医学. Molecular Medicine 臨時増刊号 vol 37: 105-110, (2000) 17. 山村 隆: 多発性硬化症. 第 115 回日本医学会シンポジウム記録集. pp59-64, (2000) 18. 近藤 誉之, 山村 隆: 多発性硬化症の免疫病態. 内科 85:617-621, (2000) 19. 山村 隆: NKT 細胞と自己免疫疾患モデル. 最新医学 55:858-863, (2000) 20. 山村 隆: 多発性硬化症の発症機序. Current Insights in Neurological Science 8: 10-11, (2000) 21. 山村 隆, 三宅幸子, 高橋和也 : NK と NKT による自己免疫性脳脊髄炎の制御. 免疫・Immunology Frontier 10:304-307, (2000) 22. 山村 隆: 多発性硬化症の病態と治療. Bio Clinica 15:937-941, (2000) 23. 山村 隆: 特集 多発性硬化症治療の最新情報. その病態と治療. 難病と在宅ケア 6:7-10, (2001) 24. 山村 隆, 高橋 和也: 多発性硬化症と NK 細胞-NK2 細胞による寛解維持機構. 医学のあゆみ 198: 394-397, (2001) 25. 山村 隆: 多発性硬化症の治療. 最近の動向. 脳と神経 53: 703-794, (2001) 26. 三宅 幸子、河野 直子、山村 隆:Cbl ファミリーによる免疫調節機構の解析. 神経免疫学 9: 189-196, (2001) 27. 三宅 幸子、宮本 勝一、山村 隆:NKT 細胞の新規リガンドによる多発性硬化症モデルの抑制. 細胞工学 20:1666-1667, (2001) 28. 三宅 幸子、宮本 勝一、山村 隆:NKT 細胞の新規リガンドによる多発性硬化症モデルの抑制. 実験医学 20:76-78, (2001) 29. 山村 隆:多発性硬化症の 動物モデル. -実験的自己免疫性脳脊髄 (EAE). Current Insights in Neurological Science 10: 10-11, (2002) 30. 三宅幸子、山村 隆:NKT 細胞と実験的自己免疫性脳脊髄炎.免疫病研究の最先端. 分子制御というアプロー チ. Mebio 19:61-67, (2002) 31. 荒木 学、高橋 和也、山村 隆:多発性硬化症における NK 細胞、NKT 細胞の関与. 神経内科 56:312-318, (2002) 32. 山村 隆: NKT 細胞と新しい自己免疫病治療薬. Medical Science Digest 28:306-307, (2002) 33. 宮本勝一、三宅幸子、山村 隆:糖脂質による自己免疫病の制御. 感染・炎症・免疫 32:200-201, (2002) 34. 山村 隆、宮本勝一、長山成美、三宅幸子:NK・NKT 細胞による実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の発症制 御. 蛋白質核酸酵素増刊号「免疫研究の最前線:高次複雑系免疫システムの包括的理解をめざして」47: 1115-1120, (2002) 35. 宮本 勝一、三宅 幸子、山村 隆:自己免疫性脳脊髄炎に対する NKT 細胞糖脂質リガンド療法. 神経免疫学 10:209-211, (2002) 36. 佐藤 準一、山村 隆:多発性硬化症におけるインターフェロンベータ療法の効果発現機序. 医療 57: 441-455, (2003) 37. 山村 隆:NKT 細胞と自己免疫. 調節性 CD4+ NKT 細胞の役割. Molecular Medicine 40:562-568, (2003) 38. 山村 隆:多発性硬化症の発症機構と NK 細胞/NKT 細胞. 日本臨床 61: 1329-1334, (2003) 39. 山村 隆:NKT 細胞を介した自己免疫疾患制御. 炎症と免疫 11:616-622, (2003) 88 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 40. 佐藤 準一, 山村 隆:多発性硬化症治療への新しい展望. 最新医学 58:1926-1938, (2003) 41. 長山 成美, 山村 隆:抗コレステロール薬による Th2 優位の誘導 -MS の治療への応用は可能か?-. 臨床免 疫 40: 205-208, (2003) 42. 長山 成美, 山村 隆:実験的自己免疫性脳脊髄炎と多発性硬化症. 特集 Molecular mimicry(分子模倣)と疾 患. 医学のあゆみ 206:845-848, (2003) 43. 山村 隆:近未来の多発性硬化症治療. BIO Clinica 18: 1069-1073, (2003) 44. 山村 隆, 林 幼偉、三宅 幸子:多発性硬化症の進行を抑制する免疫細胞. 特集 脳と免疫. Brain Medical 15: 401-405, (2003) 45. 山村 隆:NKT 細胞のリガンドと Th1/Th2 バランス. 臨床免疫 41: 14-17, (2004) 46. 宮本 勝一, 山村 隆:多発性硬化症の新しい治療薬の開発. Clinical Neuroscience 22: 847-850, (2004) 47. 山村 隆:MS FRONTIER. 多発性硬化症の DNA マイクロアレイ解析. Current Insights in Neurological Science. Vol 12, No. 3, pp 10-11, (2004) 国外誌 1. Bedoui, S., N. Kawamura, R.H. Straub, R. Pabst, T. Yamamura, and S. von Horsten: Review. Relevance of neuropeptide Y for the neuroimmune crosstalk. J. Neuroimmunol. 134: 1-11, (2003) 2. Yamamura, T., K. Miyamoto, Zs. Illes, E. Pal, M. Araki, and S. Miyake: NKT cell-stimulating synthetic glycolipids as potential therapeutics for autoimmune disease. Curr. Top. Med. Chem. 4: 561-567, (2004) 3. Miyake, S., A. Chiba and T. Yamamura: Potential of targeting natural killer T cells for the treatment of autoimmune diseases. Mod. Rheum. 14: 279-284, (2004) 4. Bedoui, S., S. Miyake, R. Straub, von Horsten, and T. Yamamura: More sympathy for autoimmunity with neuropeptide Y (NPY)? Trends. Immunol. 25:508-512, (2004) 口頭発表 招待講演 1. 山村 隆:「自己免疫性脳炎の発症機構とその制御」, 東京, 第9回 Symposium "炎症と免疫" テーマ"炎症免疫の制 御法の将来", 1996. 4.6 2. 山村 隆、Milena Kozovska、田平 武:「TCR ワクチンの作用機構:脳炎惹起性 T 細胞による TCR ペプチドの抗原提示 と TCR 特異的調節性T細胞の活性化」, 東京, 第 24 回日本臨床免疫学会総会ワークショップ TCR と疾患, 1996.9.27 3. 山村 隆:「多発性硬化症と EAE の共通病態」, 東京, 厚生省特定疾患免疫性神経疾患調査研究班・特定疾患に関 する免疫研究班. 合同公開シンポジウム,シンポジウム II. 免疫疾患の病態を追求して, 1997.1.29 4. 山村 隆:「Therapeutic intervention causing immune deviation of CD4 T cells. Altered peptide ligands and blockade of CD28/B7-1 interaction」, 東京, 第 9 回日本神経免疫研究会学術集会, 国際シンポジウム II. Future strategy for treatment of neuroimmunological diseases, 1997. 1. 31 5. Yamamura T: 「Regulation of experimental autoimmune encephalomyelitis by NK cells」, Rehovot, Israel, Conference on Autoimmunity and Emerging Diseases. Convened by the Robert Koch-Minerva Center for Research in Autoimmune Diseases and the Center for the Study of Emerging Diseases, 1997.11.17 6. 山村 隆:「多発性硬化症の免疫病態と将来の治療」, 新潟, 第 4 回新潟神経疾患研究会, 1998. 3. 28 7. 山村 隆:「多発性硬化症の病態と感染因子の影響」, 京都, 第 39 回日本神経学会シンポジウム-2 感染と免疫の関 連, 1998.5.21 8. Yamamura, T. and Zhang, B-N.: 「Regulation of experimental autoimmune encephalomyelitis by natural killer and natural T cells」, New Delhi, Interactive Workshop-28. Neuroimmunobiology and autoimmune disorders of CNS including prions, 10th International Congress of Immunology, 1998. 11.4 89 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 9. 山村 隆:「SSCP 法による多発性硬化症免疫病態の解析」, 東京, 第 11 回日本神経免疫学会 シンポジウム"日本に おける多発性硬化症の臨床的・免疫学的多様性" 1999.2.17 10. 山村 隆:「多発性硬化症の免疫病態の解析」, 広島, シンポジウム免疫性神経疾患の発症のメカニズムをめぐって, 第 42 回日本神経化学会,1999.9.17 11. 山村 隆: 「免疫異常としての多発性硬化症研究」, 東京, 平成 11 年度創薬等ヒューマンサイエンス総合研究事業 第 4 回ヒューマンサイエンス総合研究セミナー 1999.9.22 12. 山村 隆:「神経筋難病をめぐって. 多発性硬化症」, 東京, 第 115 回日本医学会シンポジウム. 神経筋難病の update. 1999.12.2 13. 山村 隆:「臓器特異的自己免疫疾患とその制御」, 横浜, 第 50 会日本アレルギー学会総会シンポジウム 10. 自己免 疫疾患の病態と治療をめぐる最近の進歩, 2000.11.30 14. 三宅 幸子、山村 隆:「細胞内シグナル伝達とその異常を中心に- Cbl ファミリーによる免疫調節機構の解析」, 東京, 第 13 回日本神経免疫学会 シンポジウム 1. 自己免疫病と免疫調節の分子機構 2001.2.1 15. 山村 隆:「NK/NKT による EAE の制御」, 東京, 第 8 回東京免疫フォーラム,2001.4.10 16. 山村 隆:「多発性硬化症に対する新しい免疫療法 NK/NKT 細胞をめぐって」, 東京,第 42 回神経学会総会シン ポジ ウム S9 神経・筋難病の新しい治療戦略, 2001.5.13 17. Yamamura, T. : 「Natural killer type 2 (NK2) bias in remission of multiple sclerosis」. Boston, USA, Major Symposia. Immunomodulation/Innate Immunity. FOCIS (Federation of Clinical Immunology Societies) 1st Annual Meeting, 2001.5.7 18. Yamamura T: 「 Regulation of autoimmune encephalomyelitis by NK and NKT cells 」 , Awaji-Island, The 7th International workshop on autoantibodies and autoimmunity. 2001. 9. 27 19. 山村 隆:「Natural Killer T cells and autoimmune encephalomyelitis」, 和光、理研 BSI Forum, 2002.1. 30 20. 山村 隆:「自己免疫性脳脊髄炎に対する NKT 細胞糖脂質リガンド療法」, 東京, シンポジウム「疾患モデルと治療法 の開発」第 14 回日本神経免疫学会学術集会, 2002.2.8 21. 山村 隆:「多発性硬化症と NK/NKT 細胞」, 新潟, 新潟大学脳研神経内科セミナー, 2002. 3.29 22. 山村 隆:「MS の病態と治療」, 自治医大, 第一回栃木多発性硬化症研究会, 2002. 4.12 23. Yamamura, T.: 「Autoimmune encephalomyelitis and natural killer T (NKT) cells」, Taipei, Special lecture. The 6th Annual Meeting of Taiwan Child Neurology Society, 2002.5.18 24. Yamamura, T.: 「NK/NKT cells and autoimmune encephalomyelitis」, Taipei, 台湾医科大学特別講演, 2002. 5.20 25. 山村 隆:「動物モデルからの病態への提言」,札幌, シンポジウム「日本における多発性硬化症の多様性とその病態」 第 43 回日本神経学会総会, 2002.5.31 26. 山村 隆:「多発性硬化症の病態と治療」, 札幌, 第 1 回北海道 MS 研究会, 2002. 6.21 27. Araki, M., T. Kondo, and T. Yamamura: 「Th2 bias of CD4+ NKT cells in multiple sclerosis」, San Francisco, USA, Concurrent Thematic Symposium II. Innate Immunity. FOCIS (Federation of Clinical Immunology Societies) 2nd Annual Meeting, 2002. 6.29 28. 山村 隆:「変異リガンドによる NKT 細胞の偏倚活性化と自己免疫疾患制御」, 東京, シンポジウム「炎症・免疫とその 制御」第 23 回日本炎症・再生医学会, 2002.7.3 29. Yamamura, T., M. Araki, and S. Miyake: 「OCH, an altered glycolipid ligand of ・-GalCer, induces Th2 bias of rodent and human NKT cells: The implication for treatment of human autoimmune disease」, Woods Hole, USA, 2nd International Workshop on CD1 antigen presentation & NK T cells, 2002.11.8 30. 山村 隆:「多発性硬化症、現在何が問題になっているか?」, 東京, 第 1 回東京 MS 研究会, 2002.11.15 31. 山村 隆:「多発性硬化症の病態と NK/NKT 細胞」, 広島, 第 24 回広島神経医科学研究会, 2002.12.2 32. Yamamura, T. : 「The involvement of NK and NKT cells in multiple sclerosis」, Nagasaki, COE International Symposium. Neuroimmunology: Recent advances in Basic and Clinical Research. 2003.3.12 90 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 33. 山村 隆、佐藤準一、宮本勝一、三宅幸子:「神経疾患の免疫療法」, 福岡, シンポジウム「神経疾患の克服」第 26 回 日本医学会総会, 2003.4.5 34. 山村 隆、荒木 学、三宅 幸子:「新規糖脂質 OCH による自己免疫病態の制御」,福岡, ワークショップ 13. 第 92 回 日本病理学会総会, 2003. 4. 25 35. 山村 隆、三宅 幸子:「合成糖脂質抗原と Th1/Th2 バランス」, 横浜, シンポジウム「気管支喘息・新しい治療戦略」第 15 回日本アレルギー学会春期臨床大会, 2003. 5.12 36. 山村 隆:「自己免疫疾患としての多発性硬化症:新しい治療戦略」, 東京, 第 12 回難病治療研究会, 2003. 6.5 37. 山村 隆:「多発性硬化症の治療」, 岡山, 第 12 回日本神経学会中国・四国地区生涯教育講演会, 2003. 6.22 38. 山村 隆:「自己免疫と NKT 細胞」, 東京,第 3 回臨床免疫研究会, 2003. 6. 28 39. 山村 隆:「EAE/MS と NKT 細胞」,東京, 第 9 回自己免疫研究会, 2003. 7.12 40. 山村 隆:「多発性硬化症における NKT 細胞の役割」, 東京, シンポジウム『自己免疫疾患とトレランス破綻のメカニズ ム』第 31 回日本臨床免疫学会, 2003.10.9 41. Yamamura, T: 「Immunology of Asian multiple sclerosis」, Bangkok, Thailand, MS Across Continents: Insights from Asia and the Middle East, 2003.10.10 42. 山村 隆:「自己免疫疾患に対する NKT 細胞糖脂質リガンド療法の開発」, 東京, 平成 15 年度医薬品機構基礎研究 推進事業研究成果発表会-新時代の創薬 ゲノムからプロテオームへ-, 2003.12.16 43. Satoh, J.-i., and T. Yamamura: 「 Microarray analysis identifies an aberrant expression of DNA damage and apoptosis-regulatory genes in multiple sclerosis」, Hiroshima, The First International Symposium. Cellular Responses to Genome Damage and Chromatin Dynamics, 2004.2.13 44. Yamamura, T.: 「Altered glycolipid ligands for NKT cells」, Montreal, Canada, Symposium “Non classical MHC/CD1 recognition”, The 12th International Congress of Immunology and 4th Annual Conference of FOCIS, 2004. 7.22 45. 山村 隆:「免疫調節と neuropeptide Y」, 横浜, 第 54 回日本アレルギー学会総会シンポジウム I, 2004.11.4 46. Yamamura, T.: 「V・7.2 invariant T cells in multiple sclerosis」, Heron Island, Australia, The Third International Workshop on NKT cells & CD1-mediated antigen presentation, 2004. 9.11 47. 山村 隆:「多発性硬化症(MS)の新しい治療戦略」, 東京, 第 19 回ヒューマンサイエンス総合研究セミナー創薬につ ながる免疫研究の最前線, 2004.11.16 48. Yamamura, T: 「Invariant T cells and multiple sclerosis/EAE」, Shanghai, China, International Immunology Symposium Series 2004, Immune Regulation & Immunogenetics, 2004.11.17 49. 山村 隆:「免疫制御性合成糖脂質による自己免疫疾患治療の展望」, 大阪, 医薬品医療機器総合機構基礎研究推 進事業研究成果発表会, 2004.12.16 50. Yamamura, T: 「A keynote lecture. The role of invariant NKT cells and NK cells in EAE and MS」, Ringberg, Germany, MPI for Neurobiology. Neuroimmunology Workshop, 2005. 1.19 51. Yamamura, T: 「The Regulatory NK cells and NKT cells: their role in MS and EAE」, Universitatklinikum Gottingen, Germany, 5. Gottinger Multiple-Sklerose Lecture, 2005. 2.2 52. 山村 隆:「神経免疫学の立場から. MS の発症機序」, 福岡, シンポジウム「免疫制御機構と神経免疫疾患の発症を めぐって」, 第 17 回日本神経免疫学会学術集会, 2005.3.4 応募・主催講演等 1. Yamamura, M.F. Kozovska, T.-C. Geng, and T. Tabira:「Encephalitogenic T cell clones that cross-recognize encephalitogenic epitopes of myelin basic protein and proteolipid protein」, Boston, 49th American Academy of Neurology, 1997.4.17 2. Yamamura, T., B-n. Zhang, and T. Tabira: 「Regulation of experimental autoimmune encephalomyelitis by natural killer cells」, Boston, American Academy of Immunology Meeting (98' Experimental Biology), 1998. 4.22 91 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 3. Kawamura, K., T. Yamamura, and T. Tabira: 「Proteolipid protein 95-116-specific response in DR2 transgenic mice」, Montreal, The International Society of Neuroimmunology, Fifth International Congress, 1998. 8. 24 4. Illes, Z., T. Kondo, K. Yokoyama, T. Ohashi, T. Tabira, and T. Yamamura: 「Identification of autoimmune T-cells among in vivo expanded CD25+ T-cells in multiple sclerosis」, Montreal, The International Society of Neuroimmunology, Fifth International Congress, 1998. 8.26 5. Illes, Z., T. Yamamura, T. Kondo, T. Tabira, and J. Newcombe: 「Selective loss of invariant V・24-J・Q+ T-cells in multiple sclerosis」, Montreal, The International Socienty of Neuroimmunology, Fifth International Congress, 1998. 8.26 6. Yamamura, T., B.n. Zhang, T. Tabira, and M. Taniguchi: 「Differential roles of NK and NK-T cells for regulation of EAE」, Montreal, The International Society of Neuroimmunology, Fifth International Congress, 1998. 8. 26 7. Zhang, B.n., T. Tabira, and T. Yamamura: 「Regulation of experimental autoimmune encephalomyelitis by natural killer (NK) cells」, Montreal, The International Society of Neuroimmunology, Fifth International Congress, 1998. 8. 26 8. Zhang, B.n., T. Tabira, and T. Yamamura: 「Regulation of experimental autoimmune encephalomyelitis by natural killer (NK) cells」, New Delhi, 10th International Congress of Immunology, 1998.11. 4 9. Yamamura, T., B-N. Zhang, D.H. Chui, T. Tabira, T. Kawano, and M. Taniguchi: 「The role of NK and NKT cells in experimental autoimmune encephalomyelitis」, Washington DC, Experimental Biology '99, 1999. 4.20 10. Illes, Zs., T. Tabira and T. Yamamura: 「Increased frequency of activated cytolytic CD56+ T-cells in the peripheral blood of patients with multiple sclerosis」, Basel, The ECTRIMS (European Committe for Treatment and Research in Multiple Sclerosis) and ACTRIMS 1999, 1999. 9.18 11. Illes, Zs., T. Kondo, J. Newcombe, T. Tabira and T. Yamamura: 「Selective loss of invariant V・24-J・Q+ T cells in multiple sclerosis」 Basel, The ECTRIMS (European Committe for Treatment and Research in Multiple Sclerosis) and ACTRIMS 1999, 1999. 9.18 12. Illes, Zs., T. Kondo, K. Yokoyama, T. Ohashi, T. Tabira and T. Yamamura: 「Identification of autoimmune T-cells among in vivo expanded CD25+ T-cells in multiple sclerosis」, Basel, The ECTRIMS (European Committee for Treatment and Research in Multiple Sclerosis) and ACTRIMS 1999, 1999. 9.18 13. Illes, Zs., T. Kondo, J. Newcombe, T. Tabira and T. Yamamura: 「Selective loss of invariant V・24-J・Q T-cells in multiple sclerosis」, Bonn, Neuropathology at the Turn of the Millennium, 1999. 10. 7 14. Yamamura, T. and E. Pal : 「Suppression of experimental autoimmune encephalomyelitis (EAE) by ligand activation of natural killer (NK) T cells 」 , Seattle, Immunology 2000 (The American Association of Immunologists and the Clinical Immunology Society Joint Annual Meeting), 2000. 5.16 15. Miyamoto, K., S. Miyake, Melitta Schachner and T. Yamamura: 「Higher susceptibility of heterozygous P0 knockout mice to P0-induced experimental autoimmune neuritis (EAN): Lower P0 expression in the thymus may be a cause」, Kanagawa, the 13th Naito Conference on Molecular Biological Approaches for Intractable Diseases, 2000. 11.10 16. Takahashi, K., S. Miyake, T. Kondo, K. Terao, M. Hatakenaka, S. Hashimoto, and T. Yamamura: 「Type 2 cytokine bias of natural killer cells defines remission of multiple sclerosis」, Orlando, Florida, Experimental Biology 2001, 2001. 4. 3 17. Miyamoto, K., S. Miyake, M. Schachner, and T. Yamamura: 「Higher susceptibility of heterozygous P0 knockout mice to P0-induced experimental autoimmune neuritis (EAN): Lower P0 expression in the thymus may be a cause」, Orlando, Florida, Experimental Biology 2001, 2001. 4. 4 18. Takahashi, K., S. Miyake, T. Kondo, and T. Yamamura: 「Natural killer type 2 (NK2) bias in remission of multiple sclerosis」, Boston, USA, FOCIS (Federation of Clinical Immunology Societies) 1st Annual Meeting, 2001. 5. 7 92 神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発に関する研究 研究成果の詳細報告 19. Takahashi, K., S. Miyake,T. Kondo, and T. Yamamura: 「NK type 2 bias in remission of multiple sclerosis: insights into the regulation of pathogenic autoimmune T cells」, Edinburgh, Scotland, UK, VIth International Congress of Neuroimmunology, 2001. 9. 5 20. Araki, M., T. Kondo, Zs. Illes, and T. Yamamura: 「Differential changes of CD4+ versus CD4-CD8- NKT cells in remission of multiple sclerosis」, Edinburgh, Scotland, UK, VIth International Congress of Neuroimmunology, 2001. 9. 5 21. Miyake, S., K. Miyamoto, and T. Yamamura: 「A synthetic glycolipid prevents autoimmune encephalomyelitis by inducing Th2 bias of natural killer T cells」, Awaji Island, The 7th International Workshop on antibodies and autoimmunity, Awaji Island, 2001. 9.28 22. Miyamoto, K., S. Miyake, and T. Yamamura: 「Prevention of autoimmune encephalomyelitis by a novel glycolipid ligand for natural killer T cells」, New Orleans, Louisiana, Experimental Biology 2002, 2002. 4. 23 23. Koike, F., T. Kondo, T. Fukazawa, and T. Yamamura: 「Immunomodulatory effects of interferon (IFN)-・1b. cDNA microarray analysis of peripheral blood T and non-T cells」, San Francisco, FOCIS (Federation of Clinical Immunology Societies) 2nd Annual Meeting, 2002. 6. 30 24. Chiba, A., T. Yamamura, K. Miyamoto, and S. Miyake: 「 A new synthetic glycolipid OCH prevents collagen-induced arthritis by inducing Th2 bias of natural killer (NK) T cells」, San Francisco, FOCIS (Federation of Clinical Immunology Societies) 2nd Annual Meeting, 2002. 6. 30 25. Araki, M., T. Kondo, and T. Yamamura: 「Th2 bias of CD4+ NKT cells in multiple sclerosis」, San Francisco, FOCIS (Federation of Clinical Immunology Societies) 2nd Annual Meeting, 2002. 6.30 26. Chiba, A., H. Hashimoto, T. Yamamura, and S. Miyake: 「A new synthetic glycolipid OCH prevents collagen induced arthritis by inducing Th2 bias of natural killer T (NKT) cells」, New Orleans, 2002 ACR (American College of Rheumatology) Annual Scientific Meeting, 2002. 10. 28 27. Miyake, S., A. Chiba, M. Mizuno, and T. Yamamura: 「A synthetic glycolipid OCH prevents collagen induced arthritis and diabetes in NOD mouse by inducing Th2 bias of NKT cells」, Woods Hole, MA, USA, CD1 & NK T cell Workshop. 2nd International Workshop on CD1 antigen presentation and NK T cells, 2002. 11. 6 28. Pyz, E., O. Naidenko, S. Miyake, T. Yamamura, S. Cardell, M. Kronenberg, and T. Herrmann: 「Investigation on CD1d restricted rat T cells」, Woods Hole, MA, USA, CD1 & NK T cell Workshop. 2nd International Workshop on CD1 antigen presentation and NK T cells. 2002. 11. 7 29. Bedoui, S., S. Miyake, K. Miyamoto, S. Oki, A.G. Beck-Sickinger, S. von Hoersten, and T. Yamamura: 「NPY suppresses experimental autoimmune encephalomyelitis: induction of a Th2 shift in vivo」, Denver, USA, The 60th Anniversary meeting of the American Academy of Allergy, Asthma and Immunology, 2003. 3.11 30. Satoh, J-i., F. Koike, T. Fukazawa, M. Kawai, and T. 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