ふれあい N0.307(10) い感覚を磨きなさい﹂。今の自分を振り返る だけでこの人の作品だと分かる。登場人物 ある。構図と色彩感覚が独特で、一見した その魅力は何と言っても﹁画づくり﹂ に お馴染みの存在だ。 ︵注1︶。ちょっとした映画ファンなら既に ︵注1︶ この他に監督賞・脚本賞・撮影賞・編集賞にノミネートされた。 中学生時代に聴いていた ﹁映画の部屋﹂ というラジオ番組で、淀川長治さんはこう と、年齢を重ねるにつれ、感動することが うより﹁MO︹iOつpicErの﹂であり、文字ど は個性的だがどこか無機質。﹁MO<i①﹂とい 言っていた。﹁もっと映画を見なさい。新し 減っている。﹁これではいかんなぁ﹂と思い この不思議な感覚を持った監督はどこで 言えば、絵画の積み重ねという趣さえある。 おりどこを切り取っても画になる。もっと ながら、現実社会に翻弄されている。 そんな折、ちょっと気になる映画監督が いっても、本作はアカデミー賞で作品賞を 生まれたのか。気になって検索したら、出 出てきた。名前はウェス・アンダーソン。と 含め9部門にノミネートされ、美術賞、衣 生地はテキサス州ヒューストンとあった。 ヒューストン!油田とブッシュとNAe 装デザイン賞、作曲賞、メイキャップ&ヘ アスタイリング賞の4部門を受賞しているe 皿 としての映画 − . − ︵ 里 ● と急に減りが早くなる﹂ これも淀川さんの ﹁豊誉全﹂とは? SAの町、ヒューストンですか? めっちゃ 督だと思いこんでいたが・・・、う∼ん、確 の恩師と再会した。中坊の私たちに ﹁お前 話は変わるが、先日、同級会で中学時代 の ﹁豊かさ﹂ の基準が明確になる。 言葉。だから、老い先短くなると、その人 かにアメリカ人の名前だよなぁ。恐らく、 ら恋をしろ!﹂と言い放つ美術教師だった。 ハンガリーの首都なので、勝手に東欧の監 アメリカじゃないですかっ!ブダペストは 子供の頃から古今東西、様々な芸術に触れ 映画を見続けること、恋をすること。老 愛妻を亡くした今は、初めて教職に就いた いることなく感性を磨き﹁豊かな人生﹂を てきたのだろう。脚本も担当しているが、 し、あんな冒険をしてみたかったのだろう。 化した印象だ。あんなホテルに泊まりたい 過ごしたい。芸術は現実逃避の手段ではな ときの教え子と暮らしているという。 全編を覆うノスタルジー感からも、その想 く、現実を生き抜く力を与えてくれる。︵つ︶ 頭の中で膨らんだイメージをそのまま映像 いは見る者にシンクロする。 ﹁人生は砂時計に似ている。半分を過ぎる たなあ。 ︵英︶ 本書なんかは、ラノベ大 賞を受賞した上に、L文庫 どっちかというとライトノ から出てるので、体裁は、 ベルなんだろうけど、割に しっかりしている。ライト ノベルに比較的多い ﹁日常 ああ、なんか今回は ﹁愛の無い評論﹂ に終始してしまっ からの大化けに期待して先物買いをしとくべきかしらん。 デビュー作としては、なかなかやるもんじゃないか?これ などといろいろくさしてはきたが、大学卒業から4年の に気を持たせている気がする。 としてシリーズ化を考えているのか、結末も少し中途半端 めて、どうもいろんなところで既視感がつきまとう。ひょっ かなり唐突な︶少し鼻につくし、キャラクターの設定を含 特有の、キャラ立ちのためのエキセントリックさ︵それも れど︶ アンチミステリっぼくって面白い。ただライトノベル 白い解答を﹂というのは、ちょっと ︵あくまでちょっとだけ 派ミステリ﹂だけど、帯にもある、﹁つまらない真実より面 ん に は ・ ・ ・ 。 版されたすと、もう区別がつかなくなってきたよ、おじさ 偏見を持っていたライトノベルだけど、こんなに大量に出 トノベルすれすれの軽く読めるやつ。というか、もともと というわけで、必然的に既読コーナーに並ぶのは、ライ す る 。 京極夏彦の新刊ですら本棚の肥やしになっているのを病態 最近どうも重い本に触手が伸びない。北村薫に森見登美彦、 連戦連敗?いやいやそのことでは無い︶ とはいうものの、 趣味としているものにスランプなどないはずだ。︵競馬が 大槻一翔 富士見L文庫 660円 葉子さんには奇なる解を −」 よ 愛 を 乍 紬 時 我 −」
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