(特別展期間:2014 年 7 月 19 日~8 月 31 日) すい ちゅう す ばや およ ぼう すい けい かたち クジラやイルカは水 中 を素早く泳ぐため、紡錘形(ナスビみたいな 形 )をしている。 ま くび 首のくびれはなく、ほとんど曲げることはで くび ほ ね るい けいつい いた みじか にん げん もかぞえてみよう!チンパン うすい板のようになっていて 短 いが、人間と しゅ るい くび ほね ジーはどう?あなたはどう? おなじで 7 つある。種類によっては、首の骨は かず くび ●ほかのホニュウ類 の首 のホネ きない。ミンククジラの首のホネ(頚椎)は すく くっついて数が少なくなっている。 はくぶつかん そと げんかん で みぎ ●博物館の外にあるミンククジラ(玄関を出て右にまがったところのテラスにあ せ ぼね からだ ぜ ん た い おお くび る)の背骨をみて、体 全体が大きいわりには首がみじかいことをたしかめよう! 【メモ】 とうこつ す ばや うご てき ウサギの頭骨はスカスカ。これは素早く動いて、敵 からだ かる けっ か かんが からにげるためになるべく 体 を軽くした結果と 考 せ っ し ま え ば はったつ えられる。切歯(前歯)が発達しているためネズミ るい に うわ せ っ し にじゅう 類とよく似ているが、ウサギの上あごの切歯は二重 てん になっている点がちがう。 【メモ】 ま え ば にじゅう ★ウサギの前歯 が二重 にな っているのをたしかめて みよう! もく もく もく いん けい こつ コウモリ目、ネコ目のほとんど、ネズミ目などはチンチンにホネ(陰茎骨)をもつ。 サル目にもあるが、ごぞんじのとおり、ヒトはもっていない。 ぜんしん こっかく いんけいこつ ★タヌキ の 全身 骨格 から ★チョウセンイタチの陰茎骨はちょっ いん けい かたち チンチンのホネ( 陰 茎 しゅるい かたち とへんな形 。種類によって形 がちが こつ 骨)をさがしてみよう! うのをたしかめてみよう! 【メモ】 なか ま がん か め はい あな そこ と サルの仲間のおおくは、眼窩(眼が入る穴)の底が閉じている(穴がつきぬけてい が ん きゅう うご どくりつ きんにく がん か そこ め せいぎょ こま ない)。そのため眼 球 の動きは穴の中にある独立の筋肉で制御されているので、眼は細 うご かい動きができる。 ひら め 一方、ネコもイヌもタヌキもアナグマも、眼窩の底は開き、下アゴのつなぎめが眼の した はい あ こ し きん にく がん きゅう うご きん にく い く 下に入り込んでいる。ここにはアゴを開け閉めする筋肉と眼 球 を動かす筋肉が入り組 うご がん きゅう きんにく え い きょう が ん きゅう うご んでいる。つまり、アゴを動かすと眼 球 の筋肉に影 響 し、眼 球 も動いてしまう。 ★ニホンザルやチンパンジーの め あな ★アナグマやタヌキの下アゴのつなぎめ と め おく 眼がはいる穴が閉じているの はどこ?アゴがうごくと眼 の奥 がモゴ をたしかめてみよう! モゴうごくのを想像してみよう。 【メモ】 そうぞう な か ま け ん し ネズミやウサギの仲間には犬歯がない。ノミのよう ま え ば せ っ し はったつ は な前歯(切歯)がおおきく発達している。この歯は いっ しょう の つづ ★モモンガやヤマネ、アカ じょうせい し 一 生 伸び続ける(常 生 歯という)。イノシシのキバ け ん し せ っ し ネズミの歯の並びをかん さつしてみよう! じょうせい し (犬歯)やゾウのキバ(切歯)も常 生 歯。 【メモ】 な か ま たんこうるい ゆう トガリネズミの仲間は単孔類(カモノハシなど)、有 たいるい ほにゅうるい ゆう たいばんたぐい 袋類(コアラなど)をのぞいた哺乳類 (有 胎盤類 ) げんしてき とくちょう のこ きゅう し の中でもっとも原始的な特 徴 を残している。 臼 歯の き さ か ほにゅうるい かたちは「切り裂き」と「噛みくだき」ができる、哺乳類 きほんがた がた きゅうし の基本型で「トリポスフェニック型臼歯」という。こ さまざま かたち は し ん か こから様々な 形 の歯が進化していったと考えられる。 【メモ】 ★コウベモグラやシコク トガリネズミの小さな あたま 頭 をよくみてみよう! ギザギザのこまかい歯 がならんでいます。 ふ あん てい ほそ えだ じょう ある カメレオンは不 安 定 な細 い枝 の 上 を歩 は ちゅう るい き ほん こっ かく こう ぞう くため、爬 虫 類の基本骨格構造である「ガ て あし どう たい ま した ひ ニマタ」ではなく、手足を胴体の真下に引き よ たか ある しん か て あ し からだ ★ハチュウ類の手足はふつう、体 の よこ つ 横から突き出るようについていま すがた す。トカゲの 姿 をそうぞうしてみ ましょう。 寄せて高歩きできるように進化している。 【メモ】 なか ま つばさ み とり おな ぜん し つばさ へん か コウモリの仲間の 翼 を見てみよう。鳥と同じように前肢が 翼 に変化している。し う もう つばさ おお ゆび なが ほね ぐみ かし、鳥のように羽毛で 翼 を大きくするのではなく、指のホネが長くなり、骨組とな かん せつ とり おお ふく ざつ つばさ かたち か こま ひ こう って翼を広げる。指の関節が鳥より多いため、より複雑に 翼 の 形 を変え、細かい飛行 つよ は ちから う と せき つい いち ぶ ゆ ごう がん じょう をおこなえる。強い羽ばたきの 力 を受け止めるため脊椎は一部癒合して頑 丈 になっ ている。 【メモ】 どう ぶつ つか し と にく しょく とっ か か くら ネコ科はほかの動物を捕まえて仕留める「肉 食 」に特化しているため、イヌ科と比 けん し なが れつ にく し べて犬歯が長い。また、裂肉歯しかもたず、すりつぶすような歯がない ★ライオンやジャガーの歯を ★イヌ科のどうぶつも裂肉歯が発達していま よーくかんさつしてみよ う!犬歯がおおきいでしょ。 す。この歯は上と下がハサミのように重なっ ているので、 肉をちょんぎることができます。 【メモ】 ぶ ぶ ん わ きょう あたまのホネのほっぺたの部分には輪っかのようなホネがついている。これを 頬 こつ きゅう した ひ あ きんにく こう きん よこ は だ 骨 弓 といい、下アゴを引き上げるための筋肉(咬筋)がつく。頬骨弓が横に張り出し、 おお きん にく たば は ガッチリするほど多くの筋肉の束が張りつく こう きん はっ たつ ことになる。ネコ科は咬筋が発達している、 きょう こつ きゅう つよ よこ つまり 頬 骨 弓 は強く横に張り出す。そのため かお ぜんたいてき まる 顔は全体的に丸くみえる。 【メモ】 ★ネコ科の丸顔とくらべて、イヌ科 の顔はどうなっているか、かんさ つしてみましょう! な か ま け ん し シカの仲間にも犬歯がある。キョンでは大きいが、 やく た ★ニホンジカの犬歯をみつ ちい ニホンジカでは役に立たないぐらい小さい。実際、役 けてみましょう!上アゴ に立っていない。 にだけあります。 【メモ】 な か ま れい ちょうもく か じ つ た サルの仲間(霊 長 目 )には、果実を食 き くさ は こんちゅう べるものが多いが、木や草の葉、昆 虫 、 しょうどうぶつ 小動物 を食べるものもいる。つまり、 ざっしょくせい つよ しょくりょう 雑食性 が強 い(いろんなものを 食 料 た もの にできる) 。そのため歯は、食べ物をく とが もん し けん し わえてかじりとる尖った門 歯と犬 歯 、 い がい きゅう し すりつぶす 臼 歯とがある。ヒト以 外 で けん し するど はったつ ば あい は犬 歯が 鋭 く発 達 する場 合 が多い。 「退化の進化学」より引用 【引用・参考文献】 阿部永,2003.日本産哺乳類頭骨図説.290pp.北海道大学図書刊行会,北海道. 遠藤秀紀,2006.人体 失敗の進化史.251pp.光文社.東京. 福田史夫,2010.頭骨コレクション―骨が語る動物の暮らし.205pp.築地書館.東京. 犬塚則久,2006. 「退化」の進化学 ヒトにのこる進化の足跡.206pp.講談社.東京. 神谷敏郎,2001.骨と骨組みのはなし.202pp.岩波書店.東京. 川口敏,2014.哺乳類のかたち~種を識別する掟と鍵~.118pp.文一総合出版.東京. 松井正文・松橋利光・疋田努・太田英利・前田憲男・関慎太郎,2004.小学館の図鑑 NEO 両生類・ はちゅう類.167pp.小学館,東京. 三浦慎悟,2002.小学館の図鑑 NEO 動物.207pp.小学館,東京. 大阪市立自然史博物館編,2009.第 39 回特別展「ホネホネたんけん隊」展示解説書「ホネで学ぶ、 ホネで楽しむ」 .144pp.特定非営利活動法人大阪自然史センター.大阪. 発行:面河山岳博物館 発行日:2014 年 7 月 19 日
© Copyright 2024 Paperzz