食生活改善のファーストステップ PDF

第1章 食生活改善のファーストステップ
最初の章では、今すぐに改善していただきたい食生活のポイントについてお話ししま
す。現代の一般的な食生活が抱えている大きな問題点に気づき、それらを改善するだけで
も、身の健康と美は確実に回復していきます。
この章は、誰でも無理なくできる食生活改善の基本です。
●マクロビオティックとは
マクロビオティックなどという耳慣れない言葉を聞くと、最近急に出てきた流行のよう
に思われるかもしれませんが、そうではありません。この考え方は、西洋文化の伝統の中
でもずっと息づいてきたものです。
「マクロビオティック」とは、もともとは古代ギリシャの哲学者や医学者が使っていた
言葉でした。
ソクラテス以前の古代ギリシャでは、大きな宇宙や自然のあり方に適応した生き方を
「マクロバイオス」と呼んでいました。マクロビオティックとはそのための生活術といい
ますか、生活の方法のことです。
マクロビオティックについて関心をお持ちの方の多くは、初めのうちこれを単なる食事
法のことだと思われるようですが、実は、人間生活の全般を含んでいるもっと大きな体系
のことなのです。ただ、人間の生活で基本となるのは環境と食物ですから、マクロビオテ
ィックでは環境と食物に基本を置き、これを重視しています。
ギリシャの思想の中には、環境と食物を正すことが健康につながり、心を正し、長生き
する方法であるという考え方がありました。例えば、ギリシャの哲学者で医学者でもあっ
たヒポクラテスは、病気というものは環境と食物の間違いからくると考えていました。
こうしたギリシャ哲学の考え方は、古代ローマの文化を経由して、現代のヨーロッパ文
化にも受け継がれています。
例えば、転地療法というものがあります。病気の人を暖かい地方や空気の乾いた地方で
静養させる治療法のことですが、これなどは、環境を正すことで病気を治そうというギリ
シャ以来の発想に、その根源を求めることができるのです。
同様の考え方は東洋の文化の中にもあり、そして、日本文化の中にもあります。ただ、
現代の社会では食べ物を取るときに、必ずしもそうした伝統的な考え方が反映されている
とは限りません。
そこで、自然に適応した昔の生き方を見直し、伝統食のよさを再び取り戻そうと考え
て、私は「マクロビオティック」を提唱してきました。欧米の多くの知識人は「クシマク
ロビオティック」とも呼んでいます。
食物は人の健康や心に影響を与えます。そして、その影響は人の姿かたちにも現れてき
ます。宇宙の摂理や自然に適合していないような食生活をしていると、人が本来持ってい
る美しさも損なわれてくるのです。
私は人間を健康にし、穏やかで平和な心を持つようにしてくれる食生活を求めて、約半
世紀にわたり、古今東西、あらゆる食文化について研究してきました。そして、今の欧米
型の食生活は間違っているという結論に達しました。
食生活の間違いを正せば、人は本来の姿を取り戻し、体も心も美しくなると確信したの
です。
ここからは、現代の食生活について特に重大であり、できるだけ早く直したほうがよい
「四つの問題点」について、お話ししていきます。
●たんぱく質は動物ではなく植物から
現代の食生活には、数々の問題点があります。その中でも、第一に問題なのはたんぱく
質の取り方です。欧米型の食事では、動物からたんぱく質を取ろうとします。牛、豚、鶏
など家畜の肉や鶏卵、牛乳などが、食卓の中心となっています。
でも、これはあまり自然なたんぱく質の取り方ではありません。こうした食生活は歴史
が浅く、人類が近代に入ってからのもので、ここ100年ほどの間に広まったものです。そ
の原動力となったのは近代の栄養学ですが、この学問はまだ始まってから日が浅いので
す。ですから、食に関する知識の体系が、まだ充分整備されているとはいえません。
そのため、人の食生活を少し誤った方向に導いてしまったのです。では、人がその長い
歴史の中で、いったい主にどんな形でたんぱく質を取っていたのかと調べてみると、動物
ではなく植物から取っていたということがわかります。
「植物のたんぱく質」と聞けば、日本の皆さんならすぐに、「お豆腐や納豆のことだ」
とお気づきになるでしょう。
そう、お豆腐の原料である大豆には豊富なたんぱく質が含まれていますし、このほかに
も、豆類にはたんぱく質を多く含んでいるものがたくさんあります。豆類は、本当に貴重
な植物性のたんぱく源だといえるでしょう。
でも、実をいえば、人が長い間たんぱく質を主に取っていた食物は、豆類のほかにあり
ます。そして、これこそは現代の人たちがたんぱく源として、いつのまにか忘れてしまっ
ている大切な食べ物なのです。それは穀物です。
長い間にわたり、人は主に小麦、大麦、トウモロコシ、そして米などの穀物から、たん
ぱく質を取ってきました。ただし、人が伝統的に穀物を食べてきた食べ方と、現代の食べ
方では少し違いがあって、そのために今の人は穀物からたんぱく質をあまり取れていませ
ん。
例えば、現代の皆さんがお米を食べるとき、真っ白いご飯を炊いて食べています。ご飯
が真っ白いのは当たり前だと思っている方もいるでしょう。でも、昔の人が食べていたご
飯は違う色をしていました。茶色がかっていたのです。
米というのは一番外側の 殻を外すと茶色いもので、これを玄米といいます。昔はこの
玄米をそのまま炊いていたので、ご飯は茶色だったのです。今のご飯が白いのは、玄米の
外側の部分を削って、米を精白しているからです。つまり、真っ白いご飯を食べるという
ことは、米の外側の部分を捨ててしまうということなのです。
しかし、今の食生活で捨てられている、この米の外側の部分にこそ、大量のたんぱく質
が含まれているのです。昔は外側を捨てずに米を丸ごと食べていたので、充分なたんぱく
質を取れていたというわけです。
これは小麦やトウモロコシの場合でも同じです。小麦にしても、昔のパンは小麦の粒を
丸ごと いて使っていましたから、パンを割ると中の生地まで茶色がかっていたのです。
でも、今のパンのほとんどは、精白した小麦の粉を使って焼きますから、割ってみると真
っ白い色をしています。
今の食生活では、米だけでなく、小麦などの穀物を食べる場合でも、たんぱく質を豊富
に含んでいる部分をわざわざ削って捨ててしまっているのです。何だか不自然な話だと思
いませんか?
現代の人は、真っ白いご飯、真っ白いパンを食べているので、植物性のたんぱく質が取
れていないのです。その分を肉や卵などの動物性たんぱく質で補うというのが、現代の食
事の実情となっています。
ですから、肉食というのは、穀物のたんぱく質を捨てるという不自然な食べ方をしてい
るせいで生まれてきたとさえいえるのです。このような食べ方は、人の長い歴史の中で見
てみると、無理のある食べ方です。そのため、今の人の体や心に、様々な無理がかかって
きています。
肉などを食べていると、どうしても心が猛々しくなっていきます。最近、イライラしや
すくて、ちょっとしたことでキレてしまう人が増えているのは、肉をあまりにも取りすぎ
ているせいです。また、食生活は人の顔にも現れてきます。
最近は人の顔も変わってきています。
今の人の顔を見ていて、眉や目のつり上がっている人が実に多いことにお気づきになら
ないでしょうか(135ページ参照)。
これも肉食の影響です。不自然な食生活で、せっかく本来持っていた人としての美しさ
が損なわれてしまっているのです。穀物をなるべく丸ごと食べ、豆類なども多く取ってく
ださい。そうすれば、自然と動物性たんぱく質が少なくなっていきます。
無理にそうしようと思わなくても、玄米などを食べて植物性のたんぱく質を増やしてい
くと、肉や卵などの動物性の食べ物をあまりほしいと感じなくなってきます。
植物性のたんぱく質を見直し、動物性食品の取りすぎをなくしましょう。
それが、皆さんの持っている本当の美しさを取り戻すための、最初のステップになりま
す。
●脂肪分は少なくして、植物から取りましょう
現代の食生活で第二に問題なのは、脂肪分の取りすぎです。特に動物性の脂肪が多すぎ
ます。
本来、脂肪というものは食物の中からあまり取る必要のないものです。最近の食生活で
はよくあることですが、ついつい食べすぎになります。ご飯やパンなどを食べすぎれば、
それに含まれている炭水化物のうち余った分は、体内で脂肪に変えられて蓄えられます。
また、食べすぎた肉などに含まれている、余ったたんぱく質も、脂肪に変えられてしまう
のです。
こんなふうに特に脂肪を取らなくても、炭水化物やたんぱく質から脂肪をつくることが
できるのですから、わざわざ食べ物から脂肪分を取る必要はあまりありません。それどこ
ろか、動物性の脂肪は取りすぎると、健康や美しさを損ねます。
脂肪には二種類あります。肉などに含まれている脂肪は飽和脂肪、植物などに含まれて
いるのは不飽和脂肪といいます。飽和脂肪は取りすぎると血管などにこびりついて血管を
硬くし、心臓病や脳 塞など、死へとつながる病気の原因にもなるのです。
また、ごうした余分な脂肪を人の体は外へ出そうとします。それが皮膚の外へと押し出
されて肌の美しさを損ねていきます。最近、女性には皮膚の脂分か多いのを気にしている
人が増えているようです。顔に脂が浮いてテラテラしていて、それを気にしてあぶら取り
紙が手放せないという人もいます。
顔に脂が浮いたり赤く腫れ物が出たりするのは、脂肪分の取りすぎです。
また、眉間に縦じわが寄っている人も増えている気がします。眉間のしわは肝臓の悪い人
に多く見られるのですが、これも脂肪の取りすぎからきているこどが多いのです。
このように脂肪の取りすぎはやめたほうがいいのですが、どうしても食べたいのならば
植物性の油にしておくといいでしょう。動物性の食べ物はどうしても脂肪分が多くなりま
すからなるべく控えて、ごま油や菜種油、オリーブ油などの植物性のものを少しずつ使う
ようにしたらどうでしょうか。
もっとも、玄米など穀物を丸ごと食べる食生活をしていると、あまり脂肪分を欲しいと
思わなくなってきます。それは、穀物の外側にはたんぱく質だけではなく、脂肪分も含ま
れているからです。
玄米を精白すると、外側の部分が茶色い粉になって残ります。これを「米ぬか」といい
ますが、それを絞ると大量の油が取れます。昔はこの「米ぬか油」を使って下町のお総菜
屋さんなんかが天ぷらを揚げていました。穀物を丸ごと食べると、たんぱく質だけでなく
脂肪分も充分に取れてしまうわけです。
脂肪の取りすぎはやめて、動物性の食べ物からではなく、植物性の食べ物から適量の油
を取るという生活に変えてみてはどうでしょう。これが、健康で美しくすごす食生活のコ
ツです。
●砂糖の取りすぎは心身の美しさを失わせます
三つ目の問題点は砂糖の取りすぎです。最近の食生活では砂糖がふんだんに使われてい
ます。女性などは特に甘いお菓子に目がないですし、料理の味付けにも砂糖を多く使いま
す。でも、これは気をつけたほうがいいのです。
砂糖を取りすぎると、興奮したり落ち込んだりという気分の起伏が激しくなりますし、
また、内臓を弱らせることにもなります。
砂糖があまりよくないのは、多糖類ではないからです。糖分には大まかにいって、単糖
類、二糖類、多糖類の三つの種類があります。単糖類というのは、ブドウ糖や果糖のよう
に分子が一つで、さらにほかの糖に分解することができないものです。二糖類は単糖類が
二つつながった形のものです。そして、でんぷんなどはブドウ糖の分子が非常にたくさん
つながった形をしており、多糖類と呼ばれます。
人はこうした糖類を含んだ食品を食べると、体内で分子のつながっているところをバラ
バラに切り離して、単糖に分解します。血液の中に吸収するには、小さくしないとダメだ
からです。単糖類や二糖類は分子が少ないですから、すぐにバラバラにできます。でも、
多糖類はたくさんの分子がつながっていますから、簡単にはバラバラになりません。
ちなみに、血糖値という言葉が健康番組などでよく出てくるでしょう。あれは、血液中
のブドウ糖の割合を指しています。砂糖の主成分であるショ糖は二糖類ですから簡単に切
り離されて単糖になりますので、食べるとすぐに血糖値が上がるわけです。
単糖は血液に溶けて、体中の細胞に配られてエネルギーとして使われます。ですから、
血糖値が上がると、気分がすぐに高揚するのです。でも、血糖値の上がりすぎは体によく
ないですから、体はそれを下げようとします。
すい臓からインシュリンというものが出てきて、一時間もすると血糖値が下がっていき
ます。すると、気分のほうもすぐにしぼんでしまうわけです。
つまり、砂糖はすぐに気分を盛り上げてくれるかわりに、落ち込むのも速くなるわけで
す。
女性には、甘いものをしょっちゅう口にしていないと落ち着かないという人がいます
が、あれは無理もないのです。
砂糖を食べることで起こる気分の上がり下がりは、人にとってあまり快適ではありませ
ん。ですから、また気分を戻そうとして砂糖がほしくなります。こうして、砂糖をいつも
欲しがるという生活が習慣化するわけです。でも、砂糖をしょっちゅう口にするという習
慣は、健康によくありません。
まず、血糖値を頻繁に上げ下げしていると、インシュリンを出しているすい臓が弱って
きてしまいます。すると、インシュリンが正常に出なくなり、これが悪化すると糖尿病に
なるのです。そこまで行かない場合でも、砂糖に頼っていると低血糖症になりやすくなり
ます。
皆さんは、夜になると手足が冷えて困ったりしませんか。こんな悩みを持っている女性
は多いですけれど、その多くは低血糖症なのです。また、胃にもよくありません。
単糖類・二糖類が胃に入ると、「ストマック・リアクション」というのが起こります。
胃というのは食べ物を消化するために動いているのですが、単糖類・二糖類が入ると動き
が止まります。そして、胃液がたくさん出るのです。そのため、胃酸過多になりやすいの
です。これが頻繁に繰り返されると胃壁がただれて、最悪の場合は胃ガンにまでなってし
まいます。
このほかにも、砂糖を取りすぎると腸内の微生物に影響を与えて、ビタミンBグループ
欠乏症になることもあります。ビタミンBグループが足りなくなると、脳細胞が正常な反
応をできなくなってしまいます。そのため、単糖類・二糖類を取りすぎると、人の判断が
おかしくなりやすいわけです。
このように、砂糖を取りすぎる生活をしていると、内臓は弱ってきますし、心にも悪い
影響が出てきます。そして、単糖類・二糖類を取りすぎると、肌にもそれが現れます。ほ
くろやソバカスの多い女性が近頃多いですが、これは砂糖の取りすぎにより起こります。
余った糖類を体が外へ出そうとして、それが肌に黒いしみを作っていくのです。
でも、甘いものをやめるのはつらいものです。それならば、多糖類でこれを取ったらど
うでしょうか。多糖類の場合は砂糖などと違い、ブドウ糖に分解されるまでに長い時間が
かかります。そのため、様々な悪影響が出ません。麦あめ、米あめ、精白していない甜菜
糖、精製していない黒糖、メープルシロップなどの多糖類で甘味を取られてはどうでしょ
う。
クシマクロビオティックではこうした多糖類を使ったお菓子をご紹介していますし、自
然食品を扱っているお店では少しずつそうした食べ物も出回るようになっているようで
す。
嗜好品としての甘味がないとさびしいものです。ですから、チョコレートやケーキな
ど、白い砂糖を使ったお菓子もたまにならばいいでしょう。でも、日常では単糖類・二糖
類を避け、多糖類を使って甘味を取るようにしたいものです。
●牛乳は子牛用です。人には向いていません
第四に問題なのは、牛乳や乳製品です。現在の日本では食生活の欧米化が進んでいま
す。そのために、あまりよくないことも起こっています。肉や卵をたくさん食べることも
そうですが、もう一つ目立つのが、牛乳や乳製品をたくさん取るようになったことです。
これも近代の栄養学が、食生活を間違った方向へ向かわせた一例です。牛乳にはカルシ
ウムやたんぱく質が豊富だというので、学校給食などで乳製品をたくさん取らせるように
なりました。そのため、今の日本ではそれが食生活として定着してしまったのですが、実
をいえば、これは日本の人にとってよいこととはいえません。そのわけは、牛乳の成分は
人にとって使いにくいものだからです。
冷たい牛乳を飲んでおなかをこわしたことはありませんか?
皆さんの周りにはそんな人が何人かはいらっしゃると思います。牛乳には乳糖という成
分が含まれていますが、日本の人の場合、この乳糖を分解する菌が腸の中にいない人が多
いのです。そのために、牛乳を飲むと下痢をしてしまうわけです。また、牛乳にはたんぱ
く質や脂肪が多く含まれていますが、これも人にとってはあまり利用できるものではあり
ません。
牛乳というのは牛の赤ちゃんを育てるためのものですから、もともと人間用ではありま
せん。たんぱく質や脂肪の粒が大きすぎて吸収しにくくなっています。たとえ吸収された
としても、体はそれを利用できないのです。
そのため、牛乳を飲むと人の体はそれを体外に出そうとします。女性の場合、しばしば
それがおりものとなって出ますし、ひどいときには病気を引き起こすこともあります。使
えない成分を皮膚から出そうとすれば皮膚発疹、アトピー症状を起こしますし、呼吸器か
ら出そうとすればぜんそくの原因になることもあるのです。
体から出し切れずに体内にたまることもあります。例えば、牛乳は牛のお乳から出てき
たものですから、人の乳房にたまりやすいのです。それで、女性の場合は胸が大きくなっ
てくるのですが、また同時に乳がんの原因となることもあります。
このほか、女性の子宮にたまって子宮筋腫の原因になったり、男性の場合は前立腺ガン
の原因になったりすることもあります。
こんなふうに、牛乳や乳製品は人の体にとってあまりよくないのです。牛乳を飲まなく
ても、ほかによい食べ物はたくさんあります。たんぱく質については先ほどもお話しした
ように、玄米などの穀類に豊富に含まれています。また、カルシウムを取りたければ、ひ
じきやわかめなどの海藻類がいいでしょう。こうした食材には牛乳よりもはるかに多くの
カルシウムが、人に使える形で含まれているのです。
現代に増えてきた病気のいくつかは、乳製品が日常的に取られるようになったことにそ
の一因があります。健康で美しく楽しく生きるために、牛乳や乳製品を取る習慣は見直し
たほうがいいようです。
●食事の改善は無理なくできます
肉を食べてはいけない。乳製品やお砂糖もダメ。こんなことをいわれると、つらそうで
す。今の食生活では肉や乳製品を使ったご馳走があたりまえになっていますから、そう思
うのもしかたないでしょう。でも、無理をする必要はありません。ちょっとお肉を食べる
のを減らそうか。ケーキやチョコレートなんかを減らそうか。そんな気持ちで大丈夫で
す。
そして、ちょっと試しに、玄米のご飯を食べてみてください。最初は全部玄米だけのご
飯でなくてもかまいません。白米と玄米を半々で炊いたものでもいいですし、「五分搗
き」といって完全に精白しないで半分ほど搗いたお米でもいいでしょう。専門のお米屋さ
んなら、たいていのお店で気軽にやってくれます。
食べてみるとわかりますが、玄米のご飯は意外とおいしいものです。ぷちぷちとした歯
ごたえがあって噛んでいて楽しいですし、噛んでいるうちに何ともいえないほのかな甘味
が出てきます。それに、玄米のご飯を食べると、お腹がとっても満足します。食物繊維が
豊富ですし、自然に噛む回数が増えますから、満腹感がとてもあるのです。いつもと同じ
くらいの量のご飯を食べると、おかずは普段の半分くらいしか食べられないほどです。
ですから、玄米のご飯を一度食べてみれば、「また食べてもいいな」、「毎日でも食べ
られそう」と思えてきます。
そして、玄米のご飯をときどき食べるようになると、いつの間にか食べたいと思うもの
が以前とは変わったことに気づくはずです。
野菜や大豆、海藻なんかを使ったおかずがおいしくなってきて、あまり肉を食べたいと
感じなくなってきます。また、甘いお菓子も以前ほど頻繁に食べたいと思わなくなりま
す。こうやって、玄米のご飯を食べていると、無理に「肉をやめよう。甘いものを我慢し
よう」なんて思わなくても、自然に食生活がよい方向へと変わっていくのです。
食生活を改善するのに、本来は無理も我慢も必要ありません。人の体にとって自然なも
のを食べるように変えることは、少しもつらいと感じないものです。
「肉を我慢しなきゃ。甘いお菓子を我慢しなきゃ」
そんなことを思わなくても大丈夫です。ただ、
「こうしたものは、控えたほうがいいんだな」
ということだけ、ちょっと覚えておいてください。
そして、玄米のご飯を試してください。あるいは、和食が苦手だという人なら、小麦を
精白せず丸ごと使った「全粒粉」のパスタやパンを食べてみてください。そのおいしさを
知れば、あなたの食生活はだんだんと、自然に改善されていきます。
●第一章のまとめ
○マクロビオティックは、人にとって自然な生き方です。
○動物性食品は控えましょう。
○玄米のご飯を食べましょう。
○脂肪は動物ではなく植物から取りましょう。
○砂糖を減らしましょう。
○乳製品を控えましょう。
○食生活の改善に、無理は必要ありません。