ISSN 1347-7676 国別定期報告 オマーン 2013 年 7 – 9 月 政 治 .................................................................................................... 1 外 交 ............................................................................................................. 1 対 GCC諸 国 関 係 ................................................................................................... 1 対 イラン関 係 ......................................................................................................... 1 国 連 総 会 ............................................................................................................. 2 内 政 ............................................................................................................. 2 カーブース国 王 動 静 .............................................................................................. 2 首 相 選 出 に関 する外 相 発 言 ................................................................................... 2 治 安 動 向 ............................................................................................................. 3 燃 料 補 助 金 削 減 の動 き .......................................................................................... 3 政 治 と言 論 の自 由 に関 する問 題 ............................................................................. 3 労 働 問 題 ............................................................................................................. 4 人 口 動 態 ............................................................................................................. 4 経 済 .................................................................................................... 5 財 政 ・経 済 一 般 ............................................................................................. 5 GDP、インフレ率 等 の実 績 および予 測 ...................................................................... 5 2013 年 1-5 月 は財 政 赤 字 ..................................................................................... 5 政 府 が国 営 企 業 の上 場 を検 討 、2014 年 予 算 で企 業 名 を公 表 予 定 ............................ 6 金 融 ............................................................................................................. 6 2013 年 上 期 の銀 行 各 社 決 算 ................................................................................. 6 Bank Nizwaがシャリア準 拠 銀 行 間 取 引 協 定 を各 行 と締 結 .......................................... 6 Bank Muscatの携 帯 サービス顧 客 数 が 10 万 人 を超 える ............................................. 7 シャリアインデックスが 9 月 15 日 より銘 柄 変 更 ........................................................... 7 通 信 ............................................................................................................. 7 Oman TVがiPadでコーラン読 書 サービスを展 開 ......................................................... 7 Omantel インターネット接 続 に関 し、米 国 CDNetworksと提 携 ...................................... 7 政 府 がOmantelの株 式 比 率 を 51%まで引 き下 げることを表 明 ...................................... 8 堀拔 功二(政治) 鈴木 清一(経済) 一般財団法人 日本エネルギー経済研究所 中東研究センター ISSN 1347-7676 運 輸 ・不 動 産 ・建 設 ・港 湾 開 発 ・都 市 開 発 ........................................................ 8 新 航 空 路 線 情 報 ................................................................................................... 8 鉄 道 プロジェクト関 連 の動 き .................................................................................... 8 サラーラ港 開 発 関 係 .............................................................................................. 9 ドクム港 開 発 関 係 .................................................................................................. 9 ソハール港 開 発 関 係 .............................................................................................. 9 Matinah高 速 道 路 関 係 ........................................................................................ 10 公 共 産 業 ・その他 産 業 ・海 外 企 業 (エネルギー以 外 ) ....................................... 11 自 治 水 資 源 省 MRMWRがニズワダムのプロジェクトを発 表 ......................................... 鉱 業 部 門 におけるGDPがRO1 億 を超 える ............................................................... 農 業 部 門 過 去 4 年 間 は年 率 8.4%成 長 自 給 率 39.5% ............................................ 日 本 製 品 関 係 報 道 (現 地 英 字 新 聞 Obserb erおよびMuscat Dailyより) ....................... 韓 国 製 品 関 係 報 道 (現 地 英 字 新 聞 Obserb erおよびMuscat Dailyより) ....................... 11 11 11 12 12 国 外 投 資 および国 外 からの投 資 ................................................................... 12 SEZADやPAIPED一 行 がシンガポールでドクム港 誘 致 キャンペーン ............................ 12 カナダ企 業 が有 機 肥 料 工 場 の建 設 を計 画 ............................................................. 12 OOCが出 資 するインドBORLが 2014 年 にIPOを計 画 ................................................ 13 エネルギー .................................................................................................. 13 石 油 の潜 在 的 な埋 蔵 量 は 500 億 バーレル ............................................................. マスカット/ソハール・パイプラインのフェーズ 1 は 2014 年 末 に稼 働 開 始 ...................... Sembcorp SalalahがIPO ....................................................................................... 上 期 天 然 ガス消 費 5.1%増 加 、EOR用 の増 加 が主 たる要 因 ...................................... 海 底 パイプライン敷 設 によるイランからの天 然 ガス輸 入 に関 するMOU締 結 ................... 送 電 線 拡 充 ........................................................................................................ 二 つのLNG合 弁 会 社 が合 併 ................................................................................ 油 田 ・ガス田 開 発 の動 き ....................................................................................... 13 13 14 14 14 15 15 16 環 境 ........................................................................................................... 16 Safah油 田 ブロック 9 でのCDM登 録 ....................................................................... 16 PDOがLED導 入 .................................................................................................. 16 JIME 国別定期報告「オマーン」2013 年 7-9 月 1.0 政 治 1.1. 外 交 1.1.1. 対 GCC諸 国 関 係 ユ ー ス フ ・ ビ ン ・ ア ラ ウ ィ ー 外 務 担 当 国 務 相 は 7 月 28 日 、 オ マ ー ン ・ ジ ャ ー ナ リ ス ト 協 会 ( OJA) 理 事 会 メ ン バ ー と の 定 期 懇 談 会 に 出 席 し た 。 オ マ ー ン の 外 交姿勢について、周辺諸国と一部相容れない点があるとの質問に「オマーン外交 政 策 は 不 変 で あ り 、カ ー ブ ー ス 国 王 の 即 位 以 来 そ う で あ る 」と 説 明 し た 。さ ら に 、 それはドグマのようなものではなく、成功する未来を予測して出来事を現実的に 対処する政策であると述べた。 1.1.2. 対 イ ラ ン 関 係 1.1.2.1. カ ー ブ ー ス 国 王 の イ ラ ン 訪 問 カ ー ブ ー ス 国 王 は 、8 月 25 日 か ら 二 日 間 の 日 程 で イ ラ ン を 訪 問 し た 。イ ラ ン 外 務 省 が 同 18 日 に 明 ら か に し た も の で 、 両 国 の 関 係 に つ い て 議 論 さ れ た 。 カ ー ブ ース国王の訪問は、イランでハサン・ロウハーニー師による新政権が成立して以 来 、初 め て の 首 脳 級 訪 問 と な っ た 。た だ し 、 「 私 的 な 訪 問 」と 位 置 付 け ら れ て い る が 、オ マ ー ン 国 内 で は「 画 期 的 な 訪 問 」 ( 8 月 25 日 付 オ マ ー ン・オ ブ ザ ー バ ー 紙 ) と報じられた。 カーブース国王は、ロウハーニー大統領と会談を行い、両国関係の促進につい て意見を交わした。会談には、オマーン側からはハーリド・ビン・ヒラール・ブ ー サ イ ー デ ィ ー 宮 廷 府 相 、ス ル タ ー ン・ビ ン・ム ハ ン マ ド・ヌ ア イ ミ ー 国 王 府 相 、 ユースフ・ビン・アラウィー外務担当国務相、アブドゥルアズィーズ・ビン・ム ハ ン マ ド・ル ワ ー ス 国 王 顧 問 、ム ハ ン マ ド・ビ ン・ハ マ ド・ル ム ヒ ー 石 油 ガ ス 相 、 サーリム・ビン・ナーセル・イスマーイーリー投資促進輸出開発庁長官、ヤフヤ ー・ビン・アブドゥッラー・ビン・サーリム・ファナーフ駐イラン大使らが同席 した。イラン側からは、ムハンマド・ジャバード・ザリーフ外相、ビジャン・ナ ムダル・ザンガネフ石油相、アリー・ジャナアティー文化イスラーム相、ムハン マド・レザー・ネマトゥザーデー産業鉱業商業相ら同席した。 また、カーブース国王はアリー・ハーメネイー最高指導者とも会談した。今回 の 訪 問 に 合 わ せ 、 両 国 の 間 で イ ラ ン か ら オ マ ー ン へ の ガ ス 輸 出 に 関 す る MoU が 締結された。イラン地元紙は、今回の訪問についてイランと米国の水面下での交 渉開始を目的としたものであると報じた。 1.1.2.2. そ の 他 二 国 間 関 係 バ ド ル ・ ビ ン ・ サ ウ ー ド ・ ブ ー サ イ ー デ ィ ー 国 防 担 当 相 は 9 月 17 日 、 イ ラ ン を訪問してハサン・ロウハーニー大統領と会談した。会談では、バドル国防担当 相はカーブース国王からの挨拶を伝えた。また、イランのホセイン・デフガーン 国 防 相 と 会 談 が 行 わ れ 、 軍 事 協 力 の 枠 組 み に 関 す る MoU が 締 結 さ れ た 。 1/17 JIME 国別定期報告「オマーン」2013 年 7-9 月 ニ ュ ー ヨ ー ク 訪 問 中 の ユ ー ス フ ・ ビ ン ・ ア ラ ウ ィ ー 外 務 担 当 国 務 相 は 9 月 23 日、イランのムハンマド・ジャバード・ザリーフ外相と会談した。二国間関係や 中東情勢に関する共通の懸念について、意見を交わした。 1.1.3. 国 連 総 会 ユースフ・アラウィー外務担当国務相は、9 月中旬から国連総会に出席するた め に 訪 米 し た 。9 月 30 日 、一 般 演 説 を 行 い 、オ マ ー ン の 最 近 の 中 東 情 勢 に 関 す る 意見などを表明した。 オマーン国は、国連安全保障理事会による「シリアの化学兵器に関する決議 2118( 2013 年 )」 を 歓 迎 し た 。 ま た 、 シ リ ア 政 府 と 反 体 制 派 の 協 議 の た め に ジ ュ ネ ー ブ II 会 議 の 開 催 を 推 進 す る こ と を 表 明 し た 。こ の ほ か 、ソ マ リ ア に お け る 政 治・経済改革の実施を求めたり、国連のパレスチナ問題への努力を支持した。さ らに、中東を核兵器廃絶地域にするイニシアチブへの支持を表明した。 1.2. 内 政 1.2.1. カ ー ブ ー ス 国 王 動 静 カ ー ブ ー ス 国 王 は 7 月 21 日 、独 立 記 念 日「 ル ネ サ ン ス 」 ( ナ フ ダ )を 祝 っ て 215 人 ( う ち 139 人 は オ マ ー ン 人 ) の 囚 人 に 恩 赦 を 与 え 、 釈 放 し た 。 ま た 、 翌 8 月 6 日 に も 、イ ー ド・ア ル =フ ィ ト ル を 祝 っ て 155 人 の 囚 人 に 恩 赦 を 与 え 、釈 放 し た 。 囚 人 の 中 に は 、 87 人 の オ マ ー ン 人 受 刑 者 も 含 ま れ て い た 。 8 月 9 日 、イ ー ド・ア ル =フ ィ ト ル の 初 日 が 祝 わ れ た 。カ ー ブ ー ス 国 王 は 、政 府 要 人 ら の 訪 問 を 受 け た 。 11 日 に は 、 各 国 首 脳 か ら イ ー ド ・ ア ル =フ ィ ト ル を 祝 う 電報を受取った。この中には、バラク・オバマ米大統領やサルマーン・サウジ皇 太子らも含まれている。 1.2.2. 首 相 選 出 に 関 す る 外 相 発 言 ユースフ・アラウィー・外務担当国務相は 7 月末、外交官クラブで開催された ジ ャ ー ナ リ ス ト 協 会 ( OJA) の メ ン バ ー と の 懇 談 会 に 出 席 し た 。 こ の 中 で 、 オ マ ーンで首相を選出することは簡単なことではないと発言した。現在、首相はカー ブ ー ス 国 王 が 兼 務 し て い る 。 UAE の ガ ル フ ・ ニ ュ ー ズ 紙 が 報 じ た 。 アラウィー外務担当国務相は、記者の質問に対して「誰を指名するのか? 王 族 の 中 か ら か 、そ れ と も 部 族 長 か ? 」と 回 答 し た 。歴 史 的 に は 、1970 年 代 初 期 に カーブース国王の叔父にあたるサイイド・ターリク・ビン・タイムールが首相を 務めていた。 OJA の ア ワ ズ ・ ビ ン ・ サ イ ー ド ・ バ ク ワ イ ル 会 長 は 、こ の 質 問 を 非 常 に 難 し い ものと指摘。 「 我 々 は ス ム ー ズ に 動 く シ ス テ ム を も っ て い る の に 、な ぜ 変 え る こ と や 首 相 の 任 命 に つ い て 話 を す る の か ? 」と 述 べ た 。将 来 に つ い て は 起 こ り う る が 、 現在については起こらないと考えた。 2/17 JIME 国別定期報告「オマーン」2013 年 7-9 月 1.2.3. 治 安 動 向 7 月 9 日、ソハール港で火器の密輸事件が発覚した。この事件で、オマーン人 容 疑 者 9 人 が 逮 捕 さ れ 、 30,393 丁 の ピ ス ト ル が 差 し 押 さ え ら れ た 。 1.2.4. 燃 料 補 助 金 削 減 の 動 き 諮 問 評 議 会 ( マ ジ ュ リ ス ・ シ ュ ー ラ ー ) の 経 済 財 政 委 員 会 は 8 月 19 日 、 燃 料 に対する補助金支出の廃止を提案した政府案を審議した。同委員会は、様々な方 面での影響が大きいとして、この提案に反対した。また、諮問評議会議員もこの 廃止案を支持していないと指摘した。 1.2.5. 政 治 と 言 論 の 自 由 に 関 す る 問 題 1.2.5.1. 活 動 家 の 恩 赦 カ ー ブ ー ス 国 王 は 7 月 22 日 、 2011 年 の ス ハ ー ル の 抗 議 活 動 で 逮 捕 さ れ た 14 人 の 活 動 家 に 恩 赦 を 与 え 、 釈 放 し た 。 活 動 家 は 、 裁 判 で 禁 固 30 ヶ 月 か ら 5 年 の 実 刑 が 言 い 渡 さ れ て い た 。当 初 、 「 ナ フ ダ 」を 祝 っ た 恩 赦 リ ス ト に 活 動 家 の 名 前 は 含まれていなかったが、追加で釈放された。 7 月 25 日 、ス ハ ー ル で 元 外 交 官 が デ モ に 参 加 し た と こ ろ 、拘 束 さ れ た 。拘 束 さ れ た の は ハ サ ン ・ ム バ ー ラ ク ・ ア ル =ビ ル ー シ 氏 で 、 23 日 に 恩 赦 で 釈 放 さ れ た 活 動家の歓迎活動の最中に逮捕され、その後三日間拘束されていた。 1.2.5.2. 諮 問 評 議 会 議 員 の 逮 捕 オ マ ー ン 人 権 モ ニ タ ー( MHRO)に よ る と 、8 月 22 日 に マ ス カ ト か ら 北 へ 235km にあるリワで行われた集会において、治安部隊がデモ隊に催涙弾を発射したこと を 明 ら か に し た 。 集 会 は 、 タ ー リ ブ ・ ア ル =マ ア マ リ ー 諮 問 評 議 会 議 員 ( リ ワ 出 身)の主催で行われたもので、政府に対してスハール工業地帯の公害問題拡大に ついて、抗議するものであった。女性や子どもの参加もあったとされている。こ の他、市民複数人も治安当局によって拘束されていると関係者が明らかにしてい る。マアマリー議員の逮捕は、議会閉会中であったため、不逮捕特権が適用され な か っ た 模 様 。 こ の 事 件 を 受 け て 、 諮 問 評 議 会 は 8 月 27 日 に 特 別 委 員 会 を 設 置 した。ハーリド・マアワーリー諮問評議会議長は、マアマリー議員に対する不逮 捕特権は剥奪されていないとツイッター上で説明した。 この事件について、議員の逮捕は公的な場所での違法な集会と、集団の指揮と いう二つの容疑で逮捕されていると、兄のムラード・マアマリーがガルフ・ニュ ーズ(9 月 9 日付)に伝えた。 1.2.5.3. ブ ロ ガ ー の 拘 束 ブ ロ ガ ー の ス ル タ ー ン ・ア ル =サ ア デ ィ ー 氏 が 7 月 29 日 、再 逮 捕 さ れ た 。同 氏 は 、2011 年 の ス ハ ー ル で の 抗 議 活 動 で 、サ イ バ ー 犯 罪 法 違 反 の 罪 で 逮 捕 さ れ て い たが、今年 3 月にカーブース国王からの恩赦によって釈放されていた。逮捕の理 由は明らかになっていない。 3/17 JIME 国別定期報告「オマーン」2013 年 7-9 月 1.2.6. 労 働 問 題 1.2.6.1. 自 国 民 就 労 状 況 政 府 統 計 に よ る と 、 公 務 員 の 数 は 2012 年 末 ま で に 151,683 人 に 達 し た 。 そ の う ち 、 134,417 人 ( 88.6%) が オ マ ー ン 人 で あ っ た 。 オ マ ー ン 人 職 員 の 数 は 、 前 年 比 5,310 人 増 加 し た と 、 オ ブ ザ ー バ ー 紙 ( 8 月 16 日 付 ) が 報 じ た 。 人 的 資 源 省 は 8 月 12 日 、 自 国 民 の 就 労 導 入 プ ロ グ ラ ム と し て 新 た に 二 つ の 計 画を導入する考えを示した。アブドゥッラー・バクリー人的資源相は、オマーン 紙 に 対 し て「 職 業 訓 練 プ ロ グ ラ ム は 全 て の 求 職 者 に 適 用 さ れ る 」と 述 べ た 。ま た 、 新 卒 者 向 け の プ ロ グ ラ ム に つ い て は 、 雇 用 主 が 賃 金 と し て 350OR を 支 払 う が 、 そ の う ち 150OR は 政 府 が 補 助 し 、企 業 は 残 り の 200OR を 支 払 う の み に な る と の こと。 国 民 の 就 労 問 題 が 焦 点 と な る な か 、 政 府 は 1,100 人 分 の 新 た に 公 務 員 の 雇 用 に ついて再募集を開始した。7 月に募集を開始したが、応募が少なかったという。 行 政 サ ー ビ ス 省 の 声 明 に よ る と 、 様 々 な 政 府 機 関 が 2,317 人 分 の 求 職 情 報 を 公 開 し た が 、 1,118 人 分 に つ い て は 申 し 込 み が な く 、 ま た 495 人 分 の 申 し 込 み に つ い ては書類審査で不合格であった。 1.2.6.2. 外 国 人 労 働 者 問 題 閣 僚 評 議 会 は 8 月 14 日 、 国 家 の 発 展 ・ 建 設 に 関 す る 声 明 を 発 表 し た 。 こ の 中 で、外国人労働力の適正なバランス割合を保つ必要があることが盛り込まれた。 最近、政府の中では不法滞在・違法就労外国人の摘発が相次いでおり、また自国 民の雇用問題も懸念されている。 9 月 7 日 か ら 11 日 に か け て 、建 設 労 働 者 9,000 人 以 上 が ス ト ラ イ キ を 実 施 し た 。 レイバーキャンプ前に労働者が集合し、賃上げや就労環境の向上、残業割り増し 賃金などを要求していた。オマーン警察や治安部隊が、ストライキに介入した。 人的資源省の声明によると、労働者の要求は満たされ、ストライキの終了が合意 されたと発表した。 1.2.7. 人 口 動 態 オ マ ー ン 国 立 統 計 セ ン タ ー は 7 月 14 日 、 最 新 人 口 統 計 を 発 表 し た 。 オ マ ー ン 総 人 口 は 、 4 月 末 時 点 で 3,869,873 人 を 超 え 、 こ の う ち オ マ ー ン 人 は 2,159,338 人 、 外 国 人 は 1,710,535 人 で あ っ た 。 ま た 同 セ ン タ ー に よ る と 、オ マ ー ン 在 住 の 外 国 人 人 口 は イ ン ド 人 の 607,556 人 を 筆 頭 に 、バ ン グ ラ デ シ ュ 人 の 462,725 人 、パ キ ス タ ン 人 の 222,880 人 、ス リ ラ ン カ 人 の 12,431 人 が 続 い て い る 。ま た 、エ チ オ ピ ア 人 は 38,915 人 と 増 加 傾 向 に あ る 。 ま た 国 内 に は 1,488,116 人 の 外 国 人 労 働 者 が お り 、 そ の う ち 1,328,453 人 は 男 性 、159,663 人 が 女 性 で あ っ た 。ま た 、53,446 人 は 政 府 部 門 で 雇 用 さ れ て お り 、 1,220,579 人 が 民 間 部 門 で 雇 用 さ れ て い る と の こ と 。 4/17 JIME 国別定期報告「オマーン」2013 年 7-9 月 2.0 経 済 2.1. 財 政 ・ 経 済 一 般 2.1.1. GDP、 イ ン フ レ 率 等 の 実 績 お よ び 予 測 2.1.1.1. 7 月 報 道 ・ NCSI( National Centre for Statistics and Information )が 2012 年 4 月 末 時 点 の 人 口 は 387 万 人 で 、 う ち 外 国 人 居 住 者 は 171 万 人 と 発 表 ・ CBO(the Central Bank of Oman)経 済 白 書 で 2012 年 の 名 目 GDP は 11.6%増 加 し 、 イ ン フ レ 率 は 2.9%に 止 ま っ た ( 2011 年 は 4.1%) こ と を 発 表 ・ 世 銀 が 2012 年 の オ マ ー ン か ら の 外 貨 送 金 は $74 億 と 発 表 ・ NCSI が 5 月 の イ ン フ レ 率 は 年 率 1.6%と 発 表 ・ 1-5 月 の 財 政 収 支 は RO1.1 億 の 赤 字 と NCSI が 発 表 。 ・ 国 連 機 関 が 、 オ マ ー ン の 人 口 は 2050 年 に は 約 500 万 人 に 到 達 す る と 発 表 2.1.1.2. 8 月 報 道 ・ Moody’s は オ マ ー ン の 経 済 成 長 を 2013 年 は 4.6%、 2014 年 は 4.1%と 予 測 ・ NCSI は 、 2012 年 の 出 生 数 が 7 万 5 千 人 超 と 発 表 し た 。 オ マ ー ン 国 籍 が 約 7 万 人で外国籍が約 5 千人である。 ・ NCSI が 6 月 の CPI (consumer price index)は 年 率 0.98%に 下 が っ た と 発 表 。 サ ー ビス部門の値下がりが影響した 2.1.1.3. 9 月 報 道 ・ IMF が 2013 年 の 成 長 率 を 4.2%と 予 測 ・ 2012 年 2 月 の イ ン フ レ 率 は 前 年 比 2.3%下 落 で 1 月 比 で は 0.2%下 落 と 発 表 ・ IMF が 2013 年 の 実 質 GDP は 5.1%増 加 と 予 測 ・NCSI が 4 月 の CPI (consumer price index)は 3 月 対 比 1.2%減 少 で 2009 年 12 月 以 来 最 低 と 発 表 。 水 産 物 価 格 が 8.7%下 落 し た の が 大 き く 影 響 し て い る 。 ・ NCSI が 4 月 の イ ン フ レ 率 は 全 年 同 月 比 +1.1%と 発 表 2.1.2. 2013 年 1-5 月 は 財 政 赤 字 7 月 下 旬 に 公 表 さ れ た NCSI の デ ー タ に よ る と 、 2013 年 1-5 月 に お い て 財 政 赤 字 1.1 億 オ マ ー ン リ ヤ ル ( RO) と な っ た 。 2012 年 の 同 時 期 で は RO158 万 の 黒 字 で あ っ た 。 赤 字 の 原 因 は 歳 入 が 前 年 の RO61 億 か ら RO60 億 へ と 減 少 し た こ と と 公共支出の増大である。 財 務 省 高 官 は 、 原 油 価 格 は 5.2%下 落 し US$107.5/b と な っ た こ と が 原 因 で あ る が 、生 産 数 量 が 3.5%増 加 し 92.9 万 b/d と な っ た こ と で 歳 入 減 を 抑 え た と 述 べ て い る 。 石 油 の 純 歳 入 は RO44.5 億 と 前 年 比 0.4%の 減 少 で あ る が 、ガ ス の 歳 入 は 21.6% 減 少 し RO6 億 と な っ て い る 。 公 共 支 出 は 3.6%増 加 し 、RO46.9 億 と な っ た が 、経 常 支 出 は 1.5%増 加 の RO28.8 5/17 JIME 国別定期報告「オマーン」2013 年 7-9 月 億 、 投 資 支 出 は 8.4%増 加 の RO10.6 億 と な っ て い る 。 2.1.3. 政 府 が 国 営 企 業 の 上 場 を 検 討 、 2014 年 予 算 で 企 業 名 を 公 表 予 定 オマーン政府は国営企業の上場を検討している。バルーシ財務担当国務相は、 民間部門の新規プロジェクトへの参入を可能にすることや政府の国営企業への出 資比率の引き下げをもたらすものであり法律の手続きに則って進めると表明して いる。 同 大 臣 は 、政 府 は 多 岐 多 様 な 部 門 に 60 以 上 の 国 営 企 業 を 有 す る が そ の 中 に は 高 収 益 で 持 続 可 能 な も の が 多 数 あ り 、2014 年 予 算 に お い て 上 場 す る 会 社 を 公 表 す る と 述 べ て い る 。 同 大 臣 は 、 Oman Air( オ マ ー ン 航 空 ) は 、 適 切 な 時 期 に 上 場 さ れ るべき企業としている。 2.2. 金 融 2.2.1. 2013 年 上 期 の 銀 行 各 社 決 算 純利益 RO 63.1 百 万 (-7.7%) Bank Muscat NBO (National Bank of Oman) 2 総資産 1 RO 18.8 百 万 (-5.5%) Bank Sohar RO 11.9 百 万 (+15.4%) RO17.4 億 (+2%) Ahlibank RO 12.5 百 万 (+6%) RO13.0 億 (+23%) 3 Bank Nizwa - RO 4.9 百 万 HSBC Oman RO Bank Dhofar RO 40.8 百 万 (+109%) 9.3 百 万 (+28.1%) RO 1.7 億 RO23.5 億 (+12.1%) RO23.5 億 (+12.1%) 2.2.2. Bank Nizwaが シ ャ リ ア 準 拠 銀 行 間 取 引 協 定 を 各 行 と 締 結 オ マ ー ン 国 最 初 の イ ス ラ ム 銀 行 で あ る Bank Nizwa は 他 行 と の シ ャ リ ア 準 拠 銀 行 間 取 引 協 定 で あ る Wakala 協 定 の 締 結 を 進 め て い る 。 本 協 定 は AAOIFI (Accounting and Auditing Organization for Islamic Financial Institutions) 基 準 に 合 致 したものとなっている。 Bank Nizwa は 、 7 月 9 日 に Bank Sohar イ ス ラ ム 部 門 と 協 定 に 署 名 し 、 7 月 24 日 に Al Hilal Islamic Banking と も 協 定 を 締 結 し た 。さ ら に 8 月 に お い て BankDhofar の イ ス ラ ム 金 融 部 門 で あ る Maisarah Islamic Banking Services と の Wakala 協 定 締 結 を発表している。 1 2 3 2 月 に 発 覚 し RO15 百 万 の 損 失 を 計 上 し た プ リ ペ ー ド 旅 行 カ ー ド 詐 欺 事 件 に よ る 影 響 が 響 い た 。 Ban k Mu scat は 2013 年 上 期 で も 前 年 比 ▲ 7.7%の 減 益 と な っ て い る 。 2012 年 に お け る DBR (d ebt-burden -ratio: 債 務 負 担 比 率 )の 規 制 強 化 で 個 人 向 け 融 資 が 減 少 したことが主要因 評 価 損 を 含 め る と -RO6.2 百 万 6/17 JIME 国別定期報告「オマーン」2013 年 7-9 月 2.2.3. Bank Muscatの 携 帯 サ ー ビ ス 顧 客 数 が 10 万 人 を 超 え る Bank Muscat は 2012 年 よ り モ バ イ ル バ ン キ ン グ を 展 開 し て お り 、2013 年 7 月 に 顧 客 数 が 10 万 人 を 超 え た 。 サ ラ ー ラ で 行 わ れ た 記 念 式 典 が 開 催 さ れ 、 10 万 人 目 の利用者が参加している。携帯は行政サービスの分野でも活用されている。 2.2.4. シ ャ リ ア イ ン デ ッ ク ス が 9 月 15 日 よ り 銘 柄 変 更 MSM は 、 AAOIFI (Accounting and Auditing Organisation for Islamic Financial Institutions)基 準 を 満 た す 上 場 会 社 の 株 価 指 数 で あ る MSMSI を 7 月 1 日 よ り 開 示 し て お り 、 構 成 比 率 は 四 半 期 ご と に 見 直 さ れ る こ と と な っ て い た 。 MSM は 9 月 15 日 よ り 、産 業 部 門 の 19 社 、サ ー ビ ス 部 門 の 9 社 、金 融 部 門 の 4 社 か ら な る 32 社 の イ ン デ ク ス を 公 表 し て い る 。な お 、以 下 の 上 場 会 社 が リ ス ト に 含 ま れ て い る 。 Al Anwar Ceramic Tiles, Al Jazeera Services, Al Izz Islamic Bank, Bank Nizwa, Construction Materials Industry, Dhofar Beverages and Food Stuff, Al Batinah Development and Investment Holding, Dhofar Poultry, Gulf International Chemicals, Gulf Mushroom Products, Majan Glass, Muscat Gases, Al Maha Petroleum Products Marketing, National Real Estate Development, Nawras and Oman Chromite, Oman Chlorine, Oman Cement, Oman Education and Training, Oman Flour Mills, Oman Oil Marketing, Oman Refreshments, Oman Telecommunications Company, Oman Textile Holding, Port Services Corporation, Raysut Cement Company, Shell Oman Marketing, A’Saffa Foods, Oman Fisheries, Oman Sweets, Salalah Flour Mills and Voltamp Energy 2.3. 通 信 2.3.1. Oman TVが iPadで コ ー ラ ン 読 書 サ ー ビ ス を 展 開 Oman TV は ラ ッ プ ト ッ プ 、 iPads 等 で コ ー ラ ン 読 書 サ ー ビ ス を 展 開 し て い る 。 本サービスの目的は学生に聖なる書物の読み方をトレーニングすることであるが、 伝統的な手法である樹木の下での教授も継続される。 学生の学習度合いを評価するため、コーランの正しい読み方・発音などについ て定期的にコンテストが行われている。また、スルタンカブースセンターのイス ラム研究部門から講師が派遣されている。 2.3.2. Omantel イ ン タ ー ネ ッ ト 接 続 に 関 し 、 米 国 CDNetworksと 提 携 Omantel は イ ン タ ー ネ ッ ト 接 続 に 関 し 、 米 国 CDNetworks と 7 月 末 に 提 携 し た 。 CDNetworks は 中 東 に お い て は サ ウ ジ ア ラ ビ ア 、UAE、カ タ ル 、イ ラ ク 、イ ス ラ エ ルに進出しておりオマーンが 6 ケ国目となる。 Omantel は 、 本 提 携 に よ り 、 国 内 で の よ り 高 品 質 な イ ン タ ー ネ ッ ト 接 続 が 実 現 さ れ Omantel 利 用 者 の 利 便 性 が 向 上 す る と と も に 、 Omantel か ら イ ン タ ー ネ ッ ト 回線を購入している海外の通信事業者にとっても価値を生むものになると述べて いる。 7/17 JIME 国別定期報告「オマーン」2013 年 7-9 月 2.3.3. 政 府 が Omantelの 株 式 比 率 を 51%ま で 引 き 下 げ る こ と を 表 明 Omantel( Oman Telecommunications Company)は 9 月 17 日 に 財 務 省 よ り 政 府 が 同 社 の 株 式 の 26%( 株 主 資 本 の 19%相 当 )を オ マ ー ン 人 お よ び オ マ ー ン の 機 関 投 資 家 に 公 開 す る と の 通 知 を 授 受 し た 。 Omantel は 通 信 接 続 サ ー ビ ス 会 社 株 式 を 通 じ て 同 日 こ の 旨 を 発 表 し 、 MSM( the Muscat Securities Market) に 届 け 出 て い る 。 諸 条 件 は CMA( Capital Market Authority) が 決 定 す る 。 オ マ ー ン 政 府 の 出 資 比 率 は 現 在 70%で あ り 、こ の 株 式 売 却 後 は 比 率 は 51%に 引 き 下 げ と な る 。 同 社 の 株 価 は 本 ニ ュ ー ス に よ り 4.31%の 下 げ と な り 8 週 間 で 最 低 の RO1.53 と な っ た 。下 げ 幅 は 3 月 31 日 以 降 で 最 大 値 を 記 録 し た 。こ の 結 果 年 初 来 で は 4.1%の 上 昇 率 に 縮 小 し た 。 MSM イ ン デ ッ ク ス は 年 初 来 14%の 上 昇 率 で あ っ た 。 な お 、 売 却 す る 19%分 の 時 価 は 約 RO228 百 万 で あ る 。 2.4. 運 輸 ・ 不 動 産 ・ 建 設 ・ 港 湾 開 発 ・ 都 市 開 発 2.4.1. 新 航 空 路 線 情 報 オマーン国発着の新航空路線(含む増便)は以下のとおりである。 7月 9 日 OA( 国 営 Oman Air) マ ス カ ッ ト /マ デ ィ ー ナ ( メ デ ィ ナ : サ ウ ジ ) Air Arabia( MENA 最 大 LCC)サ ラ ー ラ /シ ャ ル ジ ャ( UAE)週 3 便 に 増便 8 月 29 日 SpiceJet( イ ン ド LCC) ア ー メ ダ バ ー ド /マ ス カ ッ ト 週 3便 ま た 、欧 州 を 基 盤 と す る Cargolux 社 は 、ル ク セ ン ブ ル グ ~ マ ス カ ッ ト ~ 香 港 へ 週 2 便 を 10 月 2 日 か ら 就 航 す る と 発 表 し た 。 2.4.2. 鉄 道 プ ロ ジ ェ ク ト 関 連 の 動 き 9 月 7 日に開催されたオマーン交通サミットにおいて、鉄道路線の全貌が明ら か に な っ て き た 。 総 延 長 2,244Km を 北 か ら 辿 る と UAE 国 境 の カ ト マ ッ ト ・ マ ラ ー ハ か ら バ ル カ ま で で 256Km、さ ら に 南 進 し て マ ス カ ッ ト に 至 る 。首 都 マ ス カ ッ トでは、鉄道網構想も計画されている。また、貨物線路はマスカットを迂回する 計 画 の よ う で あ る 。北 部 で は 主 に 平 野 部 に 鉄 道 は 敷 設 さ れ 、主 な 駅 は the Wilayats of Shinas, Liwa, Sohar, Saham, Al Khabourah, Al Suwaiq, Al Rustaq, Al Musannah, Barka, Wadi Al Maawil and Al Seeb に 配 置 さ れ る 。 主 要 区 域 で は 200m 幅 の 通 廊 で あ り 、300m 幅 の Batinah 高 速 道 路 と 平 行 し て 敷 設 さ れ る 。ソ ハ ー ル 港 へ の 支 線 も 計 画 さ れ て い る 。ソ ハ ー ル と UAE 国 境 の Sunaynah/Al Ain を 結 ぶ 136Km の 支 線 も 計 画 さ れ て い る 。 さ ら に マ ス カ ッ ト 郊 外 の Al Misfah か ら 南 進 し ニ ズ ワ 道 路 か ら Izki に 至 る 。 そ こ か ら 東 進 し Sinaw へ さ ら に 高 速 道 路 と 平 行 し 東 南 方 向 で Mahut に 至 る 。 中 部 ド ク ム に 至 る 。 Misfah か ら ド ク ム ま で は 486Km で あ る 。 ド ク ム か ら は 南 西 方 向 で Thumrait を 経 由 し サ ラ ー ラ に 至 る 。 イ タ リ ア 国 営 鉄 道 グ ル ー プ 会 社 で あ る Italferr が 鉄 道 プ ロ ジ ェ ク ト の 初 期 デ ザ イ ン の コ ン サ ル タ ン ト に 選 定 さ れ た 。同 社 は 、ド イ ツ の DB International GmbH お 8/17 JIME 国別定期報告「オマーン」2013 年 7-9 月 よ び オ マ ー ン の National Engineering Office と の 競 争 に 勝 ち 選 定 さ れ た 。 ま た 、鉄 道 プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 コ ン サ ル タ ン ト に つ い て は 、29 社 の 技 術 説 明 が 行 わ れ 、 米 国 の Parsons Brinckerhoff、 Hill International、 Parsons International ス ペ イ ン の Tecnicas Reunidas お よ び 韓 国 の Dohwa Engineering の 5 社 に 絞 ら れ て い る 。 2.4.3. サ ラ ー ラ 港 開 発 関 係 運輸通信省は、サラーラ港の一般貨物ターミナルの補修整備関連の入札を 8 月 5 日 か ら 9 月 2 日 に 期 限 を 延 ば し て い る 。 8 月 5 日 の 期 限 ま で に は 15 社 が 入 札 し て い る 。こ の 補 修 整 備 は 隣 接 す る SFZ( Salalah Free Zone: サ ラ ー ラ 自 由 地 区 )に 入居する産業の増加に対応するものである。 2014 年 3-4 月 完 成 を 目 標 に し た 港 湾 能 力 の 拡 張 は 遅 れ 気 味 で あ る 。650 万 ト ン / 年 の 取 扱 能 力 を 乾 貨 物 が 2000 万 ト ン /年 の 能 力 と 液 体 貨 物 が 600 万 ト ン /年 の 能 力 に 拡 大 す る の が 原 案 で あ っ た が 、 SFZ に 入 居 す る 企 業 か ら は 液 体 貨 物 の 能 力 引 上 げ 要 望 が あ る 。 な お 、 コ ン テ ナ タ ー ミ ナ ル に つ い て は 2013 年 に 5 百 万 ト ン /年 ( TEUs:20 フ ィ ー ト 換 算 )に 能 力 が 拡 張 さ れ 、370 万 ト ン の 取 扱 数 量 が 記 録 さ れ ている。 SFZ で は イ ン フ ラ 整 備 が 進 め ら れ て い る が 、 220Kv の 電 線 グ リ ッ ド ス テ ー シ ョ ン の 整 備 を 進 め て い る OETC ( The Oman Electricity Transmission Company) は 、 SFZ の イ ン フ ラ 関 係 と し て は 最 後 と な る 入 札 の 手 続 き を 進 め て お り 、9 月 16 日 に 各 社 が 入 札 し た 模 様 で あ る 。 本 入 札 に は Liwa の グ リ ッ ド ス テ ー シ ョ ン の 増 強 も 含まれている。 2.4.4. ド ク ム 港 開 発 関 係 SEZAD( the Special Economic Zone Authority at Duqm)の ア ル ・ ジ ャ ブ リ 議 長 は は 、 7 月 23 日 の ル ネ ッ サ ン ス 日 4 の 特 別 声 明 で 、 オ マ ー ン 政 府 の SEZ( The Duqm special economic zone) イ ン フ ラ 関 係 の 投 資 は 約 $17.5 億 と な り Omantelや Nawras 5 は近代的な通信システムを構築していると述べた。 面 積 1,777 平 方 km、 海 岸 線 80km の SEZ 開 発 は 3 フ ェ ー ズ に 分 か れ 2025 年 完 成 を 目 指 し て い る 。 5 月 に は シ ン ガ ポ - ル の Sembcorp Utilities が オ マ ー ン の Takamul( Takamul Investment Company) と で CUC( Centralised Utilities Company) を設立し、電力、蒸気、水、排水、物流施設などの公共施設・サービスをドクム 開 発 に 提 供 し て い る 。 PAEW( Public Authority for Electricity and Water) は ド ク ム 港 に お け る 配 水 ネ ッ ト ワ ー ク を 検 討 し て お り 、 2013 年 3 月 に 12 社 か ら 見 積 り を 入手し評価を行っている。 2.4.5. ソ ハ ー ル 港 開 発 関 係 イ ン ド 鉄 鋼 大 手 JSPL( Jindal Steel and Power Ltd)は ソ ハ ー ル の Shadeed Iron and Steel を 2010 年 5 月 に ア ブ ダ ビ の Al Ghaith Holdings か ら 買 収 し 、 ソ ハ ー ル で 4 5 オ マ ー ン に お い て 、カ ブ ー ス 国 王 が 自 国 の 伝 統 を 保 持 し つ つ 進 め る 近 代 化 は 、 「ルネッサン ス」と呼ばれている オ マ ー ン 最 初 の 民 間 通 信 会 社 で 、 現 在 は カ タ ル 政 府 系 Ooredoo( 旧 Qtel) の 傘 下 9/17 JIME 国別定期報告「オマーン」2013 年 7-9 月 Jindal Shadeed Iron and Steel plant を 操 業 し て い る が 、 2 百 万 ト ン /年 の 鉄 鋼 プ ラ ン ト を 2013 年 10 月 か ら 運 転 開 始 す べ く 進 め て い る 。 同 社 は さ ら に $1.5 億 費 や し 、 1 百 万 ト ン /年 能 力 の 棒 材 線 材 圧 延 機 を 導 入 す る こ と も 計 画 し て い る 。 SIPC ( Sohar Industrial Port Company ) は 、 新 液 体 桟 橋 の EPC ( engineering, procurement and construction) 契 約 で 3 社 を シ ョ ー ト リ ス ト し て お り 、 2013 年 4Q に 契 約 先 が 決 定 さ れ る 見 込 み で あ る 。新 桟 橋 は 総 工 費 $1 億 で 、12 万 DWT 船 を 受 け入れる能力となる。 2.4.6. Matinah高 速 道 路 関 係 マ ス カ ッ ト 高 速 道 路 と UAE 国 境 の Khatmat Malaha を 結 ぶ 総 距 離 265km の Batinah 高 速 道 路 の 入 札 手 続 き が 進 行 し て い る 。 総 工 費 は RO10 億 ( $26 億 ) と 見 込まれている。 パ ッ ケ ー ジ 4 は 7 月 1 日 の 入 札 評 議 会 で 、 イ ン ド の 建 設 大 手 で あ る L&T ( Larsen & Toubro) の 子 会 社 で あ る L&T( Oman) LLC が 選 定 さ れ た 。 パ ッ ケ ー ジ 4 は マ ス カ ッ ト の Halban か ら バ ー テ ィ ナ の Khatmat Malaha 間 の 50km で 、 工 費 は RO1 億 3560 万 で あ る 。 パ ッ ケ ー ジ 5 は 、 オ マ ー ン の 道 路 架 橋 建 設 の 名 門 企 業 で あ る FSB ( Federici Stirling Batco LLC)を 中 心 と す る 合 弁 が 落 札 し た 。ソ ハ ー ル か ら Liwa 間 の 41km の 区 間 が 対 象 で 工 費 は RO1 億 3260 万 で あ る 。FSB は 欧 州 大 手 の Ferrovial Agroman と 組 み プ ロ ジ ェ ク ト を 勝 ち 取 っ た 。 合 弁 企 業 は 18 社 に 及 ぶ 。 パ ッ ケ ー ジ 6 は 7 月 31 日 の 入 札 評 議 会 で 、 ア テ ネ を 本 拠 地 と す る CCC ( Consolidated Contractors Company)が 選 定 さ れ た 。45km の 区 間 の 工 費 は OR1 億 2400 万 で あ る 。 CCC の 入 札 価 格 は 、 イ ン ド L&T、 オ マ ー ン の Sarooj Construction お よ び Batco Group に 次 ぐ 4 番 札 で あ っ た 。 パ ッ ケ ー ジ 4、 5、 6 と も 入 札 価 格 は L&T( Oman) が 最 低 だ っ た と Muscat Daily 紙 は 2013 年 7 月 2 日 付 け で 報 じ て い る。 な お 、パ ッ ケ ー ジ 1 は 2012 年 に 運 輸 通 信 省 が 地 元 企 業 で あ る Galfar Engineering が 選 定 さ れ て い る 。 工 費 は RO1 億 3890 万 。 パ ッ ケ ー ジ 3( 46Km) は 2013 年 4 月 に イ ン ド の Simplex Infrastructures Ltd と 現 地 パ ー ト ナ ー Konstruktor Engineering が 選 定 さ れ て い る 。工 費 は RO1 億 2235 万 。パ ッ ケ ー ジ 3 は 2013 年 8 月 に 正 式 に 契 約 締 結 ( 署 名 ) さ れ た 。 1-6 の 中 で 最 初 の 締 結 ( 署 名 ) で あ る 。 パ ッ ケ ー ジ 2( 44.75Km) は 、 2012 年 8 月 に マ レ ー シ ア の WCT Engineering と オ マ ー ン の Roads Engineering Company の コ ン ソ ー シ ア ム が 選 定 ( 工 費 OR1 億 2320 万 )さ れ た が 、2013 年 4 月 に 運 輸 通 信 省 は 同 コ ン ソ ー シ ア ム へ キ ャ ン セ ル を 通 告 し 、 10 月 21 日 提 出 期 限 で 再 入 札 を 進 め て い る 。 ま た 、Batinah 高 速 道 路 の 右 レ ー ン は ト ラ ッ ク 専 用 に す る こ と が 検 討 さ れ て い る 。 10/17 JIME 国別定期報告「オマーン」2013 年 7-9 月 2.5. 公 共 産 業 ・ そ の 他 産 業 ・ 海 外 企 業 ( エ ネ ル ギ ー 以 外 ) 2.5.1. 自 治 水 資 源 省 MRMWRが ニ ズ ワ ダ ム の プ ロ ジ ェ ク ト を 発 表 自 治 水 資 源 省 MRMWR ( The Ministry of Regional Municipalities and Water Resources)は 、ダ ー ヒ リ ー ヤ 行 政 区 に お い て 3 つ の プ ロ ジ ェ ク ト の 導 入 を 進 め て い る と こ ろ で あ る と 7 月 7 日 に 発 表 し た 。こ れ は 総 額 RO745 万 の リ チ ャ ー ジ ダ ム が 2 件 と ニ ズ ワ の 水 資 源 展 示 館 で あ る 。MRMWR の 高 官 は Izki 州 の Imti 川 の リ チ ャ ー ジ ダ ム が RO398 万 、 ニ ズ ワ 州 の Kalbouh 川 の リ チ ャ ー ジ ダ ム が RO347 万 の 工費と述べている。 Imti 川 は Imti 村 お よ び North and South Qaroot and the centre of the city に 水 を 供 給 し て い る Halfain 川 の 支 流 で あ り 、 ま ず 最 初 の ダ ム が 造 ら れ る と 同 高 官 は 述 べ て い る 。 ダ ム の 長 さ は 145m で 高 さ は 最 大 17.5m、 最 大 容 量 は 63 万㎥ 、 余 剰 水 を 排 水 す る た め の 長 さ 100m の 外 郭 部 が 付 属 す る 。 二 番 目 の リ チ ャ ー ジ ダ ム は Kalbouh 川 に 造 ら れ る 。州 の 中 心 部 か ら 8Km の 地 点 と な る 。 ダ ム の 長 さ は 310m で 高 さ は 最 大 19m、 最 大 容 量 は 405 万㎥ 、 余 剰 水 を 排 水 す る た め の 長 さ 200m の 外 郭 部 が 付 属 す る 。 2.5.2. 鉱 業 部 門 に お け る GDP が RO1 億 を 超 え る 6 月 に 公 表 さ れ た CBO の 年 次 報 告 で 、オ マ ー ン の 鉱 業 部 門 に お け る GDP は 2011 年 の RO9930 万 か ら 2012 年 は RO1 億 140 万 と な っ て い る 。商 務 産 業 省 は 2013 年 2 月に鉱物に付加価値を付けて輸出する鉱山会社にのみ採掘権を与えると発表し ている。オマーンは鉱物を原材料のまま輸出することを禁止している。鉱山会社 は付加価値を付けるための設備投資が必要となるが、既存の鉱山会社には猶予期 間が与えられることを商務産業省は認めている。 商務産業省は、金属鉱業の開発において、オマーン北部における銅の採掘と処 理について調査を行っており、経済性のある銅開発の予兆があり経済性を精査中 で あ る 。ク ロ ム に つ い て は 、68 鉱 区 の 採 掘 評 価 、岩 石 の 技 術 標 準 の 決 定 、オ レ フ ィン生産におけるクロムの利用を含む調査を完了している。同省は、オマーン北 部の山岳地帯におけるに大理石の調査や白色セメント 6 の原料の 4 サイトの調査 も完了している。 2.5.3. 農 業 部 門 過 去 4 年 間 は 年 率 8.4%成 長 自 給 率 39.5% 7 月 23 日 の オ マ ー ン の ル ネ ッ サ ン ス 30 周 年 を 記 念 し た 農 林 漁 業 省 の 報 告 に よ る と 、 2012 年 の 農 林 漁 業 生 産 高 は RO4.6 億 で 、 2009-2013 年 に お け る 成 長 率 は 年 率 8.5%と な っ て い る 。2009 年 に お け る 生 産 高 は RO3.6 億 で あ っ た 。同 報 告 書 は 、 農 業 部 門 が GDP 成 長 と 雇 用 に お い て 重 要 な 貢 献 を 成 し 食 糧 自 給 率 を 高 め る 部 門 であると述べている。 農業および漁業は、天然資源を保存し再生可能な開発を行うことを目的とした 6 金属成分を最小限にして、白さを際立たせたポルトランド・セメント。通常の灰色のセメ ントに比べて高価であり、装飾用などに用いられる。 11/17 JIME 国別定期報告「オマーン」2013 年 7-9 月 多数の施策を用いていると同報告書は述べている。 2.5.4. 日 本 製 品 関 係 報 道 ( 現 地 英 字 新 聞 Observerお よ び Muscat Dailyよ り ) 7月 2 日 ホンダがラマダンキャンペーンを発表 7月 2 日 日産のラマダンキャンペーンを紹介 8月 6 日 ホ ン ダ 4 輪 駆 動 Pilot の 快 適 さ が 紹 介 8月 7 日 ト ヨ タ と Lexus の シ ョ ー ル ー ム オ ー プ ン 8 月 25 日 MazdaCX5 が コ ン パ ク ト サ イ ズ 部 門 で 最 高 評 価 を 得 る 8 月 25 日 ホ ン ダ City の リ フ レ ッ シ ュ デ ザ イ ン が 紹 介 8 月 28 日 三 菱 自 動 車 販 売 店 が Diamond Approved Used Cars と 銘 打 っ て 中 古 車 販売 9月 4 日 日 産 NV350 Urvan モ デ ル 展 示 9月 5 日 マ ツ ダ SkyActiv は 技 術 で 快 適 さ と 機 能 を 向 上 9 月 18 日 日 産 X-Terra は レ ン タ ル 会 社 に と っ て 最 適 選 択 9 月 18 日 三 菱 自 動 車 オ マ ー ン が Facebook フ ァ ン 7000 人 に 感 謝 の 意 9 月 18 日 日 産 Tiida 販 売 開 始 9 月 25 日 日 産 オ マ ー ン が 10 月 31 日 ま で の キ ャ ン ペ ー ン 全 て の SUV 車 ( Crossover, Sedan LCV) Nissan Armada 購 入 者 に は 特 典 2.5.5. 韓 国 製 品 関 係 報 道 ( 現 地 英 字 新 聞 Observerお よ び Muscat Dailyよ り ) 7 月 22 日 サ ム ス ン Galaxy S4 zoom が 販 売 開 始 7 月 28 日 現 代 の 新 型 Centinial2014 が 発 売 8月 3 日 現 代 Santa Fe が 2012 年 の カ ー オ ブ ザ イ ヤ ー 受 賞 8 月 13 日 LG Optimus が 利 用 可 能 に 9 月 11 日 サムスンワイヤレス音響システム発売開始 9 月 24 日 サ ム ス ン が Galaxy Note 3 phablet お よ び Galaxy Gear 装 着 型 装 置 の 販売開始 9 月 30 日 サ ム ス ン Galaxy Tab 3 シ リ ー ズ 詳 細 紹 介 2.6. 国 外 投 資 お よ び 国 外 か ら の 投 資 2.6.1. SEZADや PAIPED一 行 が シ ン ガ ポ ー ル で ド ク ム 港 誘 致 キ ャ ン ペ ー ン SEZAD 、 PAIPED ( The Public Authority for Investment Promotion and Export Development:投 資 開 発 輸 出 促 進 機 構 )、ODC( Oman Drydock Co)、 DPC( Duqm Port Co)、Omran( Oman Tourism Development Co)、OOCO( man Oil Co) お よ び Takamul は 、 9 月 9-10 日 に シ ン ガ ポ ー ル に お い て ド ク ム 港 誘 致 キ ャ ン ペ ー ン を 行 っ た 。 2.6.2. カ ナ ダ 企 業 が 有 機 肥 料 工 場 の 建 設 を 計 画 カ ナ ダ の 農 業 向 け 製 品 販 売 会 社 GGO( Global Green Organics’)は MENA( Middle East and North Africa) 地 域 に お け る 農 業 者 向 け に 有 機 肥 料 工 場 を オ マ ー ン に 建 設 12/17 JIME 国別定期報告「オマーン」2013 年 7-9 月 す る こ と を 計 画 し て い る 。 Elliot Trading( GGO Oman) は 、 2012 年 4 月 以 降 オ マ ーンの農林漁業省と技術協力プログラムを進めており有機肥料のテストを行って き た 。 工 場 は 2014 年 の 4Q か 2015 年 初 頭 に バ テ ィ ナ 地 方 で 操 業 開 始 で き る 見 込 み と 同 社 の managing director は 述 べ て い る 。 2.6.3. OOCが 出 資 す る イ ン ド BORLが 2014 年 に IPOを 計 画 イ ン ド 第 二 位 の 石 油 精 製 販 売 企 業 で あ る BPCL( Bharat Petroleum Corporation Ltd)シ ン 会 長 は 9 月 29 日 に 、Bina 製 油 所 を 保 有 す る 傘 下 の BORL( Bharat Oman Refineries Limited) が 2014 年 中 に IPO を 行 う で あ ろ う と 述 べ た 。 BPCL は BORL の 株 式 49%を 保 有 し 、OOC は BORL の 株 式 26%を 保 有 す る 。残 り は 製 油 所 の 在 す る Madhya Pradesh 州 が 保 有 す る 。 BPCL は か つ て 49%中 24%を 売 却 す る と 述 べ て いたが、今回は出資比率の引き下げについてはなにも述べていない。 Bina 製 油 所 は 12 万 b/d の 能 力 を 有 し 2011 年 1 月 に 操 業 を 開 始 し た 。 現 在 能 力 を 18 万 b/d に 拡 張 中 で あ る 。 2.7. エ ネ ル ギ ー 2.7.1. 石 油 の 潜 在 的 な 埋 蔵 量 は 500 億 バ ー レ ル ナセル・アル・ジャシム石油・ガス省次官は、オマーンの潜在的な石油埋蔵量 は 500 億 で あ り 、 そ の 内 50 億 バ ー レ ル は 生 産 可 能 な 埋 蔵 量 と 述 べ た 、 8 月 14 日 付 け Observer 紙 は 報 じ て い る 。同 次 官 は 、採 掘 プ ロ グ ラ ム は 順 調 に 進 展 し 、採 掘 技術は発展を遂げていると述べている。 2.7.2. マ ス カ ッ ト /ソ ハ ー ル ・ パ イ プ ラ イ ン の フ ェ ー ズ 1 は 2014 年 末 に 稼 働 開 始 Orpic( Oman Oil Refineries and Petrochemicals Co) の Musab al MahruqiCEO は 7 月 21 日 に 同 社 の 再 生 可 能 報 告 書 に つ い て の 記 者 へ の 説 明 の 中 で 、 マ ス カ ッ ト /ソ ハ ー ル・パ イ プ ラ イ ン の フ ェ ー ズ 1 は 2014 年 末 に 稼 働 開 始 す る 見 込 み で あ る と 述 べた。フェーズ 1 はマスカット国際空港とミナ・アル・ファハル製油所間を結ぶ パイプライン建設である。 フェーズ 2 はミナ・アル・ファハル製油所とソハール間を結ぶパイプラインの 建 設 と マ ス カ ッ ト で の 中 間 貯 蔵 施 設 の 建 設 で あ る 。 同 CEO は 2016 年 ま で に フ ェ ーズ 2 が稼働することを期待すると述べている。 同 CEO に よ る と オ マ ー ン に お け る 石 油 製 品 の 需 要 は 年 率 10-15%増 加 し て い る とのことである。なお、このパイプラインの建設によって、マスカット市内のタ ン ク ロ ー リ ー の 交 通 量 を 70%削 減 す る こ と が で き る と さ れ て い る 。 フ ェ ー ズ 1 工 事 は 2014 年 始 め に 開 始 が 見 込 ま れ て お り 、 2013 年 の 第 4 四 半 期 で業者選定の入札が行われる。フェーズ 1 およびフェーズ 2 を併せるとソハール 製 油 所 と マ ス カ ッ ト 製 油 所 を 結 ぶ 総 延 長 280Km の パ イ プ ラ イ ン が 敷 設 さ れ る こ と に な る 。 総 工 費 は 、 $2 億 か ら $2.5 億 と 見 込 ま れ て い る 。 13/17 JIME 国別定期報告「オマーン」2013 年 7-9 月 2.7.3. Sembcorp Salalahが IPO ド フ ァ ー ル 行 政 区 の 主 要 な 電 力 水 会 社 で あ る Sembcorp Salalah Power and Water Company SAOG は 8 月 21 に IPO を 宣 言 し た 。 IPO 期 間 は 8 月 28 日 か ら 9 月 26 日 。 100 株 単 位 の 売 買 で 、 発 行 済 み 株 式 の 35%が 市 場 に 開 放 さ れ た 。 株 式 は 外 資 に も 公 開 さ れ 、 カ テ ゴ リ ー 1 の 投 資 家 は 最 大 50,000 株 ま で 、 カ テ ゴ リ ー 2 の 投 資 家 は 50,100 以 上 3,341,000( 発 行 済 み 株 式 の 3.5%相 当 )以 下 の 売 買 単 位 と な っ た 。 MSMは 、 オ マ ー ン 人 や オ マ ー ン 企 業 に こ の IPOを 認 知 さ せ る た め 、 投 資 家 セ ミ ナ ー を 9 月 1 日 に 開 催 し た 。Sembcorp Salalahの リ ム CEOは 、本 IPOは 2013 年 で 最 大 の も の に な る だ ろ う と 述 べ て い る 。 本 IPOへ の 投 資 家 の 関 心 は 高 く 、 価 格 は 1 株 あ た り RO 1.59 と な る 見 込 み で 、 RO 53 百 万 の 売 買 と な り 時 価 総 額 は RO 152 百 万 と な る 。 正 式 な 上 場 は 10 月 8 日 に な る 見 込 み 7 である。 株 式 売 買 の 実 務 は HSBC が 担 当 し た 。 Bank Muscat, Oman Arab Bank, National Bank of Oman and Bank Dhofar な ど の 機 関 投 資 家 が 関 心 を 示 し て い る こ と 、ま た カ タ ル 、UAE、サ ウ ジ ア ラ ビ ア 等 か ら の 関 心 も 高 い こ と が IPO 期 間 中 に プ レ ス リ リ ースされていた。 OEIHC( Oman and Emirates Investment Holding Company) は 9 月 24 日 に MSM ウ ェ ブ サ イ ト に お い て 、 同 社 取 締 役 会 が Sembcorp Salalah の 100 万 株 ( RO 159 万)購入を承認したことを報告している。 Sembcorp Salalah は 10$億 を 投 下 し た 445MW 能 力 の ガ ス 複 合 発 電 所 が 2012 年 5 月 に フ ル 創 業 を 開 始 し 、電 力 と と も に 15 百 万 ガ ロ ン /日 の 淡 水 を 製 造 し て い る 。 2.7.4. 上 期 天 然 ガ ス 消 費 5.1%増 加 、 EOR用 の 増 加 が 主 た る 要 因 オマーンの天然ガス消費は国内の産業や発電向けの増加が著しいが、8 月下旬 に 発 表 さ れ た NCSI デ ー タ に よ る と 、 2013 年 上 期 の 天 然 ガ ス の 国 内 消 費 は 19,308 百 万㎥ と な り 、 前 年 同 期 の 18,366 百 万㎥ 対 比 5.1%増 加 し た 。 主 た る 要 因 は 油 田 に お け る EOR( enhanced oil recovery) の た め の 使 用 で あ る 。 オ マ ー ン の 天 然 ガ ス の 生 産 数 量 と 輸 入 数 量 の 合 計 は 19,308 百 万㎥ で あ り 、 3,417 百 万㎥ が 原 油 随 伴 ガ ス で 15,890 百 万㎥ が 非 随 伴 ガ ス で あ る 。 2.7.5. 海 底 パ イ プ ラ イ ン 敷 設 に よ る イ ラ ン か ら の 天 然 ガ ス 輸 入 に 関 す る MOU締 結 オマーンはイランとの間で海底パイプラインによるイランからの天然ガス輸入 に 関 す る MOU を 8 月 26 日 に 締 結 し た 。オ マ ー ン の ル ム ヒ ー 石 油・ガ ス 相 と イ ラ ン の ザ ン ギ ャ ネ 石 油 相 が 署 名 し 、 27 日 に ザ ン ギ ャ ネ 石 油 相 が 発 表 し て い る 。 イ ラ ン 側 に よ る と 供 給 は 2 年 以 内 に 開 始 し 25 年 間 の 契 約 と な る 見 込 み で あ る が 、 オマーン側はこのスケジュールに懐疑的なようである。ザンギャネ石油相による と 取 引 総 額 は 600 億 ド ル と の こ と で あ る 。し か し 、本 構 想 は 2009 年 に 価 格 が 折 り 7 10 月 8 日 に 上 場 し 、 終 値 は IPO 価 格 比 +25.8%と な る RO1.98 を 付 け た 。 14/17 JIME 国別定期報告「オマーン」2013 年 7-9 月 合 わ ず 流 れ た 経 緯 が あ り 今 回 の MOU に お い て も 価 格 に つ い て は 同 床 異 夢 の 可 能 性 が あ る 。 な お 、中 東 経 済 専 門 誌 MEES は 、2013 年 9 月 20 日 付 け で 、イ ラ ン 国 営 NIGEC( State-run National Iranian Gas Exports Company)が 行 っ た 経 済 性 評 価 の 結果、オマーン側の海上パイプライン受入地は北部の主要都市であるソハールが 候補地となったと報じている。 イランは、天然ガスの確認埋蔵量が世界第 2 位の天然ガス大国であるが、トル クメニスタンからのパイプラインによる輸入とトルコ・アルメニアへのパイプラ インによる輸出がほぼ同量であり、現在の輸出入はこれらのみである。経済制裁 に苦しむイランにとってパイプラインによる天然ガス輸出は原油に比べ安定的に 外 貨 を 得 る 手 段 と 思 わ れ る 。イ ラ ン は 2013 年 に 入 り パ キ ス タ ン お よ び イ ラ ク へ の 同じくパイプラインによる輸出に合意しており、オマーンは 3 国目となる。 一 方 、 オ マ ー ン は 天 然 ガ ス の 国 内 消 費 が 増 加 し て お り 、 合 併 前 の Oman LNGの ハ リ ブ・キ タ ニ CEOは 、LNGの 長 期 契 約 が 2024 年 に 失 効 し た 後 は 、契 約 の 更 新 を 行 な わ ず 、 LNGの 生 産 を 停 止 す る と の 考 え を 明 ら か に し て い る 。( 国 別 定 期 報 告 2013 年 1-3 月 2.4.6.参 照 ) 国 内 消 費 は 発 電 用 と 原 油 生 産 EOR 8 用 に 増 加 し て お り 、 イ ラ ン と の 本 MOUは 天 然 ガ ス 不 足 が 背 景 と な っ て い る 。な お 別 途 記 載 の ト ピ ッ ク ス の と お り 、 Oman LNGは Qalhat LNGと 9 月 1 日 に 合 併 を 行 っ て い る 。 イランで穏健と言われるロウハーニ政権が誕生して以降、オマーンとイランと は 経 済 面 ・ 外 交 面 さ ら に 軍 事 面 で も 接 近 し て き て い る 。 本 MOU 締 結 は 、 オ マ ー ンのスルタン・カブース国王がイランを訪問した期間内に行われている。 2.7.6. 送 電 線 拡 充 Oman Electricity Transmission Company は 総 工 費 RO 275 百 万 の 送 電 線 プ ロ ジ ェ ク ト を 2013 年 よ り 進 め て い る 。送 電 所 の 新 設 や 既 存 送 電 所 の 拡 張 も 含 ま れ る 。 Al Hamria 変 電 所 ( 132/220 kv) と そ の 電 線 網 、 Al Aija 変 電 所 、Al Sharqiyah 送 電 所 と そ の 電 線 網 ( 132 kv) お よ び Sur と Jahlout( 220/400 kv) の 2 発 電 所 関 係 で あ る 。 2013-2014 年 に お け る 計 画 に は Ibra 発 電 所 の 電 線 網 ( 132 kv)、 Liwa 変 電 所 ( 132/33 kv) お よ び Al Khadra 変 電 所 に 繋 が る 132kv の 電 線 2 系 統 が 含 ま れ る 。 2.7.7. 二 つ の LNG合 弁 会 社 が 合 併 国 別 定 期 報 告 2013 年 1-3 月 で 報 告 し た と お り 、 オ マ ー ン の 二 つ の LNG 合 弁 会 社 で あ る Oman LNG と Qalhat LNG が 合 併 す る こ と が 決 定 し て い た が 、9 月 1 日 に 一 つ の 完 全 に 統 合 さ れ た entity に な っ た 。 統 合 会 社 の 社 名 は Oman LNG で あ る 。 Oman LNG( 生 産 能 力:660 万 ト ン /年 )は 、オ マ ー ン 政 府 51%、Shell 30%、Total 5.54%、Korea LNG 5%、三 菱 商 事 2.77%、三 井 物 産 2.77%、ポ ル ト ガ ル Partex 2%、 伊 藤 忠 商 事 0.92%の ジ ョ イ ン ト ベ ン チ ャ ー で あ り 、 Qalhat LNG( 生 産 能 力 : 330 万 ト ン /年 ) は 、オ マ ー ン 政 府 46.84%、Oman LNG 36.8%、 ス ペ イ ン Union Fenosa 8 EOR と は Enh an ced Oil Reco very (原 油 増 進 回 収 )の 略 で 、 石 油 の 回 収 率 を 高 め る 技 術 の こ と である。一次採取法による採取量が減衰してきた際に、油層に人工的な圧力をかけて、採 油 す る 技 術 で 、 水 を 圧 入 す る 水 攻 法 、 天 然 ガ ス や CO2 な ど を 圧 入 す る 方 法 が あ る 。 15/17 JIME 国別定期報告「オマーン」2013 年 7-9 月 Gas 7.36%、 三 菱 商 事 3%、 伊 藤 忠 商 事 3%、 大 阪 ガ ス 3%の ジ ョ イ ン ト ベ ン チ ャ ー で あ っ た 。 統 合 後 の 比 率 は 報 道 さ れ て い な い 。 Oman LNG の 正 式 名 称 は Oman Liquefied Natural Gas LLC で あ り 、1994 年 に 創 立 さ れ た 有 限 責 任 合 弁 企 業 で あ る 。 第 1 ト レ ー ン と 第 2 ト レ ー ン は Oman LNG が 所 有 し て い た 。 Qalhat LNG は 2003 年に創立され第 3 トレーンを所有していた。両者の統合により顧客重視の姿勢が 強まり、供給の信頼性が向上すると予想される。 統合のメリットとして、操業の効率化によるコスト削減、熟練労働者の知識の 共 有 化 、 国 際 LNG 市 場 に お け る 柔 軟 性 向 上 が 期 待 さ れ る 。 PDO ( Petroleum Development Oman) か ら の ガ ス 供 給 の 一 本 化 や Oman Shipping Company の 輸 送 の 一本化がシナジー効果として期待される。 2.7.8. 油 田 ・ ガ ス 田 開 発 の 動 き 中 東 お よ び ア フ リ カ を 中 心 に 活 動 す る ノ ル ウ ェ ー 系 石 油・ガ ス 企 業 で あ る DNO International ASA は 、 7 月 10 日 に 陸 上 鉱 区 ブ ロ ッ ク 36 の 探 鉱 権 協 定 ( farm-in agreement)を 締 結 し た こ と を 発 表 し た 。同 協 定 は 鉱 区 の オ リ ジ ナ ル 所 有 者 と 探 査 会社の間で締結されるものである。 ス ウ ェ ー デ ン 系 の 探 査 会 社 で あ る Tethys Oil は 、 陸 上 鉱 区 ブ ロ ッ ク 4 で 最 初 の 試 掘 を 完 了 し た と 、 7 月 22 日 に 発 表 し た 。 Buah 石 灰 岩 層 の 浅 い 部 分 を 評 価 し た も の で 、油 層 は 発 見 で き な か っ た 。探 査 し た Buah 中 層 は 生 産 中 の Buah 下 層 の 上 部 に 位 置 す る 。 ま た 、 同 社 は 石 油 が 発 見 さ れ て い る 井 戸 ( B4EW4-1) か ら 900m 離 れ た 地 点( B4EW4-4)で Buah 下 層 を 試 掘 し 、32/64 イ ン チ の チ ョ ー ク か ら 日 量 1 千 バ ー レ ル 以 上 の 原 油 が 湧 き 出 て い る と 8 月 下 旬 に 発 表 し て い る 。 B4EW4-4 か ら 7Km 南 に 位 置 す る B4EW4-5 で も 試 掘 し て い る 。 2.8. 環 境 2.8.1. Safah油 田 ブ ロ ッ ク 9 で の CDM登 録 MoG( 石 油 ガ ス 省 ) と OTI( Oman Trading International Ltd) は 8 月 19 日 に サ フ ァ 油 田 の ブ ロ ッ ク 9 に お い て 国 連 気 候 変 動 条 約 京 都 議 定 書 に 基 づ く CDM ( Clean Development Mechanism) の 登 録 を 行 っ た と 発 表 し た 。 油 田 か ら の フ レ ア ガスを有効利用するものでオマーンにおいては初の取組みとなる。大気汚染防止 お よ び CO2 換 算 で 775,250 ト ン /年 と な る 温 暖 化 ガ ス の 排 出 を 防 止 す る と と も に 、 回収されたガスは国内のパイプラインを通じて最終ユーザーの用途に供される。 本 プ ロ ジ ェ ク ト は ”AM0009” と 呼 ば れ る UNFCCC ( United Nations Framework Convention on Climate Change:気 候 変 動 に 関 す る 国 際 連 合 枠 組 条 約 )の CDM 手 法 を採用している。 2.8.2. PDOが LED導 入 PDO( Petroleum Development Oman) は 通 常 の 白 熱 灯 か ら LED( Light Emitting Diode:発 光 ダ イ オ ー ド )へ の 変 更 を 本 年 よ り 2 年 間 か け て オ マ ー ン 国 内 に お い て 16/17 JIME 国別定期報告「オマーン」2013 年 7-9 月 は 最 大 規 模 で 執 り 行 う 。こ の 照 明 シ ス テ ム の 変 更 に よ り PDO は 年 間 $6 百 万 の 節 約 が 図 れ る 。 LED に 取 り 替 え る 白 熱 灯 は 約 30 万 個 で あ り エ ネ ル ギ ー が 70%削 減 で き る 。 LED は 10 万 時 間 と 従 来 品 の 10 倍 の 耐 久 時 間 を 誇 る 。 17/17 国 別 定 期 報 告 「 オ マ ー ン 」 2013 年 7-9 月 2013 年 11 月 1 日 発 行 無断転載を禁じます 編集発行:一般財団法人 日本エネルギー経済研究所 中東研究センター 104-0054 東 京 都 中 央 区 勝 ど き 1-13-1 イ ヌ イ ビ ル ・ カ チ ド キ Tel: 03-5547-0230 Fax: 03-5547-0229 E-mail: [email protected] URL: http://jime.ieej.or.jp/ ISSN 1347-7676
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