アンジェスMG株式会社

2013年10月6日
ラジオNIKKEI 仙台IRセミナー
アンジェス MG株式会社
代表取締役社長 山田 英
アンジェス MGについて
『遺伝子医薬のグローバルイノベーター』
を目指すバイオベンチャー
 経営理念
医薬品を通じ、人々の健康と希望にあふれた暮らしの
実現に貢献する
1999年12月
2002年 9月
2003年 5月
2004年 1月
2006年 2月
2007年 6月
2008年 3月
大阪大学医学部の研究成果をもとに設立
東証マザーズ上場(産学連携の創薬バイオベンチャーとして初)
日本企業で初めて米国での遺伝子治療の第Ⅱ相治験開始
国内初の遺伝子治療の多施設二重盲検試験(第Ⅲ相)開始
HGF遺伝子治療薬の米国第Ⅱ相治験成功
HGF遺伝子治療薬の国内第Ⅲ相治験成功
ナグラザイム®の製造販売承認を取得。4月に販売開始
2
アンジェス MGの経営戦略
 難治性疾患や治療法がない疾患の新規治療薬を開発
事業戦略
充実した
開発パイプライン
戦略的
アライアンス
 遺伝子の働きを活用した先端技術を中核に、
革新的な次世代バイオ医薬品の研究開発事業を展開
 開発後期プロジェクトを含む複数の臨床開発プロジェクト
 自社オリジン開発、提携開発、導入開発プロジェクトをバランス
よく配置し、リスク分散と効率的な資源配分
 販売網を保有する製薬企業との提携
 先端技術バイオベンチャーとの互恵的提携
 当社の事業戦略と合致するプロジェクトの導入開発
3
アンジェス MGの製品戦略


遺伝子の働きを活用した遺伝子医薬を中核に研究開発事業を展開
「難治性疾患」や「治療法がない疾患」の革新的な治療薬を開発
革新的な治療薬の開発
次世代のバイオ医薬品
遺伝子の働きを活用した
遺伝子治療薬
(DNAプラスミド)
・コラテジェン(自社オリジン)など
遺伝子医薬
適応疾患
難病・稀少病
有効な治療法がない
・NF-κBデコイオリゴ(自社オリジン)など
疾患など
核酸医薬
次世代のバイオ医薬品
治療ワクチン
・DNAワクチン(自社オリジン)など
・CIN治療ワクチン(導入開発品)
4
医薬品市場におけるバイオ医薬品の台頭
バイオ技術による蛋白医薬、抗体医薬などの研究開発が進展し、
新薬市場における「バイオ医薬品」の占有率がアップ
 第一世代バイオ医薬品の登場
FDAの新薬承認数
世界の上位10製品の売上高(2011年→2012年)
バイオ医薬品の割合が上昇
低分子医薬品のパテント切れをうけ
バイオ医薬品の割合が39.6%から71.1%に
化学合成医薬品
承認数
バイオ医薬品
バイオ医薬品の割合
バイオ
医薬品
の割合
売上高(百万ドル)
35
35%
2011年
2012年
30
30%
売上高
売上高
25
25%
上位10製品の合計
82,116
75,537
20
20%
うち、バイオ医薬品
32,546
53,683
15
15%
バイオ割合
39.6%
71.1%
10
10%
5
5%
0
出所:セジデム・ストラテジックデータの調査による
0%
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
5
バイオ医薬品は創薬バイオベンチャーにより創製


バイオ医薬品は先端技術を駆使した医薬品が多く、これまで主に
創薬バイオベンチャーによって創製されてきた
医薬品売上高(2012年)のベスト10のうち7製品がバイオ医薬品。
うち6製品が創薬バイオベンチャーによる創製
世界の大型医薬品売上高ランキング2012(単位:百万ドル)
順
製品名
薬効等
売上高
創薬起源
販売
CAT*
( AstraZenecaが買収後2007
年にMedImmuneと統合)
1
ヒュミラ
関節リウマチ
9,603
アボット/エーザイ
2
レミケード
リウマチ/クローン病他
9,071
J&J/メルク/田辺三菱
3
エンブレル
リウマチ他
8,476
アムジェン/ファイザー/武田
4
アドエア/セレタイド
抗喘息薬
8,216
GSK/アルミラル
5
クレストール
高脂血症/スタチン
7,430
塩野義/アストラゼネカ
6
リツキサン
非ホジキンリンパ腫
7,227
ロシュ/バイオジェン・アイデック
7
ランタス
糖尿病
6,555
サノフィ
8
ハーセプチン
乳がん
6,444
ロシュ/中外製薬
9
アバスチン
転移性結腸がん
6,307
ロシュ/中外製薬
10
ジャヌビア
2型糖尿病/DPP4
6,208
メルク/小野薬品/アルミラル
Centcor
(現Janssen Biotech,
1999年にJ&Jが買収)
Immunex
(2002年にアムジェンが買収)
IDEC
(現バイオジェン・アイデック)
Genentech
(2009年にRocheが完全子会
社化)
出所:セジデム・ストラテジックデータ、各社発表資料
Genentech
(2009年にRocheが完全子会
社化)
*CAT = Cambridge Antibody Technology
6
創薬バイオベンチャーの日米格差
米国では 20~30年前に設立された
バイオベンチャーが 大企業に成長。
日米格差は20年
2012年世界の医薬品売上高ランキング(単位:百万ドル)
製薬会社
国名
(2010年3月)
売上
(2012年)
ファイザー
米
51,214
2
ノバルティス
スイス
46,732
3
メルク
米
40,601
4
ロシュ
スイス
40,514
5
サノフィ
フランス
39,328
・
13
アムジェン
米
17,265
14
武田薬品工業
日
16,317
バイオベンチャー
1
項目
日本
アメリカ
格差
企業数
586
1502
3倍
上場数
22
336
15倍
時価総額
2,080億円
306,000億円
147倍
売上額
812億円
70,000億円
86倍
アンジェスMG
1999年
Genentech
1976年
オンコセラピー
2001年
Amgen
1980年
投資額
1,000-3,000
億円
20,00030,000億円
15-20
倍
バイオ
投資額
100-200
億円
3,000-5,000
億円
25-30
倍
設立年
・
アステラス製薬
日
11,705
19
第一三共
日
11,068
20
大塚ホールディングス
日
9,905
21
ギリアド・サイエンシズ
米
9,703
・
25
エーザイ
日
6,079
26
バイオジェン・アイデック
米
5,516
機関投資家
18
20年
出所:JP Morgan、National Venture Capital Associationなどから改編
出所:セジデム・ストラテジックデータ
7
アメリカで成功しているバイオベンチャー例:アムジェン社
アムジェン社

1980年設立(米国)

自社で開発・承認取得、製造販売することで、
世界医薬品売上高13位(2012年)の大企業に躍進
設立後約20年で巨大な利益を生む企業に成長
株価
(USD)
純利益
(Million USD)
アムジェン社の業績・株価推移 (1990年以降)
最初の製品発売
EPOGEN(1988年)
NEUPOGEN(1991年)
(左軸)
(右軸)
※株価は毎年の
最終取引日の終値
Bloombergより
8
新薬開発のプロセスとコスト
新薬1品目あたりにかかる平均年数
2~3年
4~7年
3~5年
P2b
試験
P3試験
製造販売
P2a
試験
承認申請
前臨床試験
基礎研究
P1
試験
2年
POC試験
数億~十億円
十~数十億円
数十~数百億円
最近の集計では新薬1品目の研究開発費に「米国 1200億円、日本 500億円」(製薬協調べ)

新薬には、長い期間と膨大な費用が必要
日本の創薬バイオベンチャーは、近年の「新薬の研究開発費の高騰」と
「投資環境の脆弱性」の影響を受け、やむを得ず主要プロジェクトを早期
にライセンスアウトせざるを得ないケースが多い
9
アンジェスMG
株価推移と主な開発プロジェクトのイベント
2003 2004
2006
2005
2006年
バイオバブル
崩壊
5 0 0 ,0 0 0
4 5 0 ,0 0 0
2007
2008
2009
2007年
サブプライムローン 2008年
リーマンショック
4 0 0 ,0 0 0
3 5 0 ,0 0 0
2010
2011
2012
2013
■ アンジェスMG ※分割調整後
■ 東証マザーズ指数
■ 日経平均株価225種
3 0 0 ,0 0 0
2 5 0 ,0 0 0
2 0 0 ,0 0 0
1 5 0 ,0 0 0
1 0 0 ,0 0 0
5 0 ,0 0 0
0
コラテジェン Ⓡ
2000年~
バイオブーム
2004
2005
2006
【重症虚血肢】
日本
P3開始
2007
P3成功
2008
申請
2009
2010
2011
2012
2013
P3追加方針
P3開始へ
米国
P2開始
P3準備
開始
P2成功
SPA
合意
FAST TRACK
指定
改定
SPA
【リンパ浮腫】
日本
NF-κBデコイ
【アトピー性皮膚炎】
日本
軟膏剤 P1
開始
P1
成功
P2
開始
P2
成功
確認申請
完了
P1/2
治験届
P1/2
開始
新製剤
P1
開始
10
アンジェス MG 開発パイプライン
 充実した開発パイプラインによるリスク分散
 大型のコラテジェンプロジェクト(重症虚血肢)が最終段階へ
自社オリジン開発品
開発ステージ
探索研究
導入開発品
前臨床
Phase1
医薬品
Phase2
Phase3
コラテジェン®
重症虚血肢
コラテジェン®
リンパ浮腫
日本P3試験成功
欧米P3試験準備
日本P1/2
NF-κBデコイ
腰痛症
NF-κBデコイ
NF-κBデコイ
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎
(軟膏剤:日本 )
高血圧
CIN治療ワクチン
子宮頸部前癌
(DNAプラスミド製剤)
(臨床研究@東大)
DNA治療ワクチン
開発ステージ
医療機器
探索研究
(新製剤)
前臨床・製造開発
機能性ペプチド
創傷被覆材・傷あて材
SPA合意
上市
ナグラザイム®
ムコ多糖症Ⅵ型
日本
自社販売品
Fast Track指定
臨床開発
上市
NF-κBデコイ
PTA-DCB:血管再狭窄
日本
11
開発プロジェクトの提携状況
<自社オリジン開発品(販売権供与先)>
プロジェクト名
適応症
地域
提携先
日本
コラテジェン®
重症虚血肢
米国
NF-κBデコイオリゴ
皮膚疾患全般
全世界
腰痛症
日本
血管再狭窄
日本
<導入開発品/提携開発品>
血管再狭窄
(医療機器)
プロジェクト名
CIN治療ワクチン
アロベクチン®
適応症
子宮頸部前癌
全ての癌
転移性メラノーマ
頭頸部癌など
当社の権利
日米欧中:開発販売権
全世界(アジア以外)
:ロイヤリティ収入
アジア :開発販売権
提携先
バイオリーダース
(韓国)
バイカル
(アメリカ)
12
転移性メラノーマ治療薬 Allovectin®
転移性メラノーマ治療薬
「AllovectinⓇ」
 8月12日 Vical社の発表
提携先である米国Vical 社が実施中のAllovectinⓇの「転移性
メラノーマを対象とした第Ⅲ相臨床試験」の結果、主要評価項
目(奏効率)と副次評価項目(全生存期間)のいずれも統計学
的に有意な改善効果が示されなかった、と発表。
 当社は、今後、AllovectinⓇの第Ⅲ相臨床試験の詳細なデー
タを検証の上、メラノーマ以外の癌疾患での適応も踏まえて
検討してまいります。
13
コラテジェンⓇ(HGF遺伝子治療薬)
「コラテジェンⓇ」
開発状況
対象疾患
地域
重症虚血肢
(CLI)
閉塞性動脈硬化症
及び
バージャー病の
重症
日本
P3試験を成功(安全性、有効性を検証済)し、
国内承認取得に向け追加試験を検討中
欧米
① 米国P2試験終了
② SPA合意に加えFast Track指定取得
③ 国際共同治験(PhaseIII )開始に向けて
・田辺三菱製薬と米国販売権許諾 契約締結
・小規模 早期予備臨床試験の実施準備中
虚血性心疾患
リンパ浮腫
パーキンソン病
開発状況
提携先
第一三共
(販売権)
田辺三菱製薬
(米国販売権)
欧州は未定
日本
臨床準備中
第一三共
米国
第I相
未定
日本
確認申請の適合受領。原発性リンパ浮腫に対する
POC取得に向けた治験(第1/2相)実施中
未定
前臨床試験
未定
※SPA(Special Protocol Assessment):対象疾患、目的、試験デザイン(エンドポイント(評価項目)、用法・用量、症例数)、解析方法などの詳細な
取り決めに関して事前合意し、試験終了後は合意内容を変更せずにそのまま承認審査での承認用件として認める制度
※Fast Track:重篤、または生命を脅かす疾患の治療を目的としており、かつ新たな治療の可能性を示す医薬品に対し、開発を早めて、審査の迅
速化を図る制度
14
「コラテジェンⓇ」
虚血性疾患治療剤
虚血性疾患治療剤 「コラテジェンⓇ」
コラテジェン®の特徴
作用機序: 新たな血管の再生による血流の回復
下肢の骨格筋細胞にコラテジェン®が導入され、細胞内で
転写・翻訳されてHGFが局所で産生・分泌する。このHGF
の血管新生作用によって側副血行路が発達し、虚血部位
の血流が回復する。
コラテジェン®は遺伝子医薬(バイオ医薬品)
CMV promoter
pUC ori
ヒトHGF遺伝子をコードしたDNAプラスミド製剤。
高い安全性が特徴の「非ウイルスベクター型」遺伝子
治療薬。
pVAX1HGF/MGBI
(5181 bp)
Kanamycin
human HGF cDNA
国際一般名
beperminogene perplasmid
商品名
コラテジェン Collategene
BGH poly(A)
15
「コラテジェンⓇ」
虚血性疾患治療剤
「重症虚血肢」とは?
重症虚血肢は、重症の閉塞性動脈硬化症であり、以下のFontaine分類のⅢ度お
よびⅣ度に相当する。下肢切断を余儀なくされることもある重篤な病態
【Fontaine分類】
Ⅰ: 無症状
薬物療法
重症虚血肢
症
Ⅱ:
間欠性跛行
血行再建術、薬物療法、運動療法
Ⅲ:
安静時疼痛
血行再建術、薬物療法、
(疼痛:持続硬膜外麻酔)
状
の
進
静かにしていても足や足の指先に痛みを感じます。
この時の血管は、ほとんど詰まっている状態です。
行
Ⅳ:
虚血性潰瘍・
壊死
血行再建術
潰瘍局所療法
血管が完全に詰まり、血流が遮断され、栄養や酸
素の不足により、ちょっとした傷でも治癒できず、
虚血性の潰瘍や壊疽を起こします。
閉塞性動脈硬化症診療の手引き(発行:協和企画)、他
16
コラテジェン®による新たな血管の新生
HGF蛋白質
HGF蛋白質
HGF蛋白質
「コラテジェンⓇ」
虚血性疾患治療剤
コラテジェン
17
コラテジェン®開発状況
2001
2002
「コラテジェンⓇ」
虚血性疾患治療剤
2003
2004
2005
2006
2007
2008
P1/2 大阪大学臨床研究
(AMG0001-JN-100)
P2 試験(米国)
(AG-CLI 0202)
P3 試験(日本)対象ASO
(AMG0001-JN-101)
P3 試験(日本)対象TAO
(AMG0001-JN-102)
P2 試験(米国、追加)
(AG-CLI 0205)
表中の矢印は、同意取得から最終症例観察終了までの期間を示す
日本
黄色:日本、赤:米国
① P1/2,P3試験に成功(安全性、有効性を検証済)
②国内承認取得に向け追加試験を検討中
① 米国P2試験に成功。SPA合意、Fast Track指定を取得
欧米 ② 田辺三菱製薬と米国販売契約締結。国際共同治験(P3)準備中
③小規模フィージビリティ試験準備中
18
コラテジェンの有効性評価
臨床症状の改善と関連するエンドポイント
コラテジェンの
薬効
(臨床症状)
日本P3試験
(JN-101 study)
現在準備中の
国際共同P3試験
(0206 study)
疼痛軽減
血行動態の改善
潰瘍の縮小
足切断
回避
CLI の代表的症状
に対する効果
治験のエンド
ポイント
(評価項目)
ABPI/TPI
TcPO2
VAS
潰瘍計測
(Soft endpoint)
(Hard / True endpoint)
Osaka study
臨床試験名
Osaka study
0202 study
切断有無
JN-101 study
JN-102 study
JN-101 study
(フォローアップデータ)
0206 study
0205 study
19
大切断の発生率
~日本でのコラテジェンP3試験(フォローアップデータ)との比較~
1年後の大切断発生率
(%)
40.0
日本P3試験
での発生率
欧米での発生率
日本での発生率
30.0
20.0
10.0
0.0
5.3
日本P3試験
(HGF 投与群)
30.0
33.9
15.0
TASCII
FGF P3試験
(CLI治療ガイドライン)
(1)
重松ら
(2)
(3)
(プラセボ群)
(1)Norgren L., et al. Inter-society consensus for the management of peripheral arterial disease (TASCII). Eur J Vasc
Endovasc Surg, 2007; 22, S1-S70
(2)Nikol S et al. Mol Ther. 2008;16(5), 972-978.
(3)Shigematsu H et al. Therapeutic research 1992; 13 (10), 181-191.
20
死亡の発生率
~日本でのコラテジェンP3試験(フォローアップデータ)との比較~
1年後の死亡率
(%)
30
日本P3試験
での発生率
欧米での発生率
日本での発生率
20
10
0
2.6
25.0
23.2
日本P3試験
(HGF 投与群)
TASCII
FGF P3試験
(CLI治療ガイドライン)
(1)
(2)
(プラセボ群)
18.5
27.3
重松ら
熊倉ら
(3)
(4)
(1)Norgren L., et al. Inter-society consensus for the management of peripheral arterial disease (TASCII). Eur J Vasc Endovasc
Surg, 2007; 22, S1-S70
(2)Nikol S et al. Mol Ther. 2008;16(5), 972-978.
(3)Shigematsu H et al. Therapeutic research 1992; 13 (10), 181-191.
(4)Kumakura H et al. J Vasc Surg 2010; 52:110-117.
21
コラテジェン®の国際共同Phase3試験にむけて
「コラテジェンⓇ」
虚血性疾患治療剤
①小規模 早期予備臨床試験の実施
 少数例を対象としたオープンラベル試験
 FDAとSPA合意した国際共同Phase3臨床試験プロトコルによる
フィージビリティスタディ
 コラテジェンの忍容性・安全性、有効性、薬物動態などの確認
②開発資金の調達
 夢真ホールディングス等を割当先とした第三者割当増資
→ 3.7億円調達
 メリルリンチ日本証券を割当先とした新株予約権の発行
→ 約19.8億円調達 ※残存する新株予約権は10/15に取得・消却予定
 UBS AG London Branchを割当先とした新株予約権の発行
→ 約41億円調達予定
22
田辺三菱製薬との提携スキーム
「コラテジェンⓇ」
虚血性疾患治療剤
アンジェス MG
「コラテジェン® 」の米国を中心とした臨床開発
(国際共同第Ⅲ相~承認)
末梢性血管疾患を対象とした
米国での独占的販売権許諾
契約一時金
開発の進捗に応じたマイルストーン
売上高に応じた一定の対価
田辺三菱製薬
2012年10月24日、田辺三菱製薬とコラテジェンの米国における末梢性
血管疾患を対象とした独占的販売契約を締結。
有効な治療選択肢がない「重症虚血肢」を対象とした米国の潜在的な医
薬品市場はおよそ50 億US ドルと予測される。
23
「コラテジェン®」適応拡大:リンパ浮腫治療薬
「コラテジェンⓇ」
リンパ浮腫治療薬
リンパ浮腫とは
リンパ管の障害により、リンパ流が停滞し発生する浮腫
1. 推定患者数
原発性リンパ浮腫 3,000人(日本)、15,000人(欧米)
二次性リンパ浮腫 推定10万人以上(日本)
 発生率:子宮癌術後 28.1%、 乳癌術後 21-50.9%
 現在、加齢によるリンパ浮腫も増えてきている)
2. リンパ浮腫治療の現状
 治療充足度が極めて低い疾患
理学療法(弾性着衣、リンパマッサージ等)、薬物治療、手術。
 QOLが著しく低下する疾患。
浮腫は四肢に現れ、日常生活に必要な身体機能の低下により、QOLが低下する。
 根治療法がない。
治療をやめると再発するため継続治療が必要。患者にとって大きな負担。
24
「コラテジェン®」適応拡大:リンパ浮腫治療薬
「コラテジェンⓇ」
リンパ浮腫治療薬
HGFの新規作用の発見:「リンパ管の新生」
リンパ管新生作用の発見。リンパ浮腫に対する治療効果。
リンパ浮腫モデル動物を用いて、コラテジェン®によって産生したHGFが、投与局所にお
いてリンパ管を新生し、リンパ浮腫の改善効果が示された。
(Saito Y. et al. Circulation 2006; 114:1177-1184)
In vitro
•
•
リンパ内皮細胞(Lymphatic Endothelial
Cells 、LEC)はHGFレセプターc-Metを発現。
HGF蛋白は用量依存的にLECを増殖と遊走。
In vivo (コラテジェン®の週1回投与)
• ラットリンパ浮腫モデルの症状改善
• ラットリンパ浮腫モデルにおけるリンパ
管新生をリンパ管造影にて確認
○ HGF ▲ VEGF165
ラットリンパ浮腫モデルの治療効果
■ no operation
■ control ● Saline
25
25
リンパ浮腫治療薬への展開の可能性
「コラテジェンⓇ」
リンパ浮腫治療薬
リンパ浮腫治療薬としての特徴・メリット
 リンパ浮腫に対するFirst in Class
 原発性適応はオーファンドラッグ指定が可能
 投与しやすい
① 発症部位が上肢、下肢のため、直接投与可能
② 投与部位がわかりやすい(病変部との境界が明瞭)
 取得済み試験結果の活用
① 5つの臨床試験で良好な安全性
 VEGF遺伝子治療と異なり、浮腫は起きないことも確認済
② 医薬品としての品質・毒性データを取得済
 迅速な臨床開発が可能
原発性リンパ浮腫に対する臨床POC取得に向けた
治験(第1/2相)実施中
26
NF-κBデコイオリゴ 開発状況
対象疾患
地域
開発状況
日本
軟膏剤
Phase2(日本)
アトピー性皮膚炎
椎間板性腰痛症
血管再狭窄予防
(DCB = 薬剤塗布型
バルーンカテーテル)
*1
*2
NF-κBデコイオリゴ
提携先
塩野義製薬 *1
欧米
新製剤
Phase1
日本
前臨床
日本臓器製薬 *2
日本
医療機器
臨床試験
メディキット株式会社
(開発製造販売契約)
塩野義製薬と皮膚疾患治療薬の共同開発契約。全世界の独占的販売権。
日本臓器製薬と椎間板性腰痛症を含む腰痛疾患治療薬の日本における独占的な
開発販売権を許諾
27
NF-κBデコイオリゴ 作用機序
a) 通常時
NF-κBデコイオリゴ
P
IkB
NF-B
転写されない
結合部位
遺伝子発現の調節領域
b) 刺激時
IkB
蛋白質に翻訳される領域
(遺伝子の本体)
P
・アトピー性皮膚炎
・関節リウマチ
炎症性因子の遺伝子の
NF-B
転写活性化
結合部位
・変形性関節症
・乾癬
・血管再狭窄
c) NF-Bデコイ導入時
・多発性硬化症
IkB
NF-B
NF-Bデコイ
NF-Bが関与
する疾患
P
・癌 など
NF-B
NF-Bデコイ
結合部位
・喘息
転写が抑制される
28
NF-κBデコイオリゴ
アトピー性皮膚炎治療薬( 外用剤)
NF-κBデコイオリゴ
アトピー性皮膚炎治療剤
(外用剤)
 新規の薬理作用を有する核酸医薬製剤
 中等症以上のアトピー性皮膚炎患者に対して安全性、
有効性を確認済(PoCを確立済)
 本薬は外用薬として優れたプロファイルを有する
– 刺激性がなく顔面など皮膚の薄い部位、露出部位に使い易い
– 競合薬(外用剤)の課題(局所副作用(ステロイド)、皮膚刺激性(プロトピッ
ク)など)との差別化が可能
 NF-κBデコイオリゴの皮膚吸収性を数十~百倍程度向
上させた新製剤を開発。2013年6月、Phase1試験開始
29
NF-κBデコイオリゴ
椎間板性腰痛症治療薬
NF-κBデコイオリゴ
腰痛症
• 日本臓器製薬と日本における独占的な開発販売権契約を締結
(対象疾患 椎間板性腰痛症を含む腰痛疾患)
• NF-κBデコイオリゴは、椎間板細胞や椎間板変性症モデル動物
において、椎間板変性に起因する病態因子の産生を抑制
•
病態因子 ①炎症性サイトカイン( IL-1やTNF-αなど) ②細胞外基質の分解酵素(MMPなど) ③痛み関連分子(NGFやCOX2など)
慢性腰痛に対する鎮痛効果、椎間板変性に対しても有効な可能
性がある新しいタイプの腰痛治療薬として期待される
当社はNF-κBデコイオリゴの供給及び関連データ
を提供し、日本臓器製薬は製剤製造や臨床試験な
ど担当。
30
血管狭窄予防を狙った
薬剤塗布型PTAバルーンカテーテル
NF-κBデコイオリゴ
PTA-DCB
PTA-DCB = 薬剤塗布型PTAバルーンカテーテル
血管傷害部位におけるNF-κBデコイオリゴの血管狭窄抑制作用
を保有する新規医療機器の製造開発
1.
2.
3.
PTAバルーンカテーテルのバルーン部の外表面にNF-κBデコイオリゴ を塗布した
世界初の抗炎症薬塗布型PTAバルーンカテーテルを開発
病態モデル動物において血管狭窄抑制を実証
前臨床試験において、医療機器としての品質、安全性を確認
2012年 臨床試験を開始
臨床試験実施中(有効性と安全性の検証)
製造販売承認取得
対象疾患と医療上のニーズへの貢献
1.
2.
人工透析 29万人、閉塞性動脈硬化症 約10万人
血管狭窄部位のPTA再処置を延長・回避することで、患者QOLの向上や高額
医療費負担の削減に貢献できる新規医療機器の上市
31
HPV感染と子宮頸がん
CIN治療ワクチン
5-10年
子宮頸がん
45万人
高度異形成
1,000万人
軽度異形成
3,000万人
治療法
・手術
・放射線
・化学療法
CIN2/3
CIN1
治療薬の開発が
求められている領域
HPV感染者(キャリア)
30,000万人
全世界の推定年間罹患者数 (WHO公表)
*HPV(ヒトパピローマウイルス)=子宮頸癌の原因ウイルス
前癌病変の初期段階から検出され、子宮頸部上皮内腫瘍性病変(CIN)と進むにつれHPVの
癌関連蛋白質が増加し、子宮頸癌への癌化の要因となる。
**CIN(Cervical intraepithelial neoplasia)
CIN1(軽度異形成)、CIN2(中程度異形成)、CIN3(高度異形成、上皮内癌)と進行
32
CIN治療ワクチンの治療標的は
「子宮頸がん前癌病変」
CIN治療ワクチン
前癌病変
組織像
軽中度異形成
正常
HPV感染
高度異形成
CIN1-2
子宮頸癌予防ワクチン
の標的ステージ
浸潤癌
CIN3
CIN治療ワクチンの治療標的
潜伏
増殖
HPV感染
腫瘍性変化
癌化
持続的なウイルス増殖
① 「前癌病変」のピークは30歳前後で、結婚や出産を経験する年代に相当。
② 現在のCIN3の治療法は子宮頸部円錐切除術のみ。
子宮頸部円錐切除術は、早産、低出生体重、帝王切開のリスクが高いと報告され
ており、円錐切除術を回避できる治療薬開発が待ち望まれている。
33
子宮頸癌の「予防ワクチン」と
「CIN治療ワクチン」の違い
子宮頸癌予防ワクチン
(各国で発売済)
HPV感染の予防用として
未感染者が投与対象
CIN治療ワクチン
CIN治療ワクチン
高度異形成の治療用として
CIN3ステージ患者が投与対象
HPV感染予防が目的
子宮頸癌の前癌病変に対する
治療薬として開発
前癌病変への治療効果は無い
注射剤
経口剤
34
CIN治療ワクチン まとめ
CIN治療ワクチン
 子宮頸がんの前癌状態の組織(高度異形成)を消失させ、子宮頸
がんへの移行の回避が期待できる世界初の画期的な経口投与の
治療薬
 本薬のベースである乳酸菌L.caseiは乳酸菌食品にも利用されて
おり治療薬としての安全性が高い
 腸管免疫を介してヒトパピローマウイルス(HPV)抗原特異的な細
胞性免疫を活性化させ、子宮頸部のHPV感染細胞を選択的・効
率的に攻撃することで癌化細胞を除去する新しいメカニズム
 「高度異形成」を消失させることで円錐切除手術を回避可能
 厚生労働科学研究費補助金の医療技術実用化総合研究事業に
採択(2013年8月27日発表)
東京大学医学部産科婦人科学 川名敬准教授の下で探索的臨床試験を実施中
35
アンジェス MG HP
http://www.anges-mg.com

本資料・およびその他の当社資料に業績予想・将来見通し等が記載されている場合は、現時点で入手可能な情報に基づき当社が判
断した予想・見通しであり、潜在的なリスクや不確実性が含まれています。

それらのリスクや不確実性には、当社を取り巻く経済情勢の変化、研究開発の進捗状況、規制当局からの承認取得、国内外各国の
制度改正や法規制等が含まれます。

様々な要因の変化により、実際の業績は記述している予想とは大きく異なる結果となる可能性があります。
36