「 親になるということ 」 私立柏さくら幼稚園 松島 昭子 女性は物心ついた頃から,出産をいつするのかを考えていると思います。でも,結婚して から数年後に夫が会社を設立し,毎日夜遅くまで一緒に仕事をする生活になった私にとって, 子どもを産むということは,いつまでも手をつけない夏休みの宿題のようなものでした。そ んな中,仕事と子育ての両立やこれからの自分の人生について考え, 「子どもを持とう」と思 った時,運よく授かったのが,今,幼稚園年長になる男の子です。 近くにいる実家の両親と夫の母親に手伝ってもらいながら,子育てと仕事が始まりました。 子育ても仕事も待ったなし。仕事場と家庭,どちらも中途半端に感じ悔しい気持ちになった こともあります。でも,子どもができてからの私は,人は皆,赤ちゃんだったときがあり, 大事に育てられてこの場にいるのだと思うと,人というものが大変いとおしい存在に感じら れるようになったのです。それまで感じることのなかったことを感じ,社会に参加する実感 をより強くもてるようになったのではと思います。 子どもが 2 歳を過ぎた頃,幼稚園と出会います。幼稚園は私の想像を遥かに超えた大変素 晴らしい場所でした。最初は親も緊張しましたが,満面の笑顔での挨拶に迎えられ,私の気 持を明るくしてくれる場所になりました。お弁当を持たせるのを忘れてしまうという大失敗 の時も,先生方は子どもだけでなく親も見守ってくれていることに気づかせてくれました。 これまで出会った方々に感謝し,これからふれ合う方々に愛情をもって接していきたいと おもいます。そして,親子 3 人,様々な経験を通して成長していけたらと思います。 「 アトピっ子ライフ 」 市立かしわ幼稚園 茂泉 あゆみ 婦人科で腫瘍の手術後,「子どもは無理かもしれません」と言われた私。でも,運よく2人の 子どもに恵まれました。その運よく生まれた子は2人とも『アトピーちゃん』。子どもがうまれ てから今日まで,約5年間にわたる『アトピっ子ライフ』の始まりです。 長男は,生後1ヶ月過ぎに「乳児湿疹」と診断されます。でも,実際はアトピー。体中に湿疹 が出て掻きむしるので,昼も夜も抱っこしたまま寝るという日々。ステロイドで「かゆみ」に追 われなくなったある日,皮膚に漂泊されたような白い痕を見つけます。薬で表面だけきれいにし てごまかしていたような後ろめたさに襲われた私は,月齢があがって症状もピークを越えていた こともあり,元気でいればOKという気持ちになりました。何だかふっきれたのです。 これを機に変わった私は,アトピーにしっかり向き合って様々なことに挑戦します。まずは 『衣』 。合成洗剤をやめました。次に『食』 。マクロビオティックを取り入れました。そして『住』 。 引っ越しました。環境を変えるにはこれが1番。食の改善では,うれしい副産物もありました。 自分自身のひどい冷え性と便秘も解消したのです。2人目の娘は助産院で出産。野菜中心の食事 で母子同室,布おむつという助産院です。それでもやっぱり娘はアトピー。出会った玄米菜食推 奨の小児科の先生は「原因はあってないもの。それでいいんじゃないかな」と,今までしたこと は無意味ではなかったと思わせてくれました。今ではアレルギーもたまにしか出なくなった2人 にいろいろな願いを持ってしまいそうですが,元気に生きていてくれるだけでいいという気持ち を忘れずに, 『良い塩梅のできる子育て』をしていきたいと思っています。 2 「 ママも6歳! 」 私立柏陽幼稚園 村松 有紀 我が家は,6歳の娘と4歳の息子,主人,私の4人家族。私はごくごく普通の専業主婦です。 6年前,私はママになりました。ママ,0歳。里帰り出産から松戸の自宅マンションに帰り, 3人暮らしのスタートです。慣れない育児に主人も参加してくれましたが,日中2人きりの時の 相談相手は実家の母。今でも電話での良き相談役であり,先輩ママです。 ママ1歳。同じマンションに“ママ友”ができました。子ども同士が同じ歳でも2人目のお母 さんもいて,先輩ママは心強い味方になりました。 ママ2歳。娘が2歳になった頃,息子誕生。娘はオムツを持ってきてくれたり,あやしてくれ たりと一生懸命に手伝ってくれます。柏市の戸建に引っ越すときには,仲良しママ友が娘を預か ってくれ,初めて親以外の人に甘えると言う事を学びました。 ママ3歳。柏へ引っ越したら,家の周りには同じくらいの子がたくさんいて,家の外で一緒に 遊び,ママ友もたくさんできました。娘は幼稚園に入園。園での楽しい様子を話してくれます。 ママ4歳。姉と弟で風邪をうつしあうという悪循環が続き,とうとう2人とも肺炎になってし まいました。でも,上の子が年中さんになると,うそのように風邪をひかなくなりました。 ママ5歳。娘が年長の時,息子が年少に入園。人見知りでママと離れられない息子。泣いての 登園に心が痛みましたが,お迎え時はケロッとしているのです。今では毎日楽しく通っています。 ママ6歳。ママという職業は一生続きます。まだ6歳のママ。いつかは自分の母親のようなマ マになれるように,育児を楽しんでいけたらと思います。 「 トモダチ以上,チチオヤ未満 」 市立しこだ保育園 福原 郁 「這えば立て,立てば歩めの親心…」結婚式などでよく耳にする言葉ですが,長男が5歳に なった今,早くも日々そんなことを感じておりますのが,私,福原郁。33歳の父親です。 つい先日3人目の二男が生まれ,2男1女の3人の子がいます。柏市は嫁さんの実家の近く だからと選んだ町なので,近所に自分の友達がなく,家族が一番の友達になっています。 私の帰りは毎日終電という生活のため,子ども達と一緒の時間は,朝起きてから保育園へ送 って行ってバイバイするまでの約1時間半。時には一緒に夕食をと思っても難しいのが実際で す。休みの少ない私ですが,毎年1~2回は家族旅行をしています。新婚旅行に行けなかった ので,新婚旅行の分割払いですね。 「目の前は海,後ろは山」という中で子ども達と過ごす時間 は,自分にとっても大変貴重な時間です。 そんな恒例行事の中で,長男に号泣されたことがありました。長男と海で遊んでいた私は, 長男が浅瀬で遊んでいるのに安心し,自分は一人で逆立ちをして水中を見たりしていたのです。 すると,すぐ近くでバシャバシャと溺れそうになりながら号泣している長男が…。逆立ちをし た私を見て「パパが溺れている!」と勘違いし,必死に助けようとしたらしいのです。わずか 3歳の子が自分のことを省みずに助けてくれようとしてくれたことに涙が止まらず,その勇気 に感動したものです。今でも思い出すと涙が出るくらい,私にとって宝物のような話です。 落ち着きのない長男ですが,子どもは親の言動を映す鏡そのもの。子どもの何かを直すには 親の心を磨くことが大切なのでしょう。いつか本当の父親になれるように, 『トモダチ以上チチ オヤ未満』という絶妙なスタンスの中で互いに成長できる家族でありたいと思っています。 2
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