システム管理論第3回

Business Consulting Services
システム管理論第3回 児玉靖司 法政大学 2014/04/23
法政大学 1
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もくじ 開発プロセ
ス モデル モデル 2014/04/23
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• システム開発プロセス • 開発計画 • ウォータフォールモデル • プロトタイプモデル • スパイラルモデル 法政大学 © Copyright Hosei University
演習の参考解答
ソフトウェア開発の特徴を2つあげ、その理由を述べよ。
(a) 実態がつかみにくい
ソフトウェアは人間の知的な作業の産物
開発者の頭の中で行われる
(b) 開発工程に作業が集中する
開発の工程が大部分を占める
(c)  運用・保守機関が長い
開発期間より遥かに長い
(d) 再利用が少ない
ハードウェアの開発の場合は既存の部品を使う
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演習の参考解答
よいシステムに要求される事項を3つあげ、その理由を述べ
よ。
① 要求仕様の満足度
顧客の要求仕様が満足されていること。
品質が保証されていること。
② 高い操作性
煩雑な操作が少ない。
③ 適切な開発コストと開発期間
システム開発コストは、その多くが人件費であり、開発工数に比例す
る。
④ わかりやすさと保守性
保守のためには、システムの構成、実装、ドキュメントがわかりやす
いことが必要である。
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システム開発プロセス
■システム開発は、全体計画が決められ、手順に
沿って開発が進められる。
■ 要求分析、設計、実装、テスト、運用・保守の段
階がある。
■ 単にプロセスともいう。
■ 最も、最初に考え出されたモデルは、ウォータ
フォールモデル (落水モデル)
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開発計画
情報システムの革新
市場ニーズ
開発目的、目標、時期
開発方法
開発工数、設備⇒開発費用
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開発体制
開
発
計
画
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開発計画
■ 開発目的、目標、時期を設定する。
■ 何を目指して、どこまでのものを、どの時期に実
現するか。
■ 汎用性のあるシステムの開発では、市場ニーズを
的確に分析する必要がある。
■ 目標仕様と市場に出す時期が設定される。
■ 新規に開発するか、従来システムをどの程度利用
するか。
■ 費用の大半が人件費であり、開発工数に比例する。
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システム開発プロセス
■ システム開発プロセスは、各段階に分けられた一
連の作業、開発工程のつながりである。
■ 要求分析(要求定義)、外部設計、内部設計、実
装、テスト、運用・保守に分けられる。
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Ⅰ.要求分析(要求定義)
■ 開発するシステムで実現する仕様を明確にする。
■ 業務を分析し、ユーザの視点で要求内容を記述す
る。
■ 開発側の視点でみた技術実現性、コスト、開発期
間の妥当性を踏まえる。
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Ⅱ.外部設計
■ 大規模システムの場合には、サブシステムに分割
する。
■ サブシステムごとに、外部から見た仕様の設計を
行う。
■ システムが実現する機能、操作方法、ユーザイン
タフェース、コード設計等を定義する。
■ 結果として、外部仕様書を作成する。
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Ⅲ.内部設計
■ 外部仕様を実現するための内部方式、モジュール
構造化設計を行う。
■ 結果として、内部仕様書を作成する。
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Ⅳ.実装
■ 実装の仕様を明確にし、コーディングを行う。
■ プログラムの仕様には、プログラム単位の機能、
内部方式、モジュール間インターフェース、フ
ローチャート等を含む。
■ 結果として、プログラム仕様書、ソースコード
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Ⅴ.テスト
■ 実装したシステムのテストを行う。
■ 単体テスト(プログラム単位)、結合テスト(関
連するプログラム間)、システムテスト(外部
仕様書の動作を確認)、運用テスト
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Ⅴ.運用・保守
■ テスト後に運用に入る。
■ 保守では、運用後に判明した不具合の改修や細か
い改良を行う。
■ 結果として、運用マニュアル、操作説明書、保守
マニュアルを作成する。
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プロセスモデル
■ 開発プロセスを順に説明する。
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ウォータフォールモデル (落水モデ
ル)
■ 逐次的な手順で進める方法
手戻りなし 要求分析
外部設計
内部設計
実装
テスト
運用・保守
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ウォータフォールモデル (落水モデ
ル)
■ 大規模なシステムは、外部設計の段階でサブシス
テムに分割する。
■ 内部設計の段階でモジュールに分割する段階的詳
細化を行う。
■ テストの過程で段階的に結合と集約を行う。
■ 最も初期に考案されたモデルである。
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ウォータフォールモデル (落水モデ
ル)
特徴
問題点
・逐次的に開発を
すすめられ、各段
階の成果はドキュ
メントによって段階
的に引き継がれる
ので進捗管理が容
易
・各段階ごとの作
業分担がしやすい
・大規模システム
の開発に向いてい
る。
・開発方法として定
着しており、開発要
員の教育がしやす
い。
・要求定義の結果
がコンピュータ上の
動作で確認される
まで長期間を要す
る。
・作業中のある段
階で遅れが生じる
と、以降の段階で
遅れが波及し、
次々に遅れる。
・作業中の段階で
上流段階の不具合
が見つかった場合、
上流にさかのぼっ
て修正するのが難
しい(できない)。
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問題点への対応策
・要求定義の内容
をプロトタイピンぐ
で確認する。
・サブシステムごと
に分割開発できる
場合は、サブシス
テム単位にスパイ
ラルモデルを適用
する。
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ウォータフォールモデル (落水モデ
ル)
■ 開発プロジェクトごとに運用上の決め柔軟に対応
する。
■ プロトタイピングモデル、スパイラルモデルと
組み合わせる。
■ Vモデルまたは、Vカーブ
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ウォータフォールモデル (落水モデ
ル)
運用
■ Vモデルまたは、Vカーブ
確認・検証
要求分析
システム設計、
外部設計
運用テスト
テ
ス
ト
確認・検証
システムテスト
内部設計
確認・検証
単体テスト・結合テスト
実装
コーディング
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プロトタイピングモデル
■ 要求分析内容の主要部分を試作し、ユーザとの仕
様確認結果をフィードバックし、プロトタイプ
を繰り返し修正しつつ要求内容の確認を行う。
プロト
タイプ
要求分析
外部設計
内部設計
実装
テスト
運用・保守
プロトタイプモデルとウォータフォールモデルの組み合わせ
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プロトタイピングモデル
■ プロトタイプの目的が達成したら破棄されるケース
■ プロトタイプ自身を発展的に進化させ、実用可能なソフト
ウェアレベルまで仕上げていくケース
仕様確認
仕様確認
プロトタイプ
第1版
Version 1
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機能追加
プロトタイプ
第2版
機能追加
実用可能
Version 2
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スパイラルモデル
対策評価の区域
目標・対策・制約
決定の区域
リスク分析・評価
リスク分析・評価
制約、代替
詳細設計
リスク分析・評価
目標設定
プロトタイプ
要求計画
計画の区域
実装
開発計画
統合とテスト計画
要求分析
基本設計
テスト
設計検証
検証
開発検証の区域
次の計画
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スパイラルモデル
■ スパイラルモデルは、ウォータフォールモデルとプロトタ
イピングモデルの発展的進化を組み合わせたモデル
■ システムの進化
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演習問題
n  ウォータフォールモデルの特徴と課題を3つずつあげ、
理由を述べよ。
n  プロトタイピングモデルの目的を述べよ。
n  システムライフサイクルの意味と意義を述べよ。
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