MBA EOB 2012 8 統合と倫理観.pptx

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TKANAI 1 EOB2012 §8統合と倫理観 2012年6月2日 金井壽宏 TKANAI 2 さっそく二つのリーディングをめ
ぐって、感想 l  興味深いと思ったこと l  自分も似た経験したこと l  なぜ、Bスクールで、バダラッコやド・ブ
リースのようなトピックが扱われるのか l  慶応でも、梅津光弘さんーーすばらし
い! 1
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TKANAI 3 まずは、R1 l  【リーディング7】J.L.バダラッコ『「決
定的瞬間の思考法」−−キャリアとリー
ダーシップを磨くために』東洋経済新報
社、2004年。第1章「汚れた手」第2章
「ともに正しい選択肢のはざまで」 l  三つのケースがありますが、三番目がい
ちばん強烈です(今回は読んでいませ
ん) TKANAI 4 つぎに、R2 l  【リーディング8】M.ケッツ・ド・ブ
リース『会社の中の権力者、道化師、詐
欺師——リーダーシップの精神分析』第5
章「会社に道化師がいる−−権力者の傲慢
をふきとばすユーモア」創元社、1998年。 2
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TKANAI 5 倫理的にぶれないためにも l  原理・原則がいる l  小倉政男さんのリーダーシップ持論(経営
リーダーの条件)の第10条は、高い倫理観 l  喜んでついてくるフォロワーがいることが、
リーダーシップの生成の条件なら、ヒット
ラーもジム・ジョーンズもハーメルンの笛吹
きもすごいリーダー TKANAI 6 以前は原理・原則と呼んでいたものを、実践家
が実際に使う実践的「持論」 (prac.cal theory-­‐in-­‐use)と呼んでいる l  原理・原則があるからぶれない l  原理・原則が経験に支えられている l  原理・原則があるから、モラル・ディレ
ンマに直面しても判断ができる l  原理・原則を信じているから公言できる l  言行一致しているので、原理・原則の行
動での見本を、メンバーたちが学べる l  組織全体にも、基軸が生まれる l  EOB 裏付けのある持論をもつ経営幹部を
つくる 3
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TKANAI 7 道徳原則の例と 7つの習慣 l  できあいのものでなく、自分で納得のい
く原理・原則をもつこと l  哲学者になるわけではないので、仕事の
世界の実践家として、少なくとも、人び
とのやる気(モティベーション)、長期
的な生き方・働き方(キャリア)の両面
で、自分なりの考え(原理・原則、それ
をふまえた持論)をもつこと TKANAI 8 「人間力」があると言われる経営幹部としてす
ばらしいリーダーシップをとるためだけでなく、
そもそもいい人生を送るために・・・ l  たとえば、アンドレ・コント=スポン
ヴィルが哲学者として、とりあげる18
の徳 4
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TKANAI 9 自分に備わっていて大事にしている
「徳」ってりますか。 l  徳、virtueってそもそもなんだと思います
か。 l  上品なものでなく、道徳的でもなく、よ
りよく生きていくうえで、力となるもの。
そういう徳。 l  たとえば、勤勉。思いやり。 TKANAI 10 18の徳 1.礼儀正しさ(最初の徳) 2.誠実さ(忘れないこと) 3.思慮深さ(決断すること) 4.節制(上手に楽しむこと) 5.勇気(はじめること) 6.正義(妥当な交換をすること) 7.心の広さ(与えること) 8.同情(かたわらにあること) 9.慈悲(憎むのをやめること) 10.感謝(わかちあうこと) 5
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TKANAI 11 18の徳(つづき) 11.謙虚(自分を受け容れること) 12.率直さ(装わないこと) 13.寛容(説得できないことを認めること) 14.純粋さ(所有しないこと) 15.優しさ(日常のあいまいさに従うこと) 16.誠意(努力すること) 17.ユーモア(肯定すること) 18.愛(徳を越える徳) TKANAI 12 ベンジャミン・フランクリンの1
3の徳 第一 節制 飽くほど食うなかれ。酔うほど飲むなかれ。 第ニ 沈黙 自他に益なきことを語るなかれ。駄弁を弄 するなかれ。 第三 規律 物はすべて所を定めて置くべし。 仕事はすべて時を定めてなすべし。 第四 決断 なすべきことをなさんと決心すべし。 決心したることは必ず実行すべし。 第五 節約 自他に益なきことに金銭を費やすなかれ。 すなわち、浪費するなかれ。 6
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TKANAI 13 つづき 第六 勤勉 時間を空費するなかれ。つねに何か益あること に従うべし。 無用の行いはすべて断つべし。 第七 誠実 詐りを用いて人を害するなかれ。心事は無邪 気に公正に保つべし。口に出すこともまた然る べし。 第八正義 他人の利益を傷つけ、あるいは与うべきを与え ずして人に損害を及ぼすべからず。 第九 中庸 極端を避くべし。たとえ不法を受け、憤りに値
す と思うとも、激怒を慎むべし。 TKANAI 14 つづき 第十 清潔 身体、衣服、住居に不潔を黙認すべから
ず。 第十一 平静 小事、日常茶飯事、または避けがたき出来 事に平静を失うことなかれ。 第十二 純潔 性交はもっぱら健康ないし子孫のためにの み行い、これに耽りて頭脳をにぶらせ、身 体を弱め、または自他の平安ないし信用を 傷つけるがごときことあるべからず。 第十三 謙譲 イエスおよびソクラテスに見習うべし 7
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TKANAI 15 Benjamin Franklin's Thirteen Virtues 1. 
2. 
3. 
4. 
TEMPERANCE. Eat not to dullness; drink not to elevation. 2. SILENCE. Speak not but what may benefit others or yourself; avoid trifling conversation. 3. ORDER. Let all your things have their places; let each part of your business have its time. 4. RESOLUTION. Resolve to perform what you ought; perform without fail what you resolve.
TKANAI 16 元の英文(ご参考) つづき 5. FRUGALITY. Make no expense but to do good to others or yourself; i.e., waste nothing. 6. INDUSTRY. Lose no time; be always employ'd in something useful; cut off all unnecessary actions. 7. SINCERITY. Use no hurtful deceit; think innocently and justly, and, if you speak, speak accordingly. 8. JUSTICE. Wrong none by doing injuries, or omitting the benefits that are your duty. 8
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TKANAI 17 元の英文(ご参考) つづきのつ
づき 9. MODERATION. Avoid extreams; forbear resenting injuries so much as you think they deserve. 10. CLEANLINESS. Tolerate no uncleanliness in body, cloaths, or habitation. 11.TRANQUILLITY. Be not disturbed at trifles, or at accidents common or unavoidable. 12. CHASTITY. Rarely use venery but for health or offspring, never to dulness, weakness, or the injury of your own or another's peace or reputation. 13. HUMILITY.Imitate Jesus and Socrates. TKANAI 18 徳と違う観点では、つぎに習慣 l  人間力を磨くことにつながるかどうかは
難しいですが、よりよい人間、より充実
した人間になるために、習慣化しておこ
なっていることがありますか。 l  今度は、英語を先に。 9
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TKANAI 19 もっとおなじみの七つの習慣 (これも、味があるので、元の英語のまま) 1. 
2. 
3. 
4. 
5. 
6. 
7. 
Be proactive Begin with the end in mind Put first things first Think win/win Seek first to understand, then to be understood Synergize Sharpen the saw TKANAI 20 哲学者の美徳、フランクリンの美徳、コヴィーの7つの
習慣、それぞれをいいとかどうとかいいたいのでなく、
皆さんが意識している原理、原則があるかどうか。 l  Principle centered organizational behavior l  原則を中心において、それに導かれた組織行
動 l  リーダーシップでも、営業でも、開発でも、
工場でも、本社でも l  原則が全体として相互に関連づけられていた
ら、十分にセオリーと読んでいいだろう。 10
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TKANAI 21 7つの習慣(和文) l 
1.主体的に行動する l 
2.目的を持って始める l 
3.一番大切なことを大
切にする 4.Win‐Winを考える l 
1.自分のやることに責任
を持つという習慣 2.自分の使命と目標を
はっきりさせるという習
慣 3.最も大切なことを大切
にする習慣 4.相手も勝ち、自分も勝
つという考え方をもつ習
慣 TKANAI 22 7つの習慣(つづき) l 
5.理解してから理解さ
れる 6.相乗効果を発揮する l 
7.自分を磨く l 
5.人の話を誠実に聞くコ
ミュニケーションの習慣 6.創造的な協力を発揮す
る習慣 7。・・・・・・ 11
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TKANAI 23 7つの悪習慣 l 
1.ひとのせいにする l 
2.目的をもたずに始め
る l 
3.一番大切なことは後
回し 1.自分に起きる問題すべ
てを、自分以外のせいに
する 2.明確な目的を持って取
り組まず、ただなんとな
く生きている 3.大切なことよりも、大
切でないことを常に優先
してしまう TKANAI 24 7つの悪習慣(つづき) l 
l 
4.どんな時も勝ち負け
を考える 5.自分が話し、聞くふ
りをする l 
6.頼れるのは自分だけ l 
7.自分を磨かない 4.すべてのことを勝ち負
けでしか考えられない 5.自分の言いたいことだ
けを言い、ひとの話は聞
かない 6.ひととの協力など考え
ず、自分だけの世界に生
きる 7.自分を磨くどころか、
自分を成長させることに
取り組まない 12
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TKANAI 25 小学校で、これらの原則を意識し
たら l 
子どもたちがどう変わるのかについて、報告書(本に
なっている)が存在する l 
一冊目のタイトル The seven habits of highly effective people: Powerful lessons in personal change l 
原理・原則を意識して行動するとどう変わるか。それを
意識していることが、もはや習慣というレベルになれば。 TKANAI 26 アイデンティティ形成の観点から キャリア発達とリーダーシップ開発 l  J.バダラッコ 個人レベルのアイデンティティ「わたしはだれ
か」 l  職場レベルのアイデンティティ「われわれはだれ
か」 l  組織レベルのアイデンティティ「企業とななに
か」 l 
l  この3レベルに、倫理的発達観があるが、さ
らに l 
社会レベルのアイデンティティ「なぜ、経営をし
ているのか」 (さきの小倉さんの活動) 13
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TKANAI 27 時間の軸と集合性の軸 M.ユシーム、M.マッコール、 l  J.バダラッコ 金井 個人 瞬間 集団 経験 組織 生涯 たとえば、キャリア発達の 社会 なかで、リーダーシップの
真価が問われる瞬間 l 
TKANAI 28 はなむけに But actually, unlike the snail,
we carry our homes
within us,
which enables us
to fly or to stay
,―― to enjoy each. John Cage
だが実際には、
蝸牛(かたつむり ルビ)とちがって、 我々は自分のなかに家を 持ち歩いており、 そのため
飛んだり 動かずにいたり 、―― どちらも楽しめる。 ジョン・ケージ(柿沼敏江訳) 14
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TKANAI 29 ラインホルト・ニーバ(宗教家で哲学者) の言葉 l  「変えてはならないものを受け入れる心
の冷静さを与えたまえ」 l  「変えるべきものを変える、チャレンジ
する勇気を与えたまえ」 l  「変えていくものと残すもの、その二つ
を見分ける英知を与えたまえ」 TKANAI 30 祈りの言葉でもある Please, God, give me the courage to change what can be changed, the serenity to accept what I cannot, and the wisdom to know the difference. 15
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TKANAI 31 Day4 二つのセッションでいちば
ん大事なこと l  いくつになっても学び続ける‐経営幹部
に至るまでの生涯発達と経営倫理観 l  倫理がピンとこなければ、原理・原則、
持論に支えられた生き方、働き方。それ
も自己流ではない持論。 TKANAI 32 全セッション l 
l 
l 
Day1 自分を知る‐リーダーシップの第一歩 Session1 生涯発達におけるアイデンティティと自己実現の真の意味 Session2 キャリア・アンカーとキャリア・サバイバル(前者を中心に) l 
l 
l 
Day2 一皮むけた経験‐自分をリーダーシップの観点から振り返る Session3 リーダーシップを身につける三筋‐経験、薫陶、教育・研修 Session4 実践家として持論をもつ‐マイ・リーダーシップ・セオリー l 
l 
l 
Day3 組織文化がリーダーを創り、リーダーが組織文化をつくる Session5 「すごいリーダーとできるマネジャー」エクササイズ Session6 組織文化とリーダーシップ l 
l 
l 
Day4 いくつになっても学び続ける‐経営幹部に至るまでの生涯発達と経
営倫理観 Session7 世代継承性とリーダーシップ‐ミドルの発達課題 Session8 統合と倫理観‐エディフィス・コンプレックスに陥らないために 16