2016年7月発行

Company
Profile
Hanshin Expressway Company Limited
クロスする3つの楕円は
「大阪・神戸・京都」の三大都市を中心とするネットワークを意味します。
それらが描く無限軌道は、
高速道路の快適な走行を象徴すると同時に、
「関西の限りない可能性と発展」を表現しています。
そして、
コーポレートカラーである「阪神ブルー」は、
先進性、格調、洗練されたイメージを印象づけています。
阪神高速道路株式会社
〒541-0056
大阪市中央区久太郎町4-1-3
http://www.hanshin-exp.co.jp
・阪神高速お客さまセンター TEL:06-6576-1484
〈受付時間〉
平日/8:30∼19:00 土日祝・年末年始/9:00∼18:00
・道路緊急ダイヤル #9910
(落下物、事故等を発見した際の専用ダイヤル)
この印刷物は、有害な廃液を排出しない水なし印刷を採用しています。
また、大豆油インキを包含した植物油インキを使用しています。
2016年7月発行
阪神高速道路は、259.1kmのネットワークを有する関西都市圏の大動
脈として、関西の暮らしと経済の発展を支える重要な役割を担っています。
当社は、
「先進の道路サービスへ」を企業理念として、安全・安心・快適な道
企業理念
「先進の道路サービスへ」
路ネットワークを提供するため、さまざまな施策に取り組んでまいりました。
道路ネットワークの整備については、現在、大阪都市再生環状道路の未開
通区間である大和川線等の完成に向けて、鋭意建設を進めております。ま
阪神高速は、安全・安心・快適なネットワークを通じて
お客さまの満足を実現し、関西のくらしや経済の発展に貢献します。
た、淀川左岸線延伸部、大阪湾岸道路西伸部など、関西の基盤強化と経済的
発展のみならず、都市部の環境改善に寄与する関西都市圏の道路ネットワー
クのミッシングリンク解消にも、地元の皆さま、関係機関と緊密に連携し、力
経営方針
を尽くしてまいります。
・阪神高速は、お客さまや地域とのコミュニケーションを大切にします。
・阪神高速は、公正で透明な経営を維持し、健全な発展を目指します。
・阪神高速は、社会の期待に応えるため迅速・的確・積極的に行動します。
道路の維持管理については、阪神高速道路を将来にわたって健全な状態
に管理し、お客さまに安心してご利用いただけるよう、老朽化が進んだ構造
物等の修繕事業等を進めるとともに、大規模更新・修繕事業による長寿命化
を推進してまいります。また、交通安全対策、地震防災対策、お客さまサービスの質の一層の向上などにも、阪神高速グ
ループ一体となって取り組んでまいります。
阪神高速道路開通50年、そして民営化10年が経過し新たなステージを迎えたことを受け、本年4月に2030年を
目標とする新たなビジョン『阪神高速グループビジョン2030』を策定しました。関西の発展に貢献し、地域・社会から
愛され信頼される阪神高速となるよう、
「徹底したお客さま目線」を基本姿勢とし、グループの総力を挙げて積極的に取
り組んでまいります。今後とも深いご理解、温かいご支援と、ご指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
201 6 年 7 月
代表取締役社長
幸
和
範
阪神高速グループビジョン2030
阪神高速道路開通50年、民営化後10年の節目を迎えた新たなステージにおいて、内外状況の変化や将来の見
通しを踏まえ、阪神高速グループが将来に向かって発展し続けるために、新たな目標を掲げた『阪神高速グループ
ビジョン2030 ∼未来への道、私たちの挑戦∼』を策定しています。
グループビジョンの策定にあたり、
「先進の道路サービスへ」をビジョンの基となるグループ理念としてグループ
各社の企業理念などの上位に位置付け、その具現化を図っていきます。
あ
す
「2030年のありたい姿」
阪神高速グループは、2030年にめざす姿として6つの「ありたい姿」を掲げ、その実現に向けて、グループ
社員が『徹底したお客さま目線』で取り組むことを通じ、グループ理念の具現化を図ります。
1.最高の安全と安心を提供する阪神高速
阪神高速道路を将来にわたって健全で走りやすい状態に管理し、お客さまに最高の安全と安心を提
供する阪神高速になっている。
2.もっと便利で快適なドライブライフを実現する阪神高速
お客さまのニーズに応じた道路サービスを追求し、もっと便利で快適な阪神高速道路が身近にある
豊かで楽しい生活スタイル「ドライブライフ」をすべてのお客さまに実現できる阪神高速になっている。
3.世界水準の卓越した都市高速道路技術で発展する阪神高速
卓越した都市高速道路技術のイノベーションに挑戦し続け、経営基盤となる世界水準の技術力を発
展・蓄積することにより、高品質かつ効率的に高速道路を建設・更新、管理する阪神高速になっている。
4.お客さまや社会に満足をお届けする多彩なビジネスを展開する阪神高速
Contents
ごあいさつ
阪神高速の企業理念
会社概要
(1)大規模更新・修繕等による長寿命化の推進
(2)安全・安心・快適の追求
(3)より利用しやすく
(4)プロの仕事の徹底
(5)関連事業・新規事業の展開
(6)環境にやさしく、地域・社会とともに
阪神高速グループ
… P01
… P02
… P03
… P05
… P07
… P10
… P12
… P14
… P16
… P18
お客さまや社会のニーズに応えるため、グループの技術・ノウハウ等の強みを活かした事業や新たな
ビジネスなど多彩な関連事業を展開する阪神高速になっている。
5.関西の発展に貢献し、地域・社会から愛され信頼される阪神高速
関西とともに発展し、美しく豊かで住みやすい関西に貢献するため、企業活動を通じて地域の活性
化、環境保全などに取り組み、地域・社会から愛され信頼される阪神高速になっている。
6.経営基盤を確立し、グループ社員がやりがいを実感できる阪神高速
これからもお客さまの満足を実現し、関西のくらしや経済の発展に貢献し続けるため、安定した経営
基盤を確立するとともに、社員の誇りと情熱を持った取組みがグループを成長させ、そこから社員が一
層のやりがいを実感できる阪神高速になっている。
社
代
表
本
事業の状況
名
阪神高速道路株式会社
者
代表取締役社長 幸 和範
社
〒541-0056 大阪市中央区久太郎町4−1−3
設 立年月日
平成17年10月1日
社
員
数
約700名
資
本
金
100億円(+ 資本準備金 100億円)
事 業 内 容
①高速道路の新設・改築・維持・修繕その他の管理、休憩所等の運営
阪神高速道路の通行料金一覧
営業中路線
259.
1 km
建設中路線
13.9 km
通行台数
約74万台/日
料金収入
約1,
723億円(税抜)
阪 神 圏
※ 建設中路線には、合併施行区間8.4㎞含む
※ 通行台数及び料金収入は平成27年度実積
②国、地方公共団体等からの委託による道路の建設・管理・調査等
③関連事業
組 織 概 要
京 都 圏
【本 社】
【事業所】
経営企画部
総務人事部
経理部
計画部
営業部
保全交通部
技術部
事業開発部
情報システム室
環境景観室
監査室
監査役室
東京事務所
〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1(有楽町電気ビル北館15階)
建設・更新事業本部、用地センター
〒550-0011 大阪市西区阿波座1-3-15(JEI西本町ビル2階)
大阪建設部
〒552-0007 大阪市港区弁天1-2-1-1900(ORC200 1番街19階)
堺建設部
〒590-0075 堺市堺区南花田口町2-3-20(三共堺東ビル5階)
大阪管理局
〒552-0006 大阪市港区石田3-1-25
神戸管理部
〒650-0041 神戸市中央区新港町16-1
京都管理所
〒612-0002 京都市伏見区深草中川原町13-7
6㎞以下
510円
1,030円
6㎞超~12㎞以下
610円
1,230円
12㎞超~18㎞以下
720円
1,440円
18㎞超~24㎞以下
820円
1,650円
24㎞超
930円
1,850円
均一料金
460円
930円
貨物輸送量
道路延長
阪神高速道路:234㎞
阪神高速道路:87万t
交通量
(走行台キロ)
阪神高速道路:1,475万台キロ
6.0%
49.6%
15.3%
阪神都市圏全体
176万t/日
阪神都市圏全体
3,933㎞
94.0%
阪神都市圏全体
9,647万台キロ/日
50.4%
その他の道路:89万t
84.7%
その他の道路:8,172万台キロ
(平成28年4月1日時点)
発行可能株式総数
80,000,000株
株主名
発行済株式総数
20,000,000株
財務大臣
9,999,996
50.0
大阪府
2,876,722
14.4
7名
持株数(株)
持株比率(%)
大阪市
2,876,722
14.4
兵庫県
1,827,287
9.1
沿革
5月
阪神高速道路公団が発足
1964(昭和39)年
6月
1号環状線土佐堀∼湊町間2.3㎞が開通 <阪神高速道路初の開通>
3号神戸線京橋∼柳原間3.3㎞が開通
交通管制システムを導入
1969(昭和44)年
11月
1970(昭和45)年
3月
15号堺線湊町∼堺間11.5㎞が開通するなど、日本万国博覧会開催に向けて各路線が順次開通し、総延長74.1㎞の高速道路網が完成
1978(昭和53)年
1月
3号神戸線に京橋パーキングエリアがオープン <阪神高速道路初のPA>
9.1
京都府
295,993
1.5
1980(昭和55)年
3月
14号松原線山王∼松原JCT間11.2㎞が開通し、総延長が100㎞を突破
295,993
1.5
1981(昭和56)年
6月
3号神戸線西本町∼西宮IC間14.3㎞が開通し、大阪・神戸間を直結
1988(昭和63)年
1月
1号環状線全線通行止工事(のべ11日間)を実施
20,000,000
100.0
1992(平成04)年
8月
立体道路制度を活用しビルを貫通する形で建設された梅田出口が開通
1994(平成06)年
4月
関西国際空港と神戸を結び大阪ベイエリアの大動脈となる湾岸線(2区間31.1㎞)が開通し、総延長が200㎞に到達
1995(平成07)年
1月
阪神・淡路大震災により3号神戸線、5号湾岸線を中心に甚大な被害が発生
1996(平成08)年
9月
3号神戸線武庫川∼深江間9.3㎞の工事が完了し、全線が復旧開通
2001(平成13)年
7月
ETCサービスを開始(2000年12月から試行運用中)
2003(平成15)年
8月
31号神戸山手線白川JCT∼神戸長田間7.3㎞が開通し、同年4月に全線開通した7号北神戸線と併せて神戸地区のネットワークが充実
会社と機構による高速道路事業の実施のスキーム
日本高速道路保有・債務返済機構は、
「債
2005(平成17)年 10月
会 社
資金の借入れ
建 設
なサービスの提供」の3つの民営化の目的を
実現するため、法律に基づき、高速道路の
1962(昭和37)年
1966(昭和41)年 10月
会社と機構の役割分担
民負担で建設」
「 弾力的な料金設定や多様
注1) 阪神都市圏とは、大阪府・大阪市・神戸市の全域と
阪神間を合わせた地域です。道路とは、国道・府
道・県道・指定市の主要道路です。走行台キロとは、
1台の車が1キロを走行する単位です。
注2) 貨物輸送量に関しては、第22回阪神高速道路起終
点調査では積載重量のデータを取得していません
が、第21回の品目別平均積載重量を第22回デー
タに適用して算出しています。
出典:「第22回阪神高速道路起終点調査」平成16年度/
阪神高速道路公団
「平成17年度道路交通センサス」平成17年度/国
土交通省
1,827,287
計
務の確実な返済」
「 必要な道路を少ない国
阪神高速道路は、その他の道路の約3倍の効率で
交通量を分担しています。また、阪神都市圏にお
ける貨物輸送量の50%は、阪神高速道路を利用
しています。
神戸市
京都市
阪神高速道路株式会社と独立行政法人
大型車
阪神都市圏における阪神高速道路の役割
その他の道路:3,699㎞
株式等の状況
株主数
普通車
※ 通行料金は各種割引前の料金です。
※ 現金のお客さま(阪神圏)は、一部端末区間を除き、普通車930円、大型車1,850円となります。
※詳しくは、阪神高速ホームページ(URL:http://www.hanshin-exp.co.jp/company/kigyou/index.html )をご覧ください。
管
機 構
資 産 の 帰属・債 務 の 引受 け
貸付け
2008(平成20) 年
高速道路の保有
理
建設等及び債務の返済等に関する役割を
分担しています。
営業距離
料金徴収
大臣許可
貸付料の支払
債
務
返
8号京都線上鳥羽∼第二京阪道路接続部間5.5㎞が開通
4月
16号大阪港線朝潮橋パーキングエリアをリニューアルオープン(全てのパーキングエリアを順次リニューアル)
6月
8号京都線山科∼鴨川東間(稲荷山トンネル)2.7㎞が開通
2010(平成22)年 12月
3月
8号京都線鴨川東∼上鳥羽間1.9㎞が開通
2012(平成24)年
1月
均一料金から距離料金へ移行
5月
ETC利用率が90%を突破
済
10月
新神戸トンネル8.5㎞を神戸市道路公社から移管
3月
6号大和川線三宅西∼三宅中0.6㎞が開通
5月
2号淀川左岸線島屋∼海老江JCT間4.3㎞が開通し、総延長が259.1㎞に到達
2015(平成27)年 10月
大臣認可
31号神戸山手線(南伸部)1.8㎞が開通
2011(平成23)年
2013(平成25)年
協 定
阪神高速道路株式会社が発足
1月
会社設立10周年
50km
100km
150km
200km
250km
(1)大規模更新
(1)大規模更新
・
・
修繕等による
修繕等による
長寿命化の推進
長寿命化の推進
阪神高速道路を将来にわたって健全な状態に管理し、お客さまに安心してご利用いた
だけるよう、老朽化が進んだ構造物等の修繕事業等を進めるとともに、大規模更新・修繕
に取り組んでいます。
長期維持管理に向けた大規模更新・修繕の推進
現在、阪神高速道路(阪神圏)
の営業延長は約250kmに達し、
交通量は1日約71万台におよび
ます。
40年未満 40年以上
40年未満
67%
33%
49%
83.3㎞
129.9㎞
165.7㎞
平成35年度には約5割の路線
総延長
(阪神圏)
15,000
50年以上
12,000
(阪神圏)
32%
83.3㎞
40年以上
19%
だくために、維持管理のサイクルに沿って、日常的に巡回を行う日常点
12,658台
阪神高速
一般道路の
9,000
3,000
平成25年度末
10年後
平成35年度末
0
阪神圏の開通からの経過年数別比率
検や構造物を定期的に詳しく調べる定期点検を行い、構造物の健全性
を把握したうえで、効率的、合理的な補修・補強計画を策定し、工事を
行うことで、道路の保全・管理に総力を挙げて取り組んでいます。しか
6,000
49.3㎞
と、また大型車の平均断面交通
酷な使用状況にあることから、ひ
阪神高速では、お客さまに「安全・安心・快適」に道路をご利用いた
262.5㎞
が開通して40年以上経過するこ
量が大阪府内道路の約6倍と過
約5割
総延長
249㎞
安全・安心な道路構造物の維持管理
2,224 台
一般道路
し、営業延長約259kmのうち、約30%の路線で開通後40年以上が経過
し、徐々に老朽化が進んできています。 出典:平成22年度交通センサス
こうした状況に対応するため、従来から取り組んでいる老朽化が進
大型車の平均断面交通量(台/日)
んだコンクリート構造物や腐食・疲労損傷が著しい鋼構造物などの修
び割れや疲労亀裂等の損傷が顕
繕事業をより一層推進していきます。さらに、大型標識やトンネル換気
在化しています。
設備などの大型構造物へのフェールセーフ機能の追加により、安全・安
そこで、繰り返し補修を実施し
心な高速道路維持に努めます。
塗装塗替工事
コンクリート表面保護工
ても健全性を引き上げることが
できず、致命的な損傷進展の可
大豊橋付近
能性がある構造物を対象に、大
規模な更新や修繕を行うことと
(施工前)
(施工前)
南森町∼長柄
福島∼塚本
京橋付近
京橋付近
しました。
(km)
湊町∼本町
平成27年度より本事業に着手
していますが、阪神高速道路は都
湊町付近
市内の限られた空間を利用して
建設されているため、難工事が予
法円坂付近
日常点検 路上点検
芦原∼住之江
湊川付近
湊川付近
想されます。お客さま、地域住民
日常点検 路下点検
(施工後)
(施工後)
喜連瓜破付近
の皆さま、関係機関のご協力・ご
構造物・施設一覧
理解を得られるよう最大限努力
:大規模更新箇所(約 5 ㎞)
するとともに、円滑な事業実施に
:大規模修繕箇所(約 57 ㎞)
努めます。
更新計画対象箇所
更新計画対象箇所図
定期点検
大型構造物の落下防止機能の取り付け
剛結されていない構造
(ヒンジ)
営業中路線
外ケーブル
橋の中央部が剛結されていない構造をしています。この橋で
設計当初の想定を超える変形が生じ、応急対策により進行は抑
制しましたが、抜本的回復まで至らず、今後も変形が進行するお
それがあることから、大規模更新を実施します。
大阪地区
兵庫地区
京都地区
合 計
営 業 延 長 (km)
145.
1
103.
9
10.
1
259.
1
高
架 (km)
139.
7
62.
1
7.
3
209.
1
地
下 (km)
3.
4
22.2
2.
5
28.
1
そ の 他 (km)
2
19.
6
0.
3
21.
9
(km)
入
路 (箇所)
116
69
8
193
出
路 (箇所)
120
71
8
199
阪神高速道路の営業中路線
65m
【喜連瓜破付近の大規模更新の例】
(平成28年7月時点)
種 別
損傷状況と応急対策(14号松原線喜連瓜破付近)
(左側・中央:橋の中央ヒンジ部において、路面の垂れ下がりが進行)
(右側:応急対策【H15】:5cm程度回復)
区 間
最終開通年度 延長
(km)
営業中路線
区 間
最終開通年度 延長
(km)
1号環状線
環状部分
昭和41年度
10.3
11号池田線
土佐堀付近~池田木部
平成10年度
21.6
2号淀川左岸線
北港JCT~海老江JCT
平成25年度
5.6
12号守口線
北浜付近~守口(国道1号)
城北付近~森小路
昭和46年度
12.1
3号神戸線
阿波座付近~月見山(第二神明道路)
昭和56年度
39.6
13号東大阪線
船場付近~水走(第二阪奈有料道路)
平成9年度
12.5
4号湾岸線
天保山JCT~りんくうJCT(関空連絡橋ほか)
平成6年度
32.7
14号松原線
夕陽丘付近~松原JCT(西名阪・阪和自動車道)
昭和54年度
12.1
5号湾岸線
天保山JCT~六甲アイランド北
平成6年度
23.1
15号堺線
高津~堺(国道26号)
昭和50年度
13.4
湾岸(垂水)線
名谷JCT(第二神明道路)~
垂水JCT
(神戸淡路鳴門自動車道)
平成10年度
1.2
16号大阪港線
船場付近~天保山JCT
昭和63年度
7.2
6号大和川線
三宅西~三宅中付近
平成24年度
0.6
17号西大阪線
津守付近~安治川(国道43号)
昭和44年度
3.8
7号北神戸線
伊川谷JCT~西宮山口JCT(中国自動車道)
有馬口JCT~柳谷JCT(六甲北有料道路)
平成15年度
35.6
31号神戸山手線
湊川JCT~白川JCT
平成22年度
9.1
国道2号~箕谷JCT
平成24年度
(移管)
8.5
8号京都線
山科~伏見(第二京阪道路)
平成22年度
10.1
32号新神戸トンネル
計
259.1
(2)安全・安心・快適
の追求
ー走りやすい道路の実現ー
阪神高速をご利用いただく1日74万台のすべてのお客さまにとって安全で安心して運転
しやすく、快適な走行が可能な道路サービスを提供するため、日常の維持管理、交通安全
対策などのハードの改良、CS向上施策、ITS技術の活用等を継続的に実施します。
また、南海トラフ巨大地震による津波等に対応する防災対策を進めます。
交通安全対策
南海トラフ巨大地震等に対する地震防災対策の推進
阪神・淡路大震災で受けた被害を教訓に、道路橋の耐震補強を実施しました。近い将来に発生が予想されている南海トラフ巨大
交通管理・交通管制
地震のようなプレート境界型の大規模地震、兵庫県南部地震のような内陸直下型地震の2種類の地震動を想定し、落橋に対する
円滑な交通の流れを維持するとともに、安全で快適な走行を確保するため、24時間
安全性を確保するほか、地震後も応急復旧を行うことで橋・道路としての機能を速やかに回復できるよう備えています。
365日体制で道路巡回・取締・交通管制業務を行っています。
また、南海トラフ巨大地震による津波の発生に備えて、国、大阪府、兵庫県が公表した津波浸水想定を踏まえ、
「お客さまの安全
道路巡回業務では、道路パトロールカーが巡回し、交通管制室と連絡をとりなが
確保」として浸水リスクのある出口や地下路線等の通行規制、お客さまの避難誘導などの対策を検討し現場運用に反映するほか、
ら、交通事故や落下物等の早期発見に努め、これらの異常事態が発生した場合には、
「道路機能(緊急交通路)の確保」に向けて道路管理施設の浸水対策、電力・情報通信の確保等の対策を順次実施しています。
二次的事故の防止のために、現場の交通規制や誘導、負傷者の応急救護、走行不能車
これらの防災対策については、関係機関との連携や実践的な防災訓練等を定期的に実施することにより、災害対応力の強化を
両の排除等を迅速に行い、道路の機能の早期回復に努めています。
図ってまいります。
取締業務では、料金所及び入口付近で重さや寸法等の違反車両の取締を実施し、
また料金所に軸重計測装置を設置し、違反者に警告する等の活動を行っています。
交通管制業務では、道路上に設置されたカメラや、お客さまや関係機関からの通報により渋滞や交通障害等の情報を収集・処
長大橋の地震対策
理するとともに、事案発生時は関係機関と連絡調整を行いながら、道路パトロールカー等に事案処理を指示し、お客さまに対して
湾岸線などの長大橋について、個々の長大橋の構造特性に適合
速やかにきめ細かな情報提供を行っています。
する免震・制振技術を積極的に採用し、合理的、経済的に耐震性能
を向上させています。
交通安全対策
例えば、港大橋では、床組(車両が走行するデッキ部分)を支える
平成22年度に策定した第2次交
金属支承をすべり免震支承や積層ゴム支承に取り替えて地震力を
「安心できる」
「見える」
「伝える」
カーブ区間の安全対策
出口部の逆走対策
阪高SAFETYナビ
車線を明示した案内標識
入口部の誤進入対策
スマートフォンを用いた事故リスク情報提供
通安全対策アクションプログラムで
低減し、
「主構」とよばれる主要部材(橋の骨格となるトラス部材)
は、交通事故の未然防止や安全性
に損傷が生じないようにするなどの技術を採用しています。
港大橋
(左)
、
すべり免震支承
(右上)
、
積層ゴム支承
(右下)
の向上を目指し、
「 安心できる」
「見
える」
「伝える」対策を実施し、最終
災害に備えたソフト対策
年度となった平成26年度までに約
お客さまに高速道路を安心してご利用いただくために、交通管制センターにおいて24
400件の事故削減(平成21年度比)
時間体制で地震・台風等の災害に係る情報や気象情報を把握し、お客さまへの必要な情
報提供や支援活動を行っています。
交通管理
防災活動
支援
災害時の初動活動をより迅速に行うための対策も進めています。具体的には、震度5
強以上の地震・津波が発生した場合に備えて事業継続計画(BCP)を策定し、
「人命救助
等の安全確保」
「 緊急交通路の確保による災害復旧への貢
献」等のために必要な災害対応業務等を定めています。ま
BCP支援
異常時の
対応
た、GIS(地理情報システム)やGPSなどのIT技術を活用
した総合防災システムに社内での情報を一元化することに
より、災害対応力の向上に努めています。
交通管制センター
設備
(資産)
管理
を達成しました。今後も引き続き、
効果が確認できた対策を中心に広
範囲に展開します。
総合防災
システム
個別業務
支援
(database)
(knowledge)
お客さま
情報管理
知識継承
情報共有基盤のイメージ
ITS技術等の活用
様々な交通情報提供媒体を組み合わせることで、高齢化社会にも対応した、
個々のお客さまにわかりやすく役に立つ情報提供を行います。
渋滞対策
例えば、所要時間表示板における増減傾向表示の充実やモバイル向け交通情
報サービス「阪神高速はしれGo!」の活用・サービス拡充などを進めることで、ニー
阪神高速道路のネットワークは整備途上にあるため、都心部に向かう交通と都心
ズに応じたさらなる情報提供の高度化を図っていきます。
部を目的としない通過交通が混在するなど、交通集中による渋滞が発生しています。
このため、
「阪神高速道路の渋滞対策アクションプログラム(H26-H28)」を策定し、路
線やジャンクションの建設などのネットワーク整備を着実に進めるとともに、情報提
また、これからのネットワーク整備などを念頭に、ETC2.0サービスや民間会社な
光の流れ
供の充実、交通運用などによる渋滞対策に取り組んでいます。
た渋滞が発生しています。そのため、上り坂での速度低下対策として速度回復誘導灯を設置しています。
選択をより確実に行えるようにする等、より迅速で正確な道路情報提供の実施に
さらに、安全で快適な走行空間の実現に向け、交通安全情報の積極的な提供
よる工事渋滞対策も行っています。
緩やかな下り坂から上り坂への勾配変化部では、上り坂と気付かないために生じる速度低下を原因とし
どで収集されたプローブデータを活用することにより、渋滞や事故発生時の経路
向けた検討を実施しています。
また、工事の集約化、工事時間の短縮を図るとともに効果的な事前の情報提供に
※
道路パトロールカーによる巡回業務
3号神戸線上り深江付近に設置した速度回復誘導灯 ※
を進めるとともに、研究機関や自動車メーカー等と連携して、自動運転や走行支
援サービスの基礎的研究や実験を展開しています。
緑-通常
橙-通常の3倍未満 赤-通常の3倍以上
(2)安全・安心・快適
の追求
関西のくらしや経済の発展に寄与し、お客さまの利便性向上に資するミッシングリンク
解消に向けたネットワーク整備等に着実に取り組むとともに、お客さまにとってわかりや
すく、道路網全体が効率的に利用される料金体系の実現に向けた検討を進めます。
ー走りやすい道路の実現ー
走行の快適性向上
ト化や段 差ができにくい 伸 縮装置
ー使いやすいネットワーク
ー使いやすいネットワーク
・料金ー
・料金ー
ミッシングリンク解消に向けたネットワーク整備等
快適な走行や沿道環境の改善を
目的に伸縮装置をなくすノージョイン
(3)
(3)
より利用しやすく
より利用しやすく
阪神高速は、営業延長259.1㎞の道路ネットワークを整備しており、さらに大阪都市再生環状道路に位置づけられた淀川左岸
簡易鋼製への取り替え
(左側:ゴムジョイント)
(右側:簡易鋼製ジョイント)
線、大和川線の整備と、神戸・湾岸方面から大阪市内経由で池田・守口方面へのアクセスを向上させる西船場JCTの改良(西⇒北
連絡路)を進めています。
(簡易鋼製ジョイント)の設置、路面
の縦断凹凸の改善など道路の平坦
〈施工前〉
(床版)
(伸縮継手)
(舗装)
(舗装)
性の向上に取り組んでいます。
(床版)
京都縦貫自動車道
(伸縮継手)
京都線
路面の縦断凹凸改善
阪神高速道路ネットワーク図
〈施工後〉
お客さま満足(CS)の向上
新名神高速道路
CS向上の取り組みに関するPDCAサイクル「お客さまの声の収集」
「内容の分析・共有」
「改善検討」
「改善実行・確認」を通し
路
大阪国際
空港
北神戸線
新神戸トンネル
3.6 3.6 3.6
西船場JCT
湾岸線
部
神戸空港
堺線
道 路西 伸
第二阪奈有料道路
東大阪線
西大阪線
湾岸
(垂水)
線
大阪湾岸
H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27
大阪港線
第二
神明道路
淀川左岸線
松原線
近畿自動車道
神戸山手線
3.3
3
守口線
淀川左岸線延伸部
神戸線
ハーバーハイウェイ
3.6 3.5
3.4
路
道
阪
京
二
第
環状線
3.5
新御堂筋
4
3.6
池田線
ラダーネットワーク
平成18年度~平成27年度(総合満足度)
新名
神高
速道
路
中国自
動車道
山陽自動車道
ビス向上と品質改善を行うことにより、お客さま満足の実現を目指します。
道
速
高
神
名
箕面
有料道路
道
動車
和自
京奈
て、安全・安心・快適をご提供できるよう取り組みます。今後も徹底したお客さま目線で考え、阪神高速グループ一丸となってサー
3.5 3.5
京滋
バイパス
六甲北
有料道路
実現に向けた取組体制
大阪都市再生環状道路
車道
自動
阪
西名
神戸淡路鳴門自動車道
大和川線
パーキングエリアの改善
「ほっと処」
(「ほっ」とできる空間)をお客さまに提供するため、
堺泉北
有料道路
トイレ、レストランや駐車場の改修など施設の充実(ハード面)と、
南阪
奈道
路
パーキングエリアの現場を担うPAスタッフによるおもてなしの質
特に、有人パーキングエリアでは、総合案内役(コンシェルジュ)
を配置し、お客さまへの道路案内をはじめとしたサービスの向上
に取り組んでいます。
湾岸線
総合案内役(コンシェルジュ)
朝潮橋パーキングエリア
関西国際空港
路外パーキングの整備
困難な状況です。その解決策の一つとして、ETCの機能を活用す
ることで、阪神高速道路の外(路外)にある沿道施設を阪神高速道
路のパーキングエリアと同じようにご利用いただける「路外パーキ
ング(仮称)」サービスを日本初の試みとして実施しています。
路 線 名
指定入口
指定出口
A
B
阪神高速出口
グエリアの整備は、都市高速である阪神高速道路では制約が多く、
路外パーキングサービスとは?
阪神高速入口
多くのお客さまからご要望をいただきながらも、新規のパーキン
凡 例
阪和自動車道
の向上(ソフト面)にも取り組んでいます。
営業中路線
(259.1㎞)
建設中路線
(5.5㎞)
合併施行による建設区間
(8.4㎞)
他高速道路等
計画路線
(都市計画済)
計画路線
関西空港
自動車道
区 間
延長
(㎞)
備 考
大阪市道高速道路淀川左岸線【淀川左岸線】
海老江JCT~豊崎
4.
4
うち4.3㎞は、
大阪市と合併施行
大阪府道高速大和川線【大和川線】
三宝JCT~三宅西
9.
1
うち4.1㎞は、
大阪府・堺市と合併施行
神戸市道高速道路2号線【神戸山手線】
南駒栄町~湊川JCT
0.
4
大阪湾岸道路西伸部にあわせて整備
西船場JCT改良
(西⇒北連絡路)
大阪市西区西本町付近
-
-
阪神高速が
指定する駐車場
20分
20分
以内
以内
制限
時間
2時間以内
A
B は
と 同じ高速料金
計
13.
9
(3)より利用しやすく
今後の都市部における大規模更新・修繕等に対応するため、高品質で合理的な都市高
速道路の建設・管理、構造物の長寿命化、維持管理の効率化等の実現に向けた技術開発
を戦略的に進めます。
ー使いやすいネットワーク・料金ー
■大和川線(大阪府道高速大和川線)
大阪都市再生環状道路とは、大阪市を中心とする延長約
「大和川線」は、4号湾岸線(三宝JCT(仮称))と14号松原線(松原市三
長大橋を含む先進的な構造・設計手法の研究・開発を継続して実施し、橋梁技術の
60㎞の環状道路で、湾岸線、淀川左岸線、近畿自動車道、大
宅中)を結ぶ延長9.7㎞の自動車専用道路です。
向上を図っています。
このうち、三宅西∼三宅中までの0.6㎞は開通しており、現在、残る9.1
阪神高速では、地方自治体による街路事業との合併施行
も導入し、淀川左岸線や大和川線などの事業を進めていま
㎞の完成に向け、鋭意建設を進めています。
また、将来の維持管理負担が少ない都市高速道路を目指し、新型耐久性床版等、
この「大和川線」が整備されると、大阪南部地域において臨海部と内
施工性に優れ、耐久性が高い構造や材料を用いた技術を開発し、実用化を目指してい
陸部が高速道路で直結されることになり、東西方向の交通混雑が大幅
ます。
す。大阪都市再生環状道路が完成すれば、通過交通の都心
に減少し、同地域の社会経済活動の活性化に大きく寄与することが期
部への流入抑制、郊外から都心部への交通の分散導入、事
待されます。
さらに、既設構造物撤去・再構築等により発生する騒音・振動等環境負荷や渋滞な
なお、堺市北区常磐町∼松原市三宅中までの4.3㎞の区間において、
どの都市機能阻害を軽減する急速施工技術の開発を進めます。
故や災害時の迂回ルート確保などの機能が発揮されます。
ー世界をリードする都市高速
道路技術の確立ー
高品質でより合理的な都市高速道路の建設・管理
大阪地区=大阪都市再生環状道路の整備を進めます
和川線等で構成されています。
(4)プロの仕事の徹底
街路事業との合併施行を導入しています。
長大橋(東神戸大橋)
横つなぎ材
通過交通の都心部への流入を抑制
郊外から都心部への交通を分散導入
災害や事故等による一部区間の不通
にも速やかに移動
シールドトンネル発進立坑
シールドマシン
■西船場JCT改良(西⇒北連絡路)
■淀川左岸線(大阪市道高速道路淀川左岸線)
西船場JCTにおいて、これまで環状線の半周迂回や乗り継ぎなどが
「淀川左岸線」は、5号湾岸線(北港JCT)と新御堂筋(大阪市北区豊
必要であった16号大阪港線東行きと1号環状線北行きを接続することに
崎)を結ぶ延長10.0㎞の自動車専用道路です。
より、利便性を高めます。
このうち、北港JCT∼海老江JCTまでの5.6㎞は開通しており、都心
の交通渋滞個所を迂回することが可能になっています。
残る海老江JCT∼新御堂筋までの4.4㎞(大阪市此花区高見∼同市
北区豊崎までの4.3㎞は街路事業との合併施行)が整備されることによ
り、一層の効果が期待されます。
鋼管
鋼管集成橋脚(耐震性の向上)
【海老江JCT】
4本の鋼管を横つなぎ材で一本化した橋脚 ※世界初の採用
軽量で、耐久性に優れた道路橋床版の開発
開発が進んだ都市部で高速道路橋を計画する際には、橋脚の位置や基礎の規模が制約されたり、非常に短い期間
での建設が要求されたりするため、現場の工期が短く、コンクリート床版よりも軽い鋼床版をよく使用してきましたが、
さまざまな要因による金属疲労亀裂が顕在化しています。そこで、平成23年から共同研究により鋼床版やプレキャスト
兵庫地区=ラダーネットワークの整備を図ります
PC床版に代わる軽量でかつ耐久性の高い床版の開発に取り組み、超高強度繊維補強コンクリート(UFC)床版の開発
神戸市を中心とする兵庫地区では、東西に走る北神戸線、神戸線、湾
京都地区=東部・南部の交通利便性が
高まりました
岸線、さらには現在計画されている大阪湾岸道路西伸部と、それらを結
京都地区では東西方向と南北方向からなる
今後、このUFC床版の実用化に向けた検討を引き続き行うことにしており、その高い耐久性から長大橋への適用や
ぶ神戸山手線、新神戸トンネル(神戸市道生田川箕谷線)などの南北方向
十字型のネットワークの計画が策定されてい
老朽化した橋梁の既設床版の取替えに適用し、橋梁の更新や長寿命化に寄与する床版の技術開発を推進します。
の路線を梯子状に組み合わせるラダーネットワーク構想が策定されてい
ます。阪神高速はこのうち、東山の隘路を打開
ます。
する新十条通と南部集積地区の骨格となる油
大阪湾岸道路西伸部は名谷JCTから六甲アイランド間の約21㎞の路
小路線を整備しました。また、第二京阪道路の
線で、整備により神戸・阪神地域の渋滞や沿道環境などの道路交通問題
開通により京都・大阪のアクセスが格段に向上
を改善し、地域の活力の向上に寄与すると期待されています。
しています。
■神戸山手線(神戸市道高速道路2号線)
■京都線
「神戸山手線」は神戸市長田区南駒栄町から3号神戸線(湊川JCT)と7号北神戸線
京都地域における初めての都市高速道路で京都市山
(白川JCT)を結ぶ延長9.5㎞の自動車専用道路です。この路線により、神戸市北西部
科区西野山から第二京阪道路接続部までの延長10.1㎞
地域と神戸都心のアクセスが強化され、交通の分散化が図られるとともに、災害時等
の自動車専用道路です。この路線により、京都市東部地
に迂回路としての機能を発揮します。
域や南部地域と都心部との所要時間が短縮されまし
に成功しました。
UFC床版を用いた道路橋
た。
ワッフル型UFC床版
プレテンションPC鋼材
1.00
平板型UFC床版
環状線
鋼床版
1.72
0.98
ワッフル型のUFC床版
UFC床版(見上げ)
4.13
PC床版
大阪港線
4.54
RC床版
三宝JCT
(仮称)
西船場JCT改良
大和川線(シールドトンネル)
床版形式による重さの比較
(ワッフル型UFC床版を1とした場合)
(4)プロの仕事の徹底
阪神高速グループにおいてこれまで培ってきた技術・ノウハウ、高架下等の道路空間や
保有する資産を有効に活用し、社会のニーズに応えるため、周辺の自動車専用道路等の一
体的管理受託、海外事業を含む土木・建築・補償コンサルティング事業、駐車場事業、保有
資産有効活用事業、ETC活用事業等を積極的に展開します。
ー世界をリードする都市高速
道路技術の確立ー
大規模更新・修繕を踏まえた構造物の長寿命化と維持管理の更なる
効率化に向けた技術開発
大阪港咲洲トンネル・夢咲トンネルの管理
※1
道路構造物の損傷状況を確認し、対策を講じるうえで必要となる基礎
阪神高速は、平成21年度から指定管理者制度
資料を得ることを目的としている点検の効率化を推進するため、ドクター
港咲洲トンネルの管理運営を行い、加えて一体的に夢咲トンネ
パト
※2
やケーブル点検ロボット
※3
、みつけるくんK
などの新技術開発
※1 搭載したカメラでジョイントの段差の計測や赤外線
カメラによる舗装補修箇所の調査を道路規制せずに
これらの海底トンネルは、大阪臨海部の物流などを担う幹線
道路ネットワークの一部です。このため、当社が保有する交通
舗装の損傷例
(上段:可視画像)
(下段:赤外線熱画像)
管理および施設管理などの豊富な経験を活かして、これらのト
ドクターパト
実施できる点検専用車
※3
により大阪
ルの維持管理を大阪市から受託しています。
により点検の高度化や損傷状況の見える化を進めます。
※2
ー広い視野に立った
新たなサービス分野の開拓ー
公共インフラ管理者等のニーズに応える道路マネジメント事業等の展開
技術開発
※1
(5)関連事業・
新規事業の展開
搭載したカメラで斜張橋のケーブルの全周・全長の高
的に管理することにより大阪港の国際競争力の強化に貢献し
画質画像が取得できる点検ロボット
ています
夢
咲
ト
ン
ネ
ル
※2
舗装路面上より鋼床版デッキの貫通亀裂を点検でき
※1
る自走式検査装置
ル
ネ
ン
洲ト
咲
港
阪
大
ンネルの安全な管理運営を行い、加えて阪神高速道路と一体
。
指定管理者制度:多様化する住民ニーズにより効果的・効率的に対応する
ため、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上と
経費の節減等を図ることを目的として導入されたもの
(大阪市ホームページ)
http://www.city.osaka.lg.jp/keiyakukanzai/page/0000162085.html
※2
大阪港咲洲トンネルの指定管理者業務の評価において、平成21年度、23
年度、24年度、25年度および26年度について総合A評価を獲得しました。
このことは、阪神高速グループ各社による地道な取り組みの成果と認識し
ています。いただいた評価を誇りにしつつ、より高水準な業務実施と更な
る効率化を推進してまいります。
第二阪奈有料道路の管理など
東大阪線と直結している第二阪奈有料道路について、管理
箕面
有料道路
池田線
管理・管制および設備監視等を24時間体制で実施しています。
ケーブル点検ロボット
みつけるくんK
奈良県側では、管理者である奈良県道路公社が公募した「道路
大阪国際
空港
淀川左岸線
道
路
第二阪奈有料道路
東大阪線
堺線
近畿自動車道
環状線
西大阪線
して「契約事務の簡素化」、
「管理の効率化」及び「コスト低減」
新名神
高速道
路
守口線
大阪港線
更なる技術向上を目指して
この取り組みは、国土交通省の「先導的官民連携支援事業」と
路
京阪
第二
維持業務委託」に応じ、グループ会社である阪神高速技術㈱ら
と共同企業体を構成し技術提案の上、業務を受託しています。
道
道
動車
和自
京奈
る基本協定を締結し、トンネルを中心とした維持管理や交通
高速
名神
新御堂筋
者である大阪府道路公社と道路管理運営業務等の委託に関す
(L=13.4km)
技術継承プログラム、業務インハウス化、自己技術力向上シートの導入等新たな取り組みの検討・実施を進め、高度に発達した
等による経営改善と、民間事業者の創意工夫やノウハウを活用
高速道路ネットワークサービスの提供等に真に必要な技術者の育成を図っています。
した効率化とコスト縮減を目指すもので、全国の道路公社に先
また、グループ各社の適切な役割分担のもと、これまで蓄積された技術・ノウハウを十分に活用しつつ、構造、交通、電気通信な
駆けて実施されており、①全体マネジメント、②保守業務、③修
どの技術やテーマを融合させる等、よりお客さまのニーズに合致した技術開発を目指しています。
繕業務、④路面清掃、⑤植栽管理、⑥舗装補修、⑦改善提案な
さらに、今後の技術外販や大規模更新・修繕等の展開に向けて、知的財産などの技術情報の集約・一元化が図られる仕組みを
ど複数業務を包括し複数年度継続するものです。
グループ内に構築するとともに、他社との人事交流の拡大等により、更なる技術力向上を図っています。
阪神高速を含む複数の管理者にまたがる有料道路の交通情報、工事情報等の一元管理を行うことで、シームレスな道路マネジ
松原線
大和川線
西名阪自動車道
メントを実現しており、工事の効率化、事故などの緊急時におけるお客さまの安全・安心・快適の向上を目指しています。
(5)関連事業・
新規事業の展開
企業の信頼性を確保しつつ社会的責任を果たすため、地球環境の保全、都市環境との
調和に積極的に取り組むとともに、これまで培った技術やノウハウを活かし、地域社会へ
貢献します。
ー広い視野に立った
新たなサービス分野の開拓ー
収益の柱の育成と地域活性化への貢献
(6)環境にやさしく、
地域・社会とともに
ー環境・景観を重視し、地域に
根ざした取り組み・社会への貢献ー
地球環境の保全
持続可能な社会を構築するためには、企業を含めたあらゆる主体が積極的に環境への取り組みを行うことが求められます。
駐車場事業の推進
阪神高速では、LEDをはじめとする高効率照明やトンネル換気設備のインバータ制御等による省エネルギー化、再生可能エネ
現在、大阪地区・兵庫地区合わせて約240箇所で、高架下等
ルギーの活用として管理施設への太陽光パネルの設置、パーキングエリア(6箇所)への電気自動車用急速充電器の設置、道路構
において阪神高速サービス㈱と協働で駐車場事業を実施して
造物などの長寿命化、使用済み横断幕の再生事業等による3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推進しています。また、ネット
おり、関連事業の収益の柱として発展を図り、地域活性化にも
ワーク拡充など渋滞削減への取り組みは、低速走行や発進・停止の繰り返しによるCO2の発生を抑制し地球環境の負荷軽減にも
寄与しています。
駐車場事業
(信濃橋駐車場)
ETC活用事業の展開
※エコアクション21(環境マネージメントシステム)
環境省が策定したガイドラインに基づいて、環境経営の
ための仕組みを構築、運用、維持するためのシステム
さらに、環境への取り組みを適切に実施するため、エコアク
ション21(環境マネジメントシステム)の認証を社内全部署で取
回転灯
得しています。
ETCアンテナ
現在、阪神高速グループではETCの無線通信を多目的に利
寄与しています。
用するETC活用事業を展開しています。
建設中の大和川線シールド工事での発生土を再利用する際
には、ETCの無線通信により取得する情報を電子マニフェス
ト(産業廃棄物管理票)の記録と連動するシステムを導入し、
発生土の運搬管理を効率的に実施しています。
LED表示機
トラックスケール
ETC活用事業
(南港第6貯木場付近)
保有資産を有効活用した事業の推進
高速道路の区域以外の会社所有地の有効活用を図ることを目的とした事業用定期借地や土地一時使用賃貸借、賃貸住宅事業
LED照明の採用(7号北神戸線長坂山トンネル)
太陽光パネルの設置(7号北神戸線長坂山トンネル)
使用済み横断幕の再利用
を行っています。
都市環境との調和
阪神高速道路による生活環境や自然環境への負荷を減らす
ことで、沿道環境の保全と改善に引き続き取り組んでいます。
平成13年から実施している「環境ロードプライシング」では、
国道43号・阪神高速3号神戸線沿線の環境改善のため、環境負
保有資産有効活用事業
(左側:賃貸住宅(リラフォート千里中央))
(右側:事業用定期借地(塚本))
荷の高い大型車等の料金を割り引いて、5号湾岸線へ誘導する
ことにより沿道環境への影響低減に努めています。
また、環境施設帯を設置し、騒音・振動低減とあわせ、大気
質の改善に努めています。
都市と高速道路の調和についても、地域社会と協調しなが
ら、周辺地域と調和の取れた美しい都市景観の創造に取り組
お客さまへ「おもてなしの心」での提供
環境ロードプライシング(割引率はご利用区間によって変わります)
んでおり、地元企業、経済団体、行政等が連携して実施している
阪神高速のパーキングエリアでは、お客さま満足向上のためにレストランメニューの改善、売店取扱い商品の充実を図るととも
に、よりくつろいでいただける空間の創出に努めています。
堂島川・東横堀川等のライトアップに積極的に協力しています。
また、料金所屋上緑化等により、快適な都市空間づくりを推進
します。
休憩所事業
(左側:レストラン(朝潮橋PA))
(右側:売店(泉大津PA陸側))
環境施設帯(12号守口線)
堂島川ライトアップ(1号環状線)
料金所屋上緑化(2号淀川左岸線大開料金所)
(6)環境にやさしく、
地域・社会とともに
ー環境・景観を重視し、地域に
根ざした取り組み・社会への貢献ー
阪神高速では、
「安全・安心」に密接に関わる保全点検、維持修繕、交通管理及び料金収受を中心に、専門的技術・
技術やノウハウ等を活かした地域との連携や社会への貢献
地域との連携
経済界や地方公共団体等と連携を図りながら、高速道路の利用促進や、道路建設事業と一体となったまちづくりへの貢献に努
めています。
また、阪神高速グループで蓄積した技術・ノウハウを地域に還元するため、道路や橋梁の管理に関する技術を必要とする地方公
共団体等を対象に、現場見学や情報交換を通じた技術者の交流・育成活動を推進しています。
さらに、地域の皆さまに、より一層阪神高速道路への理解を深め、親しみを持っていただくため、小学校に出向いて阪神・淡路
大震災での被災・復旧経験や環境への取り組み等を紹介する出前講座や建設現場見学会の実施、地域イベントへの参画等、地域
知識を有する子会社を設立し、グループ経営体制を構築しています。
グループ経営体制においては、「先進の道路サービスへ」を共通の基本理念として、①品質の確保・向上、②業務の効
率化、③技術・ノウハウの集約、④緊急性・機動性の確保を図り、阪神高速グループ全体が一丸となって連携強化する
ことで、安全・安心・快適なネットワークをお客さまに提供しています。 さらに、阪神高速グループは、阪神高速道路の建設管理や高架下などの駐車場運営で培ったノウハウを活かし、周
辺自治体の道路管理等※にも貢献しています。
※大阪港咲洲トンネル・夢咲トンネル(大阪市港湾局)、第二阪奈有料道路(大阪府道路公社・奈良県道路公社) 等
グループ会社の事業分担
に根ざした交流を継続的に実施しています。
阪神高速パトロール(株)
1号環状線四ツ橋入口近くの高架下にある、阪神高速ミナミ交流プラザ<Loop A>では、ギャラリー展示やイベントなどが開
阪神高速トール大阪(株)
阪神高速トール神戸(株)
交通管理
催され、文化の発見・創造・発信の拠点として大阪ミナミの活性化に貢献しています。
阪神高速道路上の交通パトロールを行
い、事故・故障でお困りのドライバーの安
全確保、落下物処理など24時間体制で快
適なドライブをサポートします。
料金収受
阪神高速道路の玄関である料金所
において、迅速・正確・丁寧な応対
をモットーに、お客さまに気持ちよ
く阪神高速道路をご利用いただけ
るように料金収受業務を行います。
Loop A
社会への貢献
阪神高速技術(株)
※
保全点検・維持修繕
風化させることなく後世に継承するため、また、今後の防災対策の研究の一助となる
ります。
※ 開館日等の詳細につきましては、http://www.tech-center.or.jp/hokanko をご覧ください。
震災資料保管庫
国際貢献活動
日々活躍しています。国内においては、一年を通し300名以上もの研修生を受け入れ、
技術交流を進めています。
また、中国、タイ、カンボジア、モロッコなどの道路関係機関と覚書を締結し、技術
国際貢献活動(ケニアからの研修生受入)
国際コンサルティング事業
道路に関する課題の解決に協力する国際コンサルティング事業を展開
しています。これまでに、ケニア、カンボジア、タイ、エチオピア、フィリピン
において、道路・橋梁の維持管理や用地取得に関する分野での業務を実
施し、その成果は高い評価を得ています。また、現在ケニアにて「モンバサ
持管理に配慮した道路設計についてのアドバイスを行っています。
速
道路
建設
阪神高速技研(株)
事業
阪神高速道路の技術ノウハウ
を継続的に蓄積することで、
調査設計・積算・情報管理な
ど、各技術分野における阪神
高速道路(株)の業務をバック
アップします。
ています。派遣先では、阪神高速の運営・管理に関するノウハウを提供し、当社社員が
港周辺道路開発」に関連したコンサルティング業務に従事し、完成後の維
高
設計・積算・システム管理
これまで10カ国以上の国々に、国際協力機構(JICA)等を通じた技術者派遣を行っ
者の相互派遣や研修活動を積極的に行っています。
や専門技術者、地震防災学習の観点での見学など、多くの方々にご来場いただいてお
阪神高速道路の点検から補修
までを迅速に行い、現場から得
られるノウハウを技術開発や品
質管理に活用することで、構造
物を良好なコンディションで長
持ちさせます。
ことを願い、特徴的な被災構造物34点を展示しており、国内外を問わず、行政関係者
阪神高速道路(株)
一般公開している震災資料保管庫 については、阪神・淡路大震災での被災経験を
業
建設現場見学会
小学校での出前講座
理事業
路管
道
速
高
国際コンサルティング事業(現地国での打ち合わせ)
連
関
事
阪神高速サービス(株)
阪神高速道路の高架下利用、PA管
理やETCカード事業による利用増
進、また大 規 模 集 客施 設の運営な
ど、お客さまサービスを主とした広い
分野で阪神高速道路㈱の業務をバッ
クアップします。
グループ会社
■阪神高速パトロール株式会社
〒550-0012 大阪市西区立売堀1-4-12
(リーガル立売堀ビル)
TEL 06-6536-6204
(代表)
http://www.hanshin-patrol.co.jp/
■阪神高速トール大阪株式会社
〒541-0053 大阪市中央区本町4-1-7
(大阪第二有楽ビル)
TEL 06-6210-2061
(代表)
http:/www.hanshin-tollosaka.co.jp/
■阪神高速技術株式会社
〒550-0005 大阪市西区西本町1-4-1
(オリックス本町ビル)
TEL 06-6110-7200
(代表)
http://www.hex-eng.co.jp/
■阪神高速トール神戸株式会社
〒651-0096 神戸市中央区雲井通4-2-2
(マークラー神戸ビル)
TEL 078-252-7755
(代表)
http://www.hanshin-tollkobe.co.jp/
■阪神高速技研株式会社
〒550-0011 大阪市西区阿波座1-3-15
(JEI西本町ビル)
TEL 06-6105-3333
(代表)
http://www.hanshin-tech.co.jp/
■阪神高速サービス株式会社
〒550-0004 大阪市西区靭本町1-11-7
(信濃橋三井ビル)
TEL 06-6448-2120
(代表)
http://www.hankou-service.jp/