報告書 - 国立淡路青少年交流の家

平成21年度 企画事業 実施報告書
1 事 業 名
教員免許状更新講習
2 期
平成21年11月21日(土)~11月23日(月)
日
3 募集定員
40名
4 参 加 者
11名
5 参加者内訳
男子8名,女子3名
兵庫県:7名 徳島県:3名 大阪府:1名
6 講
師
浜松大学 健康プロデュース学科
教
授
戸田 芳雄
(社)大阪自然環境保全協会
理
事
田中 広樹
兵庫県教育委員会淡路教育事務所
指導主事
国立淡路青少年交流の家
主任企画指導専門職
谷
宜憲
橋本 直之
企画指導専門職
酒井
務
企画指導専門職
作
企画指導専門職
上出 正彦
企画指導専門職
福田 安倫
企画指導専門職
桑山 宗大
靖幸
7 実施プログラム
11月21日(土)
13:30~14:00
開講式・ガイダンス
14:00~16:30
講義:
「体験活動の意義と学習指導要領」
16:40~18:30
講義・実習:
「体験活動の指導法」
11月22日(日)
9:00~12:30
講義・実習:
「地域探求ウォークラリー」
13:20~18:00
講義・実習:
「参加体験型の環境学習の進め方」
19:00~20:30
講義・実習:
「星空観察」
11月23日(月)
8:40~12:30
講義・実習:
「野外炊飯」
13:00~14:30
履修認定試験
14:35~14:45
閉講式
8 プログラムの内容
(1) 講義「体験活動の意義と学習指導要領」
講師:浜松大学 教授(元文部科学省スポーツ・青少年局体育官)
戸田 芳雄
内容:小学校学習指導要領総則(教育課程編成の一般方針)や学校教育法第21条において,
義務教育として行われる普通教育の目標では,自然体験活動についてどのように規定さ
れているかといった内容を中心として,子どもの現状を踏まえた体験活動の必要性と教育
効果,教育課程における「体験活動」の位置づけに関する講義が実施された。
(2) 講義・実習「体験活動の指導法」
講師:国立淡路青少年交流の家
企画指導専門職
桑山 宗大・上出 正彦
内容:前半は,ヘリュウムフープを全員で下げる実習を通して,参加者が,
「コンテント」
と「プロセス」の意味を考えた。
後半は,体験活動の循環過程についての解説と,参加体験型を基本とする体験学習と
講義型を基本とする概念学習の学びのスタイルの比較についての内容を通して,体験活
動の意味と指導法を理解する講義・実習が実施された。
(3) 講義・実習「地域探求ウォークラリー」
講師:国立淡路青少年交流の家
企画指導専門職
酒井
務・福田 安倫
内容:ウォークラリー形式で地域を探求し,地域の資源を活用する手法を学ぶ実習を実施し
た後,KPT 法(Keep=うまくいった,Problem=問題点,Try=次にしたいこと)による
ふりかえりを行い,地域の資源を生かした体験活動のプログラム作成時に配慮すべき事
項等についての講義が実施された。
(4) 講義・実習「参加体験型の環境学習の進め方」
講師:(社)大阪自然環境保全協会
理 事
田中 広樹
内容:身のまわりの自然や生き物を観察することを通して,それらの存在を「感じる」する
ことが「知る」こと以上に大切であることを意識し,環境教育に取り組む考え方と手法
について3T(体験から学ぶ,楽しく学ぶ,互いから学ぶ。
)で学ぶことを中心とした講
義が実施された。また,
「淡路島の標本箱」
,
「命名ゲーム」
,
「木へのインタビュー」の実
習を通して,
「感じる」体験を大切にするために教師として心がけることについての理解
を深めた。最終セッションでは,レイチェル=カーソンの「センスオブワンダー」等の
事例紹介を通して,参加体験型の環境学習の進め方についての講義が実施された。
(5) 講義・実習「星空観察」
講師:兵庫県教育委員会淡路教育事務所 指 導 主 事
谷
宜憲
内容:星座早見盤の使い方と星座についての関係や,いろいろな天体現象(月食,日食,流
星,彗星,新星,超新星,惑星,人工衛星)についての解説の後,天体望遠鏡や模型等
を用いての星空観察や体験学習の位置づけについての講義・実習が実施された。また,
星空観察を身近なものにするために必要なことを考え,それぞれの参加者が発表した。
(6) 講義・実習「野外炊飯」
講師:国立淡路青少年交流の家
主任企画指導専門職
企画指導専門職
橋本 直之
作
靖幸
内容:宿泊活動で実施される機会が多い「野外炊飯」をただ単に「体験する」だけでなく,
達成目標や行動目標を設定し,活動した後にふりかえりを行う「プロセス」に焦点を当
てた指導方法についての講義が行われた。講義の後,受講者は,各班に分かれてビーイ
ングの手法を用いて「目標設定」を行った。その後,野外炊飯場に移動し,実習が実施
された。
実習の中では,なたの安全な使い方や火のつけ方等野外炊飯実習における安全面や技
術面の解説が行われた。実習終了後は再度研修室に戻り,各自ふりかえりシートを使っ
て,実習のふりかえりを行うとともに,
「プロセス」に焦点を当てた指導方法についての
理解を深めた。
(7) 評価
内容:筆記試験による履修認定試験を実施した。
9 広報の方法
兵庫・徳島県内の公立小学校については,
教育委員会経由で開催要項を送付し,
私立学校については,直接開催要項を送付した。また,近隣の学校に事業の案内
を行うとともに,ホームページに要項等をアップして広報を行った。
10 参加者の声
・ 立派な施設と優秀な職員がいらっしゃるところで講習を受けることができた
ことに感謝しています。自分の足りなさを再認識しました。残り必修12単位
修了に向けて頑張りたいと思います。
・ 3日間とも楽しく過ごすことができました。大変感謝しています。ありがと
うございました。
・ 明日からまた学校現場で頑張ります。
・ 個人的にはカッター研修がしたかったですが,今回の研修の趣旨からは少し
外れるかもしれませんね。食事もおいしく楽しく過ごすことができました。あ
りがとうございました。
・
泊が原則でなく,通いも OK であったらよかった。かなり時間的にハードだ
った。アットホームな感じで楽しく学習できた。
・ 教員免許状更新講習は意義があるかもわかりませんが,その講習の持ち方や
評価には不満がある。気軽に受けられることや負担にならない事業であってほ
しい。
11 担当者所見
昨年度の予備講習に続き,本年度は,選択領域 18 時間分の講習を実施した。
学校現場で活かす体験活動のテーマのもと,施設の特性を最大限活かすことので
きるプログラム構成となるよう配慮した。
参加した受講者は,教育現場での経験も豊富であるとともに様々な体験活動を
実践してきている。しかしながら,事前の課題意識調査からは,その体験活動は
経験で培われたものが多く,「体験活動」の教育的意義について再認識したいと
いった意見が多く寄せられた。
受講者は,
今回の講義・実習の中で体験活動の意義や理論を学ぶことによって,
これまで経験則で培われていた「体験活動」の考え方について,大きく理解が深
まったものと思われる。内容が多岐にわたったため,時間的にはハードな面も見
受けられたが,理解の深まりとともに,受講者の意欲の高まりが感じられる非常
に有意義な講習会となった。
募集開始後,教員免許状更新講習の存続が問われる報道が相次ぐなど,講習を
取り巻く環境には複雑なものがあったが,募集人数を大きく下回ったことは,反
省すべき点である。広報の在り方については再検討が必要であり,今後の課題と
したい。
今回の講習で深化した「体験活動」を,それぞれの受講者が実際の教育現場で
活かしてくれることを願う。