肖像権について

肖像権について
インターネット社会における知的財産権の保護
社団法人私立大学情報教育協会
情報倫理教育振興研究委員会
皆さん こんにちは
今日は 肖像権について解説いたしましょう
© 2004-2005 社団法人私立大学情報教育協会
1
基本的人権
n
n
日本国憲法は、国民主権、平和主義とならんで、
「基本的人権の尊重」を3大原則としている
基本的人権には、自由権、平等権、社会権など
明文化されているものの他に
知る権利、環境権、プライバシーの権利など
法令などになっていないものもある
2
わが国の憲法の3大原則は、
「国民主権・主権在民ともいいますが」、平和主義とならんで
基本的人権の尊重です
基本的人権は
移動や表現の自由などの自由権が代表的ですが
これらは憲法そのものに明記されています
最近、これらの明文化された基本的人権に加えて
知る権利やプライバシーの権利などが
明文化はされていませんが
基本的人権を構成するものと考えられてきました
© 2004-2005 社団法人私立大学情報教育協会
2
肖像権とは何か①
n
n
n
肖像権も、基本的人権の1つとされる
普通、肖像権とは、「何人も、その容貌・姿態を撮
影されない自由」のことをいう
肖像権は、明文の規定はなく、裁判の判決
(判例)の積み重ねで社会的に認められている
3
肖像権もこのような明文化されていない
基本的人権の一つと考えられています
肖像権とは、
何人も、その容貌・姿態を撮影されない自由のことと
いうのが一般的解釈です
© 2004-2005 社団法人私立大学情報教育協会
3
肖像権とは何か②
n
n
肖像権とは、
一般の人(市井の人)が、
無断で撮影されない・無断で氏名等を公表され
ないことなどに関する権利(自由)をいう
氏名などの個人を識別することができる情報は、
個人情報保護法でも保護される
4
このように
肖像権とは、一般の人すべてに認められているもので
無断で撮影されない
無断で氏名等を公表されないことなどに関する自由のことです
また、氏名・電話番号、メールアドレスなど
個人を識別することができる情報は、個人情報保護法でも保護されています
© 2004-2005 社団法人私立大学情報教育協会
4
肖像の利用ルール
n
n
自分がイヤなことは他人もイヤですから
肖像や氏名を無断で使用することはルール違反
ホームページに、一般人・
有名人を問わず、
個人が判別できるような写真(肖像)を貼り付け
ることは厳禁です
n
本人の承諾が得られれば問題ありません
n
承諾がないと、差止請求や慰謝料の対象となります
5
このように肖像権というものが確立していますが
常識的に見ても
自分がイヤなことは他人もイヤですから
肖像や氏名を無断で使用することは ルール違反ということになります
気をつけないといけないことは
ホームページに、一般人・有名人を問わず、
個人が判別できるような写真(肖像)を貼り付けることは 厳禁です
もちろん、本人の承諾が得られれば問題ありません
もし承諾がないと、差止請求や慰謝料の対象となります
© 2004-2005 社団法人私立大学情報教育協会
5
有名人の肖像・氏名
n
n
肖像権にはもう一つの意味がある
有名人(俳優や歌手などの芸能人、スポーツ選
手など)の氏名や肖像には、
営利的(経済的)な利用権が存在する
n
このことは、有名人の出ているCMや広告を
考えるとすぐ分かる
6
肖像や氏名に利用について
一般人ではなくて
有名人の場合には少し様子が違ってきます
つまり
俳優や歌手などの芸能人、スポーツ選手などの有名人の
氏名や肖像には、
営利的(経済的)な利用権が存在します
このことは、有名人の出ているCMや広告を
考えるとすぐ分かるでしょう
多くの会社が、出演料を支払って
CMなどを作っているのですから
© 2004-2005 社団法人私立大学情報教育協会
6
パブリシティ権
n
n
有名人の氏名や肖像の営利利用権を
「パブリシティ権」と呼んで区別している
有名人の肖像利用は、一般大衆の面前で
自分の氏名や肖像が公開されることが前提
n
基本的人権の一つである肖像権とは異質
n
人格権的利益と引き替えに、経済的な利益を得る
7
このような
有名人の氏名や肖像の営利利用権は
「パブリシティ権」と呼んで
一般の人に対する肖像権とは区別しています
というのは
俳優や歌手といった有名人は、
一般大衆の面前で自分の氏名や肖像が
公開されることが前提となっています
これは
基本的人権の一つである肖像権とは異質なものです
つまり、有名人は人格権的利益と引き替えに、
経済的な利益を得ているのです
© 2004-2005 社団法人私立大学情報教育協会
7
有名人の肖像の利用
n
有名人の肖像は、パブリシティ権(営利利用権)
の対象ですから、承諾を得ず無断で利用するこ
とはできません
n
n
学園祭などでタレントを呼んだイベントをする時、
チラシやポスターなどは特に注意すること
多くの場合、パブリシティ権の侵害では損害賠償を
求められることになります
8
そこで、当然のことですが
有名人の肖像は、パブリシティ権(営利利用権)の対象ですから、
承諾を得ず無断で利用することはできません
大学では
学園祭などでタレントを呼んだイベントをする時など
チラシやポスターなどは特に注意することが必要です
多くの場合、パブリシティ権の侵害では損害賠償を
求められることになります
© 2004-2005 社団法人私立大学情報教育協会
8
ま と め
利用する肖像・
氏名の対象
権利の名称
肖像・氏名の
利用の仕方
一般人
肖像権
承諾を得ること
(基本的人権)
有名人
パブリシティ権 承諾を得ること
(経済的利益) (金銭の支払)
9
最後に
これまでの説明を簡単に表にまとめてみました
おさらいです
肖像権や氏名権というのは
一般の人に対する基本的人権の一つとされる肖像権と
有名人に対するパブリシティ権では取扱が違います
ただし、どちらも本人の承諾を得ることが必要なことは
変わりません
© 2004-2005 社団法人私立大学情報教育協会
9