発明の新規性喪失の例外規定(特許法第30条)改正について 「平成23年

発明の新規性喪失の例外規定(特許法第30条)改正について
○「平成23年改正法対応手引き」の概要
・原則、出願日が平成24年4月1日以降の特許出願が適用対象となります。
1.平成23年改正の発明の新規性喪失の例外規定について
・平成23年の特許法第30条の改正により、従来は発明の新規性喪失の例外規定の適用対象とされていなか
った、集会・セミナー等(特許庁長官の指定のない学会等)で公開された発明、テレビ・ラジオ等で公開された
発明、及び、販売によって公開された発明等が、新たに適用対象となりました。
2.発明の新規性喪失の例外規定の適用を受けるための手続的要件
・第30条第2項の規定の適用を受けるには、以下(a)∼(c)三つの手続を行う必要があります。
(a)発明の公開日から6月以内に特許出願すること。
(b)特許出願時に、第30条第2項の規定の適用を受けようとする旨を記載した書面を提出すること。
(c)特許出願の日から30日以内に「証明する書面」を提出すること。
3.第30条第3項に規定された「証明する書面」について
・「証明する書面」として、一定の書式に則った出願人自らによる証明書が適正に作成され、特許出願の日か
ら30日以内に提出されていれば、証明事項について一定の証明力があるものと認められます。
・特許法第30条第3項に規定される「証明する書面」には、「公開の事実」及び「特許を受ける権利の承継等の
事実」の欄を設け、下記の要領で記載します。
4.発明の新規性喪失の例外規定についての注意
発明の新規性喪失の例外規定はあくまでも特許出願より前に公開された発明は特許を受けることができない
という原則に対する例外規定であることに留意する必要があります。仮に出願前に公開した発明についてこの
規定の適用を受けたとしても、例えば、第三者が同じ発明を独自に発明して先に特許出願していた場合や先
に公開していた場合には、特許を受けることができませんので、可能な限り、早く出願をすることが重要です。
また、海外への出願を予定している場合には、各国の新規性喪失の例外規定にも留意する必要があります。
各国の国内法令によっては、自らの公開により、その国において特許を受けることができなくなる可能性もあり
ますので御注意ください。