平成 23 年度事業報告

平成 23 年度事業報告
自 平成 23 年 4 月1 日
至 平成 24 年 3 月 31 日
博物館運営事業(日図デザイン博物館)
事業報告
平成 23 年度における事業の概要を報告する。本年度は新博物館開館 16 年目を迎えるにあたり、デザイン博物館としての通
常基本事業の企画に当たり、より一層の内容の充実を図り実施した。
社会教育の基本に基づく資料作成の推進実行に、博物館事業として鋭意取り組んでいる社会教育育成事業「京都こども美術
展」は、関係官庁および関連団体の御協力のもとに本年 34 回展を開催し、出品作品中より特に優秀な作品を「こども美意識
変遷 100 年史」の貴重な資料として保存した。また、本年は「第 11 回全国公募拓展―絵になる拓本展―」の開催年にあたり、
CCC 運動に対して社会教育と図案文化の高揚を目的とする博物館の立場から積極的に推進実施した。尚、拓展に於いては拓す
る技法によるアートの分野を「拓彩」として拓き、デザインアートの世界を広げ、新しい分野の芸術として浸透しつつある。
通常事業については平成 23 年度事業計画に基づき、日図デザイン博物館のより健全な発展に対処した。以下、各事業につ
いて詳細を述べる。
1.展覧会事業
1) 第 34 回京都こども美術展~文化庁「関西元気文化圏」参加事業~
主 催 日図デザイン博物館・㈳日本図案家協会
共 催 京都造形教育研究会
後 援 京都府・京都市・京都府教育委員会・京都市教育委員会・京都商工会議所・NHK京都放送局・
㈳京都府保育協会・㈳京都市保育園連盟・京都新聞社
協 賛 一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会 他 11 団体
会 期 平成 23 年 8 月 19 日(金)~21 日(日)
会 場 日図デザイン博物館
応募校(園) 保育園・幼稚園 計 106 園/府下・市内小学校 計 165 校/擁護・総合支援学校 5 校・合計 276 校(園)
応募点数 8,024 点
入 選 1,300 点
賞
日図奨励賞 53 点(特別賞―知事・市長賞等 42 点を含む) 入場者数 5,158 名
審 査 平成 23 年 7 月 25 日(月)日図デザイン博物館
授賞式 平成 23 年 8 月 21 日(日)みやこめっせ第 1 展示場
目 的 本展は美術教育の一助として、京都府下に在住する幼児及び児童(小学生)を対象に絵画を通して美意識の向
上(美的創造性の開発・創造的表現力の育成等)を図り、豊かな人間性の育成を意図するものである。それと
共に、当博物館では本展の優秀作品を「こども美意識変遷 100 年史」の貴重な資料として毎年収集し、大切
に保存する事を目的としている。又、本年は文化庁による歴史と伝統のある関西から文化力を高める取り組み
「関西元気文化圏」参加事業として開催した。
成 果 継続事業として 34 回の展示を迎えた。本展の目的のひとつである「こども美意識変遷 100 年史」の半世紀に
向かって展覧会の発展と充実を図りつつ開催。子供達の元気溢れる創造力豊かな作品が多数応募され、健やか
な子供達の成長と可能性に大きな期待を持つ事が出来た。今回も多数の優秀作品の中から日図奨励賞 53 点が
選ばれ、更にその中から特に優れた作品、42 点に特別賞(知事賞・市長賞他)が贈られ、収蔵品として博物
館に寄贈された。尚、当博物館のこども美術展作品収蔵数は、今年度の 53 点を加えて 2,054 点にのぼる。又
本年も「関西元気文化圏」参加事業としてポスター等に「文化力」のロゴマークを入れるなどその主旨の普及
を行なった。また本年も、この展覧会の存在を全国へ告知し、入賞した児童の作品がより多くの人の目に触れ
る機会を得られるよう、会期中より、上位入賞作品 53 点をインターネット上に公開展示した。これによって、
会期中来場できなかった父兄も閲覧可能となり、好評を博した。会期中は、教育界、家族、関係者等、5,158
名の参観があり、高い関心と評価を得られた展覧会であった。尚期間中には教育界はもとより京都府、市民多
数の参観があり、本展に対する関心とその内容が高く評価されると共に、技術創造性豊かな実りある展覧会と
なった。
2) 第 11 回全国公募拓展―絵になる拓本展―~文化庁「関西元気文化圏」参加事業~
主 催 日図デザイン博物館・㈳日本図案家協会
共 催 日本拓本家協会
後 援 文化庁・京都府・京都市・京都府教育委員会・京都商工会議所・一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会・
西陣織工業組合・財団法人京都伝統産業交流センター・NHK 京都放送局・京都新聞社・華道家元池坊
会 期 平成 23 年 11 月 25 日(金)~27 日(日)
会 場 日図 デザ イン 博物 館
入 場者 数 453 名
応 募 点数 116 点
応募者 数 59 名
拓 本講 習 会
平成 23 年 11 月 25 日( 金 )~ 27 日( 日)
審 査 平成 23 年 10 月 6 日(木)
授賞式
平成 23 年 11 月 26 日(土)
目 的 古来より碑等の歌、文字、絵等は顕彰・記念のために、あるいは後世の人に想いを知ってほしいという願い
のもとに刻まれ、人々はそれらを拓本として鑑賞してきた。このことは碑に限らず、建造物・器物等にも刻
まれた文字、絵、文様は、その時代の集約された文化であり、広い視野で捉えれば総てデザインとして見る
ことができ、拓するという技術は芸術の技法の一つでもある。全国に拓本を愛好する人は多く、それぞれの
地域で活動している。本年も文化庁「関西元気文化圏」に参加し、1200 年の歴史を織り成す京都から、芸
術として、生涯教育として、拓本芸術の高揚を図り、次代を拓くデザイン芸術の新しい創造の場としての想
いを新たに日本全国に公募して開催した。また、アートへの可能性を追求した「拓」の技法を用いた作品(カ
ラー作品を含む)を拓彩として公募・展示し、新しい美術・デザインの分野として発展を期待する。
成 果 第 11 回展として開催した本展は、広く各都道府県より応募があり、豊かな創造性、力作の中にも拓する技
術の確かな作品、そして質の高い作品が応募された。特に、今展覧会では、小学生・中学生からの応募があ
り、若い世代の参加によって非常に有意義なものになったと思われる。これら多数の優秀な作品から、特別
賞 17 点が選ばれ、受賞作品をカラー掲載したパンフレットを作成し、入場者に配布した。また、開催期間
中、会場内に拓本体験コーナーの実施は、拓本の普及および本展の趣旨を理解してもらう一助になったと考
えている。さらに、本年度は、会場の一角に、東日本大震災特別企画「鎮魂・とわに祈りを」の展示コーナ
ーを設け、東日本大震災で被災した地域に所在する碑文の拓本や、震災からの復興をテーマにした拓本の募
集を行った。同企画には、復興を願うメッセージとともに 32 点の作品が寄せられ、来場者から大きな反響
を得た。東日本大震災の特別企画の出品料と、会期中に行った拓本体験コーナーの体験料は、義援金として
日本赤十字へ寄附した。
3)
「2011 京都画材まつり」に参加
期日 平成 23 年 10 月 22 日(土)~23 日(日)
会場 みやこめっせ 1 階第 2 展示場
会員の拓本作品を展示すると共に、拓本体験教室を開催し、従来の石板による拓本以外に様々な木の葉を採拓する体験を
してもらった。
4)常設展
図案作家の紹介、及び年度を通じて収蔵品の展示を行った。
2.平成 23 年度における展覧会事業一覧
デザイン及び製品(デザイン結果)の発表展覧を下記表の通り実施した。表中◎印を付したものは、当協会及び博物館が主催、
又、○印を付したものは、共催、後援、協賛したものであり、補助対象事業でもある。
催 事 の 名 称
期 日
第 24 回全国シルバー書道展京都展
エスタジオ・ラモ 5 月コレクション
京都フェスタ 2011
○第 30 回全国和紙ちぎり絵京都サークル展
4/1~4/3
5/8~5/9
5/13~5/15
5/26~5/29
6/2
会議
第 19 回日本社会福祉士会全国大会
○おこしやす 業者婦人のはんなり市
6/4~6/5
6/19
第 13 回日本医療マネジメント学会学 6/24~6/25
術会議
7/14
現創会展 褒賞係会議
エスタジオ・ラモ 8 月コレクション
8/1
主
催
書の展覧会
こどもフォーマル服展示
呉服・宝石展示
和紙ちぎり絵作品展
京商㈱
㈳日本社会福祉士会
京都府商工団体連合会婦人部協
議会
NPO 法人日本医療マネジメン
ト学会
現創会展 褒賞係
会議
会議
着物・数珠・バッグ等の展
示
医学会義
㈱彩邑
こどもフォーマル服展示
8/3~8/7
8/18
8/19~8/21
○第 7 回動物園写生作品展示
○第 20 回市民すこやかフェア 2011
8/28
9/3~9/4
毎日新聞社・㈶毎日書道会
京文化中
日図デザイン博物館
㈳日本図案家協会
京都造形教育研究会
市民すこやかフェア実行委員会
FP フェア「上手な暮らしとお金」展
○第 83 回誂友禅染競技会
併催:作品展示会
格趣書法会
○第 26 回畦石舎作品展
会議
○京友禅総合展 第 56 回彩芸展
併催:彩芸青年会作品展
選品会
9/17~9/18
9/22
会議
要
㈳日本書芸院
㈱彩邑
㈱ウライ
全国和紙ちぎり絵京都サークル
第 63 回毎日書道展 関西展
会議
◎第 34 回京都こども美術展
催 事 の 名 称
摘
入館者数
(人)
100
800
40
1000
会議
書道展
会議
幼児・児童絵画展
100
5000
5,158
300
2,500
NPO 日本 FP 協会
京都誂友禅工業協同組合
児童絵画作品展示会
絵画・書道・写真・手芸等
の作品展
セミナー
審査会並びに新作着物展示会
9/24~9/25
10/1~10/3
10/5
10/9~10/10
書道展
畦石舎
京都市中小企業家同友会青年部会
京友禅協同組合連合会
格趣書法会
篆刻・書・画作品展示
勉強会
京友禅(手描き友禅)作品展
300
400
15
1,500
10/11
㈱彩邑
子供服展示
100
摘
入館者数
(人)
期 日
10/12
主
催
京都市中小企業家同友会青年部会
勉強会
要
300
15
催 事 の 名 称
期 日
一系会・玄図会 合同展
撮影
○第 50 回鳳雛選抜展
会議
◎第 146 回日図創作図案総合展
○第 28 回京都府高等学校総合文化祭
10/13
10/13
10/15~16
10/19
10/23~10/25
10/29~30
○京都とっておきの芸術祭
会議
京都和装 秋の創作展
○第 24 回国際平和ポスターコンテスト
京都展示会
会議
会議
◎第 11 回全国公募拓展
11/4~11/6
11/9
10/31~11/2
11/13
11/16
11/19
11/25~27
○京都橘大学書道部 2 回生展
○洛游社展
12/3~4
平成 24 年
1/21~22
1/24
虹彩会
◎第 24 回京都・美の教育展
1/28~29
立命館大学入学試験
2/1~4
エスタジオ・ラモ 2 月コレクション 2/5~7
市民リフォーム祭
2/11~12
2/18~2/20
○第 40 回左京区保育園児さくひん展
○第 15 回笑顔いっぱい元気いっぱい
保育フェスタ
○花園大学書道コース卒業制作展
エスタジオ・ラモ 3 月コレクション
○第 11 回福知山市佐藤太清賞展
女性を描く現場
京都市伝統産業の日
撮影
◎第 147 回日図展
合 計
52 催事
2/25~27
3/1~4
3/5~6
3/7~11
3/11
3/15~18
3/19
3/22~23
主
催
摘
要
入館者数
(人)
新作図案展示・販売
撮影
書作品展示
勉強会
公募創作図案展示
美術・工芸・書道・写真作
品展示
京都障害者芸術祭実行委員会
絵画・造形・
京都市中小企業家同友会青年部会 勉強会
㈱京都和装
呉服展示会
ラ イ オ ン ズ ク ラ ブ 国 際 協 会 児童 500 名のポスター展示
335-C 地区 PR 委員会
京都市中小企業家同友会青年部会 勉強会
㈱ 京 都 産 業 振 興 セ ン タ ー 会議
日本拓本家協会
拓本・拓彩展示
㈳日本図案家協会
京都橘大学書道部 2 回生
書道作品展
洛游社
書作品展示
200
2
800
15
756
1000
京都市友禅染技術者研修同窓会
京都造形教育研究会
立命館大学
㈱彩邑
㈲サンコーホーム
左京保育園協議会
10
1,259
一系会・玄図会
㈱八宝堂
鳳雛書道会
京都市中小企業家同友会青年部会
㈳日本図案家協会
京都府高等学校芸術文化連盟
会議
講演・研究発表・絵画展
入試
子供服展示会
リフォーム関連イベント
左京区の保育園児による絵
画・工作物作品展
笑顔いっぱい保育いっぱい保育 保育園児絵画展
フェスタ実行委員会実行委員会
花園大学書道部
卒業制作作品の展示
㈱彩邑
子供服展示会
福知山市まちづくり推進課
絵画作品展
野中雅郎
スケッチ会
京都市伝統産業課
展示会
㈱八宝堂
撮影
㈳日本図案家協会
図案展
1500
15
1000
15
453
195
150
100
200
500
8,511
100
495
25
100
2
403
3.博物館資料収集事業
(1)
「第 34 回京都こども美術展」日図奨励賞受賞作品 53 点の寄贈を受け、
「こどもの美意識変遷 100 年史」の資料として収
蔵した。
(2)KDK 京都服飾デザイナー協会より「KDK モードショウ」作品 3 点の寄贈を受け収蔵した。
(3)
「図案ライフ」5 冊を保存管理した。
(4)
「第 146 回日図創作図案総合展」一般上位入賞作品 3 点を買い上げ、
「創作図案展・総合展上位入賞作品」の資料と
して収蔵した。
4.国際交流に関する事業
(1)ミュルーズ染織美術館(姉妹館)との連携推進。
(2)CCC(創造・信頼・交流)運動について国際化の本質事業として推進を図ってきた。
5.関係団体との提携
財団法人京都市芸術文化協会
評議員 ・・・・・・・ 林
大史
京都障害者芸術祭実行委員会
委員 ・・・・・・・・ 林
大史
平成 23 年度とっておきの芸術祭
審査員 ・・・・・ 林
大史
障害者週間 啓発ポスターコンクール
審査員 ・・・ 林
大史
博物館サポーター ・・・・ 同志社大学文学部文化学科美学及芸術学専攻学生依頼
6.博物会館の運営
(1)会館の管理・運営に付いて検討し、管理については経費節減を図り、又運営については運営の改善を図るよう努めた。
(2)会館の PR に継続して努めた。
7.会友制度に関する事業
会友制度の確立・CCC 運動の一環として当館の目的とする社会教育の精神に則り、当館の事業に参加、館を利用すること
によって人の生涯を通じてのデザイン美術を含めた芸術活動の高揚を図ることを目的に会友制度を運営。
●収蔵資料一覧
種
図
別
案
生地(古代)
帝人古代裂コレクション
コスチューム
現代の壁紙
ポスター
住まいの美(建材)
児童絵画
図案スライド・ポジフィルム
教育用デザインスライドフィルム
ビデオテープ・CD
図書・図録
染織布(現代)
陜北剪紙
カシミヤショール
絵画資料
染型紙
マッチラベル
版画
版木
KYO-PRINT TECHNICAL 図案
IMAGINATION
生地
図案帳
摺揚染友禅工程雛形
本慶長八送り特選友禅
紋紙(図案共)
第 30 回「’92-’93A-W 京都スコープ展」記念事業
「CONTEMPORARY FABRICS―’90 年代のかがやき―展」作品
合
計
点
吉祥図案
ミュルーズ(会員作品)
準会員入選作品
陶器・原画
大正・昭和初期友仙下絵及び絵摺
全国県花・県鳥・県木作品
創作図案展・総合展上位入賞作品
染織図案
世界の国の花作品
現代寝装衣料図案
現代文様図案
数
331点
86点
208点
90点
201点
235点
77点
108点
367点
1,473点
48点
95点
2,026点
130点
98点
259点
95点
2,070点
9,484点
4,104点
19巻
1,985点
133点
23点
1点
42点
409点
1,596点
1点
20点
39点
136点
9点
1点
1点
1点
137点
26,138点