粉体塗料の種類

粉体塗料の新たな展開について
大日本塗料株式会社
金属焼付塗料事業部
粉体塗料の種類
塩ビ粉体塗料
熱可塑性粉体塗料
ポリエチレン粉体塗料
ナイロン粉体塗料
エポキシ粉体塗料
ポリエステル粉体塗料
熱硬化性粉体塗料
エポキシポリエステル粉体塗料
フッ素粉体塗料
アクリル粉体塗料
1
熱硬化性粉体塗料の特徴と用途
塗料中の主要樹脂成分
特
徴
用
途
防食性
耐薬品性
埋設管,住宅鉄骨
自動車部品
ポリエステル(イソシアネート)
V-PET#4000系
屋外薄膜美装
耐候性
機械物性
エアコン室外機,
照明器具
フェンス,自動販売機
内装建材
エポキシ-ポリエステル
(ハイブリッド)
V-PET#5000系
屋内薄膜美装
経済性
鋼製家具
電子レンジ
屋内器物
ポリエステル(HAA)
)
ポリエステル(
V-PET#6000系
屋外薄膜美装
耐候性
低温硬化性
ガスボンベ
アルミ建材
超耐候性
消火器
金属外装建材
道路資材
エポキシ
V-PET#1340系
ふっ素
パウダーフロンCW
パウダーフロンSELA
粉体塗料の新たな展開
高意匠
低温焼付
機能性
高耐候
2
粉体塗料の新たな展開
高意匠
DNTの意匠性粉体塗料
の意匠性粉体塗料
〇V-PET サテン(チヂミ模様)
〇V-PET リンクル(凹凸模様)
〇V-PET ハンマートーン
〇V-PET メタリック(含パール調)
3
V-PET サテン
• 3~5分艶サテン調(チヂミ模様)仕上げ
• OA,AV,計測機器,光学機器,事務機器,
鋼製家具
V-PET リンクル
• 3~5分艶、艶有の立体感のあるリンクル調
(凹凸模様)仕上げ
・ OA,AV,計測機器,光学機器,工作機械
4
V-PET ハンマートーン
• 立体感のあるハンマートーン調(凹凸模様)
仕上げ
• 道路資材,高欄,門扉,工作機械,各種工具,
V-PET メタリック
・高級感のあるメタリック調仕上げ
・自動車部品、鋼製家具
バン、ウイング、コンテナ部材
2輪のエンジン部品
5
メタリック粉体塗料の製造
製造方法
融解混練
ドライブレンド
ボンディング
内容
アルミ顔料を
原料とし
練合する
クリヤベースと
アルミ顔料を
混合する
クリヤベースに
アルミ顔料を
接着する
長所
低コスト
塗装作業性◎
回収再利用◎
色調再現性◎
低コスト
光輝性◎
塗装作業性◎
回収再利用◎
色調再現性◎
光輝性◎
短所
光輝性×
塗装作業性×
回収再利用×
色調再現性×
比較的
コストが高め
★作業性の違い
①ドライブレンド
★アルミと粉体塗料が
バラバラに塗着
バラバラに塗着
①メタリックのムラ発生
②回収粉の使用不可
②ボンディング
★アルミと粉体塗料が
一緒に塗着
一緒に塗着
①良好な外観(ムラ無し)
②回収粉の使用可能
12
6
ボンディングメタリック(SEM画像)
*粉体塗料の表面にアルミ顔料が接着
ボンディング処方(イメージ)
DNT方式
DNT方式
海外メーカー
(色彩変化少なく回収利用可能)
7
粉体塗料の新たな展開
低温焼付
低温焼付粉体塗料(LB:Low Bakeタイプ)
・熱容量の大きな被塗物も焼付可能
・溶剤型塗料の焼付炉使用可能
・省エネによりランニングコスト削減
・耐熱性不十分な素材にも粉体塗装が可能
・作業環境が改善
8
低温焼付(LB)タイプラインナップ
樹脂系
品番
低温化
(標準焼付温度)
光沢範囲
180℃×20分
エポキシ/ポリエステル
V-PET#5200
全艶~五分艶
140℃×20分
V-PET#4200
V-PET#4200SW
ポリエステル
(イソシアネート)
V-PET#6000
V-PET#6000SW
180℃×20分
160℃×20分
全艶~六分艶
全艶~四分艶
(HAA)
粉体塗料の新たな展開
機能性
9
小粒径FINEタイプ
・膜厚40µmで優れた平滑性の塗膜が得られます。
・膜厚40 mで優れた平滑性の塗膜が得られます。
・膜厚の均一性が良くなり、必要以上に膜厚が付きません。
したがって、トータル塗料使用量を削減できます。
塗料粒子
素
地
素
粒径大=表面高低差大
↓
平滑性に乏しい塗面
地
粒径小=表面高低差小
↓
平滑性に優れた塗面
薄膜美装粉体塗料(作業性と仕上り)
薄膜美装粉体塗料
通常の
通常の粉体塗料
被塗物
被塗物凸部は厚膜となり、
凹部は薄膜となりやすい
被塗物の凹凸に関係なく
均一な膜厚となる
10
抑発泡粉体塗料(GF:Gas Freeタイプ)
・ドブ漬け亜鉛メッキ鋼板やアルミダイキャスト、鋳物など
塗膜に発泡を起こしやすい素材上
発泡を起こしやすい素材上で効果を発揮
塗膜に発泡を起こしやすい素材上で効果を発揮
発泡
巣穴の多い被塗物( ※目付量の多い溶融亜鉛メッキなど)の場合
①塗料の対策
GFグレード(ガスフリー=抑発泡)を使用
+
②塗装業者様での対策
事前プレヒートにより、
空気置換(巣穴から空気を追い出す処置)を実施
★①②を組み合わせることで、素材からの発泡を
大幅に抑制することが可能
11
エッジカバー粉体塗料(EC:Edge Coverタイプ)
• 素材端面・バリ・角への塗料の着き回り性を
飛躍的に向上させた粉体塗料です
• 端面防錆のためのプライマーを必要とせず、
1C1Bで防錆性に優れた塗膜を形成します
成膜状態拡大写真(×
成膜状態拡大写真(×150)
150)
通常粉体塗膜
ECタイプ粉体塗膜
タイプ粉体塗膜
12
耐中性塩水噴霧性試験による発錆状態
非エッジカバー
粉体塗料
膜厚80µm
膜厚
m
試験240時間
時間
試験
エッジカバー
粉体塗料
ジンクリッチ粉体塗料(V-PET ZINC)
●亜鉛末(
)を配合
亜鉛末(Zn)を配合
犠牲防食作用
作用で、強力な耐食性発揮!!
⇒ 亜鉛の
亜鉛の犠牲防食
犠牲防食
作用
で、強力な耐食性発揮!!
●主に、鋼材
●主に、鋼材(鉄よりも亜鉛が錆び易い)で効果
鋼材(鉄よりも亜鉛が錆び易い)で効果
犠牲防食作用
・亜鉛による犠牲防食
犠牲防食
作用
・亜鉛による
・亜鉛化合物によるバリア
バリア効果
亜鉛化合物によるバリア効果
ジンク粉体塗料
ジンク粉体塗料
鋼板(Fe)
鋼板( )
13
鋼材での耐食性試験結果
SST試験(
SST試験(2500
試験(2500時間)での錆・膨れ幅評価
2500時間)での錆・膨れ幅評価
粉体塗料の新たな展開
高耐候
14
弊社の高耐候性粉体塗料
①高耐候性ポリエステル粉体塗料
⇒V-PET#4200SW、4500SW、6000SW
②ふっ素樹脂粉体塗料
⇒パウダーフロンCW
③二層分離形ふっ素樹脂粉体塗料
⇒パウダーフロンSELA
①高耐候性ポリエステル粉体塗料(SWOM
高耐候性ポリエステル粉体塗料(SWOM)
SWOM)
汎用ポリエステル
高耐候性ポリエステル
100.0
光
80.0
沢
保
持 60.0
率
(%) 40.0
20.0
0.0
0
500
1000
1500
2000
試験時間(時間)
15
屋外での塗膜劣化比較
〈塗膜の消耗速度〉
塗膜の消耗速度〉
(重防食塗料ガイドブック(
(重防食塗料ガイドブック(社)日本塗料工業会より引用)
厳しい腐食環境の場合
塗膜が消耗を開始するまでの誘導期間
(光沢低下が始まるまでの期間)
・ふ っ 素 : 7年
・ウレタン : 2年
・エポキシ : 0年
塗膜消耗が開始してからの消耗速度
・ふ っ 素 : 0.5 μm/年
μm/年
・ウレタン : 2 μm/年
・エポキシ : 10 μm/年
上塗塗料の消耗速度が遅い程、
塗装系の耐久性は高くなる
耐候性に優れるふっ素樹脂
太陽光中の紫外線によって、樹脂が分解
⇒地球に到達:290~400nm (短波長ほど強い)
樹脂が分解!!
ポリエステル:C-C結合⇒弱い
ふっ素樹脂:C-F結合⇒強い
分解せず
化学結合
結合解離エネルギー 左記エネルギー
(kcal/mol)
を有する波長
左記紫外線の地上への
到達の有無
C-C
80kcal/mol
350nm>
到達→
到達→
化学結合は解離し易い。
C-F
117kcal/mol
245nm>
到達せず→
到達せず→
化学結合が解離し難い
16
②:パウダーフロンCW
:パウダーフロンCW
・ふっ素樹脂が主要樹脂
・溶剤系ふっ素樹脂塗料並の優れた耐候性。
・イソシアネート硬化形
・ポリエステル粉体塗料と同等の塗装作業性。
・優れた耐薬品性。
・カーテンウォール(金属外装建材)
⇒現在主流の溶剤系ふっ素樹脂塗料からの置き換え
パウダーフロンCW
パウダーフロンCW:耐候性
CW:耐候性 SWOM試験
SWOM試験
溶剤系熱可塑形ふっ素樹脂塗料
パウダーフロンCW
高耐候ポリエステル粉体塗料
光沢保持率(%)
100
80
60
40
20
0
0
1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000
SWOM試験時間(時間)
17
パウダーフロンCW
パウダーフロンCW:採用実績
CW:採用実績 2016年
2016年5月現在
●パレスビル・・・・2011
パレスビル・・・・2011年、クロメート系化成処理
2011年、クロメート系化成処理
●丸の内永楽ビルヂング ・・・・2011
・・・・2011年、アルマイト
2011年、アルマイト
●オンワードパークビル・・・・2013
●オンワードパークビル・・・・2013年、アルマイト
2013年、アルマイト
③弊社新商品「パウダーフロンSELA
弊社新商品「パウダーフロンSELA」
SELA」
18
パウダーフロンSELA
パウダーフロンSELA
●ふっ素樹脂とポリエステルとの混合粉体塗料
ふっ素樹脂とポリエステルとの混合粉体塗料
⇒二層分離形ふっ素樹脂粉体塗料
●SELA=
SELA=SEPARATION
SEPARATION(分離)
PARATION(分離) LAYER
LAYER(層)
YER(層)
塗膜形成時に、二層分離
・塗膜上層:ふっ素樹脂のクリヤー層
・塗膜上層:ふっ素樹脂のクリヤー層
・塗膜下層:ふっ素樹脂+ポリエステルの混合層
★国内特許取得済み
特許第5372621
特許第5372621、
5372621、5419828、
5419828、5419941
パウダーフロンSELA
パウダーフロンSELAの特徴
SELAの特徴
☆ふっ素樹脂粉体塗料とポリエステル
粉体塗料のよい部分の複合化
☆ふっ素樹脂粉体塗料よりも安価
回収再利用可能
☆回収再利用可能
19
塗膜断面のSEM
塗膜断面のSEM観察
SEM観察
ふっ素樹脂成分(クリヤー)
ポリエステル成分(顔料)
約10μm
二層分離形構造の形成方法
溶融
素地
素地
ポリエステル
ふっ素樹脂
塗膜硬化
・上層:ふっ素樹脂のクリヤー
素地
・下層:ふっ素樹脂とポリエステルの混合層
20
塗膜表面解析
顔料無=クリヤー
★パウダーフロンSELA
★パウダーフロンSELAは
SELAは
ふっ素樹脂クリアー形成
表層にふっ素樹脂クリアー
ふっ素樹脂クリアー
形成
表層に
ふっ素樹脂塗料を“超える”
ふっ素樹脂塗料を“超える”耐久性
“超える”耐久性
屋外での塗膜劣化要因と
屋外での塗膜劣化要因とSELA
での塗膜劣化要因とSELAの
SELAの二層分離
①.紫外線による劣化
⇒ 表層に
表層にふっ素樹脂
ふっ素樹脂が形成
ふっ素樹脂が形成
②.顔料(酸化チタンの光触媒
光触媒)による劣化
.顔料(酸化チタンの光触媒)による劣化
⇒ 表層が
表層がクリヤー塗膜
クリヤー塗膜(顔料が僅か)
クリヤー塗膜(顔料が僅か)
パウダーフロンSELA
パウダーフロンSELAは
SELAは
ふっ素樹脂塗料を超える
ふっ素樹脂塗料を超える耐久性
超える耐久性
21
促進耐候性試験(SWOM)
V-PET4500SW
パウダーフロンCW
パウダーフロンSELA
溶剤系ふっ素樹脂塗料
100.0
光
沢 80.0
保 60.0
持
率 40.0
(%)
20.0
0.0
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
試験時間(Hrs
試験時間(Hrs)
Hrs)
屋外暴露試験(沖縄県)
V-PET4500SW
パウダーフロンCW
パウダーフロンSELA
溶剤系ふっ素樹脂塗料
100.0
光
沢 80.0
保 60.0
持
率 40.0
(%)
20.0
0.0
0
6
12
18
24
30
36
暴露期間(月数)
22
ふっ素樹脂とポリエステルの二刀流
ふっ素樹脂とポリエステルの二刀流
優
ポリエステル粉体塗料
溶剤系ふっ素樹脂塗料
パウダ-フロンSELA
パウダ-フロン
(2C1B)SELA
密着性
加工性
ふっ素樹脂粉体塗料
優
屋外耐久性
☆ふっ素樹脂、ポリエステルの長所を同時に発揮
ふっ素樹脂、ポリエステルの長所を同時に発揮!!
長所を同時に発揮!!
回収再利用可能
回収再利用可能
1.ドライブレンド方式(他社)
1.ドライブレンド方式(他社)
比率がバラバラ・・・
ポリエステル粉体塗料
ふっ素樹脂粉体塗料
回収再利用
23
2.溶融混練方式(
2.溶融混練方式(DNT
溶融混練方式(DNT)
DNT)
:ふっ素樹脂成分
比率一定!!
比率一定
回収再利用
:ポリエステル成分
☆パウダーフロンSELAは
は回収再利用可能!!
パウダーフロン
回収再利用可能!!
まとめ:パウダーフロンSELA
まとめ:パウダーフロン
1.耐候性
ふっ素樹脂塗膜(粉体・溶剤)と比較して、
同等以上の性能
同等以上の性能
2.密着性、加工性
ふっ素樹脂粉体塗膜より向上
ふっ素樹脂粉体塗膜より向上、
向上、
ポリエステル粉体塗膜と同等以上
ポリエステル粉体塗膜と同等以上
3.その他
回収再利用しても、ふっ素/ポリエステルの
回収再利用しても、ふっ素/ポリエステルの
比率は変化なし
24
採用実績:2016
採用実績:2016年
2016年7月現在
☆2014年
2014年5月
国内初の二層分離形ふっ素樹脂粉体塗料の採用!!
(愛知県 某信用金庫様 クロメート系化成処理)
クロメート系化成処理)
御清聴有難う御座いました。
25