Maxim EJ36 J

正しいCMOS
アナログスイッチ
を選択する方法
P及びNチャネルのオン抵抗(RON)をVINの各レベル毎に並
列にとると(積を和で除算)、並列構成の複合化されたオン
抵抗特性が得られます(図2)。温度、電源電圧及びアナログ
入力電圧に伴なったR ON 変動の影響を除外すると、この
R ON対VINの特性プロットはリニアに記述されます。しか
し、これらの影響は欠点を表わし、場合によってはこれら
を最小限に抑えることが新製品の主目的になる点に注意
してください。
集積化されたアナログスイッチは、ディジタルコント
ローラとアナログ信号間のインタフェースを構成する場合
があります。このアーティクルではアナログスイッチの
理論的なバックグラウンドを紹介し、標準タイプに共通
したいくつかの一般的なアプリケーションについて説明
します。更に、キャリブレーションマルチプレクサ(calmux)、障害保護スイッチ及びフォースセンススイッチに
ついても説明します。
初めて製品化されたアナログスイッチは±2 0 Vの電源
電圧で動作し、そのR O N は数1 0 0Ωにも及びました。
最新の製品(例えば、マキシム社のMAX4601)は、大幅に
低減された電源電圧で2.5Ω(最大値)のR ONを達成してい
ます。電源電圧はR ON に対して大きな影響を及ぼします
(図3)。MAX4601では信号及び電源電圧範囲を+4.5V~
+36V又は±4.5V∼±20Vに規定しています。明確なこと
ですが、電源電圧を小さくするとR ONは大きくなります。
R ON の最大値は+5V時で約8Ω、+12V時で3Ωですが、
+24V時には僅か2.5Ωに低減されます。一部の新しい
アナログスイッチでは、最低+2Vまでの低電圧動作を規
定しています。図4では、+5V電源時におけるマキシム社
最近では、集積化されたアナログスイッチのスイッチング
特性が改善され、電源電圧もより低くなり、更にパッ
ケージが小型化されています。現在では数多くの性能
オプションや特殊機能が用意されているので、情報に通
じた製品回路設計者は特定のアプリケーションに最適な
デバイスを見つける機会に恵まれています。
ON-RESISTANCE vs. VIN
250
CMOSアナログスイッチは使いやすく、その利点を当たり
前のものと考えて有難味を忘れてしまう場合がありますが、
回路設計上の特定の問題を解決するその機能性を見落とさ
ないでください。CD4066やMAX4066などの従来型の
アナログスイッチは現在、数多くのメーカから販売されて
います。その基本的な構成を図1に示します。
P-CHANNEL
RON (W)
200
150
100
NチャネルMOSFETとPチャネルMOSFETを並列に接続す
ることで、信号がどちらの方向にも同じ容易さで通過する
ことが可能です。スイッチの電流フローには優先される
方向がないので、優先される入力あるいは出力もありま
せん。2個のMOSFETは、内部の反転及び非反転アンプ
によってオン/オフスイッチングします。これらのアンプ
は、信号がCMOS又はTTLロジックコンパチブルであるか、
そしてアナログ電源電圧が単一あるいはデュアルである
かに従って、ディジタル入力信号を必要に応じてレベル
シフトします。
N-CHANNEL
50
0
-15
-10
-5
0
5
10
15
VIN (V)
図2. 図1のNチャネル及びPチャネルオン抵抗が値の低い複合オン
抵抗を形成します。
MAX4601/MAX4602/MAX4603
ON-RESISTANCE vs. VCOM
(SINGLE SUPPLY)
10
9
V+ = 5V
8
7
IN
BODY
S
OUT
D
G
LOGIC 1 = ON
N-CHANNEL
RON (W)
V-
V+
BODY
S
6
5
V+ = 12V
4
V+ = 24V
3
D
2
G
1
0
0
2
4
6
8 10 12 14 16 18 20 22 24
VCOM (V)
図1. 並列のN及びPチャネルMOSFETを特長とする標準的なアナログ
スイッチの内部構成回路
図3. 電源電圧を高くすると、オン抵抗が小さくなります。
7
Ÿ
レベル増加が原因でチャージインジェクションが高くなる
ことです。スイッチがオン又はオフに遷移する毎に一定の
充電量がアナログチャネルに加算されるか、又はアナログ
チャネルから減算されます(図5)。スイッチをハイインピー
ダンス出力に接続している場合には、このアクションに
よって予測出力信号が大幅に変動する可能性があります。
小さな寄生コンデンサ(CL)(そしてその他の負荷を含まない)
によってΔVOUTの変動が追加されるので、チャージイン
ジェクションはQ=ΔVOUT(CL)の数式で計算できます。
の新しいスイッチと旧タイプのスイッチの性能を比較し
ています。
数多くの高性能アナログシステムは、±15V又は±12Vなど
の高レベルのバイポーラ電源に依然として依存しています。
これらの電圧にインタフェースするには、電源ピンの追加が
必要になります。このピンは、通常5V又は3.3Vのシステム
ロジック電圧に接続します。実際のロジックレベルを基準
にした入力ロジック信号を使用すると、ノイズマージンが
大きくなり、過度の電力消費が防止されます。
アナログディジタルコンバータ(ADC)による変換動作期
間中に一定のアナログ出力を維持するトラック/ホールド
アンプが良い例です(図6)。S1がクローズすると、小さな
バッファコンデンサ(C)が入力電圧(V S )まで充電されま
す。Cの値は僅か数pFレベルに過ぎず、S1がオープンの
ときに(VS)はC上に蓄電された状態に維持されます。その
後で、ハイインピーダンスのバッファがADCの変換動作
信号の取扱い
図3を詳細に見ると、R ON値対信号電圧の関係が確認され
ます。アナログスイッチが処理できるのは電源電圧範囲
内のアナログ信号レベルだけなので、これらの特性曲線
は規定された電源電圧範囲内に入っています。過小又は
過大な入力信号は内部ダイオードネットワークを通して
制御不能な電流を発生する原因になるので、これによって
無保護のスイッチが致命的な損傷を受ける恐れがありま
す。通常これらのダイオードは、±2kVまでの非常に高い
瞬時持続の静電気放電(ESD)からスイッチを保護します。
ON-RESISTANCE vs. VCOM
160
V+ = +5V
140
DG411
120
rDS(ON) (W)
標準的なCMOSアナログスイッチのR ON 特性によって、
信号電圧はスイッチを通過する電流に比例してリニアに
低下します。電流が普通程度のレベルであるか、又は回
路の設計にR ON の影響を考慮していれば、これは欠点に
はなりません。しかし、一定レベルのR ON を受け入れる
場合には、チャネル間マッチングとR ON 平坦性が大きく
なります。チャネル間マッチングは1つのデバイスのチャ
ネルに対するRONの変動を定義し、RON平坦性はシングル
チャネルのR ON変動対信号範囲の特性を定義します。これ
らのパラメータの標準値は2Ωから5Ω程度で、R ONの非
常に低いスイッチ(MAX4601など)ではその最大値が僅か
0.5Ωです。マッチング/RON又は平坦性/RONの比を小さ
くすれば、それに応じてスイッチの精度が高くなります。
100
74HC4066
80
60
40
20
MAX4614
0
0
1
2
3
4
5
VCOM (V)
図4. 新世代アナログスイッチの+5V電源電圧時における低オン抵抗
特性
V+
V+
チャージインジェクションの影響
RGEN
全てのアプリケーションで低いオン抵抗が必要であるとは
限りません。RONを低くするためにはチップサイズを大き
くする必要があり、その結果として入力容量が増大して、
各スイッチングサイクル毎に充電及び放電電流による電力
の消費量が大きくなります。この充電時間は時定数t=RCに
基づいて、負荷抵抗値(R)と容量(C)に依存します。
COM
NO
VOUT
CL
V GEN
GND
IN
VIN
DVOUT
マキシム社では両方のタイプを提供しており、この各
タイプは同じ小型のSOT23パッケージでピン配置も同一
です。MAX4501及びMAX4502のオン抵抗仕様は高く
なっていますが、オン/オフ時間が短くなっています。
MAX4514及びMAX4515のオン抵抗はより低くなって
いますが、スイッチング時間が長くなっています。
低オン抵抗でもう1つ問題になる点は、容量性ゲート電流の
OUT
IN
OFF
ON
OFF
Q = (DV OUT )(C L )
図5. アナログ出力に電圧エラーを発生させる要因となるスイッチ制御
信号からのチャージインジェクション
8
以上で基本事項に関する検討を終えることにし、次に
特殊なアプリケーションに対応する新しい革新的技術の
スイッチに重点を置いて説明を進めます。
Tスイッチがオンのときに、S1及びS2はクローズし、S3
はオープンになります。オフ状態のときには、S1及びS2
がオープンになり、S3がクローズします。オフ状態のとき
に、直列MOSFETのオフ時容量を通して信号が結合しよう
としますが、これはS3によってグラウンドにシャントされ
ます。ビデオTスイッチ(MAX4545)と標準的なアナログ
スイッチ(MAX312)の10MHz時におけるオフアイソレー
ションを比較すると、その結果は-80dB対-36dB (標準
スイッチ)となり、Tスイッチの優れた性能が明らかです。
より高い周波数に対応するTスイッチ
パッケージの小型化
Tスイッチは、周波数が10MHzを超えるビデオやその他
の周波数動作に最適です。これは直列に接続された2個の
アナログスイッチ、そしてグラウンドとその結合ノード
間に接続された3番目のスイッチで構成されます。この
回路構成によって、シングルスイッチよりも高いオフ
アイソレーションが確保されます。オフ状態にしている
Tスイッチの容量性クロストークは通常、各直列スイッチ
それぞれに対して並列な寄生容量によって周波数の増加
に応じて上昇します(図7)。高周波数スイッチの動作では
ターンオン時ではなく、ターンオフ時に問題が起こります。
CMOSアナログスイッチが備える別の利点として、パッ
ケージの小型化と機構部品(リードリレーとは異なる)を使用
しない点が挙げられます。マキシム社では、標準の低電圧
SPDTスイッチ(MAX4544)と同様に小型サイズのビデオ
スイッチ(MAX4529)も提供しています。この両方の製品は
6ピンSOT23パッケージに収められており、+2.7Vから
+12Vまでの範囲の電源電圧で動作します。MAX4544は
業界でサイズが最も小さなSPDTアナログスイッチです。
期間中にVHを一定に維持します。アクイジション時間が
短い場合には、トラック/ホールドのコンデンサ容量を小
さくすることが必要で、S1のオン抵抗も低くする必要が
あります。その一方で、チャージインジェクションが原因
となってVHが±ΔVOUT(ほんの数mV)だけ変動し、これに
よって次段のADCの精度に悪影響が及ぶ結果になります。
S1
VS
VH
C
図6. アナログスイッチの高精度な制御が要求される標準的なトラック/
ホールド機能回路
IN
CS
CS
S1
S3
ESD保護スイッチ
マキシム社のESD保護インタフェース製品の成功に基づい
て、新しいアナログスイッチの一部製品に±15kV ESD保護
が追加されました。マキシム社では現在、IEC 1000-4-2
規格のレベル4(最高のレベル)に適合した最初の±15kV
ESD保護スイッチを提供しています。IEC 1000-4-2規格
で規定された接触放電法及びエアギャップ放電法と同様
にヒューマンモデルも用いて、アナログ入力全てのESD
耐圧テストを実施しています。MAX4551/MAX4552/
MAX4553の各スイッチは、DG201/DG211やMAX391
などの数多くの業界標準クワッドスイッチファミリと
ピンコンパチブルです。74HC4051やMAX4581などの
業界標準マルチプレクサファミリを更に補完するために、
マキシム社ではESD保護マルチプレクサのMAX4558/
OUT
S2
VIDEO
T-SWITCH
S1
S2
S3
ON
ON
OFF
ON
OFF
OFF
ON
OFF
既に説明したように、マキシム社ではCD4066のような
一般的なタイプのアナログスイッチを数多く提供していま
す。その一例として、低価格クワッドアナログスイッチの
新しい製品ファミリを発表しました(MAX4610/MAX4611/
MAX4612)。MAX4610は業界標準のCD4066とピンコン
パチブルなアップグレード製品ですが、電源電圧が低く(最低
+2Vまで)、精度も改善されています。即ち、4Ω(最大値)
以下のチャネルマッチング及び18Ω(最大値)以下のチャネル
平坦性が保証されています。これらのデバイスは3つの
異なるスイッチ構成が可能で、その低いオン抵抗(5V時で
100Ω以下)は低電圧アプリケーションに適しています。
小型の14ピンTSSOPパッケージ(6.5mm x 5.1mm x 1.1mm
の最大サイズ)によって、回路基板スペースが節減されます。
図7. Tスイッチ構成によって、オープン(オフ)スイッチのソースと
ドレイン間の浮遊容量を通して結合するR F周波数が減衰され
ます。
9
フォースセンススイッチ
MAX4559/MAX4560も発表しています。今後は、アナ
ログ入力の保護に高価格のTransZorbsTMを使用する必要
はありません。
マキシム社では異なるタイプのスイッチを同じパッケージ
に内蔵した新しいアナログスイッチ製品ファミリを発表
しました。例えば、MAX4554/MAX4555/MAX4556の
各デバイスは、自動テスト装置(ATE)のケルビンセンシング
用のフォースセンススイッチとして構成されます。各
デバイスには電流フォース用として抵抗値の低い高電流
スイッチ、そして電圧センシング又はガード信号スイッ
チング用として抵抗値の高いスイッチが内蔵されていま
す。±15V電源電圧時における電流スイッチのオン抵抗は
僅か6Ω、そしてセンシングスイッチのオン抵抗も60Ω
に過ぎません。MAX4556には、ブレークビフォメーク
動作のSPDTスイッチが3個内蔵されています。
障害保護スイッチ
アナログスイッチの電源電圧範囲によって、入力信号電圧
の許容範囲が制限されます。通常この制約が問題になるこ
とはありませんが、一部のケースではアナログ信号がまだ
存在しているときに電源電圧がターンオフする場合があり
ます。このような状態によって電源電圧の規定範囲を超え
たトランジェントが発生し、これが原因でスイッチが致命
的な損傷を受ける恐れがあります。マキシム社の新しい障
害保護スイッチとマルチプレクサは±25Vの過電圧保護及び
±40Vのパワーダウン保護に加えて、レイルトゥレイル®
信号を扱う能力とノーマルスイッチの低いオン抵抗が保証
されています。更に、入力ピンは障害が発生している期間
中にスイッチの状態と負荷抵抗値に関係なく、ハイイン
ピーダンス状態になります。信号源から流れるリーク電流
はほんの数ナノアンペアに過ぎません(図8)。
標準的なフォースセンスアプリケーションは、長距離を
伴なう高精度システムや測定システムで見られます(図9)。
4線測定の場合には、2線を使用して電圧又は電流を負荷
にフォースし、他の2線を負荷に直接接続して負荷電圧を
センシングします。
2線システムは、負荷の反対側のフォースワイヤ端におけ
る負荷電圧をセンシングします。電圧又は電流をフォース
すると、ワイヤに沿って電圧が降下するので、負荷電圧
はソース電圧よりも小さくなります。ソースと負荷の間
の距離が長いと、それに応じて負荷電流が大きくなりま
す。その結果として、コンダクタの抵抗値が高くなり、
信号劣化のレベルが大きくなります。このような信号劣
化は、電圧センシング用コンダクタを更に2本追加しても
伝達される電流の量がほんの僅かな4線技術の利用によっ
て解消されます。
スイッチがオンになると、COM出力が2個の内部
「ブースタ」
FET(図8のN2、P2)によって電源電圧にクランプされます。
したがって、COM出力は電源電圧範囲内に維持され、負荷
に応じて最大±13mAまでの電流を供給します。但し、NO/
NCピンには大きな電流が供給されません。障害保護スイッチ
のMAX4511/MAX4512/MAX4513は、DG411/DG412/
DG413及びDG201/DG202/DG213の各タイプとピンコン
パチブルです。信号はどちらの方向にも良好にESD及び障害
保護スイッチを通過しますが、これらの保護は入力側だけに
適用される点に注意してください。
NORMALLY OPEN SWITCH CONSTRUCTION
V+
P2
HIGH
FAULT
P1
COM_
NO_
(NC_)
N1
LOW
FAULT
ON
IN_
GND
N2
V-ESD DIODE
NC SWITCH
図8. 障害保護機能を備えたアナログスイッチの特殊回路の内部構成
TransZorbはGeneral Semiconductor Industries, Inc.の商標です。
レイルトゥレイルは日本モトローラの登録商標です。
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これらデバイスのうち2つのデバイス(MAX4539/
MAX4540)は、ADCシステムに関連する2つの主要な誤差、
即ちオフセットと利得誤差を補償することが可能です。
これらのデバイスは内蔵の高精度分圧器を使用して、マイ
クロコントローラのシリアルインタフェースを通して制御
されるほんの僅かなステップで利得誤差とオフセットを
測定します。15/4096及び4081/4096のリファレンス比
(外部リファレンス電圧を基準)は1 5ビット精度です。
比(5/8)(V+ - V-)及びV+/2は8ビット精度です。
V
FORCE VOLTAGE
SENSE VOLTAGE
FEEDBACK
MEASURED
RESISTANCE
V
SENSE VOLTAGE
VOLTAGE
MEASUREMENT
FORCE VOLTAGE
キャリブレーションマルチプレクサでは電源電圧の1/2を
最初に加えて、電源が存在することを確認します。その
後でシステムはゼロオフセットと利得誤差を測定し、そ
の後の読取り値を補正する数式を形成します。例えば、
入力電圧がゼロであれば、ディジタル出力はゼロになる
はずです。キャリブレーションマルチプレクサは、
(VREFHI - VREFLO)を基準にして15/4096の非常に小さな
入力電圧を印加することによりオフセット誤差を校正し
ます。4.096Vのリファレンス電圧を使用する12ビット
ADCの場合、15/4096は15mV、即ち15LSBに相当しま
す。したがって、ディジタル出力はバイナリの
000000001111になることが必要です。オフセット誤
差を測定するときに、マイクロコントローラはバイナリ
の000000001111と実際のADC出力間の差を単に記録
するだけです。
VOLTAGE SOURCE
WIRE AND TERMINAL RESISTANCE
ARROWS INDICATE SIGNAL DIRECTION, NOT POLARITY
図9. この4線の抵抗値測定(定電圧)技術では、2線を測定電圧のフォース
に使用し、他の2線を測定電圧のセンシングに使用
新しいフォースセンススイッチは、4線システムで1つの
ソースと2つの負荷間をスイッチングするような数多くの
アプリケーションを簡略化します。これらのスイッチは
nVレベルの電圧計やfAレベルの電流計を含む高精度な計測
システム、そしてトライアックケーブルのガードワイヤ
を使用する8線又は12線のフォース及びセンス測定での
使用に最適です。詳細はMAX4554/MAX4555/MAX4556
のデータシートをご参照ください。
利得誤差測定の場合、キャリブレーションマルチプレクサ
は(VREFHI - VREFLO)を基準にして4081/4096の電圧を印
加します。その後で、マイクロコントローラはバイナリ
の111111110000とADCのディジタル出力間の差を記
録します。ADCのオフセット及び利得誤差が既知であれ
ば、正しい読取り値が得られるように後続の出力を調整
するキャリブレーション係数がシステムソフトウェアに
よって設定されます。この場合にキャリブレーションマ
ルチプレクサは従来型のマルチプレクサとして機能しま
すが、周期的にシステムの再キャリブレーションを実行
する機能性は維持されます。
キャリブレーションマルチプレクサ
キャリブレーションマルチプレクサ(cal-mux)は、高精度
ADCやその他の自己モニタシステムで使用されます。この
デバイスは1個のパッケージ内に異なる各種の部品を集積
化する必要があるために、以前まで製品化されませんでし
た。このデバイスには、入力リファレンス電圧から精度の
高い電圧比を生成するアナログスイッチ、高精度の内部
抵抗分圧器、そして異なる入力間を選択するマルチプレ
クサが内蔵されています。
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