正しいCMOS アナログスイッチ を選択する方法 P及びNチャネルのオン抵抗(RON)をVINの各レベル毎に並 列にとると(積を和で除算)、並列構成の複合化されたオン 抵抗特性が得られます(図2)。温度、電源電圧及びアナログ 入力電圧に伴なったR ON 変動の影響を除外すると、この R ON対VINの特性プロットはリニアに記述されます。しか し、これらの影響は欠点を表わし、場合によってはこれら を最小限に抑えることが新製品の主目的になる点に注意 してください。 集積化されたアナログスイッチは、ディジタルコント ローラとアナログ信号間のインタフェースを構成する場合 があります。このアーティクルではアナログスイッチの 理論的なバックグラウンドを紹介し、標準タイプに共通 したいくつかの一般的なアプリケーションについて説明 します。更に、キャリブレーションマルチプレクサ(calmux)、障害保護スイッチ及びフォースセンススイッチに ついても説明します。 初めて製品化されたアナログスイッチは±2 0 Vの電源 電圧で動作し、そのR O N は数1 0 0Ωにも及びました。 最新の製品(例えば、マキシム社のMAX4601)は、大幅に 低減された電源電圧で2.5Ω(最大値)のR ONを達成してい ます。電源電圧はR ON に対して大きな影響を及ぼします (図3)。MAX4601では信号及び電源電圧範囲を+4.5V~ +36V又は±4.5V∼±20Vに規定しています。明確なこと ですが、電源電圧を小さくするとR ONは大きくなります。 R ON の最大値は+5V時で約8Ω、+12V時で3Ωですが、 +24V時には僅か2.5Ωに低減されます。一部の新しい アナログスイッチでは、最低+2Vまでの低電圧動作を規 定しています。図4では、+5V電源時におけるマキシム社 最近では、集積化されたアナログスイッチのスイッチング 特性が改善され、電源電圧もより低くなり、更にパッ ケージが小型化されています。現在では数多くの性能 オプションや特殊機能が用意されているので、情報に通 じた製品回路設計者は特定のアプリケーションに最適な デバイスを見つける機会に恵まれています。 ON-RESISTANCE vs. VIN 250 CMOSアナログスイッチは使いやすく、その利点を当たり 前のものと考えて有難味を忘れてしまう場合がありますが、 回路設計上の特定の問題を解決するその機能性を見落とさ ないでください。CD4066やMAX4066などの従来型の アナログスイッチは現在、数多くのメーカから販売されて います。その基本的な構成を図1に示します。 P-CHANNEL RON (W) 200 150 100 NチャネルMOSFETとPチャネルMOSFETを並列に接続す ることで、信号がどちらの方向にも同じ容易さで通過する ことが可能です。スイッチの電流フローには優先される 方向がないので、優先される入力あるいは出力もありま せん。2個のMOSFETは、内部の反転及び非反転アンプ によってオン/オフスイッチングします。これらのアンプ は、信号がCMOS又はTTLロジックコンパチブルであるか、 そしてアナログ電源電圧が単一あるいはデュアルである かに従って、ディジタル入力信号を必要に応じてレベル シフトします。 N-CHANNEL 50 0 -15 -10 -5 0 5 10 15 VIN (V) 図2. 図1のNチャネル及びPチャネルオン抵抗が値の低い複合オン 抵抗を形成します。 MAX4601/MAX4602/MAX4603 ON-RESISTANCE vs. VCOM (SINGLE SUPPLY) 10 9 V+ = 5V 8 7 IN BODY S OUT D G LOGIC 1 = ON N-CHANNEL RON (W) V- V+ BODY S 6 5 V+ = 12V 4 V+ = 24V 3 D 2 G 1 0 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 VCOM (V) 図1. 並列のN及びPチャネルMOSFETを特長とする標準的なアナログ スイッチの内部構成回路 図3. 電源電圧を高くすると、オン抵抗が小さくなります。 7 Ÿ レベル増加が原因でチャージインジェクションが高くなる ことです。スイッチがオン又はオフに遷移する毎に一定の 充電量がアナログチャネルに加算されるか、又はアナログ チャネルから減算されます(図5)。スイッチをハイインピー ダンス出力に接続している場合には、このアクションに よって予測出力信号が大幅に変動する可能性があります。 小さな寄生コンデンサ(CL)(そしてその他の負荷を含まない) によってΔVOUTの変動が追加されるので、チャージイン ジェクションはQ=ΔVOUT(CL)の数式で計算できます。 の新しいスイッチと旧タイプのスイッチの性能を比較し ています。 数多くの高性能アナログシステムは、±15V又は±12Vなど の高レベルのバイポーラ電源に依然として依存しています。 これらの電圧にインタフェースするには、電源ピンの追加が 必要になります。このピンは、通常5V又は3.3Vのシステム ロジック電圧に接続します。実際のロジックレベルを基準 にした入力ロジック信号を使用すると、ノイズマージンが 大きくなり、過度の電力消費が防止されます。 アナログディジタルコンバータ(ADC)による変換動作期 間中に一定のアナログ出力を維持するトラック/ホールド アンプが良い例です(図6)。S1がクローズすると、小さな バッファコンデンサ(C)が入力電圧(V S )まで充電されま す。Cの値は僅か数pFレベルに過ぎず、S1がオープンの ときに(VS)はC上に蓄電された状態に維持されます。その 後で、ハイインピーダンスのバッファがADCの変換動作 信号の取扱い 図3を詳細に見ると、R ON値対信号電圧の関係が確認され ます。アナログスイッチが処理できるのは電源電圧範囲 内のアナログ信号レベルだけなので、これらの特性曲線 は規定された電源電圧範囲内に入っています。過小又は 過大な入力信号は内部ダイオードネットワークを通して 制御不能な電流を発生する原因になるので、これによって 無保護のスイッチが致命的な損傷を受ける恐れがありま す。通常これらのダイオードは、±2kVまでの非常に高い 瞬時持続の静電気放電(ESD)からスイッチを保護します。 ON-RESISTANCE vs. VCOM 160 V+ = +5V 140 DG411 120 rDS(ON) (W) 標準的なCMOSアナログスイッチのR ON 特性によって、 信号電圧はスイッチを通過する電流に比例してリニアに 低下します。電流が普通程度のレベルであるか、又は回 路の設計にR ON の影響を考慮していれば、これは欠点に はなりません。しかし、一定レベルのR ON を受け入れる 場合には、チャネル間マッチングとR ON 平坦性が大きく なります。チャネル間マッチングは1つのデバイスのチャ ネルに対するRONの変動を定義し、RON平坦性はシングル チャネルのR ON変動対信号範囲の特性を定義します。これ らのパラメータの標準値は2Ωから5Ω程度で、R ONの非 常に低いスイッチ(MAX4601など)ではその最大値が僅か 0.5Ωです。マッチング/RON又は平坦性/RONの比を小さ くすれば、それに応じてスイッチの精度が高くなります。 100 74HC4066 80 60 40 20 MAX4614 0 0 1 2 3 4 5 VCOM (V) 図4. 新世代アナログスイッチの+5V電源電圧時における低オン抵抗 特性 V+ V+ チャージインジェクションの影響 RGEN 全てのアプリケーションで低いオン抵抗が必要であるとは 限りません。RONを低くするためにはチップサイズを大き くする必要があり、その結果として入力容量が増大して、 各スイッチングサイクル毎に充電及び放電電流による電力 の消費量が大きくなります。この充電時間は時定数t=RCに 基づいて、負荷抵抗値(R)と容量(C)に依存します。 COM NO VOUT CL V GEN GND IN VIN DVOUT マキシム社では両方のタイプを提供しており、この各 タイプは同じ小型のSOT23パッケージでピン配置も同一 です。MAX4501及びMAX4502のオン抵抗仕様は高く なっていますが、オン/オフ時間が短くなっています。 MAX4514及びMAX4515のオン抵抗はより低くなって いますが、スイッチング時間が長くなっています。 低オン抵抗でもう1つ問題になる点は、容量性ゲート電流の OUT IN OFF ON OFF Q = (DV OUT )(C L ) 図5. アナログ出力に電圧エラーを発生させる要因となるスイッチ制御 信号からのチャージインジェクション 8 以上で基本事項に関する検討を終えることにし、次に 特殊なアプリケーションに対応する新しい革新的技術の スイッチに重点を置いて説明を進めます。 Tスイッチがオンのときに、S1及びS2はクローズし、S3 はオープンになります。オフ状態のときには、S1及びS2 がオープンになり、S3がクローズします。オフ状態のとき に、直列MOSFETのオフ時容量を通して信号が結合しよう としますが、これはS3によってグラウンドにシャントされ ます。ビデオTスイッチ(MAX4545)と標準的なアナログ スイッチ(MAX312)の10MHz時におけるオフアイソレー ションを比較すると、その結果は-80dB対-36dB (標準 スイッチ)となり、Tスイッチの優れた性能が明らかです。 より高い周波数に対応するTスイッチ パッケージの小型化 Tスイッチは、周波数が10MHzを超えるビデオやその他 の周波数動作に最適です。これは直列に接続された2個の アナログスイッチ、そしてグラウンドとその結合ノード 間に接続された3番目のスイッチで構成されます。この 回路構成によって、シングルスイッチよりも高いオフ アイソレーションが確保されます。オフ状態にしている Tスイッチの容量性クロストークは通常、各直列スイッチ それぞれに対して並列な寄生容量によって周波数の増加 に応じて上昇します(図7)。高周波数スイッチの動作では ターンオン時ではなく、ターンオフ時に問題が起こります。 CMOSアナログスイッチが備える別の利点として、パッ ケージの小型化と機構部品(リードリレーとは異なる)を使用 しない点が挙げられます。マキシム社では、標準の低電圧 SPDTスイッチ(MAX4544)と同様に小型サイズのビデオ スイッチ(MAX4529)も提供しています。この両方の製品は 6ピンSOT23パッケージに収められており、+2.7Vから +12Vまでの範囲の電源電圧で動作します。MAX4544は 業界でサイズが最も小さなSPDTアナログスイッチです。 期間中にVHを一定に維持します。アクイジション時間が 短い場合には、トラック/ホールドのコンデンサ容量を小 さくすることが必要で、S1のオン抵抗も低くする必要が あります。その一方で、チャージインジェクションが原因 となってVHが±ΔVOUT(ほんの数mV)だけ変動し、これに よって次段のADCの精度に悪影響が及ぶ結果になります。 S1 VS VH C 図6. アナログスイッチの高精度な制御が要求される標準的なトラック/ ホールド機能回路 IN CS CS S1 S3 ESD保護スイッチ マキシム社のESD保護インタフェース製品の成功に基づい て、新しいアナログスイッチの一部製品に±15kV ESD保護 が追加されました。マキシム社では現在、IEC 1000-4-2 規格のレベル4(最高のレベル)に適合した最初の±15kV ESD保護スイッチを提供しています。IEC 1000-4-2規格 で規定された接触放電法及びエアギャップ放電法と同様 にヒューマンモデルも用いて、アナログ入力全てのESD 耐圧テストを実施しています。MAX4551/MAX4552/ MAX4553の各スイッチは、DG201/DG211やMAX391 などの数多くの業界標準クワッドスイッチファミリと ピンコンパチブルです。74HC4051やMAX4581などの 業界標準マルチプレクサファミリを更に補完するために、 マキシム社ではESD保護マルチプレクサのMAX4558/ OUT S2 VIDEO T-SWITCH S1 S2 S3 ON ON OFF ON OFF OFF ON OFF 既に説明したように、マキシム社ではCD4066のような 一般的なタイプのアナログスイッチを数多く提供していま す。その一例として、低価格クワッドアナログスイッチの 新しい製品ファミリを発表しました(MAX4610/MAX4611/ MAX4612)。MAX4610は業界標準のCD4066とピンコン パチブルなアップグレード製品ですが、電源電圧が低く(最低 +2Vまで)、精度も改善されています。即ち、4Ω(最大値) 以下のチャネルマッチング及び18Ω(最大値)以下のチャネル 平坦性が保証されています。これらのデバイスは3つの 異なるスイッチ構成が可能で、その低いオン抵抗(5V時で 100Ω以下)は低電圧アプリケーションに適しています。 小型の14ピンTSSOPパッケージ(6.5mm x 5.1mm x 1.1mm の最大サイズ)によって、回路基板スペースが節減されます。 図7. Tスイッチ構成によって、オープン(オフ)スイッチのソースと ドレイン間の浮遊容量を通して結合するR F周波数が減衰され ます。 9 フォースセンススイッチ MAX4559/MAX4560も発表しています。今後は、アナ ログ入力の保護に高価格のTransZorbsTMを使用する必要 はありません。 マキシム社では異なるタイプのスイッチを同じパッケージ に内蔵した新しいアナログスイッチ製品ファミリを発表 しました。例えば、MAX4554/MAX4555/MAX4556の 各デバイスは、自動テスト装置(ATE)のケルビンセンシング 用のフォースセンススイッチとして構成されます。各 デバイスには電流フォース用として抵抗値の低い高電流 スイッチ、そして電圧センシング又はガード信号スイッ チング用として抵抗値の高いスイッチが内蔵されていま す。±15V電源電圧時における電流スイッチのオン抵抗は 僅か6Ω、そしてセンシングスイッチのオン抵抗も60Ω に過ぎません。MAX4556には、ブレークビフォメーク 動作のSPDTスイッチが3個内蔵されています。 障害保護スイッチ アナログスイッチの電源電圧範囲によって、入力信号電圧 の許容範囲が制限されます。通常この制約が問題になるこ とはありませんが、一部のケースではアナログ信号がまだ 存在しているときに電源電圧がターンオフする場合があり ます。このような状態によって電源電圧の規定範囲を超え たトランジェントが発生し、これが原因でスイッチが致命 的な損傷を受ける恐れがあります。マキシム社の新しい障 害保護スイッチとマルチプレクサは±25Vの過電圧保護及び ±40Vのパワーダウン保護に加えて、レイルトゥレイル® 信号を扱う能力とノーマルスイッチの低いオン抵抗が保証 されています。更に、入力ピンは障害が発生している期間 中にスイッチの状態と負荷抵抗値に関係なく、ハイイン ピーダンス状態になります。信号源から流れるリーク電流 はほんの数ナノアンペアに過ぎません(図8)。 標準的なフォースセンスアプリケーションは、長距離を 伴なう高精度システムや測定システムで見られます(図9)。 4線測定の場合には、2線を使用して電圧又は電流を負荷 にフォースし、他の2線を負荷に直接接続して負荷電圧を センシングします。 2線システムは、負荷の反対側のフォースワイヤ端におけ る負荷電圧をセンシングします。電圧又は電流をフォース すると、ワイヤに沿って電圧が降下するので、負荷電圧 はソース電圧よりも小さくなります。ソースと負荷の間 の距離が長いと、それに応じて負荷電流が大きくなりま す。その結果として、コンダクタの抵抗値が高くなり、 信号劣化のレベルが大きくなります。このような信号劣 化は、電圧センシング用コンダクタを更に2本追加しても 伝達される電流の量がほんの僅かな4線技術の利用によっ て解消されます。 スイッチがオンになると、COM出力が2個の内部 「ブースタ」 FET(図8のN2、P2)によって電源電圧にクランプされます。 したがって、COM出力は電源電圧範囲内に維持され、負荷 に応じて最大±13mAまでの電流を供給します。但し、NO/ NCピンには大きな電流が供給されません。障害保護スイッチ のMAX4511/MAX4512/MAX4513は、DG411/DG412/ DG413及びDG201/DG202/DG213の各タイプとピンコン パチブルです。信号はどちらの方向にも良好にESD及び障害 保護スイッチを通過しますが、これらの保護は入力側だけに 適用される点に注意してください。 NORMALLY OPEN SWITCH CONSTRUCTION V+ P2 HIGH FAULT P1 COM_ NO_ (NC_) N1 LOW FAULT ON IN_ GND N2 V-ESD DIODE NC SWITCH 図8. 障害保護機能を備えたアナログスイッチの特殊回路の内部構成 TransZorbはGeneral Semiconductor Industries, Inc.の商標です。 レイルトゥレイルは日本モトローラの登録商標です。 10 これらデバイスのうち2つのデバイス(MAX4539/ MAX4540)は、ADCシステムに関連する2つの主要な誤差、 即ちオフセットと利得誤差を補償することが可能です。 これらのデバイスは内蔵の高精度分圧器を使用して、マイ クロコントローラのシリアルインタフェースを通して制御 されるほんの僅かなステップで利得誤差とオフセットを 測定します。15/4096及び4081/4096のリファレンス比 (外部リファレンス電圧を基準)は1 5ビット精度です。 比(5/8)(V+ - V-)及びV+/2は8ビット精度です。 V FORCE VOLTAGE SENSE VOLTAGE FEEDBACK MEASURED RESISTANCE V SENSE VOLTAGE VOLTAGE MEASUREMENT FORCE VOLTAGE キャリブレーションマルチプレクサでは電源電圧の1/2を 最初に加えて、電源が存在することを確認します。その 後でシステムはゼロオフセットと利得誤差を測定し、そ の後の読取り値を補正する数式を形成します。例えば、 入力電圧がゼロであれば、ディジタル出力はゼロになる はずです。キャリブレーションマルチプレクサは、 (VREFHI - VREFLO)を基準にして15/4096の非常に小さな 入力電圧を印加することによりオフセット誤差を校正し ます。4.096Vのリファレンス電圧を使用する12ビット ADCの場合、15/4096は15mV、即ち15LSBに相当しま す。したがって、ディジタル出力はバイナリの 000000001111になることが必要です。オフセット誤 差を測定するときに、マイクロコントローラはバイナリ の000000001111と実際のADC出力間の差を単に記録 するだけです。 VOLTAGE SOURCE WIRE AND TERMINAL RESISTANCE ARROWS INDICATE SIGNAL DIRECTION, NOT POLARITY 図9. この4線の抵抗値測定(定電圧)技術では、2線を測定電圧のフォース に使用し、他の2線を測定電圧のセンシングに使用 新しいフォースセンススイッチは、4線システムで1つの ソースと2つの負荷間をスイッチングするような数多くの アプリケーションを簡略化します。これらのスイッチは nVレベルの電圧計やfAレベルの電流計を含む高精度な計測 システム、そしてトライアックケーブルのガードワイヤ を使用する8線又は12線のフォース及びセンス測定での 使用に最適です。詳細はMAX4554/MAX4555/MAX4556 のデータシートをご参照ください。 利得誤差測定の場合、キャリブレーションマルチプレクサ は(VREFHI - VREFLO)を基準にして4081/4096の電圧を印 加します。その後で、マイクロコントローラはバイナリ の111111110000とADCのディジタル出力間の差を記 録します。ADCのオフセット及び利得誤差が既知であれ ば、正しい読取り値が得られるように後続の出力を調整 するキャリブレーション係数がシステムソフトウェアに よって設定されます。この場合にキャリブレーションマ ルチプレクサは従来型のマルチプレクサとして機能しま すが、周期的にシステムの再キャリブレーションを実行 する機能性は維持されます。 キャリブレーションマルチプレクサ キャリブレーションマルチプレクサ(cal-mux)は、高精度 ADCやその他の自己モニタシステムで使用されます。この デバイスは1個のパッケージ内に異なる各種の部品を集積 化する必要があるために、以前まで製品化されませんでし た。このデバイスには、入力リファレンス電圧から精度の 高い電圧比を生成するアナログスイッチ、高精度の内部 抵抗分圧器、そして異なる入力間を選択するマルチプレ クサが内蔵されています。 11
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