第3章 津波災害対策編 津波災害応急対策 第 16 節 避難所 第16節 避難所 市は、津波警報が発表された場合、直ちに警戒態勢を整え速やかに避難所の開設を促進すると ともに、津波による浸水などによって避難生活が長期化することも想定し、初動期から男女共同 参画などによる避難所運営体制の構築に努め管理運営に当たる。 災害対策本部、 (企)広報広聴班、 (健)救護班、(福)避難所運 主 な 実 施 担 当 営班、(福)避難収容班、(福)応援班、(教)学校教育班、(消) 警防班 宮城県危機対策課、石巻地区消防本部・各消防署、石巻警察署、 防 災 関 係 機 関 等 河北警察署、石巻地方広域水道企業団、その他防災関係機関 1 避難所の開設及び運営 (1) 避難所の開設 ア 避難所の開設は、原則として本部長の指示により行う。市及び自主防災組織等は、避 難所運営マニュアルに基づき速やかに避難所を開設する。 イ 市は、避難所として開設した施設のみをもっては収容能力に不足が生じるときは、野 外のテント等のほか、必要に応じ、あらかじめ指定された施設以外の施設についても、 災害に対する安全性を確認の上、管理者の同意を得て避難場所として開設する。 ウ 市は、避難所の開設が予定される施設について、対象地域の被災市民を収容できる規 模を確認し、適切に配置するよう努めるとともに、避難所のライフラインの回復に時間 を要すると見込まれる場合や、道路の途絶による孤立が続くと見込まれる場合は、当該 地域に避難所を設置・維持することの適否を検討する。 エ 市は、高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦等災害時要援護者に配慮して、被災地域以外 の地域にある者を含め、社会福祉施設、民間賃貸住宅、旅館・ホテル等を避難場所とし て借り上げるなど、多様な避難場所の確保に努める。 ※ 資料第15 津波避難先一覧 (2) 避難所の運営 ア 避難所の管理 (ア) 運営主体 a 運営主体の位置づけ 各避難所では、市職員、施設管理者、避難者の代表者等によって避難所運営委員 会などを迅速に組織し、自主的で円滑な避難所の運営を図るため、役割分担及び運 営手順等を整理し、必要に応じて各種活動班の設置に努める。 b 運営要員の確保 早期に避難所代表者を募り、避難所の運営に避難者の参画を得て、人員の不足を 補う。 また、支援職員を早期に集中的に避難所に配置することで、避難所の運営の負荷、 問題が集中する約3日目から1週間程度の人員不足を補う。 c 支援職員の効果的な派遣体制 防災訓練、研修を通じて避難所の運営知識を備えた職員を支援職員として派遣す る。 - 229 [石巻市地域防災計画] 津波災害対策編 第3章 津波災害応急対策 第 16 節 避難所 また、避難所が多数開設され支援職員を異動させる場合には、同じ地域での活動 ができるよう人員配置を考慮する。 (イ) 管理者の設置と避難者名簿の作成 市は、避難所を設置した場合には、管理者を置き、避難者数の確認、避難者名簿 の作成等によりその実態を把握し必要な設備、備品を確保する。 (ウ) 相談窓口の設置 市は、避難所等に生活・健康問題等に関する相談窓口を設置し、避難者が必要と する情報を適宜提供する。 なお、女性や子どもへの暴力や女性特有の生活・健康に関する相談に対応するた め、女性相談員による女性専用窓口の設置に配慮する。 (エ) 自主防災組織やボランティアとの協力 市は、避難所内の運営に関し、役割分担を明確化し、被災者に過度の負担がかか らないよう配慮しつつ、被災者が相互に助け合う自治的な組織が主体的に関与する 運営に早期に移行できるよう、その立ち上げを支援する。 (オ) 在宅避難者、車中生活を送る避難者等への支援 市は、それぞれの避難所で生活せず食事のみ受取に来ている在宅避難者、やむを 得ず車中生活を送る避難者等に係る情報の早期把握に努め、国等へ報告を行うとと もに必要な支援を行う。 イ 避難所の環境維持 (ア) 良好な生活環境の維持 市は、避難所における生活環境が常に良好なものであるよう努める。 そのため、食事供与の状況、トイレの設置状況等の把握に努め、必要な対策を講 じる。 (イ) 健康状態・衛生状態の把握 市は、必要に応じ、プライバシーの確保状況、簡易ベッド等の活用状況、入浴施 設設置の有無及び利用頻度、洗濯等の頻度、医師・保健師・看護師・管理栄養士等 による巡回の頻度、暑さ・寒さ対策の必要性、食料の過不足・配食等状況、ごみ処 理の状況など、避難者の健康状態や避難所の衛生状態の把握に努め、必要な措置を 講じるよう努める。 (ウ) 家庭動物への対応 市は、必要に応じ、避難所における家庭動物のためのスペースの確保に努める。 ウ 男女共同参画 (ア) 避難所運営への女性の参画促進 市は、避難所の運営において、女性も参加する打合せ会を持つなど、女性の参画 を推進し、男性に偏った運営体制とならないよう配慮する。 (イ) 男女のニーズの違いへの配慮 市は、避難所の運営において、男女のニーズの違い等男女双方の視点等に配慮す る。 特に、生理用品、サニタリーショーツ、紙おむつ、粉ミルク、哺乳ビン、離乳食 等の物資提供、女性専用の物干し場、仕切り、更衣室、授乳室、入浴設備の設置、 男女別トイレの確保や生理用品、女性用下着の女性による配布、避難所における乳 - 230 [石巻市地域防災計画] 第3章 津波災害対策編 津波災害応急対策 第 16 節 避難所 幼児のいる家庭用エリアの設定又は専用避難所・救護所の確保、乳幼児が安全に遊 べる空間の確保など、女性や子育て家庭のニーズに配慮した避難場所の運営に努め る。 (ウ) 運営参加者への配慮 市は、避難者が運営に参加する場合、固定的な性別や役割分担意識によることな く、避難者の自主性を尊重するとともに、役割の固定化により、一部の避難者に負 担が偏らないよう配慮する。 エ 学校等教育施設の管理者による支援 学校等教育施設が避難所となった場合、当該施設の管理者は、避難所が円滑に運営さ れるよう市に協力する。 この場合、管理者は、学校業務に支障のない範囲で、必要に応じた協力・応援を行う よう、教職員に指導する。 オ 外国人への配慮 市は、外国人に対して、言語、生活習慣、文化等の違いに配慮した運営に努める。 カ 災害時要援護者の情報提供 民生委員・児童委員、介護保険事業者、障害福祉サービス事業者等は、災害時要援護 者の居場所や安否の確認に努め、把握した情報について市に提供する。 2 避難長期化への対処 (1) 市は市民の避難が長期化した場合には、高齢者、障害者、傷病人等の処遇について十 分配慮する。また避難者の自治組織の結成を促し、避難所が自主的に運営されるよう配 慮する。 (2) 市は、災害の規模、被災者の避難及び収容状況、避難の長期化等に鑑み、必要に応じ て、旅館やホテル等への移動を避難者に促す。 また、災害の規模等に鑑みて、避難者の健全な住生活の早期確保のために、必要に応 じ、応急仮設住宅の迅速な提供、公営住宅、民間賃貸住宅及び空き家等利用可能な既存 住宅のあっせん及び活用等により、避難所の早期解消に努める。 (3) 市は、災害の規模、被災者の避難・収容状況、避難の長期化等に鑑み、被災沿岸市町 の区域外への広域的な避難及び避難所、応急仮設住宅等への収容が必要であると判断し た場合において、市町村への受入れについては当該市町村と直接協議し、他の都道府県 の市町村への受入れについては県に対し当該他の都道府県との協議を求める。 (4) 県は、市から協議要請があった場合、他の都道府県と協議を行う。また、市の行政機 能が被災によって著しく低下した場合など、市からの要求を待ついとまがないときは、 市の要求を待たないで、広域一時滞在のための要求を市に代わって行う。 (5) 市は、避難場所を指定する際に併せて広域一時滞在の用にも供することについても定 めるなど、他の市町村からの被災者を受け入れることができる施設等をあらかじめ決定 しておくよう努める。 - 231 [石巻市地域防災計画]
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