DESIGN SHOWCASE DiSEqCコンパチブル、 LNB用可変電源 通信機構によって開発されたもので、衛星受信機と 衛星周辺機器間の通信方式として事実上の業界標準と なると考えられています。詳細及び回路については DiSEqCのホームページ(http://www.eutelsat.org)を 参照して下さい。 図1 はロジック信号で切替え可能な1 3 V又は1 7 V 電源回路で、低ノイズブロック(LNB)の動作に最適 なものです。LNBはパラボラアンテナのホーン励振 器に置かれる衛星受信機などに用いられます。離れ た場所に配置したLNB回路への電源電圧を変化させ れば、アンテナ偏波を時計周り/反時計周りのいずれ かに設定することができるようになります。LNBを 制御すれば、アンテナインタフェースやケーブル接 続が不要となります。 DiSEqCではパルス位置変調信号は22kHz、振幅は 0.6Vで、LNBのDC電源電圧に重畳することとなっ ています。このコーディング方式で離れた場所に 配置した電子回路に対し、複雑な作業を行うことが できます。例えば、ダウンコンバージョンの周波数 を変えたり、あるいはアンテナ回路を物理的に回転 させるなどです。 この回路は、高性能通信バス規格DiSEqC(Digital Satellite Equipment Control)の仕様をサポートしてい ます。DiSEqCオープン規格はヨーロッパ・サテライト VIN = 5V DT3316P-333 (COILCRAFT) C1 47mF C4 0.05mF D0334OP-105 (COILCRAFT) L1 33mH C6 0.1mF 4 SHDN 2 V+ IC1 5 EXT CS C3 47mF 1 Si9140 AGND C2 0.1mF FB R5 15W R2 470k 40mA R6 3.3k PN2222 Q1 6 D1 LED MV5054 3 GND VOUT 17V/15V 22kHz TO LNB 500mA R7 220W 5V 8 R1 0.05W MAX1771 REF L2 1000mH IN5820 5V C5 0.05mF D2 IN4146 R8 22W R3 36k R9 1M 5V R10 220k R4 13k IC2 MAX4501 TX DiSEqC 22kHz PPM MODULATION FROM mCONTROLLER 13V/17V VOLTAGE CONTROL 5 3 NYST RX 4 V+ REF 8 IC3 MAX931 1 図1. 衛星受信機用LNB用のDiSEqCコンパチブル電源。電源電圧の13V、17Vのトグルによりデータ通信を行う。 14 5V 6 2 7 DiSEqC送信機はQ1とLED(D1)で構成されており、 送信インジケータとして動作するほか、定電圧源と なってQ1へ定電流40mAを流します。マイクロコント ローラから送られる22kHzバースト信号をエン コードしている期間、ドライブ電流がシンクされ、 ロー部分はLEDをオフとします。これによってQ1も オフとなります。電流40mAは切り換えられてR5を 流れるため、R5により出力600mVが発生し仕様を 満たします。 IC1はPFMブーストコンバータのコントローラで、 外部FETを制御して5Vから、13Vあるいは17Vへ電 圧のステップアップを行います。回路で「Voltage Control」と記してあるところはディジタル入力です。 このディジタル入力によってアナログスイッチ位置 を変更し、IC1へのフィードバック量を決定して出力 電圧レベルを決定します。ここで入力ロジックがローと すると13Vが、ハイとすると17Vに設定されます。 IC2はシングルスイッチとして動作し、このデバイス のパッケージは5ピンSOT23です。小型であること から、単純なスイッチ動作に最適なものです。 C4、L2、R5は共振回路を構成しており、インピー ダンスは22kHzで15Ωと、仕様を満たします。ただ インジケータのDC抵抗は0.5Ω以下とし、最大負荷 電流0.5Aまで流せる必要があります。この回路は 12Vにも使用でき、効率は高くなります。12V動作 の場合は、MAX1771のデータシートを参照してL1、 R1には最適な値のものを選ぶようにして下さい。 回路図の右半分に示される部品は、DiSEqC標準品と コンパチブルです。IC3中のコンパレータは受信機を 構成しており、LNBスレーブ回路から送られるデータ の検出に用いられています(DiSEqC標準規格では、 データフローは双方向となっています)。IC3の出力 は、IRQまたはマイクロプロセッサ(図には示してあ りません)のポートに接続し、復調が行われます。 15
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