2013 年 7 月作成 シリーズ 「睡眠を考える」 (その7) 「快適な睡眠のための7箇条」 「快適な睡眠のための7箇条」 (7)睡眠障害は、専門家に相談 ● 睡眠障害は、「体や心の病気」のサインのことがある ● 寝付けない、熟睡感がない、充分眠っても日中の眠気が強い時は要注意 ● 睡眠中の激しいいびき、足のむずむず感、歯ぎしりも要注意 睡眠障害とは、睡眠と覚醒に関連する多様な疾患を指します。 最も多いものは「不眠症」ですが、このほか、「過眠症」、「概日リズム睡眠障害」、「睡眠時無呼吸 症候群」をはじめとした睡眠呼吸障害、「周期性四肢運動障害」「むずむず脚症候群」、「ねぼけ」など があります。 不眠症 ・・・その人に必要な睡眠が量的・質的に不足して、そのために社会生活に支障をきたし、自覚 的にも悩んでいる状態です。なかなか寝つけないという「入眠障害」、夜中に何度も目覚め てしまう「中途覚醒」、眠りが浅くて熟睡できない「熟睡障害」、朝早く目覚めてまだ睡眠が足 りないにもかかわらず眠れないというような「早朝覚醒」などがあります。これらの状態が 1 ヶ 月以上続く場合を「長期不眠」といい、精神的緊張や不安によって引き起こされるほか、薬 の副作用として起こるもの、腰痛の痛みやかゆみを伴う病気で起こるもの、うつ病などの精 神疾患で起こるもの、アルツハイマー病や認知症などの脳の病気で起こるものなどがありま す。 過眠症 ・・・夜間に十分な時間眠っているのに、昼間の眠気が強く仕事や学習などの日常生活に支障 をきたす場合には、過眠症が疑われます。過眠症には、「ナルコレプシー」という病気のほ か、風邪薬やアレルギーの薬の副作用によるものや、不眠をきたす病気の結果として日中 の眠気が起こるものも含まれます。 概日リズム睡眠障害 ・・・「交替勤務による睡眠障害」がこれに含まれます。何日も夜勤が連続する固定シフトの時は、 光環境を完全に昼夜逆転させた方が日中の睡眠が安定します。夜勤明けの帰宅時はサン グラスをすることをお勧めします。一方、看護師など深夜勤・準夜勤などのようなローテート シフトをとる場合は、通常の日勤を中心とする生活リズムを重視した方が良いようです。ま た、シフトする方向は、日勤→準夜勤→深夜勤の方向が望ましいとされています。夜勤時に 仮眠をとれるのであれば、短時間の仮眠をとると作業能率の低下防止に役立ちます。この ほか、「睡眠相後退症候群」という、いったん夜型の生活をすると、通常の時刻に眠り起床 するというリズムに戻すことが困難な症候群があります。 睡眠時無呼吸症候群 (SAS) ・・・睡眠中に舌が息の通り道をふさいで大きないびきをかいてたびたび呼吸が停止する病気で す。自覚症状としては、熟睡したという感じが得られなかったり、夜中に目が覚めたり、昼間 に強い眠気を感じたりします。また、もっと恐ろしいことに、高血圧症や糖尿病になりやすく なったり悪化しやすくなったりことが報告されています。心当たりがある方は、検索エンジン で「鹿児島 SAS」で挙がってくる医療機関に相談するとよいでしょう。治療として、自分でま ずできることは、肥満の方は減量すること、アルコールは控えることです。 周期性四肢運動障害、むずむず脚症候群 ・・・睡眠中に脚が勝手に動いて目が覚めてしまったり、脚がむずむずとほてったような感覚で 寝付くことができなくなったりする病気です。通常の睡眠薬は効きにくいのですが、有効な薬 はありますので、医療機関にご相談下さい。 ねぼけ ・・・学童期に多いタイプのものは、経過観察で自然治癒する場合が多いようです。50~60 歳代 以上に多くみられるタイプのものには、速やかに薬物治療を行う必要があります。
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