第 2 章 CG アニメーション 2.1 まえがき 本章においては CG アニメーション技術を利用する上で必要となる(1)モデリング技術、(2)レンダ リング技術、(3)アニメーション技術、(4)アニメーション作成手順、(5)アニメーションの適用分野、 そして(6) CG アニメーションの分類について述べる。 日本工業規格の用語定義によると、 CG とは「計 算機によってデータを図形表示へ、または図形表示をデータへ変換する技法」と記されている。図形 処理にコンピュータが用いられた最初の例は 1951 年に MIT で開発された NC 工作機械である。そ して 1963 年には同校の Sutherland1)によりコンピュータを用いて「Sketch-Pad」なる図形処理シス テムが発表された。このシステムはコンピュータで図形処理が出来るだけでなく、コンピュータとの 対話も可能であった。また、Sutherland はキーボードやライトペンを使って、点打ち、描画などを 使う技術も開発した。これらの技術は今日でも利用されでいる。また、これらのほかにも現在利用さ れている CG に関する数多くの基本概念や技術を開発した。 それと同じ頃、コンピュータを使い自動車工学や航空宇宙工学での技術開発などで、CAD やコン ピュータ支援による製造工程での利用が始まり、製図作業や描画にその有効性を発揮した。たとえば、 米国 GM 社は自動車の設計における DAC システムにおいて、工学分野での技術計算結果の可視化技 術を実用化した。当時、コンピューターの入出力(I/O)は、パンチカードを使ったバッチ処理形態 が一般的であった。現在主流の GUI(Graphic User Interface)は存在しなかった。データと画像の相 互作用は、設計段階では非常に有効と考えられていたが、あまり発展は無かった。 1960 年代、多くの科学者は様々な分野に CG 技術を応用してきたが、グラフィック画像表示に特 化したコンピュータは当時非常に高価であった。利用分野としては、航空機操縦訓練のためのフライ トシミュレーションにおける 3 次元でのリアルタイム陰影アニメーションの作成などが挙げられる。 2) 1970 年代はレンダリングやモデリングなどの技術研究が盛んに行われ、CG アニメーション技術 は本格的な商用目的にも使われ始めた。研究者例えば、建築設計における、景観検討、3次元 CAD による可視化、グラフィックデザインなどである。しかし、当時のインターフェースはコンピュータ 科学者自身で使うために設計されたものであったため、コンピュータユーザーにとっては非常に使い にくいものであった。 1980 年代の前半は、このような CG アニメーション技術は、メインフレームやスーパーコンピュ ータ上でしか利用できなかった。その後、ハードウェアとソフトウェアの急激な進歩もあって CAD 12 やグラフィックライブラリに代表される図形モデルの記述言語の開発や処理手順の技術開発等、その 応用へと進展していった。 13 2.2 モデリング技術 2.2.1 はじめに CG において、図形を 3 次元空間内に定義することをモデリングという。モデリング技術には、主 としてポリゴン(多角形)を最小単位として形状を組み立てる方法と、滑らかな曲面を関数で表現す る方法がある。 CG 空間内での 3 次元のオブジェクトは小さな平面の集合体として表現される。この最小単位とな る 3 次元の平面のをポリゴンと呼ぶ。ポリゴンを最小単位としてオブジェクト全体のモデリングを 行う方法は最も一般的である。ポリゴンは、通常、三角形ないしは四角形で構成されているて、形状 データのとしては単純である。よって、モデリングカーネルが簡単になるといった利点があり、広く 利用されている。しかし、3 次元オブジェクトの形状が複雑になってくるとデータ量が膨大になると いう欠点がある。また、ポリゴンでは曲面表現の際に表現しきれない場合がある。例えば、ポリゴン で作成した物体の表面はシェーディングによって滑らかな曲線に見えても、その物体のエッジは元の ポリゴンの形状がそのまま表示されてしまう。これを回避するためには、2次以上の滑らかな曲線関 数によって曲線と曲面を表わす手法を利用する必要がある。3) このように、ポリゴンによるモデリングと、曲線関数式によるモデリングには一長一短がある。ポ リゴンによるモデリングは、基本的にどのような物体でもモデリングが可能である。しかし、細部に わたって物体を表現しようとすると、データ量が膨大なものになってしまう恐れがある。一方、曲線 関数式によるモデリングでは微妙な曲面を美しく表現することができるが、モデリングソフトウェア のアルゴリズムが複雑になる傾向がある。 2.2.2 ワイヤーフレームモデリング ワイヤーフレームモデリングとは、稜線と頂点からなる3次元モデルを構成する最も単純な方法の 一つである。ワイーヤーフレームは、モデルの骨組み構造を線で表現しているだけなので、基本的に 全ての線が表示されてしまう。 しかしながら、ワイヤーフレームモデリングは 、(1) 設計における透視図視点での3次元物体の 可視化、 (2) 表面を形作るワイヤーフレームのための原形、(3)物理的干渉のチェック、(4)空間にお ける物体の交点の確認、などで利用することができる。 2.2.3 サーフェスモデリング サーフェスモデリングは、ワイヤーモデリングの形状を骨組みとする3次元のモデルに境界面を貼 14 り付けるものである。つまりサーフェスモデルは、モデルの形に相当する非常に薄い殻とも言える。 この殻はパッチと呼ばれる平面、曲面、隣り合っている表面要素の組み合わせから構成されている。 また、内部表現として曲面形状は、数学的表現にて保持されている。サーフェスモデルを使うことで、 複雑な物体を表現することも可能となる。サーフェスメッシュを用いたモデルデ3次元物体の現実的 なイメージが表現できる。 2.2.4ソリッドモデリング 4) ソリッドは「固体形状」を意味し、体積情報や表面の領域といった特性を備えた 3 次元データで ある。データの構造としては、ソリッドモデルはサーフェスモデルやワイヤーフレームモデルの情報 を包括していると言える。CAD や CAM においてソリッドモデルを使用する利点としては、簡単に 体積や質量を計算できることや、サ−フェス情報を使って、製作部材の切削パスを簡単に作成したり、 部材の干渉(アンダーカットなど)が計算できることである。また、解析計算においては、サ−フェ スを用いてシェル要素で構造解析したり、固体のものはソリッド要素でメッシュを作成して構造解析 するといった製品の強度、剛性を評価する等に利用できる。また、質量がすぐに求まるので振動特性 の解析に利用することもできる。 15 2.4 レンダリング(描画)技術 2.4.1 はじめに レンダリングとは、コンピュータの中で表現されている3次元の物体を可視化する過程のことであ る。コンピュータ内の3次元空間が、カメラとライトにより2次元的な一枚の写真に置き換えられる ように、レンダリングは写真撮影と同じ性格を持つ。レンダリング過程は、大きく2つの段階に分け ることができる。まず、最初の段階がシーンの構築である。そこでは、視点と2次元画像が生成され るスクリーンの定義が行われ、また光源の位置なども決定される。そして、次の段階が物体表面の様 子を定義することである。これは、物体表面の形状、性質、色などのパラメータを光源の種類によっ て表現する。この2つの段階を踏んだ上で、コンピュータによって複雑な計算が行われ、スクリーン に画像が生成されることになる。レンズの焦点や視点などのカメラ操作によって画像は大きく変化す る。また、光や照明が写真撮影に大きな効果を生むように、レンダリングにおいても現実感を表現す る重要な要素の一つになっている。 2.3.2 照明技術 現実の世界における光源は、太陽や、電球、蛍光燈などの照明器具などの実体が確認できるもので ある。しかし、CG の世界で光源は、数値による定義であり、実体は存在しないため、レンダリング しなければ確認することはできない。 CG の世界における光源には平行光源、点光源、スポット光源の3種類が存在する。光源の中で、 もっとも単純なものが平行光源である。平行光源は、同じ方向から光線の束が物体に当たるため、物 体表面が平面でれば、表面全体が一定の明るさを示す。よって、平行光源は太陽光の代用として使用 されることが多い。 室内における光源としては蛍光燈や電球などがある。これを CG のシーンの中でで表現するために は点光源が必要になる。点光源による光は、光源を中心に放射線状に広がる性質を持っている。よっ て、物体表面が平面であっても、光の当たり方は一様ではなく、明るい部分と暗い部分とができる。 太陽光の場合は光源が十分に遠いため、距離と明るさの関係は無視できるが、室内の照明においては それらを考慮する必要がある。電球を一つ追加することによって室内全体が明るくなるようでは不自 然であるので、実際には、光源からの距離の二乗に反比例して明るさを弱くする必要がある。また、 空気中の水分や微細な塵の影響で光が乱反射されて誤差がでてしまうため、距離の一乗で計算したり、 環境光を取り入れたりして調節する必要がある。 スポット光源は、点光源に傘をかぶせて光の広がりを一定方向に限定したものである。スポット光 源も他の光源同様に、光源との距離によって明るさは変化する。傘によって光がさえぎられている部 16 分も、傘の内側での光の反射や空気中の塵の影響によって、まったく明るさを持たないわけではない。 現実感を出すためには、ここでも環境光を取り入れて調節する必要がある。5) 2.3.3 映り込み 物体表面の様子を表現するには、その物体表面がどのように光を反射するかが大きな要素になって くる。物体の反射する光は、その性質の違いからいくつかの種類に分けられている。それがディフュ ーズ、スぺキュラ(鏡面反射) 、アンビエント(環境光)である。 ディフューズは、毛布のように表面がザラザラして粗い場合に適用される。方向性がないため、視 点の位置がどこにあっても、一定の明るさを示す。しかし、立体を構成するそれぞれの面と光源とが 作る角度によって面の明暗が生まれる。面と光源とが垂直である時がもっとも明るく、傾いていくに つれて暗くなっていく性質がある。 スペキュラは、光源からの光を鏡のように反射するため、表面が滑らかであるような場合に適用さ れる。このように見えるのは、光が正反射して視点に届くためである。スペキュラはディフューズと は違い方向性を持っているため、視点の位置を移動すれば反射の仕方も変わってくる。 アンビエントは、背景が持つ明るさの定義で、具体的に設定された光源からの光によるものではな い。したがって、方向性はない。物体の質感については、これらのパラメータによってある程度まで 表現することが可能である。6) 2.3.4 陰影処理技術 レンダリングにおいて重要な役割を果たしている陰影処理にはいくつかの方法がある。フラットシ ェーディングとグーローシェーディングとフォンシェーディングである。 フラットシェーディングとは平面における陰影処理方法で、曲面には使用できない。よって、計算 が簡単で素早く影を表現することができるが、光沢やテクスチャーのような質感表現はできない。 グーローシェーディングとは、多角形(ポリゴン)を形成するそれぞれの面に光を適用することが 可能な陰影処理方法である。フラットシェーディングによって計算された表面は粗くて平面的である のに対し、グーローシェーディングによって計算された表面は滑らかで丸みを帯びた曲面として表現 される。現在、大部分の CG ソフトウェアで利用されている技術である。しかし、この処理方法では 正確な反射のハイライトの表現は不可能である。 最後に、処理時間に不利な点があるが、陰影処理技術中で最も正確な表現が可能な処理方法がフォ ンシェーディングである。これは、立体を構成する各面の法線ベクトルを定義して補間していくこと で曲面近似を行なう方法である。6) 17 2.3.4 陰面処理技術 陰面処理技術は、視点から近い部分から順に並べ、他の面に隠れて見れない面を探し出す技術であ る。この技術により、手前の面に隠れて見えない面のシェーディング計算を省くことで、レンダリン グ処理にかかる時間を短縮することができる。陰面処理にはいくつかの方法がある。それらは背面除 去法、ペインター法、スキャンライン法、Zバッファ法、αバッファ法である。これらの方法は、ほ とんどがバッファアルゴリズムで形成されている。 陰面処理で最も簡単な方法が背面除去法である。この方法は、単に他の面に隠れて見ることができ ない面を無視するという処理方法である。 ペインター法は、最初に空などの背景を処理して、次に物体などの前景を処理することで全体の画 像を処理する方法である。この方法は、透過性のある物体の処理やアンチエイリアシング処理(曲線 や斜線のようにディスプレイ上でディザが発生する線を目立たなくする技術)ができない点で、あま り用いられていない。 スキャンライン法は、画像が出力されるスクリーン画面をピクセル幅の線の連続に分割して、それ ぞれのラインを個々に処理する方法である。この方法はペインター法とは違い、透過性のある物体の 処理やアンチエイリアシング処理の補助的役割として使用可能である。 Zバッファ法は、透過性のある物体の処理やアンチエイリアシング処理ができない状況にも関わら ず、最も使用されている陰面処理方法である。それは最も簡単でしかも洗練されたアルゴリズムを持 っているためである。そのため、多くの CG レンダリングソフトウェアで広く使用されている。Z バ ッファ法では、蓄積されたZ軸方向の奥行き情報により面が処理されていく。つまり、先に書き込ま れた面の奥行き情報が基準となり、次に計算しようとする面が、先に書き込まれている面よりも手前 にある場合は、奥行き情報は更新され、その面はスクリーンに書き込まれる。以後は、更新された奥 行き情報が基準となる。また、計算しようとする面が、先に書き込まれている多角形よりも遠くにあ る場合は、奥行き情報は更新されずに、スクリーンにもその面は表示されない。この手順を続けるこ とで、複数の多角形の配列を計算することが可能となる。しかし、それぞれの面において奥行き判定 を行なうため、アンチエイリアシング処理はできない。 αバッファ法は、3次元オブジェクトのエッジに対してアンチエイリアシング処理を行なう。この 方法は、他の画像や背景などと合成した後にアンチエイリアシング処理を行なうため、曲線や斜線に 発生するディザを最小限にすることができる。7) 2.4.6 レイトレーシング レイトレーシングは、光の反射や屈折を忠実に表現することができるため、写真のような現実感の 18 ある画像を作り出すことが可能である。しかしそのため、計算に時間がかかるという問題点がある。 レイトレーシングの基本的な考えとしては、人が物体を認識する方法と同一である。つまり、光が光 源を出て物体に反射または透過して、その後、視点にたどり着き、それによって知覚する。このこと から、光源から出た光をすべて計算すれば3次元空間内のすべての物体における明るさの計算ができ るということになる。しかし、一つの光源から出ている光線の数を特定することは困難であるため、 実際のレイトレーシングにおいては、光源からではなくて逆に視点から計算していく。 レイトレーシングの場合、陰面処理は自動的に行なわれる。2つの物体がある場合において、光線 は手前にある物体にさえぎられて、遠くにある物体からの光線は視点に届かない。つまり、視点から は見ることができない。 また、レイトレーシングは、陰影処理も自動的に行なわれる。視点からの光線がある物体で反射し た後、光源に届かなければその物体は暗く見える。つまり影の表現が可能となる。8) 2.3.7 ラジオシティ法 レイトレーシングが直接光によるレンダリング法であるのに対して、ラジオシティ法では間接光を 扱う。光源から出た光が壁や物に反射することによって間接光は生まれる。そのため間接光は反射の 数だけ生まれ、それらの強さは様々で、方向も様々である。そのいくつもの間接光によって生じる影 も、お互いに重なり合って柔らかな質感の影を生み出す。その柔らかな影のことを半影と呼ぶ。ラジ オシティ法でレンダリングした画像が、コントラストが弱くて柔らかい質感が表現されるのは、この 半影によるところである。一般的に、ラジオシティ法は、室内に電球などの照明器具と家具などのイ ンテリアが多く配置されたような空間の表現に利用される。9) 19 2.4 アニメーション技術 2.4.1 はじめに アニメーションは視覚的心理学の残像効果により生まれる。つまり、一枚一枚のイメージを連続的 に見せることで、人間の脳はその画像を切れ目のない連続したものとして認識させているものである。 このように、静止画像の連続として作られた動画像における、その静止画像の一枚一枚をフレームと 呼ぶ。一般に、人間がアニメーションとして認識するフレームの映写速度は毎秒10フレーム程度で ある。これより映写速度が遅ければ、出来上がった動画像はちらつき、動作もぎこちなく見える。ま た、これより速度を速くすることで、滑らかな動きを表現することができる。例えば、セル画アニメ ーションのフレームの映写速度は、毎秒12∼24フレーム、映画では毎秒24フレーム、NTSC で規定されているテレビの映写速度は毎秒30フレームである。従来のアニメーションの制作過程に おいて一番の障害となるのは、莫大な量のフレームをアニメーション製作者が作成しなければならな いことである。具体例を挙げれば、1分のセル画アニメーションで最低でも 720 枚のフレームが別々 に必要とされる。これらのフレームを1フレームごと、すべて手作業で行うことは大変に手間のかか る作業である。そこで、キーフレームによるアニメーションやフレームの階層リンケージ、プロシー ジャーによるアニメのリフォーム変形、力学シミュレーションなどの CG アニメーション技術が幅広 く応用され、フレームの制作時間の短縮につながる結果となった。 2.4.2 キーフレームアニメーション キーフレームアニメーションとは、アニメーションの中で、初めのフレームから終わりのフレーム に至るの過程を自動生成することで作成されるものを示す。十分な情報と各フレーム間でのイメージ の整合性がある程度のレベルに達していれば、コンピュータは各フレーム間を少しずつ変化をつけな がら埋めていくことが可能である。キーフレームとキーフレームとの間をつなぐ部分を、コンピュー タによって作成することで、アニメーションの制作に費やす時間を短縮することが出来る。よって、 キーフレームアニメーションはCGアニメーション業界で最も広く利用されることとなった。専門的 なレベルのアニメーションソフトは、すべてこの機能を備えており、キーフレームアニメーションは、 CG アニメーションにおいてはごく一般的なものであると言える。10) 2.4.3 階層リンク構造 人間の腕や指の動きなど現実の動きをアニメーションで表現するためには、各構成要素同士を組み 合わせて、ある構成要素が他の構成要素をコントロールする必要がある。この関係は上位の構成要素 が下位の構成要素に影響を与えることはあっても、その逆で下位の構成要素が上位の構成要素に影響 20 を与えることはない。このように、従属関係を持った構造を階層リンク構造と呼ぶ。階層リンク構造 は、多くの部材から成るモデル構造においては不可欠な要素の一つである。例えば、伸び縮みするブ ームを持った移動式クレーン車の場合を例に取って考えてみると、ブーム自体は、そのクレーン車の 一部分としてクレーン車の移動に追従して動かなければならない。ブームはクレーン車の車体に固定 された回転軸方向に対して回転するので、それ自身がその回転方向に対して自由度を持っていること になる。また、人間においても、肩、手、指、足、背骨といった各部位は、ある一定の制限内でそれ ぞれに独立して動かすことが可能である。しかしながら、歩いたり、飛んだりと、体全体を使った動 作の中では、各パーツはお互いに依存し合いながら動くものである。11) 2.4.4 その他の技術 キーフレームアニメーションや階層リンケージの他にも、映像中の登場人物の動きや降雪、海波と いった物理現象に現実感を与えるための様々なアニメーション技術が存在する。それらは、現実のも のと全く同じような効果を生み出すプロシージャルアニメーション、任意の形に変形する自由造形の 変形、鳥や魚など群を形成して動くものをアニメーションで表現する行動に関するアニメーション、 ある階層リンケージにおける結合構造をアニメーションにするのに特に役立つ動的なシミュレーシ ョンなどである。12) 21 2.5 アニメーション作成手順 2.5.1 はじめに CG アニメーションは、ハリウッド映画界で初めて積極的に利用されるようになり、その後各方面 で利用されてきたが、建築家にとっては比較的新しい技術である。そのハリウッド映画界で成立して きた CG アニメ―ションの作成手順やルールは、CG アニメーションを理解するために役立つもので ある。これを参考に、ここでは CG アニメーションの作成手順を述べる。主に作成の流れとしては、 ストーリーボード作成、モデリング、モーション付加、レンダリングと記録、オーサリングの 5 段階 である。 2.5.2 ストーリーボード作成 ストーリーボードは、ストーリー構成上の重要な場面を描いたスケッチの連続したものである。こ れは、すべてのモデルや、動き、アニメーションの展開を記録する CG アニメーション作成のための 第 1 段階であり、非常に重要な作業である。なぜならば、注意深くシーンの構想を練ることにより、 製作コストと時間を押さえられるからである。単一物体しかないシーンをパソコンでレンダリングす るのに、30 分以上の時間がかかることはなが、多数の多角形モデルが登場する複雑なシーン、つま り現実味の度合いの高いシーンは、レンダリングにかかる時間を多く費やすことになる。 レンダリングの時間とコストを縮減するためには、多角形モデルの数を最小限に押さえるべきであ る。例えば、ただ通り過ぎるシーンで建造物の後ろが見えないようなとき、見えない部分を省くこと により、モデリングやレンダリングの時間をかなり押さえることができる。さらに、壁、天井、家具 といった内部の細かい部分を省くことによっても、レンダリングの時間は少なくなる。ストーリーボ ード作成は、各シーンにおける様々なモデル細部の精度を決定するため、これを利用することで多角 形モデルの数を少なくできる。同時に、最終的な映像を占め、細部が詳細に描かれているモデルを単 純化することでレンダリングの時間を縮減することが可能である。13),14) 2.5.3 モデリング (1) はじめに モデリング段階では、幾何学的モデルの作成と現実味の付加を行う。AutoCAD や Microstation のような CAD ソフトウェアを用いることによって、2 次元のストーリーボードを利用して作成され たアイデアは 3 次元の幾何学的モデルに置き換えられる。現実味の付加は陰影を付けたり、配置す る材料の質感を表現するレンダリング処理を行うことにより得られる。これらは 3D-Studio MAX の ようなソフトで行うことができる。 22 (2) 背景モデルの作成 レンダリングイメージ空間の中で数ピクセル程度のみ占める遠くに見える空は2、3 の多角形を用 いて簡単にモデリングするべきである。一方、空をクローズアップする場合にはかなり多くの多角形 が必要となるが、空の写真を簡単なモデルに貼り付けることにより、複雑なモデルを作成する手間は 省くことができる。 (3)登場人物(物体)の作成 シーンに登場するポリゴンモデルを CAD などで作成する場合、いくつかのレイヤに分けて作成し なければならない。例えば家は一つのレイヤとしての屋根を持ち、屋根板は別のレイヤとして加えて おく。そうすることによりレンダリング時にそれぞれのレイヤはそれぞれのオブジェクトに変換され、 質感もそれぞれに与えることが可能となる。 更に、レンダリング時に発見する誤りとして、面の表と裏が反転したポリゴンモデルがある。これ はよく CAD で作成されたポリゴンモデルで見受けられる。反転した面は、レンダリングしても透明 になるために、アニメーションでは用いるべきではない。CAD においては、反時計回りで点を選択 し面の法線方向が表となる。この点に注意すれば、反転したポリゴンモデルの作成を避けることがで きる。 (4)現実味の付加 現実味の付加手段としては、レンダリングソフトウェアによるマテリアルやテクスチャーのような レンダリング効果が適用される。それらは陰影処理によるレンダリング効果やマッピングによる2次 元画像の3次元オブジェクトへの張り付けである。 マテリアルを利用するとき、これを制御するためにマテリアル定数が用いられる。これらの定数は、 拡散光、鏡面反射光、 、環境光、バンプ、そして透明度などの値から成り立つ。拡散光や鏡面反射光 の定数は、明るさやオブジェクトのくすんだ様子が決まる光源に影響される。環境光の定数は、光が ない場合には、モデルの色などに影響する。透明度数は0%(目に見えない状態)∼100%(くすん だ状態)範囲でモデルの特性が与えられる。以上のようにオブジェクトにマテリアルを割り当てるこ とにより、写真のような現実感でオブジェクトを表現することができる。また、テクスチャーは、大 理石や木のような複雑な色の表面の再現に用いられる。 バンプマップでは、2次元のグレイスケールイメージを用いることによって、表面上での隆起の様 子を再現することができる。例えば、オレンジは、球面上でオレンジの皮のバンプマップを応用する 23 ことによって再現することができる。 反射マッピングは、レイトレイシングを使用せずに、反射効果の近似を行う方法である。このマッ ピングの方法は、モデル周囲の表現がジオメトリを応用した写真であることを除いてはテクスチャー マッピングと同じ手順で割り当てられる。15) (5)モーション付加 第 3 段階はオブジェクトに動きを与える(モーション付加)ことである。オブジェクトに動きを 与える方法としては、多くのアニメーション技術が利用されている。例えば、キーフレーム、インバ ースキネマティクス、ダイナミックス、そしてスクリプティングなどの方法がよく用いられている。 このモーション付加方法の種類は、作成されるアニメーションの種類に大きく依存しており、特にキ ーフレームアニメーションは最も人気のある方法である。キーフレームアニメーションの最初の段階 は、スプラインやビザー曲線のような補完曲線を作成することである。これらの曲線は、それぞれの キーフレームが配列された後、互いのキーフレーム全ての点を通りように作り出されるものである。 曲線が作り出された後、幾何学的モデルは曲線の軌道によって拘束され、これらの曲線に沿って動か される。 インバースキネマティックス、ダイナミックス、そしてスプラインモーションなどのモーション付 加技術は複雑な動きを制御するために利用される。インバースキネマティックスは、複雑で階層リン クされた物体の動きを再現するのに用いられる。これは、利用者が指定した最終的な動きや、オブジ ェクトの階層リンク構造などを数学的に最適計算するもので、手首や腕のような下方の付属物の正し い動きを自動的に決めるために用いられる。 ダイナミックスは、物理学の法則を正確に反映し、質量、慣性、そして摩擦のような物理学上の定 数を入力する必要がある。このモーションは、よく自動車の衝突を正確に再現するのに用いられる。 スクリプトモーションはプログラムやスクリプトを使ってオブジェクトの動きを制御できる。16) (6)レンダリングと記録 第4段階はレンダリングと記録である。3次元モデルとその動きが作成された後、2次元画像とし てビデオテープやファイル上にアニメーション結果として出力される。このように、2次元のコンピ ュータ画像ファイルとして変換することを、レンダリングと呼ぶ。また、個々のレンダリングされた 画像ファイルを連続して再生し、ビデオテープのような他のメディアに録画する過程を記録と呼ぶ。 レンダリング開始前にファイルフォーマットと画像解像度を決定する。現在、アニメーション出力 用としていくつかのイメージフォーマットがが存在する。それらのファイル形式は一般に、AVI、 24 FLIC、TGAそしてTIFFのアニメーションファイルが用いられている。これらのファイルフォーマッ トは一般にフルカラーと呼ばれる24ビット(1670万色)の色数を備えている。それぞれの方法は、 イメージデータ保管フォーマットにより異なるが、例えば、RLAファイルはランレングス記号化を 通して色の情報を圧縮する。このようにAVIファイルは、ほとんど記号化されないTGAファイルより も約10∼20分の1の大きさになる。 さらに、もう一つの重要な要素は、画像サイズである。画像サイズはビデオテープレコーダー (VTR)へ記録のために用いられるフレームバッファの性能に依存する。全ての重要な特性や場面 を含んだアニメーションを作るためには、最終的にレンダリングする前に画面上でアニメーションを 確認することが必要である。 記録を行う場合、テープの記録ポイント前の2、3秒間にビデオテープを回すため、VTRのコンピ ュータ信号にあわせてはじめる。次に、コンピュータが記録のための準備をVTRに伝え、テープ上 の適当な場所に1フレーム記憶する。1フレームの記録過程は、コンピュータがVTRに完全に伝えた ときに完了する。記録は画面上でアニメーションの最終フレームがまで続けられる。しかし、最近で はこのような手順を経ず、レンダリングされた画像データはデジタル情報のままで直接ハードディス クに所定の解像度で書き出せるようになった。17) (7)オーサリング 最終的な編集過程はレンダリングと記録の後に行なう。この最終的なプロセスはオーサリングと呼 ばれる。これらは、二種類のビデオ編集方法を行うものである。この二つの方法は、リアルタイムに ハードウェア上で編集する方法と単体フレームのソフトウェア上での編集方法である。 リアルタイムのハードウェア上での編集方法は、ビデオテープ上で2台かそれ以上のビデオ装置を つなげたビデオスイッチを使って、複数のソースから成るVTRを作り出す方法である。この構成様 式はクロスフェイド(一つのイメージが消えていく一方で別のイメージが現れてくる手法)のような リアルタイム編集効果を必要とする娯楽産業などで広く使われている。しかし、この方法は高価であ ることが問題点といえる。 これに反して、Autodesk社製のAnimator Proのような単一フレーム編集システムは、1つのフレ ームに対してイメージを幾何学的、同時的に加える方法で、様々な編集効果を可能なものとする。例 えば、フェイドアウト効果を作成するにあたって、複合的イメージ(黒色フレームに対する初期イメ ージの各挿入表現の仕方)が数学的に計算されるということである。一連のイメージはフレームごと にビデオテープ上に書き込まれていく。この方法は、それほど高価ではないため、デスクトップでの 精巧なモデリング・レンダリング・モーションコントロールテクニックなどのアニメーション作成に 25 適している。18) 26 2.6 アニメーションの適用分野 2.6.1 はじめに CGアニメーション技術は常に発展し続けている。新しいアプリケーションは、従来の技術に対す るコスト削減のため、実用的なコンピュータ関連技術としてあらゆる産業において導入され始めてい る。 産業分野におけるCGアニメーションの典型的な適用例は、製図やあらゆる場面のシミュレーショ ンなどである。国防産業や航空産業におけるCGアニメーションによる戦略シミュレーションでは、 実際の地形をCGで作成し、パイロットはそれを利用して訓練する。このようなパイロット達は、身 体的なリスクを負うこともなく種々の環境下で離陸や着陸などを体験することができる。19)さらに 建築家はすでに設計段階で製図などにCGを利用しており、現在では、実際に建設工程に着手する前 の段階に3次元CGアニメーションを用いて設計に対する検討を行っている。 伝統的なセル画アニメーションと比較すると CG アニメーションの歴史は浅い。しかし、CG アニ メーションの可能性はその短い発展期間において、多数の異業種での適用事例によって実証されてい る。本節では CG アニメーションの様々な適用分野を説明する。 2.6.2 娯楽分野での CG アニメーションの利用 CGアニメーションは広く娯楽産業の中で使用されてきた。放送業界において、CGアニメーション は番組タイトルやニュース報道、説明時に使用されるCGアニメーション、天気図、テレビ局のロゴ のなどに利用されてきた。従来、これらのCGアニメーションは、実行動や実寸モデル(プラスチック、 紙など)、セルアニメ、紙のカードなどによって作られていた。 映画産業においては、近年、興行収入ランキング上位にはCGを使った大作が数多く登場している。 それらの映画では縮尺モデルの作成やモーションコントロールシステムなどの手段として、また、火 炎、煙、爆発、宇宙船、ヒューマノイドや液体で構成された人間などを作り出すことに成功している。 最近では、”ツイスター” 20) において、パーティクルシステムを利用して竜巻を表現することが可能 であることを証明した。 広告産業においては、CGアニメーションによってもたらされる様々な利点が実証されている。CG アニメーションによる3次元仮想空間を表現する能力は、物理的に不可能な視覚的効果を生み出せる。 2.6.3 産業分野での CG アニメーションの利用 建築分野では、CG アニメーションシステムを使うことで、設計対象物を周囲から見回すフライバ イアニメーションや内部を実際に歩いているように見せるウォークスルーなどが利用されている。こ 27 れを建築家達の建設・建築計画を評価、もしくは提案するための視覚的効果を期待して使用している。 例えば、巨大で複雑な建築計画を視覚化するために使われている CG アニメーションシステムは、そ の計画によって新規ビルや工場がどの様に見えるか、また、それらの建物が環境に対してどの様に影 響を与えるか、などを顧客に理解してもらうことができる。また計画図や立面図などの図では理解し にくい範囲を明確にすることができる。そこでは、仮想カメラの位置付けに関して物理的制限は全く ない。したがって、顧客は計画されたビルの内部の、あらゆる細部に至るまで詳しく見ることができ る。また、計画されたビルの周りを飛び回ることさえも出来る。CG アニメーションでは、どんな視 点でも選択して見せることができる。また作成期間の短縮、品質管理、データの使いまわしが可能と いった利点もある。 近年、カーナビゲーションシステムをはじめ、地図情報の電子メディア化が急速に進展した。これ らのほとんどが 2 次元であるため、交通機関や道路、電力、ガス、水道などの施設、地下街などが 立体的に入り組んでいる大都市のビル街の複雑な情報は表現しきれていない。しかし、このような地 図データの3次元を目指した研究も始まっているし、すべての地図メーカーは、将来 3 次元地図が 有望なマーケットになることを想定している。21) また、人間工学に基づく精密なパラメータを備え、動作が人間の動作、振舞いに忠実な 3 次元モ デルである「バーチャルヒューマン」の活躍の場が広がってきた。22)自動車メーカーなどが、製造 ラインにおける作業効率の向上や保守コストの削減などを目指してこの技術を利用している。危険な 作業のシミュレーションを実行したり、また、いろんな体形のモデルを使用することでペダル、ノブ、 レバーに手足が届くか、自動車の乗り降りができるか、バックミラーが見えるかなどの点について、 自動車メーカーに貴重な情報を提供している。23)ネットワークとアバターを利用して多人数が参加 できる防災訓練 VR システムなども登場した。最大 20 人までネットワークでつなぐことが可能で、 同時に訓練に参加することができる。また、アバターを使ったシステムは、パソコンに備え付けたマ イクから他の参加者と会話ができる双方向性が特徴である。例えば、駅ビルの地下街に火災が起きた 時の状況を設定して訓練するという事ができる。これは一般の人の訓練に使うだけでなく、消防隊員 の教育、誘導訓練などにも使われる。24),25) 2.6.4 科学技術分野での CG アニメーションの利用 科学技術分野においても、複雑な現象がCGアニメーションを利用して簡単に理解できるようにな る。CGアニメーションシステムは、ある現象の可視化時に科学解析特有の時間に依存したデータを 用いることができる。例えば、物体が網目状でで立体的に表現される有限要素法(FEM)は、仮想の力 やモーメントがかかって起こる内部圧力やひずみ、たわみを計算するのに用いられるが。この解析結 28 果をCGアニメーションによりデータを可視化する事ができる。柔軟性や振動特性といった構造特性 をシミュレートしたり、擬似的カラーリング技術を用いて最も圧力のかかった点を明確することがで きる。同時に、科学者たちはそのモデルをどの視点からでも検証できる。これらのモデルは表面の細 部や陰が表現され、他のモデルと重なり合い、現実世界の像へと置き換わる。 さらに、CGアニメーションは流体力学において物体表面の風の流れや水面の流れを表現すること に用いられる。これまでは巨大な風洞実験施設で、実物大あるいは数分の一の模型を作成して空気の 流れや物体への障害といった要因を解析するのに用いられていたが、このCGアニメーションによる シミュレーションの登場で自動車、航空機、宇宙産業では大幅なコスト縮減が可能となった。 2.6.5 学術分野で利用されているシステム (1)コンピュータ支援による手術(Computer-Aided Surgery:CAS) X線 CT や MRI という機械を用いれば、人間の体を輪切りにしたような画像を得ることができる。 これらの画像から患者の臓器を CG で作成することで、事前にコンピュータ上で臓器の形や患部の位 置の確認が可能である。この CG を用いた手術のシミュレーションにより、困難な手術の手順を事前 に把握することが可能となる。また、手術ミスが無いことや人間の手で行うよりも切る部分が少なく て済むことから、患者の退院を早め、後遺症の心配も減らせることが期待できる。 手術経験の少ない医者の教育にも、CG の利用が可能である。一般に医師は免許を取得した後、、 動物実験や臨床経験を積んで初めて人間の手術に携わる。しかし、動物と人の体との構造が違いや、 実際の患者で練習が行いがたいという問題がある。そこで CG を利用し、コンピュータ上の人体で手 術の練習をする。さらに、 「力覚フィードバック」という効果を用いることで、手術において非常に 重要である「触感」を得ることも可能となる。コンピュータが患者亜となるので万一の失敗のときで も問題にならない。以上のような CAS システムは、実用化しているものもあれば、まだ開発途上の ものもある。今後、発展が期待される CG アニメーションの適用分野である。26)27) (2)軍の訓練のビジュアルシミュレーション ビジュアルシミュレーション技術を軍事訓練に応用する利点として、以下の事が挙げられる。現有 のシミュレータをスタンドアロンで個人の技術のために使用するだけでなく、それぞれのシミュレー タをネットワーク上で結び、同じ仮想空間にて共同で行動、あるいは敵対すれば、チームプレイ、戦 術や戦闘訓練が危険無しに行うことが可能となる。また、そこで使われている仮想空間の地形、建物 や気候などの空間データを、局地に限定せず、全世界の空間データをデータベース化することで、行 ったことの無い土地での戦闘にも事前訓練が可能となる。さらに、使用する側も、同じようにシミュ 29 レータを使っている友軍、または団体と、共通の通信・データ互換プロトコルをきめれば、データや 共通して使用することが可能となる。28)29) 米国国防総省は、現在この軍事シミュレーションを実現するため、国防関連企業数社と共同で DIS という 3 次元シミュレーション用プロトコルを作成し、コンピュータ技術と軍事的データを生かし て米国軍の次世代シミュレータ・訓練システムの開発を行っている。それは、米国の衛星から、全世 界の地形データを取ってデータベース化し、また各国のシミュレータとそのデータを共通のプロトコ ル(DIS)でつなぐことで、仮想空間でありながら実践的戦闘訓練を可能にする双方向性分散ネットワ ーク型シミュレーションシステムである。30) (3)数学、物理学における CG による可視化 数学、物理学における CG による可視化の適用例としては、測地線、波動関数、マンデルブロー 集合、重力レンズ効果、剛体のひずみなどを数学的に可視化した事例や、かみなり、結び目、クライ ンの壷、音等を芸術的に可視化したものが挙げられる。 測地線の CG 化では、地球という球面上空間での測地線は直線にならず、必ずしも最小値になら ない。そこで2次元曲面上での測地線を具体的に図示することを試みたものである。重力レンズ効果 の可視化においては、ブラックホールが作る強い重力場は空間を曲げ、背後にある映像は曲がって見 える現象の具体的な様子を図示することを目的としたものである。波動関数の可視化では、波動関数 の位相を色で表示し、振幅を明るさで表示することで、定常状態の時間的発展状況を確認し易くした ものである。また、剛体のひずみの可視化では、剛体に外力を加えると力はテンソルとして、物体内 部に分布する。その分布の様子を CG アニメーションを交えて図示できる。 一方、芸術的な可視化表現としては、音を見る試みがなされている。音楽の波形データをフーリエ 変換するという古典的な方法も CG により表現法を工夫すると、奇麗な「作品」となる。31) 2.6.6 市販されているシステム 32)34)35)36)37)38) 市販されているシステムは多数あるが、その中の幾つかをソフト名、メーカー名、その内容と共に 必要とされるハードウェアの性能などを簡単に以下の表にまとめて記す。 30 表 2-1 市販システム調査一覧表 項目 製品名 開発元 発売元 CPU メモリー容量 ディスク容量 価格 名称・諸元 ARC Render Win 版 Ver5.0 フランス ABVENT アークジャパン Pentium 32M バイト 200M バイト 498,000 円 製品名 開発元 発売元 CPU メモリー容量 ディスク容量 価格 Impact!Ver1.0 米 Dynamic Realities オーク Intel, Alpha, MIPS 32M バイト 10M バイト Intel 版:53,900 円 Alpha・MIPS 版:73,500 円 製品名 開発元 発売元 CPU VisualReality2.0 日本語 版 米 Micrografx マイクログラフィックス i486DX33MHz 以上、推 奨 Pentium90MHz 以上 12M バ イ ト 以 上 、 推 奨 16M バイト以上 25M バ イ ト 以 上 、 推 奨 45M バイト以上 78、000 円 メモリー容量 ディスク容量 価格 概要 ARC Render は、高品位なプレゼンテーションの ための 3 次元レンダリングシステムである。リア ルタイムにレンダリング結果のプレビューを見 ながら、色彩調整や材質の設定、そしてテクスチ ャマッピングが行える。独自開発の高速レイトレ ース手法を用いており、短時間にプレゼンテーシ ョン用カラープリントを作成することができる。 景観シミュレーションや都市計画から、建築設 計・インテリアデザインなど、製品デザインのプ レゼンテーションに使用可能である。 LightWave3D 上でモーションダイナミクス(物理 計算シミュレーション)を可能にするアプリケー ションである。ボウリングやビリヤードのような 剛体の弾性衝突のほか、重力を含む一般力場、ば ね運動、粘性体内での運動、リニアおよびトルク モータなど、ニュートン力学上で想定されるほと んどの初期条件をサポートする。シミュレーショ ンに必要なのはオブジェクトと各種の初期条件 のみで、シミュレートされた結果は専用のウィン ドウ上でアニメーションとして再生され、通常の キーフレームアニメーションとして LightWave3D のシーンファイル形式で保存され る。また、オブジェクトに対して材質データ(密度、 弾性係数および表面荒さ)を設定するか、あらかじ め用意されている 18 種類の金属元素や化学物質 の材質データを適用する事により、材質も考慮し た運動シミュレーションも可能である。 LightWave3D V4.0 以上が必要である。また、 Windows95 でも動作可能である。 3D グラフィックス、アニメーション、フォトレ タッチを一つのパッケージにした製品である。 2D、3D 図形や背景などの素材を加工し 3D イラ ストやアニメーションを作成する「Renderize Live」、フォントの 3D 化専用ソフト「Visual Font」 、モデリング専用ソフト「Visual Model」、 作成した作品をカタログにまとめる事ができる 「Visual Catalog」などで構成する。このほか、 フォトレタッチソフト「Picture Publisher 6.0 日 本語版」も入っているので、背景の作成から 3D 図形に至るまで高精度なデザインを作成する事 が可能である。また、500 種の 3D オブジェクト と 1500 種のテクスチャ、ハリウッド映画から抜 擢された高画質の AV ビデオクリップと静止イメ ージも多数入っている。これらの素材を使用すれ 31 製品名 開発元 発売元 CPU メモリー容量 ディスク容量 価格 製品名 開発元 発売元 CPU メモリー容量 ディスク容量 価格 製品名 開発元 発売元 CPU メモリー容量 ディスク容量 価格 ば、簡単に素早く 3D イラストやアニメーション を作成する事ができる。 IRIS Explorer3.0 IRIS Explorer は流体や構造解析、医療画像処理、 英 NAG CAD、分子設計、数値地図などの様々な分野の数 アイリスエクスプローラ 値データを、プログラミングなしで 3 次元で可視 ーセンター 化するグラフィックアプリケーションである。ま Pentium, Alpha たインターネットの VRML データの入出力も可 32M バイト 能である。IRIS Explorer は、OpenGL、Open 80M バイト Inventer を開発環境として作成されており、 480、000 円 VRML1.0 に Open Inventer のフォーマットが採 用されている。Explorer で生成されるジオメトリ データは、VRML として標準入出力でき、作成し た画像をインターネット上に公開する事ができ る。 LightWave 3D Ver5.0 LightWave3D はフォトリアリスティックなアニ 米 NewTek メーションを制作するための 3 次元アプリケーシ デイ・ストーム ョンである。用途はホビーユースからハリウッド Pentium, Alpha, MIPS 映画の製作までに及び、多くの作品を生み出して 32M バイト いる。LightWave3D の特徴は、操作の簡単さ、 100M バイト 機能の豊富なツール、仕上がりの美しさなどの内 218、000 円 容を備えながら、21 万 8000 円という低価格であ る事である。現在発売中の最新バージョンでは、 映像制作だけでなく、印刷業界、インターネット のコンテンツ制作、ゲーム業界など、プロフェッ ショナルユーザーの意見を反映して改良された。 パッケージは Modeler と Layout の二つのツール で構成され、Modeler は非常に直感的なインター フェイスを持ちながらも、複雑なモデリングが可 能であり、また OpenGL をサポートする事によ り、シェーディングしたままリアルタイムに変化 を確認できる。新しいモデリングツールである MetaNURBS は、従来のポリゴンの輪郭を外郭と 見立て、内部に曲線ベースのオブジェクトを形成 して、これにマグネットなどの従来のツールで変 形を加えるなどして、単純なオブジェクトから複 雑で有機的なものまでを簡単に仕上げていくツ ールである。Layout も Modeler 同様に OpenGL をサポートし、アニメーションを作成する上で、 オブジェクトのレイアウト確認をスムーズに行 う事ができる。 レンダスター4 フォトリアリスティックなレンダリングとウォ オランダ、 ークスルーアニメーションを作成するツールで RenderStarTechnorogy ある。AutoCAD 上から直接、データをレンダリ コスモエレクトロニクス ングするのでデータ変換は不要である。リアルな Pentium テクスチャマッピング、反射、映り込み、光輪、 32M バイト 前景、背景イメージとの合成、各種光源、カメラ、 50M バイト 影、日影などの機能を備える。CAD 上で指定し 280、000 円(AutoCAD が た線分に沿って自動的にウォークスルーアニメ 別途必要) ーションを作成する。標準で 500 種類のテクスチ 32 製品名 開発元 発売元 CPU メモリー容量 ディスク容量 価格 製品名 開発元 発売元 CPU メモリー容量 ディスク容量 価格 製品名 開発元 発売元 CPU メモリー容量 ディスク容量 価格 ャが付属されており、GIF、TGA、BMP、FCL 形式ファイルをサポートしている。 TGS Open Inventor TGS Open Inventor は、OpenGL による 3 次元 米 Template Graphics CG アプリケーションを効率的に開発するための Software ツールキットである。次のプログラミング環境を 日本総合研究所 提供する。(1)直感的で簡単なプログラミング・ユ Intel, MIPS, Alpha ーザーインターフェイス:3D ビューワとエディ 16M バイト(Intel)、32M タを使用可能、インタラクティブにオブジェクト バイト(MIPS, Alpha) が操作でき、各種アニメーション用エンジンが提 60M バイト 供されている。(2)開発作業の簡素化と拡張機能: 開発版 210、000 円 オブジェクト指向アーキテクチャの採用と豊富 なクラスライブラリの提供により、開発の効率を 高める事ができる。C++インターフェイスによ り、機能拡張に柔軟に対応できる。(3)実行時の OpenGL 最適化:実行時の最適化を考慮したクラ スライブラリが提供されている。 3D Studio VIZ R2 3D Studio VIZ R2 は建築家、デザイナー、土木エ AUTODESK 社 ンジニアのニーズに応えて開発されたコンセプ KINETIX トデザインやプレゼンテーションに最適な建築 Pentium/200Mhz 以上ま 用 3 次元グラフィックスソフトウェア。オートデ たは Pentium Pro スクが提唱しデザイン分野での世界標準ファイ 64MB 以上 ルフォーマット.DWG を完全にサポートしている 200MB 以上 3D Studio VIZ R2 は、AutoCAD で作成したデザイ 298、000 円 ンをダイレクトに読み込むことにより、ウォーク スルーアニメーションをはじめとするインパク トのあるプレゼンテーションを効率的に作成す ることができる。 SoftImage 3D, SoftImage 3D Extreme V3.51 カナダ Softimage マイクロソフト intel,Alpha,MIPS 64M バイト 300M バイト SoftImage3D 960,000 円 SoftImage3D Extreme168,000 円 インバースキマネティックス、ダイナミックスな どの先端機能を持った 3DCG ソフト。SoftImage 3D はモデリング、アニメーション、レンダリングを 統合した形でサポートする 3D アプリケーション。 これまで SGI のワークステーション用として開発 されてきたものだが、Windows NT にも移植された。 NURBS やポリゴンといった多彩なモデリング方 法、多種変形エフェクト、関数式でコントロール する Expressions、ポリゴンリダクション、外部 デバイスのモーションコントロールを行う Channels、セガサターン/ソニープレイステーシ ョン/Direct3D フォーマット出力などを全て標準 で備える。 SoftImage 3D Extreme は SoftImage 3D に加えて、 モデリングとレンダリングのための高度な特殊 効果を含む。これらの特殊効果モジュールには、 有機的なモデリングに最適な Meta-Clay、分散レ ンダリングも可能な特殊効果を含むレンダラ Mental-Ray、噴水や爆発などの粒子表現の出来る Particles などがある。 33 製品名 開発元 発売元 CPU メモリー容量 ディスク容量 価格 製品名 開発元 発売元 CPU メモリー容量 ディスク容量 価格 製品名 開発元 発売元 OS メモリー容量 ディスク容量 価格 製品名 開発元 発売元 CPU メモリー容量 ディスク容量 価格 製品名 開発元 発売元 CPU メモリー容量 ディスク容量 価格 Infini-D4.0 米国メタクリエーション ズ社 キヤノン販売株式会社 PowerMacintosh シリーズ 32MB 以上 138,000 円。 MetaTools , Fractal Design , Specular International,そして Ray Dream が合併してで きた 3D 業界の最強企業 MetaCreations の最初の 成果である。フィールドレンダリングや可変ピク セルアスペクト比,オーディオトラックといった 機能を強化して,さまざまなアプリケーションが ひしめくビデオとマルチメディア業界に参入す る。 SUPERSCAPE 社の VRT(Virtual Reality Toolkit) は、DOS/V マシン上で動作する総合バーチャル開 発ツール。モデリングからリアルタイム/インタ ラクションまでサポートし、プログラミングの知 識がなくてもアイコンやメニューによって簡単 に構築できる。また、DOS/V マシン用としては世 界最高水準のスピードを誇っている。 SUPERSCAPE は VRT(パッケージ基本構成)ソフトウ ェアと SDK・Networks(パッケージオプション構 成)ソフトウェアから構成される。 STRATA STUDIO PRO2.0 Macintosh の 3DCG ツ ー ル の 定 番 と 呼 ば れ る STRATA,Inc. STRATA STUDIO Pro の最新バージョン 2.0 は、す ソフトウェア・トゥー べてのコードを一から書き直し、まったく新しい MacOS8.1 対応 ソフトとして生まれ変わった。今まで以上に直感 64MB 以上(128MB 以上推 的にモデリングができるようになり、より強化さ 奨) れたモーション設定やパーティクルジェネレー 200MB ター、エフェクトシェーダーの採用により、従来 248,000 円 通りの高品質な印刷・出版物向け静止画はもちろ ん、ブロードキャストクオリティのアニメーショ ン作成も可能になった。 Maya キャラクタ・アニメーションとビジュアル・エフ カナダ:Alias│Wavefront ェクトのための最先端 3D ソフトウェア。先進の 社 アーキテクチャで設計された Maya は、システム エイリアス・ウェーブフ スピードと効率性を最優先させ、数あるソフトウ ロント株式会社 ェアのなかでも最もインテグレートされたパッ PentiumⅡ 300MHz ケージソフトである。高機能のアニメーションツ 256MB 以上 ール、直感的なワークフロー、拡張性に富んだカ 2GB 以上 スタマイズ機能など、数多くの新機能が CG 作効 1,125,000 円 率を飛躍的に向上させる。 VRT Superscape 社 CRC総合研究所 Intel/DX2 以上 64Mb 1Gb 1,200,000 円 Houdini Side Effects Software IRIX Rev:6.2 以上 96MB 1G 280 万円(1年保守含む) 2D/3D 統合型 CG アニメーションシステム。 Houdini はモデリング、アニメーション、質感編集、レン ダリング、画像合成などプロの CG 制作現場で必 要なツール群を統合。少数精鋭から大規模チーム まで幅広くフィットするハイエンド CG アニメー ション制作ソフト。 34 2.7 CG アニメーションの分類 2.7.1 はじめに CG を機能の面で分類すると、インタラクティブ CG とリアリスティック CG に分類できる。イン タラクティブ CG は外部からの指示や計算結果を高速に表示するもので、CAD、リアルタイムアニ メーションやゲームなどがある。リアリスティック CG はより現実に近い形で表現しようとするもの で、録画アニメーションや照明シュミレーションなどがある。これらは今のコンピュータ技術をもっ てしても両立できない相反するものである。 また、CG を利用方法で分類すると、シミュレーションとプレゼンテーションの2つに分けられる。 シミュレーションは設計や研究開発への利用が主たる目的である。よって、専門分野の技術者が理解 できれば良いとする範囲での可視化と言える。これにより、時間の流れによっていくつもの複合作業 が協調しながら進められる施工法の様子や、システムの持つ施工の安全性や性能などを CG で分かり やすく表現することができる。一方、プレゼンテーションは、専門知識を持たない人も含んだ第三者 に対して、内容を理解してもらってアピールすることを目的としている。このように CG は人が考え ているイメージを表現するための強力な武器となるもので、その利用範囲は限りなく広い。 2.7.2 録画アニメーション 録画アニメーションでは、事前にレンダリングを完了しメディアに記録するために、アニメーショ ンを見るときのフレーム再生時間は通常問題とならない。このような性質を持ったアニメーションで あるために、光の反射や陰影効果と言った物理現象を現実に近い形で表現でき、アニメーション製作 者の意図を大きく反映できる。また、制作過程に関しては次の3段階から構成されている。 第1段階:CAD ソフトなどを用いた3次元オブジェクトの作成 第 2 段階:カメラ、オブジェクトの配置などのアニメーション制御パラメータの設定。ここ で、キーフレームでのオブジェクトとカメラの動きを保存 第3段階:レンダリング。但し、レンダリング時間はその表現方法によって左右される。レン ダリング終了後、画像を保存 第 1 段階では、3次元モデルを作成する。これは外部の CAD ソフトウェアか、またはその他のア ニメーションソフトウェアを使うことで作られている。第2段階では、利用者はカメラ位置などの視 覚パラメータや、モデル内の物体位置などの制御パラメータを与える。その後、キーフレームにおけ るカメラの動き及びオブジェクトの動きがファイルに保存されることとなる。第3段階では、レンダ 35 リングである。画面のレンダリングは、隠れた表面の動きや描影に多くの計算を含むので、レンダリ ングの処理方法によっては、処理時間をかなり必要とする。レンダリング処理後は、データを保存す るため、その後の使用については一切影響しない。 2.7.3 リアルタイムアニメーション リアルタイムアニメーションはVR(仮想現実)とも呼ばれ、任意の視点から連続的に3次元空間を 可視化するとともに視点を移動する機能を有するアニメーションである。この方法では視点の移動ご と、あるいは画像内の物体の移動ごとにフレーム(画面)を生成し直す必要があるため、相当のグラフ ィックス処理能力を必要とする。リアルタイムアニメーションは次のような4つの段階から成り立っ ている。 第1段階:CADソフトなどを用いた3次元モデルの作成 第2段階:カメラ、物体の配置などのアニメーション制御パラメータの設定 第3段階:マウスなどの入力に基づいた物体やカメラの移動 第4段階:レンダリング。第3段階に戻る。 リアルタイムアニメーション生成能力はハードウェアのグラフィック処理能力に大きく左右され るが、最も重要な特徴は、オブジェクトやカメラをインタラクティブに制御する能力にある。そのた め、モデルの数や複雑さ、またグラフィック処理能力が全体のパフォーマンスにかかわってくる。 また、リアルタイムアニメーションにはダブルバッファリングと呼ばれる概念も存在し、重要な特 徴ともなっている。リアルタイムアニメーションを処理するためのグラフィックスワークステーショ ン能力は、表示イメージの効率的に蓄積するために2つの表示バッファに分かれている。この2つの バッファとは、フロントバッファと、バックバッファである。 フロントバッファは、現時点で表示されているイメージを蓄積するためのものである。バックバッ ファは、随時レンダリングするためにイメージを蓄積するためのものである。これら2つの表示バッ ファの切り替えは、スワッピングと呼ばれる。スワッピングをすることで動きの幻影を生み出す。ス ワッピング時間は、効率よくアニメーションを表現するためには1/60秒以内で終了しなければな らない。そのため、リアルタイムアニメーションを表現するためには、ダブルバッファの能力なしに は実現することができない。 36 参考文献 1) Sutherland, I, E: Sketch-pad: “A Man-Machine Graphical Communication System,” Spartan Books, 1963 2) Foley, James et al.: “Computer Graphics: Principles and Practice,” Second Edition, AddisonWesley Publishing Company, pp8-9, 1993 3) 今間俊博:3 次元図形の表し方(第 1 回) 、日経 CG、日経 BP 社、vol. 115, pp140-144、1996 年 4 月号 4) 冠者 実: Windows CAD/CG、日経 CG 日経 BP 社、vol. 117、pp171、1996 年 6 月号 5) 今間俊博:レンダリングと質感(第 2 回) 、日経 CG、日経 BP 社、vol. 121、pp198-202、1996 年 10 月号 6) 今間俊博:レンダリングと質感(第 1 回) 、日経 CG、日経 BP 社、vol. 120、pp190-194、1996 年 9 月号 7) 今間俊博:レンダリングパイプライン、日経 CG、日経 BP 社、vol. 123、pp194-198、1996 年 12 月号 8) 今間俊博:レンダリングの種類(1) 、日経 CG、日経 BP 社、 vol. 124、pp156-160、1997 年 1 月号 9) 今間俊博:レンダリングの種類(2) 、日経 CG、日経 BP 社、vol. 125、pp172-176、 1997 年 2 月号 10) Vince, John: “3-D Computer Animation,” Addison-Wesley Publishing Company, pp237-239, 1992 11) Vince, John: “3-D Computer Animation,” Addison-Wesley Publishing Company, pp214-218, 1992 12) Vince, John: “3-D Computer Animation,” Addison-Wesley Publishing Company, pp239-256, 1992 13) Vince, John: “3-D Computer Animation,” Addison-Wesley Publishing Company, pp210, 1992 14) Tech Talk, Computer Graphics World, A PennWell Publication, pp33, 1993 15) Foley, James et al.: “Computer Graphics: Principles and Practice,” Second Edition, AddisonWesley Publishing Company, pp722-730, 1993 16) Routson, Mark: “Understanding the Animation Process,” CADENCE, pp88-89, June 1993 37 17) Routson, Mark: “Understanding the Animation Process,” CADENCE, pp90, June 1993 18) Foley, James et al.: “Computer Graphics: Principles and Practice,” Second Edition, AddisonWesley Publishing Company, pp178-180, 1993 19) Hodges, Mark: “VIRTUAL REALITY IN TRAINING,” Computer Graphics World, A PennWell Publication, pp45-52, August 1998 20) Fangmeier, Stefen: Designing Digital Tornadoes, Computer Graphics World, A PennWell Publication, pp50-58, August 1996 21) 田島 進:3 次元都市地図の可能性を探る、日経 CG、日経 BP 社、vol. 127、P120∼P124、1997 年 4 月号 22) Robertson, Barbara: Virtual Humans at Work, Computer Graphics World, A PennWell Publication, pp41-50, July 23) Boyd, Lane: Digital Factories, Computer Graphics World, A PennWell Publication, pp45-53, May 1998 24) Mahoney, Diana: Virtual Reality on the PC, Computer Graphics World, A PennWell Publication, pp56-62, May 25) 三木いずみ:ネットワークとアバターを利用して多人数が参加できる防災訓練 VR、日経 CG、 日経 BP 社、vol. 145、pp83、1998 年 10 月号 26) Mahoney, Diana: The Art and Science of Medical Visualization, Computer Graphics World, A PennWell Publication, pp52-62, July 1996 27) Internet Resources of Computer Aided Surgery (c)1997 Yasushi Yamauchi 「CAS ってなあ に?」 :http://www.aist.go.jp/NIBH/~b0673/japanese_sjis/cas_about.html 28) ビジュアルシミュレーションと DIS: http://www.remus.dti.ne.jp/~zeke/dis.htm 29) NHK スペシャル: 「21 世紀の潮流・バーチャルリアリティ」 30) Hodges, Mark: “VIRTUAL REALITY IN TRAINING,” Computer Graphics World, A PennWell Publication, pp45, August 1998 31) 数理科学美術館:http://w3mb.kcom.ne.jp/~morikawa/subi.html 32) WindowsNT と OpenGL:1996 年 12 月号、日経 CG 特別付録 33) たとえば、http://www.autodesk.co.jp/kinetix/2_3dsviz2/viz2001.htm 34) たとえば、http://www.zdnet.co.jp/macweek/9708/r0825_infinid.html 38 35) たとえば、http://www.crc.co.jp/CRC/wg/vrt01_sjis.html 36) たとえば、http://www.mdn.co.jp/Product/Software/Strata/ 37) たとえば、http://www.csk.co.jp/imagecraft/maya.html 38) たとえば、http://www.sgi.co.jp/appdir/AppDir97/g07/0462.html 39) 尾坂昇治:建築 CG、この不思議なもの、日経 CG、日経 BP 社、vol. 133、pp164-173、1997 年 10 月号 40) 福地良彦他:施工段階におけるCGアニメーションの役割と有効性に関する考察−田島ダム建設 工事での適用の総括−、第 23 土木情報システムシンポジウム論文集、pp1-8、土木学会、1998 年 39
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