サーマル シフ トア ッセイ によるカル レテ ィキ ュ リンー糖鎖相互作用解析

成 膜 大 学 理 工 学 研 究 報 告
J.Fac.Sci.Tech.,SeikeiUniv.
Vo1.52No.2(2015)pp.19-24
(特 別 研 究 費 に 係 る 論 文)
サ ー マ ル シ フ トア ッ セ イ に よ る カ ル レテ ィ キ ュ リ ンー
糖鎖相互作用解析
平野
真*1,戸
谷
希 一 郎*2
Interactionanalysisofcalreticulinandglycansusingthermalshiftassay
MakotoHIRANO*1,KiichiroTOTANI*2
ABSTRACT:Calreticulin(CRT)hasbeendescribedasalectin-likechaperonethatrecognizes
GlclMangGlcNAc2(GIM9)-glycoproteinsintheendoplasmicreticulum(ER).HoweverwhetherCRT
directlyrecognizesaglycone(proteinportion)ofglycoproteinremainscontroversial.Ourpreviousstudy
demonstratedthatCRTcompetitivelyinhibitedglucosidaseIIactivityagainstahydrophobicsubstratenot
butthatagainstahydrophilicsubstrate,implyingthatCRTrecognizesnotonlyglycanstnlcturebutalso
aglyconehydrophobicity.HeretoinvestigatethepossibilitywepreparedligandsfbrCRT:GIM9-derivatives
withdifferenthydrophobicityontheaglyconeandgraduallydenaturedimmunoglobulinY(IgY),which
harborsGlMgglycan,andanalyzedtheinteractionofarecombinantCRTwiththeligandsusingthermal
shiftassay.TheseresultsdemonstratethatCRTstronglybindstomorehydrophobicGIM9-derivativeand
moredenatUredIgY,clarifyingthatCRTmorestronglybindsmisfoldedglycoprotein,andreverselyreleases
fbldedglycoproteinbydistinguishingthefbldingstatUsofglycoproteinintheERglycoproteinquality
COntrOlSyStem.
Keywords:calreticulin,lectin,glycoprotein,aglycone,thermalshiftassay
(ReceivedSeptember30,2015)
1は
じめ に
され て い る(6)。
し か し な が ら 、CRTがGIM9型
ク 質 の 糖 鎖 部 分 と タ ン パ ク 質 部 分(ア
タ ンパ ク 質 の 生 合 成 過 程 に お い て 、 小 胞 体 糖 タ ンパ ク
グ リ コ ン)の
両方
を 認 識 す る か 、 あ る い は 、 糖 鎖 部 分 の み を認 識 す る の か
不 明 確 で あ る(7-12)。
質 品 質 管 理 機 構 は 必 要 不 可 欠 で あ る 。 特 に 、
Calnexin/Calreticulin(CNX/CRT)サ
糖 タ ンパ
イ ク ル は 、そ の 中 心 機i
以 前 の 我 々 の 研 究 に お い て 、 過 剰 量 のCRT存
在 下、ア
構 と し て 、 タ ン パ ク 質 の 正 常 な 折 り畳 み に 寄 与 して い る
グ リ コ ン 構 造 に 活 性 が 左 右 され な いglucosidaseII(13)が
(1)。CRTは
疎 水 性 の ア グ リ コ ン を 有 す るGIM9型
、 こ の サ イ ク ル に お い て 、 折 り畳 み セ ン サ ー
基 質 よ り も親 水 性
酵 素UGGT(UDP-Glucose:glycoproteinglucosyltransferase)
の ア グ リ コ ン を 有 す るGIM9型
と 共 同 し 、 新 生 糖 タ ン パ ク 質 上 のGlclMangGlcNAc2
しや す い こ と を 示 し て い る(14)。
(GIM9)型
の 基 質 を 捕 捉 し 、glucosidaseIIの 基 質 へ の ア ク セ ス を 阻 害
糖 鎖 を 認 識 し 、 タ ン パ ク 質 部 分 の 折 り畳 み を
促 進 す る機 能 が 知 ら れ て い る(2-5)。CRTは
、1つ の 糖 鎖
し て い る こ と 、 す な わ ち 、CRTは
基 質 か らGlc残 基 を 切 断
こ れ は 、CRTが
疎 水性
糖 鎖 だ け で な く、 ア グ
認 識 ドメ イ ン を 有 し 、 そ こ か ら 長 い ヘ ア ピ ン を 伸 張 し、
リ コ ン の 疎 水 性 度 を も認 識 し て い る こ と を 示 唆 し て い る 。
プ ロ リ ン リ ッ チ な ドメ イ ン を 形 成 す る 。X線
結 晶構 造 解
折 り畳 み 過 程 で 、 タ ン パ ク 質 は 成 熟 す る に 従 い 、 疎 水 性
基が糖鎖
の ア ミ ノ酸 配 列 が 内 包 され 、 そ の 疎 水 性 度 が 低 下 す る 。
析 か ら 、GIM9型
糖 鎖 上 の グ ル コ ー ス(Glc)残
認 識 ドメ イ ン と 糖 鎖 と の 相 互 作 用 に 必 須 で あ る こ と が 示
し た が っ て 、 こ れ ら の こ と か ら 、CRTは
、未 成 熟 で 疎 水
性 度 の 高 い 糖 タ ンパ ク 質 と 強 く相 互 作 用 し 、 逆 に 、 成 熟
*1:成
膜 大学 理 工学部 物質生命 理工 学科 助教
し親 水 性 度 の 高 い 糖 タ ンパ ク 質 と の 相 互 作 用 は 弱 く な る
*2:成 瞑大学 理工学部 物質生命理 工学科 准教授([email protected]
,seikei,ac,jp)
一19一
と推 測 され た 。
成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告
A
本稿 で は 、こ の仮 説 の立 証 を題 材 に 、糖 鎖 一レクチ ン相
互 作 用 解 析 に お け るサ ー マル シ フ トア ッセ イ(15)の
Vol.52No.2(2015.12)
B400
有
12000
9000
0
差
2.サ
、。。。
0
0
4
トミ⊃﹄ぱマ
用性 に つ い て議 論 す る。
一800
3000
ー マ ル シ フ トア ッ セ イ
・1200
0
25303540455055
25303540455055
サ ー マ ル シ フ トア ッセ イ は 、SYPROOrangeと
い う蛍 光
τノ。C
Tノ 。C
物 質 と リア ル タイ ムPCRの 装 置 を用 い て 、 タ ー ゲ ッ トタ
Figure1.Determinationofdenaturationtemperature(Td)of
ンパ ク質 の 変性 温 度 を 測 定 し、 そ の 相 対 的 な 安 定 性 を評
calreticulin(CRT》.TheCRTsolution(20μL)inthepresenceof
価 す る こ とが で き る手 法 で あ る。 す な わ ち、 タ ンパ ク質
SYPRO⑪Orangedyewasgraduallyheatedfrom25。Cto55。C
の熱 変性 の過 程 で 、 天 然 で は タ ンパ ク質 の 立 体 構 造 中 に
inareal-timePCRdevice,andthefluorescenceintensitywas
monitoredtoobtainmeltcurves(A).Themeltpeaks(B)revealed
内 包 され て い る疎 水 性 領 域 が 露 出 す る 。 こ の と き 、
thattheTdforCRTrangedfrom45.6。Cto45.8。C.Temperature
SYPROOrangeは
、露 出 した 疎 水 性 領 域 に特 異 的 に結 合 し、
atthelocalminimumsrepresentsTd.
蛍 光 を発 す る。 この 蛍 光 強 度 の 変 化 をモ ニ タ リン グす る
こ とで タ ンパ ク質 の 変 性 温 度 を測 定 す る こ とが 可 能 とな
8,12μM)と60x濃
る。 こ こで 、 タ ンパ ク質 とそ の リガ ン ド分 子 が 共 存 す る
をTris-bufferedsaline(pH7.4)/10mMCaCl2(TBSCa)中
と、タ ンパ ク質 一リガ ン ド複 合 体 が形 成 され 、タ ンパ ク質
総 溶 液 量20pLで
が 安 定化 され るた め 、 リガ ン ドとの 相 互 作 用 の 親 和 性 に
Bio-Rad)に
依 存 して タ ンパ ク質 の 変 性 温 度 は 上 昇 す る。 この 変 性 温
が ら 、 励 起 光470㎜
度 の 変 化(△Td)を
タ リ ン グ し た 。 こ れ に よ り得 られ た 曲 線 をMeltcurveと
指 標 と して 、 タ ンパ ク質 一リガ ン ド相
度 のSYPROOrange(Original:5000x)
混 和 し、リ ア ル タ イ ムPCR装
て 、0.20C/10secで
で
置(CFX96,
段 階 的 に 温 度 を 上 昇 させ な
を 照 射 し 、570nmの
蛍 光 強 度 をモ ニ
い
互 作 用 を 評価 す る こ とが 可 能 とな る。 これ ま で 、 サ ー マ
い 、 こ の 変 曲 点 が 変 性 温 度 を 示 して い る(Fig.1A)。
ル シ フ トア ッセ イ は 、創 薬研 究 に お い て 、 比 較 的 親 和 性
に 、変 曲 点 を 明確 にす るた め 、 蛍 光 強度 を温 度 で微 分 し
の 強 い タ ンパ ク質 一リガ ン ド相 互 作 用 の ス ク リー ニ ン グ
た 曲 線Meltpeakを
に 用 い られ て き た が 、 本研 究 で は 、 比 較 的 親 和 性 の 弱 い
求 め られ る(Fig.IB)。
レ クチ ンー
糖 鎖 の相 互 作 用 に適 用 可 能 か 検 証 す る。 ま た 、
の 変 性 温 度 は 、45.6-45.8。Cで
生 体 分 子 の 相 互 作 用 解 析 には 、 等 温 滴 定熱 量 測 定(ITC)
4μMのCRTで
や 表 面 プ ラズ モ ン共 鳴 法(SPR)な
どが 用 い られ て き た。
描 く と、 そ の極 小値 を変性 温 度 と して
よ っ て 、 こ れ ら の 結 果 か ら 、CRT
あ る こ と が 明 ら か と な り、
変 性 温 度 を評 価 で き る こ とが示 唆 され た 。
そ こ で 、 続 い て 、 疎 水 性 度 の 異 な る ア グ リ コ ン構 造 を
サ ー マ ル シ フ トア ッセ イ で は 、 ミ リグ ラム オ ー ダ ー の タ
もつGIM9型
ンパ ク 質 が 必 要 なITC(16)と
Glu-tBu;Structures,seeFig.2A;Hydrophobicities,seeFig.
比 較 し、 マ イ ク ロ グ ラム オ
糖 鎖 リガ ン ド(GIM9-oH,-Gly-NH2,-Gly-
ー ダ ー の タ ンパ ク 質 で 相 互 作 用 を解 析 で き る。ま た 、SPR
2B)を
で は 、 た とえ 生 体 内 で は 可 溶 性 の タ ンパ ク質 と して 存 在
セ イ に て 評 価 し た 。 こ こ で は 、CRT(4μM)と
して い る タ ンパ ク質 で も 固 定 化 が 必 須 で あ る(17)が
鎖 リ ガ ン ド(12μM)をTBSCa中
、
さら
合 成 し 、CRTと
の 相 互 作 用 を サ ー マ ル シ フ トア ッ
各GIM9糖
で 混 和 し 、4QCで1時
間
サ ー マ ル シ フ トア ッセ イ で は 、 固 定 化 の 必 要 は な く、 溶
プ レ イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ン し た 後 、SYPROOrangeを60x濃
液 状 態 で 相 互 作 用 を解 析 す る こ とが で き る とい うメ リッ
度 で 添 加 し 、 サ ー マ ル シ フ トア ッ セ イ に 供 し た 。 得 ら れ
トが あ る。そ こで 、本研 究 で は 、これ らの 利 点 を活 か し、
たMeltpeakか
生 体 内 で は 可 溶 性 タ ンパ ク質 と して 存 在 す るCRTと
変 性 温 度 を 算 出 し た(Fig.2c)。
様 々 な ア グ リコ ン構 造 を もつ 合 成GIM9リ
くは 、 変性GIM9型
、
ガ ン ド、 も し
ら 、 そ れ ぞ れ の リ ガ ン ド共 存 下 で のCRTの
そ の 結 果 、 リガ ン ド非 存
在 下 に 比 べ 、GIM9-oH,-Gly-NH2,-Gly-Glu-tBuの
糖 タ ンパ ク質 との 相 互 作 用 をサ ー マ
度 は そ れ ぞ れ 、0.6,1.0,2.OOC上
ル シ フ トア ッセ イ に て評 価 し、 そ の 有 用性 を 検 証 した 。
ら 、CRTと
変性 温
昇 した。 これ らの 結 果 か
リガ ン ド と の 相 互 作 用 は ア グ リ コ ン の 疎 水 性
度 に従 っ て 強 くな る こ とが示 され た。 ま た 、 比 較 的親 和
3.CRTと
合 成 リ ガ ン ドと の 相 互 作 用
性 の 弱 い レ ク チ ン 糖 鎖 相 互 作 用 に も 、サ ー マ ル シ フ トア
ッセ イ を 適 用 す る こ と が 可 能 で あ る こ と が 示 唆 され た 。
CRTと
に 、CRT単
リガ ン ドと の 相 互 作 用 を 評 価 す る た め 、 は じめ
体 で の 変 性 温 度 を サ ー マ ル シ フ トア ッ セ イ に
て 導 き 出 し た 。 こ こ で は 、 リ コ ン ビ ナ ン トの ヒ トCRT(4,
一20一
Vol.52No.2(2015.12)
成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告
A爺
謬
熱 処 理 し 、変 性 度 の 異 な るlgYの 調 製 を 試 み た 。変 性 度 は
SYPROOrangeの
・
唱
課
蛍 光 強 度 に よ り測 定 し た(Fig.3C)。
結 果 か ら 、IgYは70。Cで
中程 度 、 サ ー マ ル シ フ トア ッ セ
イ で 算 出 し た 変 性 温 度 を 超 え た75。Cで
盤熱 改
諜 ざ曝 汽6蛾8
この
完 全 に変 性 した
ト
モ
もの を 調 製 で き る こ とが 示 され た。 した が っ て 次 項 の
鞠轡
触算
・
相 互 作 用 解 析 で は 、 未 処 理 のIgYを
70。C,750Cで
熱 処 理 し たlgYを
天 然型 、
そ れ ぞ れ 部 分 変性 型 、完 全
変 性 型 と して評 価 す る こ と と した。
R・1-・
CRTとIgYの
HO
室/N・rへ
馳NH・
ズ ・N▽ へ ・・/\/"ピNH2
0HCoofBu
O
GIM9・OHGIM9・Gly・NH2
GIM9・Gly・Glu/Bu
B
A
B1、C
tNPG[ycans
LlgandTd[C}
-noIigand
200
,458
・GlM9-Ofl
0
§12
、464
6
0
0
2
冒
﹂﹂︾
、⊃﹂匡η,
8
2000
,468
・400
1長
0
乞謹
・2。00
lll
.11
4
2
三 8 =8 。。o﹂〇三﹂)
価ρo昼 o﹂9 =
一'邑
饗 鵬 野
-一 一 ・GIM9-Gly・NH2
書 塁10
4000
tromrgYGUddes
GIM9
←
←
等
0
・600
・4000
_1協
・6000
21JM.714、1
-一 一・4μM
,714、,
一
一8μM
,712t
--16pM
,710
・8000
3540455055
一
〇H-Gly-NH2-Gly-Glu-fBu
了1。C
PNG。,JF
一、。。
20
・600
0
Dataareexpressedasthemean±standarddeviation(nニ3).
,な
ミ
卍'2。o琴
40
intensityofthederivativesinthepresenceofSYPRO(R)Orange.
、 一 〉 \
0
60
hydrophobicitywasevaluatedbymeasuringthefluorescence
200
80
TheaglyconehydrophobicitiesofGIM9-derivatives.The
00
(
會 ω=2ε 8 5 器20⊇﹂︺
盆 〇三〇言 oも盈 8 薯 3ω
AglyconestructuresofthesynthesizedGIM9-derivatives.(B)
D400
20
C
Figure2.lnteractionofCRTwithGIM9・derivatives.(A)
_-lgY`!{)C)、462
・800
47075
τ「eatedtemperatureTノ
35
。C
preincubation,themixturesofCRT(4μM)andGIM9-
Figure3.lnteractionofCRTwithaGIM9・glycoprotein,
derivatives(121」M)weresubjectedtoTSA(35。Cto55。C).
immunoglobulinY(lgY》.(A)Analysisof〈1-glycansonIgY.〈1-
Curvesrepresenttypicalmeltpeaks.
GlycancontentoflgYwasanalyzedusingfluorophore-assisted
carbohydrateelectrophoresis.TheN-glycansreleasedfromlgY
糖 タ ンパ ク 質 の 作 製
werelabeledwithANDSthroughareductiveaminationand
SDS-PAGEd.Bandswereanalyzedusinganimageanalyzer.
次 に 、 実 際 の 糖 タ ン パ ク 質 とCRTと
Theguides,GlM9andM9glycans.(B)DeterminationofTdof
の相 互 作 用 をサ ー
lgYTbmonitorthechangesinthefoldingstatusoflgYduring
マ ル シ フ トア ッ セ イ に て 検 証 す る た め 、 変 性 状 態 の 異 な
heatdenaturation,lgYwassubjectedtoTSA(25。Cto95。C).
るGIM9型
GIM9型
糖 タ ンパ ク質 の 調 製 を試 み た 。 モ デ ル とな る
ImmunoglobulinY(lgY)を
にGIM9型
ThecurvesrepresenttypicalmeltpeaksoflgY(C)Heat
糖 タ ン パ ク 質 に は 、 ニ ワ ト リ 由 来 の
regulationofthedenaturationstateoflgY.Tbpreparedif「erent
用 い た 。 本 研 究 で 用 い たlgY上
foldingformsoflgY,lgY(4μM)washeatedattheindicated
糖 鎖 が 存 在 す る こ と は 、Fluorophore-assisted
carbohydrateelectrophoresis(FACE)シ
て 確 認 した(Fig.3A)。
ス テ ム(18)を
temperaturesfor2min.SYPRO⑪Orangewasaddedtothe
用い
solutionandthesurfacehydrophobicitywasevaluatedby
measuringthefluorescenceintensity.Dataareexpressedasthe
ま た 、IgYを 種 々 の 濃 度 で サ ー マ
ル シ フ トア ッ セ イ に 供 し 、IgYの
mean±standarddeviation(n=3).Forsubsequentanalysesof
変 性 温 度 が71.0-71.4QC
の 範 囲 に あ る こ と が 示 さ れ た(Fig.3B)。
この 結 果 か ら、
theinteractionofCRTwithlgY,lgYsunheatedandheatedto
70。Cand75。Cwereusedasnative,partiallydenatured,and
IgYとCRTの
変 性 温 度 は 大 き く 異 な っ て お り、サ ー マ ル シ
completelydenaturedforms,respectively.(D)lnteractionofCRT
フ トア ッ セ イ に て 、 こ れ ら の タ ン パ ク 質 が 共 存 して い て
withlgY.Aftera12-hpreincubationofCRT(4μM)andlgY(8
もCRTの
変 性 温 度 の 変 化 を測 定 可能 で あ る こ とが 示 唆 さ
μM)withorwithoutheatdenaturation,themixturewassubjected
れ た 。 さ ら に 、IgYの
変 性 度 が65。C付
し て い る こ と か ら 、IgYを70、
近 か ら大 き く上 昇
も し く は 、75。Cで2分
toTSA(35。Cto80。C).Curvesrepresenttypicalmeltpeaks
間
rangingfrom35。Cto55。C.
一21一
ご 、=.認
》
三縣灘 乱、
、1
(C)InteractionofCRTwithGIM9-derivatives.Afteranhour
性GIM9型
思[ぜ、
惣
2J「3545556J「758595
Tノ 。C
4.変
一・
憩 こ1づ
40
,ll,
50
55
成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告
5.CRTと
参考文献
変 性lgYと の 相 互 作 用
1
最 後 に 、CRTとGIM9型
糖 タ ン パ ク 質 モ デ ル と して 、
天 然 型 、部 分 変 性 型 、完 全 変 性 型lgYと
diseases,Physiol.Rev.87(2007)1377-1408.
2
に て 混 和 し 、12時 間
プ レ イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ン し た 後 、SYPROOrangeを
サ ー マ ル シ フ トア ッセ イ に 供 し た(Fig.3D)。
degradation,BiochemJ.348(2000)1-13.
そ の結 果 、
存 下 で は 、CRTの 変 性 温 度 に 変 化 が 認 め ら れ
な か っ た こ と か ら 、CRTは 天 然 型lgYと
A.J.Parodi,RoleofN-oligosaccharideendoplasmic
reticulumprocessingreactionsinglycoproteinfbldingand
添 加 し、
3
天 然 型lgY共
D.NHebert,M.Molinari,InandoutoftheER:protein
folding,qualitycontrol,degradation,andrelatedhuman
の 相 互 作 用 をサ ー
マ ル シ フ トア ッ セ イ に て 解 析 し た 。こ こ で は 、CRT(4μM)
と そ れ ぞ れ のIgY(8μM)をTBSCa中
Vol.52No.2(2015.12)
D.N.Hebert,B.Foellmer,A.Helenius,Calnexinand
calreticulinpromotefblding,delayoligomerizationand
は ほ とん ど相 互 作
用 し な い こ と が 示 さ れ た 。一 方 で 、部 分 変 性 型 で は0.2。C
suppressdegradationofinfluenzahemagglutininin
上 昇 し 、完 全 変 性 型 で は0.40Cの
microsomes,EMBOJ.15(1996)2961-2968.
上 昇 が 認 め られ た 。 よ っ
4
て 、 タ ン パ ク 質 部 分 の 変 性 度 が 上 昇 す る に 従 っ て 、CRT
LA.Rutkevich,D.B.Williams,Participationoflectin
とlgYと の 親 和 性 が 高 ま る こ と が 示 さ れ た 。 ま た 、タ ン パ
chaperonesandthioloxidoreductasesinproteinfblding
ク 質 同 士 の 相 互 作 用 に つ い て も、 各 々 の 変 性 温 度 が 異 な
withintheendoplasmicreticulum,Curr.OpinCellbiol.23
れ ば 、 サ ー マ ル シ フ トア ッ セ イ に て 評 価 す る こ と が 可 能
(2011)157-166.
5
で あ る こ とが 示 唆 され た。
し か しな が ら、CRTと
K.Totani,YIhara,T.Tsujimoto,1.Matsuo,YIto,The
recognitionmotifoftheglycoprotein-fbldingsensor
合 成 リガ ン ドとの サ ー マ ル シ フ
トア ッ セ イ に 比 べ て 、 変 性 温 度 の 変 化 は 小 さ か っ た 。 こ
enzymeUDP-Glc:glycoproteinglucosyltransferase,
れ に は 、IgYの 濃 度 、GIM9型
Biochemistry48(2009)2933-2940.
糖 鎖 の含 有 量 、ま た そ れ ら
6
の バ ラ ンス の 問題 が 挙 げ られ る。 す な わ ち、 本 研 究 で 用
い たlgYに
はGIM9型
糖 鎖 は12%程
い 。 そ の た め 、CRTの
G.Kozlov,C.L.Pocanschi,A.Rosenauer,S.BastosAristizabal,A.Gorelik,D.B.Williams,K.Gehring,
度 しか 含 ま れ て い な
Structuralbasisofcarbohydraterecognitionby
リ ガ ン ド と な り得 るGIM9型IgYの
calreticulin,J.Biol.Chem.285(2010)38612-38620.
含 有 量 が 極 め て 低 い と い う問 題 点 が あ る 。 こ れ を 解 決 す
7
る た め 、サ ー マ ル シ フ トア ッセ イ に お い て 、IgYの モ ル 数
A.R.Rodan,J.ESimons,E.S.Trombetta,A.Helenius,
を 増 加 し た が 、CRTのMeltpeakがlgYのMeltpeakに
N-linkedoligosaccharidesarenecessaryandsufficientfor
て し ま い 、CRTの
た(datanotshown)。
埋没 し
associationofglycosylatedfbrmsofbovineRNasewith
変 性 温 度 を測 定す る こ とが で きな か っ
そ の た め 、 よ り明 確 にCRTの
calnexinandcalreticulin,EMBOJ.15(1996)6921-6930.
リガ ン
糖 タ ンパ ク質
と の 差 を 検 証 す る た め に は 、 よ りGIM9型
糖 鎖 を有 す る
8
ド認 識 に つ い て 、 天 然 型 と 変 性 型GIM9型
S.Allen,N.J.Bulleid,Calnexinandcalreticulinbindto
enzymicallyactivetissue-typeplasminogenactivator
duringbiosynthesisandarenotrequiredfbrfbldingtothe
タ ンパ ク 質 の含 有 量 を 高 め る必 要 が あ る と考 え られ る。
nativeconformation,Biochem.J.328(1997)ll3-119.
9
6.結
論
A.Zapun,S.M.Petrescu,PM.Rudd,R.A.Dwek,D.Y
Thomas,J.J.Bergeron,Calnexinandcalreticulinbindto
以 上 の こ とか ら、タ ンパ ク質 を リガ ン ドとす る 際 に は 、
enzymicallyactivetissue-typeplasminogenactivator
タ ー ゲ ッ トとな る糖 鎖 を もつ タ ンパ ク質 の 含 有 量 な ど を
duringbiosynthesisandarenotrequiredfbrfbldingtothe
考 慮 す る必 要 は あ るが 、比 較 的 親 和 性 の 弱 い レ クチ ンー
糖
nativeconformation,Cell88(1997)29-38.
鎖 相 互 作 用 の解 析 に サ ー マ ル シ フ トア ッセ イ を適 用 す る
10.B.DiJeso,L.Ulianich,EPacifico,A.Leonardi,P.Vito,
こ とが 可 能 で あ り、 本研 究 を通 じて 、CRTはGIM9型
糖
E.Consiglio,S.Formisano,P.Arvan,Foldingof
タ ンパ ク 質 との 相 互 作 用 に お い て 、 糖 鎖 部 分 だ けで は な
thyroglobulininthecalnexin/calreticulinpathwayandits
く、 ア グ リコ ン部 分 の 疎 水 性 度 を識 別 す る こ とが 示 され
alterationbylossofCa2+fromtheendoplasmicreticulum,
た。
Biochem.J.370(2003)449-458.
本研 究 に よ り、CRTとGIM9型
11.L.Mancino,S.M.Rizvi,PELapinski,M.Raghavan,
糖 タ ンパ ク質 との 相 互
作 用 に お け るア グ リコ ン認 識 に つ い て 新 た な 知 見 を加 え
CalreticulinrecognizesmisfbldedHLA-A2heavychains,
る こ とが で き た。
Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.99(2002)5931-5936.
一22一
成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告
12.YSaito,YIhara,M.R.Leach,M.F.Cohen-Doyle,D.B.
Williams,Calreticulinfunctionsinvitroasamolecular
chaperonef()rbothglycosylatedandnon-glycosylated
proteins,EMBOJ.18(1999)6718-6729.
13.M.F.Pelletier,A.Marcil,G.Sevigny,C.A.Jakob,D.C.
Tessier,EChevet,R.Menard,J.J.Bergeron,D.Y
Thomas,TheheterodimericstructureofglucosidaseIIis
requiredfbritsactivity,solubility,andlocalizationinvivo,
Glycobiology10(2000)815-827.
14.K.Totani,YIhara,1.Matsuo,YIto,Substratespecificity
analysisofendoplasmicreticulumglucosidaseIIusing
synthetichighmannose-typeglycans,J.Biol.Chem.281
(2006)31502-31508.
15.U.B.Ericsson,B.M.Hallberg,G.T.Detitta,N.Dekker,
P.Nordlund,Thermofluor-basedhigh-throughputstability
optimizationofproteinsf()rstructuralstudies,AnaL
Biochem.357(2006)289-298.
16.YLiang,Applicationofisothe㎜altitrationcalorimetry
inproteinscience,ActaBiochim.Biophys.Sin.40(2008)
565-576.
17.P.LKastritis,A.M.J.J.Bonvin,Onthebindingaffinity
ofmacromolecularinteractions:daringtoaskwhy
proteinsinteract,J.R.Soc.Interface10(2013)20120835.
18.N.Gao,M.A.Lehrman,Altemativeandsourcesof
reagentsandsupPliesoff【uorophore-assisted
carbohydrateelectrophoresis(FACE),Glycobiologyl3
(2003)lG-3G.
一23一
Vol.52No.2(2015.12)