遠賀町障害者計画概要版

遠賀町障害者計画
【概要版】
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計画策定の目的、計画期間
本計画は、障害者基本法(第 11 条)に基づいて、障害者の自立及び社会参加の支援等
のための施策について、総合的かつ計画的な推進を図るため策定しました。
「第5次遠賀
町総合計画」
(計画期間:平成 24 年度∼33 年度)を上位計画としており、障害福祉サ
ービスの計画である「第3期遠賀町障害福祉計画」
(計画期間:平成 24 年度∼26 年度)
と調整を図っています。
見直し前の「遠賀町障害者計画」は、平成 20 年度から平成 29 年度までを計画期間と
していることから、本計画はこれを見直し、平成 25 年度から平成 29 年度までを計画期
間とします。
2
現状と課題
(1)障害のある人の現状
●身体障害者 身体障害者手帳の所持者数は 844 人です。1級の人が 250 人と最も多
く、重度の障害者が多い状況にあります。
■ 身体障害者手帳所持者数
実数
構成比
(人)
(%)
1級
250
29.6
2級
150
17.8
3級
129
15.3
4級
196
23.2
5級
53
6.3
6級
66
7.8
合計
844
100.0
●知的障害者 療育手帳の所持者数は 135 人です。最重度・重度のAの人が 77 人と
多い状況にあります。
■ 療育手帳所持者数
実数
構成比
(人)
(%)
A(最重度・重度)
77
57.0
B(中度・軽度)
58
43.0
合計
135
100.0
●精神障害者 精神障害者保健福祉手帳の所持者数は 72 人です。2級の人が 46 人と
最も多い状況にあります。自立支援医療費(精神通院医療)受給者数は
175 人です。
■ 精神障害者保健福祉手帳所持者数
■ 自立支援医療費受給者数
1級
実数
構成比
(人)
(%)
5
6.9
2級
46
63.9
3級
21
29.2
合計
72
100.0
人数
自立支援医療費(精神通院
医療)受給者数
175人
出典:庁内資料(平成 24 年1月末日)
1
(2)課題整理
本計画策定のために実施した基礎調査
(アンケート調査)結果、障害者施策実施状況、
ワークショップ、ヒアリング等から次のように障害者施策の課題を整理しています。
1.専門的な相談機関、情報提供が必要です。
・気軽に継続的に相談できる体制の整備が必要です。相談支援事業、地域活動支援セン
ター1等の整備・充実を図る必要があります。
・当事者やその家族から、支援者側の理解・知識・技術の不足が指摘されています。支
援においては、研修や行政・福祉事業者間の連携等により、専門性の向上を図る必要
があります。
・既存の支援がしっかりと活用できるために、福祉サービス情報の取得、相談窓口の利
用のしやすさが求められています。
・定期的な障害のある人の状況把握と、その必要な体制づくりが求められています。
2.障害のある人と支える家族への理解、交流の場が必要です。
・どのような障害があり、どのような問題を抱えているのか、地域住民が理解するため
に、子どもの時から理解と共感の心が形成される啓発活動等が必要です。
・障害のある人と障害のない人が一緒に活動し、ふれあえる場づくりを進める必要があ
ります。
・さらに、障害のある人やその家族がひとりで問題を抱えず、いろんな人と出会い、交
流し、情報交換できる場をつくる必要があります。
・障害のある人の外出、社会活動を支えるために、また、家族の負担を軽減するために
も、ボランティアの育成、組織の育成が必要とされています。
3.外出できる機会、学習と仕事につながる場、働く場づくりが必要です。
・障害のある人がコミュニケーションを楽しみ、積極的に外出できる場、学習できる場、
仕事に結びつけることができる場づくりが必要です。
・農産物などまちの特産を活かした名産品づくりの場、飲食店やショップなど障害のあ
る人の働く場が必要とされています。
1
地域活動支援センター:地域の実情に応じ、障害者へ創作的活動又は生産活動の機会の提供、社会との交流の
促進等を目的とした事業を実施する施設。
2
4.障害のある児童の就学及び卒業後の日中活動における支援が必要です。
・基礎調査及びヒアリングでは、障害のある子どもの将来を心配する意見がありました。
就労の場、地域交流の場、レクリエーションの場以外にも特に目的はないが来ること
ができる障害のある人の居場所も必要とされています。
5.障害のある人の状況に適切に対応できる保健・医療・福祉の充実と連携が必要です。
・障害の早期発見・高齢化・家族の負担への対応等、障害のある人の状況に適切に対応
できるように、保健・医療・福祉の充実と関係課・関係機関の連携が求められていま
す。
6.外出しやすく、安全・安心で生活しやすい環境整備が必要です。
・道路や駐車場のバリアフリー化2、公的な施設のユニバーサルデザイン3、周りの住民
の積極的な介助・誘導の支援、交通マナー等のモラル形成への対応が必要です。
・自宅での段差の解消等のバリアフリー化や手すり等の整備が必要です。また、地域社
会においても、安全で安心して生活できる環境の整備が必要です。
7.災害時における障害のある人の避難支援体制の整備が必要です。
・本町では、平成 22 年度に「遠賀町災害時要援護者避難支援プラン4」を作成し、災害
時要援護者台帳の整備や要援護者避難訓練の実施等に取り組んでいますが、基礎調査
では、『緊急時や災害時の支援体制の充実』が要望として高く、今後も、災害時・緊
急時の支援体制づくり及び、緊急時支援体制についての周知が求められています。
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3
4
バリアフリー化
:公共の建築物や道路、個人の住宅において障害者や
高齢者等が安心して利用できるように配慮した生活
空間にすること。物理的な障壁だけでなく、社会参
加への障壁の排除など精神的な意味でも用いられる。
ユニバーサルデザイン:全ての人に使いやすい形態等を意味する言葉で、幼
児から高齢者まで、障害の有無に関わらず、誰もが
使いやすい製品や生活しやすい建築・生活環境、社
会のしくみをめざそうという考え方。
遠賀町災害時要援護者避難支援プラン
:災害発生時における要援護者への支援を適切かつ円
滑に実施するため、本町における要援護者の避難支
援対策について、その基本的な考え方や進め方を明
らかにしたもの。
3
3
基本理念と目標
課題整理から、障害のある人が住民とともに生き生きとした生活を送れるように基本理
念と目標を次のように設定します。
(1)施策の体系
【基本理念】
【目
標】
【施
策
の
柱】
(1)相談支援の体制づくり
いきいきと、人が輝く福祉のまちづくり
1.障害のある人・
家族を支える体制
づくり
(2)支援の受けやすさの向上 ※
(3)支援者の専門性の向上 ※
(4)地域の支援体制づくり
(5)障害のある人・家族の交流の場
づくり
(6)ボランティア等の育成
(7)広域との連携強化
(8)障害のある人の状況把握と体制
づくり ※
2.障害のある人への
理解とふれあいの
場づくり
3.生きがいのある活動
の場づくり
(1)啓発・広報活動の推進
(2)権利擁護
(3)福祉教育の推進
(4)交流活動の推進
(1)障害のある児童への教育の充実
(2)生きがいのある働く場づくり
(3)地域活動への参加促進
(4)スポーツ・レクリエーション
文化活動等の促進
(1)障害の予防と早期発見
4.保健・医療・福祉の
支援体制づくり
(2)保健・医療の充実
(3)福祉サービスの充実
(4)生活安定施策の推進
(5)高齢者施策・精神保健等との
連携強化
(1)移動手段の確保
5.安全・安心で生活
しやすい環境づくり
(2)安全な交通環境の整備
(3)公共建築物等の整備
(4)住みやすい住宅整備の推進
(5)防犯対策の推進 ※
(6)防災対策の推進 ※
※ 施策の柱として新たに追加したもの
4
4
重点施策
障害のある人を取り巻く状況の変化、施策の実施状況等を踏まえ、平成 29 年度までに
以下の施策について、重点的に取り組みます。
(下記の施策は全て
【重点施策】です。
)
1.相談支援の体制づくり
1)相談支援事業の実施
相談支援事業を専門職員の配置を行っている専門機関に委託して相談窓口の充
実を図ります。事業所間での情報交換・事例検討・研修を行い専門性を高めます。
2)関係機関との連携強化
相談支援事業における困難事例の検討・情報共有・地域課題解決のため、遠賀郡
4町と中間市で障害者支援協議会を設置します。
また、周辺の医療機関や障害福祉サービス事業者等との連携を図り、さらに、障
害者就業・生活支援事業等の県の福祉施策との連携を図りながら、効率的で適正な
施策の推進を図ります。
2.支援の受けやすさの向上
1)情報提供の充実
制度改正に対応した情報提供に努めるとともに、サービスを周知する情報提供の
充実を図ります。
2)相談窓口の利用のしやすさの向上
障害のある人の相談支援事業実施箇所の拡充を図り、相談窓口の休日利用につい
て事業所と協議します。
3.地域の支援体制づくり
1)地域における見守り・支え合いの推進
地域住民により、地域の施設や組織等の社会資源を活かしながら、ひとり暮らし
高齢者や障害のある人等の自立した生活を地域住民や組織で支え合い、見守り等の
活動の推進を図ります。
また、災害時要援護者台帳を活用した地域の見守り体制を整えます。
5
4.啓発・広報活動の推進
1)啓発広報活動の充実
①
「広報おんが」、遠賀町ホームページ等によって、障害のある人に対する正し
い理解と知識の普及・啓発を行います。また、各種地域団体等を対象に障害への
理解を深める講座の開催を検討します。
② 「広報おんが」やパンフレット、遠賀町ホームページ等により、障害のある人
及び介護者・保護者に対する福祉・保健・医療制度等の周知及びサービスの利用
の案内を行います。
③
障害者週間を「広報おんが」等で紹介し、また、講演会等を開催し、障害のあ
る人への住民の理解が深まるように啓発します。
5.権利擁護
1)成年後見制度の周知・活用
障害等により判断能力が不十分な人に代わって財産管理や身上監護等を行う成
年後見制度について、地域包括支援センターと連携して制度の広報を行います。ま
た、専門機関と連携し、講座や相談会の開催に取り組みます。
6.生きがいのある働く場づくり
1)就労の場づくりの検討
障害のある人が就労できる場づくりに向けて、国・県の就労支援に関する制度や
事業所における先進事例等の就労に関する情報提供に努めます。また、障害のある
人の雇用を活用した各種事業の推進を検討します。
2)情報提供
在宅の障害のある人へ就労支援サービスや就職に関する情報の提供等に努め、就
労の促進を図ります。
3)就労移行支援・就労継続支援の推進
「障害者自立支援法」に基づく就労移行支援や就労継続支援(A型、B型)の推
進を図ります。特に、本町及び周辺市町村では、就労継続支援(A型)の実施事業
所が少ないため、実施事業所の確保を図ります。
4)関係機関との連携
広域で設置する障害者支援協議会の中で就労部会を作り、ハローワークや障害者
就労・生活支援センター、教育機関等との連携を図ります。
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特に、ハローワークとの密接な連携のもとで、事業主への雇用奨励や出張相談の
開催、就労状況把握等の障害者雇用施策を推進します。
さらに、特別支援学校等の教育機関・相談支援事業実施事業所・就労移行支援・
就労継続支援の実施事業所等との連携を図り、就労の実現を図ります。
7.福祉サービスの充実
1)日中活動系サービスの実施
①
常に介護を必要とする障害のある人に、昼間の入浴・排せつ・食事の介護、創
作的活動や生産活動の機会の提供等について適切な実施を図ります。また、医療
を必要とする障害のある人に、医療機関との連携のもと介護等のサービスを実施
します。
②
自立した日常生活又は社会生活ができるように、身体機能又は生活能力の向上
のために必要な訓練等のサービスについて、事業者・関係機関との連携のもとに
実施します。
③
就労を希望する障害のある人に、事業者・関係機関との連携のもと就労移行支
援や就労継続支援のサービスを実施します。
2)発達障害のある児童への支援の充実
「発達障害者支援法」に基づき、発達障害の早期発見、就学前の発達支援、学校
教育における発達支援、就労等について、保護者の理解を得ながら、保健・医療・
福祉・教育・労働に関する関係機関の連携のもとに進めます。
教育については、一人ひとりの教育的ニーズを把握し、巡回教育相談を活用しな
がら適切な指導・支援を行います。
8.防災対策の推進
1)緊急時に対応できる体制の整備
① 「遠賀町災害時要援護者避難支援プラン」に基づき、災害時要援護者台帳(個
別計画)の作成を推進し、障害のある人に対する誘導体制と協力体制を整備しま
す。
②
避難が困難な障害のある人が、火災発生の感知等の緊急事態を把握し対応でき
るように、地域生活支援事業による火災警報器・自動消火器・電磁調理器の給付
を図ります。また、老人福祉法に基づき高齢者が利用できる火災報知器・自動消
火器の給付を図ります。
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遠賀町障害者計画
【概要版】
発行:福岡県遠賀町福祉課
平成 25 年3月
〒811-4392
福岡県遠賀郡遠賀町大字今古賀 513 番地
TEL
093-293-1234(代表)
FAX
093-293-0806
URL
http://www.town.onga.lg.jp
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