概要 - 臨床試験情報

YM060
CONFIDENTIAL
ISN 060-CL-209
概要
治験依頼者名:
各治験の要約表
(審査当局使用欄)
アステラス製薬株式会社
商品名:未定
有効成分名:ラモセトロン塩酸塩
申請資料中の該当箇所
分冊番号:未定
ページ:未定
治験課題名:YM060(ラモセトロン塩酸塩)薬物動態試験-YM060 口腔内崩壊錠と通常錠の生
物学的同等性の検証-(口腔内崩壊錠を水とともに服用)
総括報告書の責任者:アステラス製薬株式会社 臨床管理部長
治験期間:1 カ月
開発のフェーズ:第 I 相試験
目的:非高齢健康成人男性を対象に 2 × 2 クロスオーバー法にて,YM060(ラモセトロン塩酸塩)
口腔内崩壊錠 5 μg と通常錠 5 μg を水とともに,それぞれ単回経口投与したときの生物学的同等
性について検証する。併せて,安全性について検討する。
治験デザイン・治験方法:非盲検無作為化 2 × 2 クロスオーバー試験。非高齢健康成人男性(各
群 18 例,合計 36 例)を対象とし,非盲検下で YM060 口腔内崩壊錠 5 μg 又は通常錠 5 μg を水と
ともに 1 錠,それぞれ単回経口投与した。
目標被験者数:36 例(YM060 口腔内崩壊錠 5 μg 先行群 18 例,通常錠 5 μg 先行群 18 例)
【設定根拠】
YM060 口腔内崩壊錠 5 μg と通常錠 5 μg の生物学的同等性を,2 剤 2 時期(2 × 2)のクロスオー
バー試験で検証するため,以下の仮定に基づいて被験者数を試算した。
対数正規分布を仮定した Cmax 及び AUCt の個体内変動を変動係数値で 19%とし,通常錠 5 μg
に対する口腔内崩壊錠 5 μg の真の幾何平均比(GMR)を 0.90 と仮定して,GMR の 90% CI が 80%
の検出力で 0.8~1.25 の範囲内に入るための必要最小被験者数を計算した。その結果,総被験者
数は 34 例と算出された。この例数に中止例の生ずる可能性を考慮して 1 群当たり 18 例,総被験
者数として 36 例を設定した。
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治験依頼者名:
各治験の要約表
(審査当局使用欄)
アステラス製薬株式会社
商品名:未定
有効成分名:ラモセトロン塩酸塩
申請資料中の該当箇所
分冊番号:未定
ページ:未定
診断及び選択・除外基準:
【選択基準】
以下の基準をすべて満たす場合,本治験の対象とした。
1. 性別:男性
2.
年齢(同意取得時)
:20 歳以上 45 歳未満
3.
体重(スクリーニング検査時)
:50.0 kg 以上 80.0 kg 未満
4.
体格指数(BMI)
(スクリーニング検査時):17.6 以上 26.4 未満
BMI=体重(kg)/身長(m)2
5.
過去に喫煙の経験がない者又は同意取得 90 日以前に喫煙の経験があるが,現在喫煙してい
ない者
6.
スクリーニング検査及び第 1 期入所から治験薬投与直前までに得られた診察(自覚症状,
他覚所見)
,すべての検査の結果から治験責任医師又は治験分担医師が健康であると判断で
きる者
7.
被験者本人から文書による同意が得られている者
【除外基準】
以下の基準のいずれかに該当する場合,本治験の対象としなかった。
1.
スクリーニング検査前 120 日以内に,他の治験又は製造販売後臨床試験において投薬を受
けた者
2.
スクリーニング検査前 90 日以内に 400 mL の全血採血,30 日以内に 200 mL の全血採血又
は 14 日以内に成分献血を実施した者及びスクリーニング検査以降,第 1 期入所時(Day −1)
までに上記の採血を実施する予定のある者
3.
第 1 期入所日前 7 日以内に薬剤投与を受けた者,又は薬剤投与予定のある者
4.
スクリーニング検査時及び第 1 期入所時(Day −1)の坐位血圧,坐位脈拍数,腋窩体温,
12 誘導心電図において以下の基準を逸脱する者
項目
坐位血圧
坐位脈拍数
腋窩体温
12 誘導心電図
基準範囲
収縮期血圧:90 mmHg 以上,140 mmHg 以下
拡張期血圧:40 mmHg 以上,90 mmHg 以下
40 回/分以上,99 回/分以下
35.0°C 以上,37.0°C 以下
正常あるいは臨床的に重要でない異常 a
a:例えば,洞性不整脈,非特異的 ST 上昇等
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治験依頼者名:
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各治験の要約表
(審査当局使用欄)
アステラス製薬株式会社
商品名:未定
有効成分名:ラモセトロン塩酸塩
申請資料中の該当箇所
分冊番号:未定
ページ:未定
5.
スクリーニング検査時及び第 1 期入所時(Day −1)の臨床検査において以下の基準に抵触
する者
なお,各種検査の基準範囲は検査・測定機関の基準範囲とする。
1) 血液学的検査:
基準範囲の上下限の ± 20%を逸脱する者
2) 血液生化学検査:
・AST,ALT,Cre 及び血清電解質は,基準範囲を逸脱する者
・上記以外の項目は,基準範囲の上下限の ± 20%を逸脱する者
ただし,下限値の逸脱が臨床的に問題はないと考えられるもの(AST,ALT,γ-GTP,T-Bil,
ALP,LDH,CK,T-Cho,BUN,Cre,UA)は,下限を設定しない。
3) 尿検査:
・U-Pro は(±)以上を認めた者
・U-Glu,U-Uro は(+)以上を認めた者
4) 尿中薬物検査:
ベンゾジアゼピン類,コカイン系麻薬,覚せい剤,大麻,バルビツール酸類,モルヒネ系
麻薬,フェンシクリジン類,三環系抗うつ剤のいずれかに陽性を認めた者
5) 免疫学的検査:
B 型肝炎表面抗原,C 型肝炎ウイルス抗体,ヒト免疫不全ウイルス抗原・抗体,梅毒(TP
抗体法及び RPR 法)のいずれかに陽性を認めた者
6.
薬物アレルギーの合併又は既往を有する者
7.
第 1 期入所日前 7 日以内に上部消化器症状(悪心,嘔吐,胃痛等)
,下部消化器症状(便秘,
下痢等)を発現した者
8.
過敏性腸症候群の合併又は既往を有する者
9.
慢性便秘症の合併又は既往を有する者
10. 肝疾患(ウイルス性肝炎,薬物性肝障害等)の合併又は既往を有する者
11. 心疾患(うっ血性心不全,狭心症,治療を要する不整脈等)の合併又は既往を有する者
12. 呼吸器疾患(重篤な気管支喘息,慢性気管支炎等)の合併又は既往を有する者(小児期の
非重篤な喘息の既往は除く)
13. 消化器系疾患(消化性潰瘍,逆流性食道炎,炎症性腸疾患,虚血性大腸炎等)の合併又は
既往を有する者(虫垂炎の既往は除く)
14. 腎疾患(急性腎不全,糸球体腎炎,間質性腎炎等)の合併又は既往を有する者(結石の既
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各治験の要約表
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アステラス製薬株式会社
商品名:未定
有効成分名:ラモセトロン塩酸塩
申請資料中の該当箇所
分冊番号:未定
ページ:未定
往は除く)
15. 脳血管障害(脳梗塞等)の合併又は既往を有する者
16. 悪性腫瘍の合併又は既往を有する者
17. 治験期間中に過度の運動が避けられない者
18. 日常的な飲酒量が過度である者
[過度の目安;飲酒:アルコール量として 45 g/日以上(ビール大ビン 1 本で 25 g,日本酒
1 合で 22 g のアルコールを含有)
]
19. 遵守事項に定められた期間中にアルコール,カフェイン,グレープフルーツ及びセイヨウ
オトギリソウ(セントジョーンズワート)を含有する飲食物及び煙草の摂取が避けられな
い者
20. ラモセトロン塩酸塩の投与歴のある者
21. 治験依頼者,本治験に関係する実施医療機関に雇用されている者
22. その他,治験責任医師又は治験分担医師により不適当と判断された者
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治験依頼者名:
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各治験の要約表
(審査当局使用欄)
アステラス製薬株式会社
商品名:未定
有効成分名:ラモセトロン塩酸塩
申請資料中の該当箇所
分冊番号:未定
ページ:未定
治験薬,投与量及び投与方法:
1.治験薬
被験薬
YM060 口腔内崩壊錠 5 μg
1 錠中ラモセトロン塩酸塩として 5 μg を含有する淡橙色の円形口腔内崩壊錠
対照薬
YM060 通常錠 5 μg
1 錠中ラモセトロン塩酸塩として 5 μg を含有する淡黄色のフィルムコート錠
2.投与量及び投与方法
下記に従い,投与日 9 時(1 例目の投与は 9 時を目安とし,2 例目以降順次投与する)に YM060
口腔内崩壊錠及び通常錠を水 150 mL とともにそれぞれ各被験者に経口投与した。なお,投与前
日の夕食以降は絶食とした。また,第 1 期と第 2 期の休薬期間(第 1 期投与翌日~第 2 期投与前
日)は 4 日間以上とした。
YM060 口腔内崩壊錠
5 μg 先行群(18 例)
YM060 通常錠
5 μg 先行群(18 例)
第1期
第2期
YM060 口腔内崩壊錠 5 μg
YM060 通常錠 5 μg
YM060 通常錠 5 μg
YM060 口腔内崩壊錠 5 μg
【用量設定根拠】
既に市販されている YM060 通常錠は,男性における下痢型過敏性腸症候群を効能・効果とし
て,「通常,成人男性にはラモセトロン塩酸塩として 5 μg を 1 日 1 回経口投与する。なお,症状
により適宜増減するが,1 日最高用量は 10 μg までとする。」という用法・用量にて承認されてい
る。本治験を承認用量範囲内で適切に行うため,本治験では健康成人男性を対象とし,承認用量
であるラモセトロン塩酸塩錠(通常錠)5 μg を 1 日 1 回投与と規定した。通常錠で,健康成人を
対象とした第 I 相単回経口投与試験において,国内では 1.6 mg,海外では 4.8 mg まで,また第 I
相反復経口投与試験においても国内では 0.6 mg を 1 日 2 回 7 日間,海外では 1 日 2.4 mg を 14 日
間連続投与した経験があり,忍容性が確認され,いずれの試験においても臨床上問題となる副作
用は認められていないこと,通常錠の 1 日最高用量は 10 μg までであることから,口腔内崩壊錠
5 μg を単回経口投与することについて安全性上特に問題はないと考えた。
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各治験の要約表
(審査当局使用欄)
アステラス製薬株式会社
商品名:未定
有効成分名:ラモセトロン塩酸塩
申請資料中の該当箇所
分冊番号:未定
ページ:未定
【投与間隔の設定根拠】
休薬期間は,一般に消失半減期の 5 倍以上の時間をおけば十分と考えられる。健康成人男女に
YM060 通常錠を単回経口投与したときの消失半減期は約 5~7 時間であった。以上より,休薬期
間として約 25~35 時間(約 1~1.5 日)程度が必要と考えられる。更に,頻回採血の影響等被験
者保護の観点からも,4 日間以上と設定した。
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各治験の要約表
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商品名:未定
有効成分名:ラモセトロン塩酸塩
分冊番号:未定
ページ:未定
評価期間:単回投与
併用治療(薬剤及び療法)
:
第 1 期の治験薬投与から事後検査まで,有害事象に対する治療を除き,併用治療(治験薬以外
の薬剤の使用及び治療)を禁止とした。
評価項目,評価スケジュール及び評価基準:
試験全体
スクリーニ
ング検査
期間(日目)
−31~−4
同意取得
割り付け
治験薬投与(9 時)b
被験者背景
(身長・体重)
自覚症状 d
他覚所見
バイタルサイン
(血圧・脈拍数・体温 e)
12 誘導心電図
血漿中未変化体濃度
測定用採血
血液学的検査
血液生化学検査
尿検査
尿中薬物検査
免疫学的検査
好ましくない医療上
のできごと
有害事象
X
第1期
退所
入所 f
−1
1
X
(X)a
X
2
休薬 g
2 日間
以上
第2期
退所
入所 f
−1
1
事後検査
2
3~7
中止
時
X
c
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X*
X
X
X*
X
X
X
X
X
X*
X
X
X*
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X*
X*
X*
X
X
X
X*
X*
X*
X
X
X
*:ベースライン
a:第 1 期治験薬投与前被験者の入れ替えが生じた場合は再割り付けを実施することとした。
b:第 1 例目の治験薬投与は 9:00 を目安に実施した(2 例目以降順次実施した)
。
c:入所時は体重のみ測定した。
d:治験期間中に被験者は自覚症状を発現した時点で各自「自覚症状」を治験責任医師又は治験分担医師に申し出ることとし
た。
e:各投与期 1 日目は,体温は測定しなかった。
f:第 1 期及び第 2 期治験薬投与前日(Day −1)の午後に入所させた。
g:第 1 期治験薬投与翌日から第 2 期治験薬投与前日まで 4 日以上の休薬期間を設けた(第 1 期退所翌日から第 2 期入所前日
までの間隔は 2 日間以上とした)
。
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有効成分名:ラモセトロン塩酸塩
分冊番号:未定
ページ:未定
入所期間中(第 1,2 期共通)
入所
期間(日目)
治験薬投与か
らの時間(h)
割り付け
治験薬投与(9 時)b
食事 c
被験者背景(体重)
自覚症状
他覚所見
バイタルサイ
ン(血圧・脈拍
数)
バイタルサイ
ン(体温)
12 誘導心電図
血漿中未変化
体濃度測定用
採血
血液学的検査
血液生化学検
査
尿検査
好ましくない医
療上のできごと e
有害事象
−1
-
X
投与翌
日退所
2
投与日
1
投与
前
(X)a
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
4
4.5
5
6
8
10.5
12
16
24
X
X
Xd
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
a:第 1 期治験薬投与前,被験者の入れ替えが生じた場合は再割り付けを実施することとした。
b:第 1 例目の治験薬投与は 9:00 を目安に実施した(2 例目以降順次実施した)
。
c:治験薬投与日を除く入所時の食事時刻は夕食 19:00 を目安とした。また,投与翌日の退所時はすべての検査終了後,朝食
を摂った。
d:第 1 期に体重のみ測定した。
e:第 2 期は有害事象として調査した。
1.薬物動態:
血漿中未変化体濃度
2.安全性:
バイタルサイン,有害事象,臨床検査,身体所見,心電図
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ページ:未定
統計解析
1.解析対象集団:
1.
安全性解析対象集団(SAF)
YM060 口腔内崩壊錠又は通常錠が投与された症例を安全性解析対象集団とした。
2.
薬物動態解析対象集団(PKAS)
YM060 口腔内崩壊錠又は通常錠が投与され,血漿中未変化体濃度が投与後 1 時点以上測定
された症例を薬物動態解析対象集団とした。
2.被験者背景及びその他の基準値:
SAF 及び PKAS に対し,以下の解析を行った。
・計数値項目について,度数集計を行った。
・計量値項目について,要約統計量を算出した。
3.薬物動態:
薬物動態解析対象例について,血漿中未変化体濃度測定値を用いて薬物動態パラメータの算出
並びに要約統計量の集計を行った。
薬物動態パラメータの推定
血漿中未変化体濃度
実測値に基づき,薬物動態パラメータ(Cmax,tmax,AUCinf,AUCt,kel,t1/2,CL/F,MRTinf 等)
を算出した。また,必要に応じ他のパラメータも算出することとした。
生物学的同等性の検証
算出した薬物動態パラメータのうち,Cmax 及び AUCt について YM060 通常錠 5 μg に対する口
腔内崩壊錠 5 μg の GMR 並びに 90%CI を算出した。
Cmax 及び AUCt の GMR の 90%CI が 0.8~1.25
の範囲内であったとき,空腹時に水とともに服用した口腔内崩壊錠 5 μg と通常錠 5 μg は,生物
学的に同等であると判定した。
4.安全性:
SAF に対し,投与薬剤別に以下の解析を行った。
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有害事象
有害事象の有無及び治験薬との関連性が否定できない有害事象の有無について例数,割合を示
した。各症状について,器官別大分類,基本語別に発現例数,発現率,発現件数を示した。
臨床検査値
計量値項目について,評価時期ごとに実測値の要約統計量を算出し,ケースプロットを作成し
た。また,計数値項目について,入所日(Day −1)と投与後各評価時期のクロス表を作成した。
バイタルサイン(坐位血圧,坐位脈拍数,腋窩体温)
評価時期ごとに実測値の要約統計量を算出し,ケースプロットを作成した。
12 誘導心電図
入所日(Day −1)と評価時期のクロス表を作成した。
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結果
1
被験者の内訳及び解析対象集団
本治験の症例構成を図 1 に示した。
文書同意取得 85 例のうち,36 例が治験薬投与を受け(YM060 口腔内崩壊錠先行群 18 例,通常
錠先行群 18 例)
,36 例が投与を完了した。
図1
文書同意取得
85 例
治験薬投与された被験者
口腔内崩壊錠先行群
通常錠先行群
36 例
18 例
18 例
治験を完了した被験者
口腔内崩壊錠先行群
通常錠先行群
36 例
18 例
18 例
症例構成
未投与 a
49 例
a:未投与となった理由
不適格例(選択基準を満たさなかった・除外基準に抵触した) 27 例
同意の撤回 2 例
その他(被験者充足のため 13 例,予備被験者のため 7 例) 20 例
Source:表 12.1.1,表 12.1.2,表 12.1.3,付録 13.2.1.2
2
人口統計学的及び他の基準値の特性
SAF 及び PKAS の主な人口統計学的及び他の基準値の特性を表 1 に示した。
本治験の対象は,非高齢健康成人男性であり,年齢(同意取得時)の平均値は 25.8 歳であった。
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表1
被験者背景
項目
年齢(歳)
(同意取得時)
身長(cm)
(スクリーニング検査時)
体重(kg)
(スクリーニング検査時)
BMI(kg/m2)
(スクリーニング検査時)
飲酒歴
既往症の有無
合併症の有無
例数
平均値 ± 標準偏差
中央値
最小値~最大値
例数
平均値 ± 標準偏差
中央値
最小値~最大値
例数
平均値 ± 標準偏差
中央値
最小値~最大値
例数
平均値 ± 標準偏差
中央値
最小値~最大値
なし
過去に飲んでいた
現在も飲んでいる
合計
なし
あり
合計
なし
あり
合計
人口統計学的及び他の基準値
36
25.8±5.02
25.0
20~37
36
171.16±5.728
172.05
160.5~183.0
36
60.24±5.386
59.25
50.2~74.5
36
20.58±1.672
20.10
17.9~24.8
13(36.1%)
0
23(63.9%)
36
36(100.0%)
0
36
36(100.0%)
0
36
解析対象:SAF 及び PKAS
例数(割合)
Source:表 12.2.1,表 12.2.2
3
治験薬の曝露
治験責任医師又は治験分担医師及び治験協力者が被験者の服薬に立会い,治験薬が服薬された
ことを確認した。
4
薬物動態
血漿中未変化体濃度
YM060 口腔内崩壊錠又は通常錠投与時の平均血漿中未変化体濃度の推移を図 2 に示した。
口腔内崩壊錠又は通常錠投与時の血漿中未変化体濃度の平均値の推移は,ほぼ同様であった。
また,個々の被験者でみても血漿中未変化体濃度の推移はほぼ同様であった。
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図2
平均血漿中未変化体濃度の推移
血漿中 YM060 濃度 (pg/mL)
YM060 口腔内崩壊錠
YM060 通常錠
時間 (h)
Source:図 12.4.2
血漿中薬物動態パラメータ
YM060 口腔内崩壊錠又は通常錠投与時の血漿中未変化体の血漿中薬物動態パラメータの要約
を表 2 に示した。
口腔内崩壊錠の Cmax,AUCt 及び t1/2 は,それぞれ 29.54 ± 7.36 pg/mL(平均値 ± SD,以下同じ)
,
198.70 ± 58.38 pg・h/mL 及び 6.7 ± 1.7 時間であり,いずれも通常錠の薬物動態パラメータとほぼ同
様であった。
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表2
パラメータ
Cmax(pg/mL)
tmax(h)
kel(1/h)
t1/2(h)
AUClast(pg・h/mL)
AUCt(pg・h/mL)
AUCinf(pg・h/mL)
CL/F(L/h)
MRTinf(h)
血漿中薬物動態パラメータの要約
口腔内崩壊錠投与時
n=36
29.54±7.36
1.4±0.5
0.1107±0.0295
6.7±1.7
197.42±59.68
198.70±58.38
215.96±67.25
25.06±6.71
8.57±1.92
通常錠投与時
n=36
29.51±8.35
1.5±0.7
0.1130±0.0271
6.4±1.3
196.00±64.16
197.31±63.00
213.39±71.76
25.80±7.87
8.45±1.71
平均値±SD
AUClast:時間 0 から最終測定可能時点までの AUC
Source:表 12.4.2
生物学的同等性の検証
Cmax 及び AUCt について,YM060 通常錠 5 μg に対する口腔内崩壊錠 5 μg の GMR 及び 90%CI
を表 3 に示した。
Cmax 及び AUCt の GMR の 90%CI はいずれも 0.8~1.25 の範囲内であり,口腔内崩壊錠 5 μg と通
常錠 5 μg を水とともに,いずれも空腹時に服用したときに生物学的に同等であることが立証され
た。
同様に,他の薬物動態パラメータについて,通常錠に対する口腔内崩壊錠の GMR 並びに 90% CI
を算出したところ,いずれも GMR の 90%CI は 0.8~1.25 の範囲内であった。
表3
パラメータ
Cmax
AUCt
幾何平均比(GMR)及び 90%信頼区間(90%CI)
:Cmax,AUCt
対比
口腔内崩壊錠/通常錠
口腔内崩壊錠/通常錠
GMR
1.007
1.016
90%CI の下限値
0.966
0.984
90%CI の上限値
1.050
1.049
Source:表 12.4.4.1
5
安全性
有害事象
本治験での有害事象の要約を表 4 に示した。
本治験中に有害事象はみられなかった。
Astellas
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YM060
CONFIDENTIAL
ISN 060-CL-209
表4
有害事象の要約
口腔内崩壊錠投与時
n=36
0
0
有害事象
治験薬との関連性が否定できない有害事象
通常錠投与時
n=36
0
0
解析対象:SAF
発現例数
Source:表 12.5.1.1
死亡,その他の重篤な有害事象及び治験中止に至った有害事象
本治験中に死亡,重篤な有害事象及び中止に至った有害事象はみられなかった。
臨床検査値
本治験の臨床検査では,臨床上問題となる所見はみられなかった。
バイタルサイン
バイタルサインでは,臨床上問題となる所見はみられなかった。
心電図所見
12 誘導心電図所見では,すべての被験者が「正常」又は「臨床的に重要でない異常」であった。
Astellas
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