Ⅳ 経済学に関する文献・資料の探し方

Ⅳ 経済学に関する文献・資料の探し方
1 経済学関連科目について
[1 年次](すべて半期科目)
前期:経済学Ⅰ(必修科目)
後期:経済学Ⅱ,経済数学
[2 年次]
ミクロ経済学,マクロ経済学,政治経済学,財政学,日本経済論,サービス経済論,国際
経済論,近代経済史,経済統計学 (以上すべて半期1・2)
産業組織論(半期科目)
ゼミナールⅠ(通年科目)
[3 年次]
経済政策,公共経済学,アジア経済論,社会保障論,経済学説史,労働経済論
(以上す
べて半期1・2)
環境経済学(半期科目)
外国書講読Ⅰ,ゼミナールⅡ (通年科目)
[4 年次]
外国書購読Ⅱ,卒業論文指導 (通年科目)
1 年次の必修科目である「経済学Ⅰ」から,講義時間にレポートの提出を求められること
があると思います。1 年後期科目からは,課題を出されてそのレポートの提出を求められる
ことが多くなります。また,講義内容を深く学習するためには,関連する文献を参照する
必要が生じます。さらに,2 年次から始まるゼミナールにおいては,より広く多くの文献・
資料に当たらなければなりません。
ここでは,経済学関連科目のレポート及び論文作成のための文献・資料の探し方を説明
します。なお,商学・マーケティング,経営学,会計学の文献・資料の探し方も,設けて
います。あわせて参照してみてください。
2 図書館での文献・資料の探し方
Q1 図書館ではどこに文献や資料があるのでしょうか。
A1 経済学の文献・資料は,図書館の 1・2 階の閲覧室で見ることができます。また地下
1階は和書,地下 2 階は洋書の書庫になっています。どちらも手にとって見ることができ
ます。
©2011 日本大学商学部図書館
Q2 経済学に関連する図書や資料はどこにあるのでしょうか。
A2 閲覧室と書庫にあります。まず 1 階のカウンターの前に,辞典類・参考図書(和・
洋書)があります。ここには英和辞典や国語辞典などとともに,経済学辞典のコーナーが
あります。また参考図書(和書)には,百科事典などとともに経済・企業のコーナーがあ
ります。
1 階の資料室には,内外の新聞や専門紙,主要新聞の縮刷版,官報がおいてあります。ま
た年鑑・年報・白書といった資料集,月刊・週刊発行の和洋専門誌,各大学発行の学術誌
である紀要も見ることができます。その中に日本大学商学部の発行する「商学集志」
「総合
文化研究」
,商学部研究所の発行する「商学研究」
「情報科学研究」
「会計学研究」といった
学術誌もあります。ゼミや講義を担当される先生方の学術論文が掲載されていますので,
ぜひ手にとって見てください。レポートや論文作成の参考となると思います。
2 階は閲覧室になっています。社会科学を中心として多くの本が閲覧できます。このうち,
330 からの請求番号が付いているのが,経済学関連図書です。書棚には,経済・経済学・経
済史・経済政策といった表示がされています。また,カウンターの後方に,おおよそ過去
3か月分までの主要新聞のバックナンバーや一般誌が置いてあります。
Q3 どのようにして経済学関連図書を探すのですか。
A3 図書館の 1 階と 2 階に,検索用のパソコンが置いてありますので,利用してくださ
い。また自宅など商学部外からも,商学部 HP・図書館(以下 HP 図書館)にある OPAC
をクリックすれば,同様の画面で文献検索ができます。図書や著者名,キーワードを入力
すると,関連する図書・雑誌のタイトルが出てきます。例えば,
「金融危機」といったキー
ワードを入力し,そのなかから「2008 年の世界金融危機」や「97 年のアジア金融危機」な
ど調べたい文献や資料を選んでクリックすると,配架場所,請求番号,貸出中の有無など
が表示されます。それらをメモして,その書架を探せば,目指す図書を手に取ることがで
きます。
また日本大学商学部図書館に無くても,法学部,経済学部など他学部の図書館に蔵書が
ある場合もあります。HP 図書館にあります日本大学蔵書目録横断検索システムを利用すれ
ば,他学部の図書館の蔵書も調べることができます。蔵書があれば,他学部から貸出して
もらうことができます。
パソコンの操作も含め,わからないことがあれば,図書館のスタッフに相談してくださ
い。親切に教えてくれます。
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3 電子ジャーナル,オンラインデータベースの利用
Q4 電子ジャーナルやオンラインデータベースの利用の仕方を教えてください。
A4
インターネットで情報や資料を収集する場合,一般に無料で入手できるものと思っ
ているかもしれません。むしろデータベースにある資料や情報を利用する場合には,有料
であることが多いといえます。実際に,HP 図書館にある電子ジャーナル,電子ブック,オ
ンラインデータベースは多くが有料であり,それらは利用契約している商学部内では自由
に閲覧できますが,自宅のパソコンからは利用することができません。
これに対して,
「電子政府の総合窓口」,
「政府統計の総合窓口」などにある各種のデータ
ベースなどは基本的に無料であり,自宅でも自由に利用することができます。経済学に関
連するレポートや論文の作成では,政府機関の発行する「白書」など無料で入手できる情
報にも役立つものが多いといえましょう。
データベースの利用が学内に限られているかどうかは,HP 図書館のオンラインデータベ
ースに記載されています。利用端末が指定されているもの,日本大学のキャンパス内であ
ればどこでも利用できるもの,利用が商学部キャンパスに限定されているものと具体的に
示されていますので,それに従って利用してください。
また HP 図書館にある耳寄り BOX に,オンラインデータベース・電子ジャーナルの利用
について紹介してありますので,見てください。図書館では,特にレポート試験前やイン
ゼミ大会準備期間などに,特定の新聞や専門誌に利用が集中することがあります。そのよ
うな場合でも,順番待ちすることなく,オンライン上でそれらの雑誌や資料を見ることが
できます。
4 統計資料の探し方
Q5 経済学のレポートや論文作成に必要な統計資料はどのように集めるのですか。
A5
皆さんがゼミでの配布資料を準備するとき,そして論文やレポートを作成するとき
など,大学で勉強する際には,統計資料を集めないといけない場合がよくあると思います。
商学部図書館は基本的な統計書から専門的な統計書まで統計資料を幅広く所蔵しています。
しかしながら,自分が必要とする統計資料を自力で探し出すのは意外と難しいものです。
そこで,以下では,統計資料を探す方法について大きく 4 つに分けて説明します。ここで
の説明は,主に社会,経済,金融の統計を対象としています。会計・財務データといった
個々の企業のデータについては別項を参照してください。また,収集した統計を正しく利
用するためには,統計がどのように作成されているのかについての専門的な知識が必要に
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なります。したがって,統計資料を利用する際には,経済統計学 1・2 など統計学関連の講
義を受講するか,ゼミの指導教員など各専門科目を担当する教員に相談してください。
① 統計年鑑から探す
統計年鑑とは,各分野の基本的な統計データを網羅的かつ体系的に収録した年鑑です。
まずは統計年鑑で自分が欲しい資料が手に入るか確認するとよいでしょう。統計年鑑はさ
まざまな一次統計資料(統計書)を編集・加工して掲載している二次統計資料です。その
ため,統計年鑑をみればどのような一次統計資料が存在するのかを出典を通じて調べるこ
ともできますので,その意味でも便利です。ただし,統計年鑑には入手可能な統計資料の
全てが掲載されているわけではないことに注意しましょう。以下では図書館に所蔵されて
いる代表的な統計年鑑を紹介します。なお,統計年鑑は商学部図書館 1F 奥の資料室および
地下 1F の書庫に配置されています。
(1)日本の社会・経済の現状を調べる時は・・・
『日本統計年鑑』
(総務省統計局)S351||N 77
『日本の統計』
(総務省統計局)S351||So 55
『経済統計年鑑』
(東洋経済新報社)S330.591 Ke29.3
『日本国勢図会』
(矢野恒太記念会)S351||N 77.1
(2)地方自治体の現状を調べる時は・・・
『日本都市年鑑』
(第一法規出版)S318.7||N 77
『地域経済総覧』
(東洋経済新報社)S332.9||C43
『民力』
(朝日新聞社)S351||Mi 47
『データでみる県勢』
(矢野恒太記念会)S351||D 65
(3)外国の社会・経済の現状を調べる時は・・・
『世界統計年鑑』
(国際連合統計局)S350.9||Ko 51
『世界の統計』
(総務省統計局)S350.9||So 55
『世界国勢図会』
(矢野恒太記念会)S350.9||Se 22
『図表でみる世界の主要統計 OECD ファクトブック』(明石書店)350.9||Z 6||2008
この他にも国,地域、国際機関ごとに統計年鑑(たとえば,
『中国統計年鑑』や国際労働
機関 ILO の『国際労働経済統計年鑑』
)が発行されていますので,皆さんの興味関心に応じ
て探してみましょう。
(4)長期のスパンで経済・社会の変化を調べる時は・・・
『日本長期統計総覧』
(日本統計協会)351||N 77.3||A:1~A:5
『数字でみる日本の 100 年』
(矢野恒太記念会)351||Su 53||D
『マクミラン世界歴史統計 1750~1975』
(原書房)350.9||Ma 38||1~3
(5)自然や地球環境について調べる時は・・・
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『理科年表』
(丸善)R403.2||To 46
『環境要覧』
(古今書院)519.5||Ka 56||'93〜'94
② 統計索引・統計目録から探す
上に挙げた統計年鑑で自分が欲しい統計データが入手できないときは,どのような統計
が存在するのかを調べる必要があります。わたしたちが入手できる統計データの種類は非
常に膨大ですから,特定のデータを探すことは大変な作業です。そこで,自分が欲しい統
計データがどの統計資料に掲載されているかについて,欲しい情報の項目やキーワードか
ら辿って統計の所在を案内してくれる書籍として「統計索引」があります。また,分野別
にどのような統計が存在し,それぞれの統計にどういう統計データが掲載されているのか
を解説している書籍として「統計目録」があります。以下では,商学部図書館に所蔵され
ている統計索引・統計目録を紹介します。統計索引・統計目録を使って上手に自分が欲し
い統計データを見つけてください。
(1)主な統計索引
『統計情報インデックス』
(総務省統計局)B351||To 29||2008
(2)主な統計目録
『統計調査総覧』
(全国統計協会連合会)S351||G 99
『ビジネスデータ検索事典』
(日本能率協会)B350.31||D 65||2006
③ インターネットから探す
これまで紹介した統計年鑑やその元になる各統計書をみるには,商学部図書館に足を運
んで書籍を直接手に取る必要があります。これが統計を探す際の基本となる方法ですが,
図書館の開館時間外や,自宅など大学の外で,統計データを収集したい場合もあると思い
ます。最近は統計年鑑に掲載されているような主要な統計データの多くがインターネット
を通じて入手できるようになっていて,時間や場所の制約なく統計データを収集できるよ
うになっています。データによっては Excel 形式のデータで入手できるものもありますの
で,それを直接 Excel によって図表や統計指標に加工することができて大変便利です。こ
のように,統計データをインターネットで入手するのは便利ですが,①直近数年間の新し
いデータしか載っておらず過去のデータを入手できない,②本来の統計資料には掲載され
ている統計データの一部がインターネット上では省略されており入手できない,など多く
の場合で限界がありますから,利用する際には十分な注意が必要です。以下では,インタ
ーネットを通じて統計データを探す際に便利なウェブページを紹介します(2011 年 3 月現
在)
。
(1)日本の経済・社会に関する統計
©2011 日本大学商学部図書館
・総務省統計局 http://www.stat.go.jp/
・政府統計の総合窓口 e-Stat http://www.e-stat.go.jp/
(2)地方自治体、民間企業(業界団体)に関する統計
・地方自治体の統計リンク集 http://www.stat.go.jp/info/link/2.htm
・業界団体の統計リンク集 http://www.stat.go.jp/info/link/3.htm
(3)外国の経済・社会に関する統計
・外国政府の統計リンク集 http://www.stat.go.jp/info/link/5.htm
・国際機関の統計リンク集 http://www.stat.go.jp/info/link/4.htm
④ データベースから探す
インターネット以外のコンピュータを利用した統計データ収集の方法として,データベ
ースを利用する方法があります。データベースはインターネットでは通常入手できない最
新で詳細な統計データが得られるなど便利な点がありますが,利用するには高額なコスト
を払う必要がある場合が多いです。しかしながら,商学部図書館で契約しているものが幾
つかありますので,それに限れば,皆さんは商学部図書館の端末を通して無料で利用する
ことができます。以下では,商学部図書館で利用できる統計データのデータベースを紹介
します。
・日経テレコン 21・・・マクロ経済統計,POS データ,企業情報など
また日経新聞の記事検索ができます。
・D-VISION NET・・・企業やビジネスの情報検索
・JapanKnowledge・・・会社四季報に掲載されている上場企業の財務データ
5 経済学関係論文の探し方
Q6 経済学の論文を探したいのですが,その方法を教えてください。
A6
経済学の専門的な学術論文は,大学や学会の発行する研究紀要や機関誌に掲載され
ています。また,市販の専門雑誌も多数発行されています。それらの多くは図書館 1 階の
資料室で見ることができます。HP図書館の OPAC の上方にある雑誌タイトルリストを見
れば,商学部に所蔵されている専門誌,学術誌を確認することができます。商学部にない
場合でも,日本大学蔵書目録横断検索を利用すれば,経済学部や国際関係学部などに所蔵
されているかどうかを,確認することができます。他学部または日本大学以外に所蔵され
ている場合も含めて,商学部図書館レファレンス・カウンターで手続きをすれば,コピー
サービスを受けることができます。
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過去の論文を検索する最も容易な方法は,図書館 1 階にあるレファレンス・カウンター
でサービスを受けることです。しかし,オンラインデータベースを使って,自分で容易に
検索することもできます。
最も使いやすいのが,Google Scholar です。著者名やキーワードを入力すれば,関連す
る図書や論文が容易に検索できます。またここから日本大学のオンラインデータベースに
ある論文にアクセスすることもできます。
①
図書館で提供している国内のオンラインデータベースには,主に以下のようなもの
があります。これらはHP図書館のオンラインデータベースからアクセスできますので,
そのうちのいくつかを紹介しておきます。
(1) Find e-Journal は電子ジャーナルのポータルサイトです。日本大学で契約している全
文利用可能な電子ジャーナルのほか,抄録のみ利用できる電子ジャーナル(Wiley 等)を含
むタイトル一覧データベースです。
(2) NDL-OPAC(国立国会図書館) は,日本で発行されたありとあらゆる文献資料の検索が
できる日本最大のデータベースです。日本の国立国会図書館が所蔵する図書,雑誌・新聞,
電子資料,和古書・漢籍,博士論文,地図,音楽録音・映像資料の検索・申込みができま
す。ここで検索された論文などを図書館で探せば,容易に図書,論文を入手することがで
きます。
(3) GeNii(国立情報学研究所) は,国立情報学研究所(NII)が提供する研究に必要な情報
を総合的に利用できるポータルサイトです。CiNii(NII 論文情報ナビゲータ 約 6,000 誌の
国内学術雑誌のフルテキストおよび抄録を含む二次情報を提供する全文データベース),
Webcat Plus(NII 図書情報ナビゲータ 全国の大学が所蔵している図書・雑誌を検索する
システム)
,KAKEN(科学研究費成果公開サービス)等の機能があり,機関誌などに掲載
された約 300 万本の論文本文を Acrobat ファイル化しています。特に,キーワードや著者
名などを「まとめて検索」に入力すれば,容易に関連する論文や図書が検索できます。
(4) MAGAZINEPLUS は,日外アソシエーツ社が提供の雑誌記事検索サービスで,
『週刊
東洋経済』
『金融ビジネス』
『オール投資』
『Think!』
『一橋ビジネスレビュー』は原文リン
クがあります。各表示をクリックすれば原文を入手できます。検索結果に表示してある「日
本大学商学部 OPAC」をクリックすると商学部の所蔵を,
「日本大学横断検索」をクリック
すると日本大学の全図書館の所蔵を検索できます。
② 海外のオンラインデータベースも図書館で利用できます。もちろん世界中の関連す
る論文を検索することができます。海外でも,窓口として最も使いやすいのが,Google
Scholar で,使い方は国内と同様です。
図書館で使える海外のデータベースのいくつかを紹介しておきます。詳しくは HP 図書
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館のオンラインデータベースの海外データベースを参照してください。
(1) CUP(Cambridge University Press)が提供の電子ジャーナル。人文・社会科学・
自然科学分野を総合的に扱っています
(2) EBSCOhost
5,000 誌以上の外国雑誌の全文・抄録を検索できるオンラインデータ
ベース。これは American Economic Association (AEA)提供の経済学関連の基本的な抄
録データベースで,経済・産業・人文・社会・情報・図書館・理工・生物・医学などの幅
広い分野を網羅しています。また EconLit with Full Text には,EconLit, の全インデック
スに加え,American Economic Review, Journal of Economic Literature や Journal of
Economic Perspectives などの AEAが出版する文献 (閲覧禁止の制限なし) をはじめ,
480 以上の学術誌が全文にて含まれています。また,経済および金融分野の英語以外の学
術誌も全文にて多数収録されています。
(3) Emerald
エメラルド社が発行しているマネージメント関連ジャーナル 150 誌以上,
フルテキスト 7 万以上にアクセスできます。分野は経営,マーケティング,経済,金融,
財務・会計,製造・流通,ビジネス戦略,ヒューマンリソース,品質管理,教育・トレー
ニング,不動産,情報科学・図書館学,健康・環境の領域からなります。
(4) ScienceDirect
Elsevier 社が発行している 2,000 誌以上,約 900 万論文の全文デー
タを検索できます。科学・技術・医学・社会科学等の全分野で構成されるフリーダム・コ
レクションです。
(5) SpringerLink
Springer 社が発行している学術雑誌約 2,000 誌の中で,約 1,300 誌
は 1997 年以降,約 800 誌は初号から 1996 年まで閲覧可能です。
検索などでわからない点があれば,図書館のスタッフに聞いてください。なお論文は内
容がかなり専門的です。内容などにつきましては,ゼミナールや講義を担当されている先
生に相談してください。
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