03-経営ISO関連規程

文書番号
○○○○-□□□□
主管部門
製造本部(生産管理部)
外注管理規程
第 1 章
(目
総
制定年月
平成○年○月○日
改定年月
平成○年○月○日
則
的)
第 1 条 この規程は、会社の外注協力工場(以下「外注先」という。)に対し、製造委託する外注
加工品の製造、荷造り、保管および運送等に関する管理基準および管理手続定め、外注業務
を安定かつ適正に行うとともに、経営効率の向上を推進することを目的とする。
2.前項の外注業務において、関係者は常に法令を遵守するとともに、公正な取引を推進する
よう配慮しなければならない。
(外注先の定義)
第 2 条 この規程における外注先とは、会社と継続的な製造委託契約を締結したうえ、会社の定め
る品質規格・技術水準および納期管理等の取引基準に基づき、指導および支援すべき社外の
会社等をいう。
(活用の範囲)
第 3 条 外注先の活用は、次の範囲内において行うものとする。
(1)製品および部品の製造ならびに素材の加工
(2)製品および部品の塗装ならびに加工
(3)製品および部品の荷造り、保管および運送
(4)製品および工作機械等のメンテナンス業務
(5)その他製造本部長の指定するもの
(利用の基準)
第 4 条 外注先の利用基準は、会社の製造技術のうち機密に抵触するものおよび社外製作を適当と
しないものを除き、次のとおりとする。
(1)会社の製造技術の能力を補うとき
(2)会社の製造要員の能力を補うとき
(3)会社の生産設備の不足を確保するとき
(4)会社の生産能力の不足を確保するとき
(5)製品の製造原価の低減ができるとき
(6)製品の製造期間の短縮ができるとき
(7)製品の納期確保に有利なとき
(8)その他特別の理由があるとき
(主管部門)
第 5 条 外注業務の主管部門は、製造本部の生産管理部とし、外注業務に関する一切の管理を行う。
(管理責任者)
第 6 条 外注先の管理に係る権限および責任は、生産管理部長(以下「管理責任者」という。)が
有する。
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2.前項の規定のほか、経営上特に重要と認められる場合は、別に定める稟議規程に基づき、
必要な決裁を受けなければならない。
(改
廃)
第 7 条 この規程の改廃は、生産管理部長が立案し、製造本部長および管理本部長と協議のうえ、
社長が決裁する。
第 2 章
外
注
原
則
(外注計画の立案)
第 8 条 管理責任者は、事業年度における外注計画の予算執行について、他の関連部門と十分協議
のうえ、生産もしくは販売または在庫の管理に必要な統制を行うとともに、年度および月度
に外注計画を立案し、計画的かつ合理的な運用を図らなければならない。
2.前項の場合において、各関連部門は外注担当部署が外注する品目について、予算編成時に
来期の見込所要量を明示のうえ、計画的かつ合理的な予算編成ができるよう協力する。
(外注単価の決定)
第 9 条 外注単価は、原則として管理責任者が製造本部長と協議のうえ、決定する。ただし、社長
決裁によるものについては、別に定める稟議規程に基づき、必要な決裁を受けなければなら
ないものとする。
(外注先の選定)
第10条 外注担当部署は、外注先の選定に先立ち、相手先の経営状況・取引条件・技術対応力・生
産設備力・品質保証力および納期対応力の検討とともに、必要に応じて相手先の会社または
工場等を訪問し、次の事項の調査を実施しなければならない。
(1)相手先の経営状態および取引金融機関の信用度の調査
(2)相手先の生産設備および保守点検の調査
(3)相手先の生産管理および生産技術の調査
(4)相手先の品質管理および納期管理の調査
(5)相手先の経営者および責任者の管理能力の調査
(6)相手先の生産部門の地理的条件の調査
(7)相手先の物流部門の地理的条件の調査
(8)その他外注先の選定に必要な事項
2.前項のほか、外注担当部署は管理責任者と協議のうえ、会社の要求する外注品につき、品
質・価格および納期等の維持が可能であることについて、明確な見通しをもたなければなら
ないものとする。
3.外注担当部署は、選定した外注先情報について、取引先調査表に必要事項を記載のうえ、
外注先を登録する。
4.外注先の登録内容に変更が生じた場合、外注担当部署は管理責任者の承認を得たうえ、記
載事項の変更または追加を行うものとする。
5.外注先の登録は、原則として同一業種について2社以上とするものとする。
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(外注先の決定)
第11条 外注先の調査結果において適正妥当と認めた場合、外注担当部署は取引の開始に先立ち、
相手先の経営内容・品質性能・在庫状況および業務管理能力等について管理責任者と協議の
うえ、新規取引申請書に基づき、製造本部長または管理本部長から取引開始の承認を得るも
のとする。
2.前項の新規取引を行う場合、外注担当部署は取引先調査表に当該外注先の会社情報および
外注状況の記載ならびに更新を行わなければならない。
3.前項の場合において稟議決裁が必要な新規取引を行うときは、別に定める稟議規程に基づ
き、必要な決裁を受けなければならない。
(委託契約の締結)
第12条 外注担当部署は、継続かつ長期にわたる外注品の製造委託について、外注先との間に所定
の製造委託契約書および品質保証に関する覚書など、必要に応じて継続的な取引契約を締結
しなければならない。
(外注品の決定)
第13条 外注先に製造委託する外注品は、次の区分に基づいて検討し、管理責任者が関係部門長と
協議のうえ選定し、製造本部長の承認を得なければならない。
(1)製作外注(設計外注を含む。)は、外注担当部署長が選定し、管理責任者と協議の
うえ、製造本部長がこれを決定する。
(2)加工外注は、外注担当部署が選定し、外注担当部署長と協議のうえ、管理責任者が
これを決定する。
(3)その他の外注加工は、外注担当部署が担当し、外注担当部署長がこれを決定する。
(外注先の材料支給)
第14条 外注先への加工材料の支給は、原則として無償支給とする。
2.外注先へ支給する加工材料は、各外注先ごとに受払簿を設け、入庫および出庫に関する継
続記録を行うとともに、常に受払いおよび残高の数量・単価・品質・形状等を明確にしなけ
ればならない。
2.前項の場合において、受払いの記録はコンピュータ処理を原則とするほか、正規の受払記
録担当者の作成による手計算処理によることもできる。
3.外注先へ支給する支給材料の受払いには、継続記録法による帳簿管理のほか、在庫数量・
在庫金額・入出庫数量など会社の財務内容に与える重要性の観点から、期末および中間期末
において実施する、実地たな卸法による現品管理を行うものとする。
4.外注先へ支給する支給材料の手配は、会社の生産計画および日程計画に基づき、相当期間
の段階において行う。
第 3 章
外
注
管
理
(発注方法)
第15条 外注品の発注は、原則として会社所定の発注書によるものとする.
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株式会社 脇坂公開企画
2.前項の場合において、外注担当部署は発注書に次の事項を明示しなければならない。
①発注月日
②発注番号
③品名・規格・仕様(工事内容・工事範囲)
④数
⑤納
⑥納入場所
量
期
⑧材料支給の有無 ⑨支払条件
⑦発注担当者名
⑩その他の必要事項
(機械等の貸与)
第16条 発注に際し、外注品の製造に必要な治具・工具・金型および機械装置を外注先に貸与する
場合、外注担当部署長は管理責任者および当該機械等の管理責任者と協議のうえ、所定の申
請書に必要事項を記載のうえ、製造本部長の承認を得なければならない。
2.前項の場合、外注担当部署は貸与した機械等について、必ず預り証を入手するものとする。
3.外注担当部署は、貸与した機械等につき貸与先に対し、品質への影響が著しい対象機械等
については、定期点検のほか、日常点検の実施を指導しなければならない。
4.貸与した機械等について、日常点検時または運転時もしくは操作中に故障が発見された場
合、外注担当部署は直ちに管理担当者に連絡をするとともに、設備の異常報告書を作成する。
5.貸与した機械等が紛失・盗難・損壊および無断改造等された場合、外注担当部署の管理責
任者は製造本部長と協議のうえ、当該外注先に対して損害賠償請求をすることができる。
(納管理期)
第17条 外注担当部署は、外注先と密接な連携のもと、外注品の進捗状況を正確に把握し、納期を
遵守させるものとする。
2.前項の場合において、外注担当部署は外注先に対し、支給する材料につき外注先の生産工
程に支障のないようにしなければならない。
3.不測の事態により、外注先の納期が遅延する場合、外注担当部署は直ちに関係部門と協議
のうえ、必要な対策を講ずるものとする。
(品質管理)
第18条 外注担当部署は、ISO規格の要求事項に合致した会社の品質マネジメントシステムにつ
いて、会社組織(外注先を含む。)を通じて次のとおり確立し、文書化し、実施し、維持す
るとともに、会社の品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善しなければならない。
(1)外注先の品質管理に必要なプロセスおよび当該プロセスの適用を明確にする。
(2)外注先の品質管理に必要なプロセスの整合性および相互関係を明確にする。
(3)外注先の品質管理に必要なプロセスの運用管理が効果的であるための評価基準およ
び評価方法を明確にする。
(4)外注先の品質管理に必要なプロセスの運用および監視支援に必要な情報を活用する。
(5)外注先の品質管理に必要なプロセスを監視、測定および分析し、当該プロセスにつ
いて計画どおりの結果を得るとともに、継続的改善に向けて必要な処置を講ずる。
2.前項の場合において、外注担当部署は別に定める品質管理基準および外注先と締結した品
質保証に関する覚書に準拠し、外注品の品質向上に努めなければならない。
(作業環境)
第19条 外注担当部署は、外注品の適合性を確保するため、外注先における作業環境の物的要因お
よび人的要因を明確にし、次の事項を実施する。
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株式会社 脇坂公開企画
(1)設計・製造および検査に必要な作業環境は、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)
をはじめ所定の作業標準書の基準によるほか、労働安全衛生の管理面からも明確に
する。
(2)粉塵または騒音等の発生する作業では、防護メガネまたは防塵マスクを着用すると
ともに、集塵装置や排気装置等を作動させる。
(3)外注担当部署は、外注品の適合性を満足させるため、計測器の保管および管理を徹
底させるほか、外注先に対し必要な作業環境の制約条件を検討するとともに、作業
環境の改善提案を推進する。
(指導育成)
第20条 外注先に対する技術指導および経営支援等は、会社があらかじめ定めた指導育成計画に基
づき、管理責任者の責任において行う。
2.前項の場合において、会社が特に重要と認めた外注先は指定外注工場とし、積極的に技術
援助または指導育成するものとする。
(外注先の評価)
第21条 外注担当部署は、管理責任者と協議のうえ、各々の外注先の評価を行い、製造本部長の承
認を受けなければならない。
2.前項の評価基準および評価方法は、別に定める外注先評価基準によるものとする。
(実地調査)
第22条 外注担当部署は、必要に応じて外注先の実地調査を行い、その経営状態を把握しなければ
ならない。
第 4 章
外注品の検収
(受入れおよび検収)
第23条 外注先からの受入れは、原則として会社所定の納品書を使用のうえ、発注書に表示した日
時・場所で受入れ、外注担当部署は直ちに所定の受入検査基準および受入検査方法に基づき、
外注品の検査を行うとともに、受入検収証に検収印を押印しなければならない。
2.外注品の検収は、納入された物品の数量・品質および単価等が会社所定の納品書の記載内
容と完全に一致することを確認することによって行う。
3.前項の場合において数量異常または品質不良が発見されたときは、検収担当者は別に定め
る受入検査基準にしたがい、直ちに事後処理に当たらなければならない。
(所有権の移転)
第24条 外注品の所有権は、検収終了後の引渡しがあった時に会社へ移転する。
(不具合品の処理)
第25条 前2条の規定にかかわらず、外注品の検収後に不具合品が発見された場合、外注担当部署
は直ちに外注先に連絡のうえ、当該外注品の処置およびその後の対策を講じなければならな
いものとする。
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株式会社 脇坂公開企画
(損害賠償)
第26条 外注先の契約不履行によって損害を被った場合、管理責任者は必要に応じて損害賠償の手
続を講ずるものとする。
(支払手続)
第27条 外注担当部署は、受入検収証および外注先からの請求書を確認のうえ、別に定める経理規
程に基づき、支払手続をとるものとする。
(支払方法)
第28条 支払は、外注品の検収後に締切り、翌月の支払を原則とする。
2.前項の規定にかかわらず、前渡金または即金払を条件とする取引は、原則としてこれを行
わない。ただし、特殊な物品または小額の一時的取引の場合は、この限りでない。
(留意事項)
第29条 外注担当者は、常に厳正な態度で外注業務に当たり、いやしくも取引相手の外注先との関
係において、些細な疑惑もないよう留意しなければならない。
第 5 章
仕
入
計
上
(仕入計上)
第30条 外注品の仕入計上は、別に定めるたな卸資産管理規程に基づき、次のとおりとする。
(1)外注品の仕入れは、受入検収の完了によって計上する
(2)検収品の仕入計上は、検収担当事業所が行い、検収した結果を当該たな卸資産管理
部署に速やかに報告しなければならない。
(3)入庫品で外注先伝票その他の証憑類が未着のため、入庫数量または外注単価等が確
定していない場合、数量は現に入庫した数量とし、単価は管理責任者の承認を得た
当該たな卸資産の標準単価で仕入計上しなければならない。
(4)前号の標準単価で仕入計上したものが、その後に数量または単価が確定して差額が
生じたときは、直ちに当該差額を調整しなければならないものとする。
(付
則)
この規程は、平成○年○月○日から施行する。
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文書番号
○○○○-□□□□
主管部門
製造本部(品質保証部)
(目
製品検査要領
制定年月
平成○年○月○日
改定年月
平成○年○月○日
的)
第 1 条 この要領は、会社の製造する製品に関する管理基準および管理手続を定め、製品の製造、
荷造り、保管および運送等が顧客の製品要求事項を満たしているか否かを検査するとともに、
製品の品質保証を最終的に確認することを目的とする。
(関係規則)
第 2 条 この要領における製品検査業務を明確にするため、別に受入検査基準・工程内検査基準お
よび最終検査基準の関係規則を定める。
2.前項のほか、製品検査の手順は別に定める製品検査手順書に基づき、適正に行わなければ
ならない。
(主管部門)
第 3 条 製品検査の主管部門は、製造本部の品質保証部および各事業所の製品検査部署(以下「検
査担当部署」という。)とする。
(管理責任者)
第 4 条 製品検査の管理責任者は、品質保証部長とする。
2.製品の検査業務に関する職務分離は、別に定める職務権限規程によるものとする。
(検査担当者)
第 5 条 検査担当部署の検査担当者は、管理責任者の指名する品質検査員および工程検査員とする。
ただし、業務上において特に必要のあるときは、管理責任者の命により別に指名された者を
加えて行うことがある。
(検査範囲)
第 6 条 検査範囲は、会社の製造する製品ならびにこれに使用する原材料・副資材および部品(以
下「資材等」という。)に係るすべての検査業務に適用する。ただし、購買担当部署の検収
担当者が資材等の受入検収を行い、納入された資材等の数量・品質および単価等が会社所定
の納品書の記載内容と完全に一致することを確認した場合は、この限りでない。
(検査方法)
第 7 条 製品検査は、第2条に定める関係規則ならびに製品検査手順書に基づき、必ず現品検査と
全数検査を同時に行う。ただし、管理責任者が必要と認めたときは、一部抜取り検査による
ことができるものとする。
2.前項の検査方法は、次のとおりとする。
①検査環境検査
②外観目視検査
③寸法・重量検査
④機能・性能検査
⑤最終表示検査
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株式会社 脇坂公開企画
(検査区分)
第 8 条 製品検査は、これを最終検査および工程内検査に区分する。
2.前項の最終検査は、常時行うものとし、工程内検査は必要に応じて随時これを行う。
(教育訓練)
第 9 条 製品検査に必要な教育訓練は、あらかじめ定めた教育訓練計画に基づき、検査担当部署に
おいて個別に教育訓練の計画内容を作成し、実施した結果については管理責任者を通じて人
事部に報告する。
(資格認定)
第10条 検査担当者の資格認定は、製品検査に係る特定の業務に従事する者で、一定の経験および
知識を有する者を品質保証部および製造本部で認定する。
2.品質保証部および人事部では、製品検査に係る資格認定の個人記録を作成のうえ、有資格
者一覧表として保管・管理する。
3.前項の場合において、検査担当者の資格は製品検査業務に関連する技能や知識の実地試験
による適正評価を行うほか、必要に応じて社内または社外の教育研修を受けるものとする。
(遵守事項)
第11条 検査担当者は、製品検査を行うに当たり、次の事項を遵守するものとする。
(1)製品検査は、すべて事実に基づいて行うものとし、その判断および意見の表明につ
いては公正でなければならない。
(2)検査担当者は、職務上の知り得た事項について、正当な理由なくして他に漏洩して
はならない。
(3)検査担当者は、いかなる場合においても当該業務の処理方法について、直接指揮命
令してはならない。
2.前項の規定にかかわらず、検査担当者は現業部門の通常業務に著しい支障を与えることな
く、検査を行わなければならない。
(受入検査)
第12条 検査担当部署は、別に定める受入検査基準に基づき、購買担当部署の検収担当者と協議の
うえ、製品の製造に必要な資材等の受入検査を次の手続で実施する。
(1)会社の購入する資材等の受入検査は、会社があらかじめ指定し、または発注した資
材等の規格要求事項と納入された現品とを照合し、相違のないことを検査するとと
もに、外観梱包状況に異常がないことを確認する。
(2)受入れを確認した資材等については、品名・数量・形式等を明確にし、あらかじめ
指定された置場または関係部署に引渡す。
(3)受入検査の結果、不具合品または誤納品と判定された場合、検査担当者は識別票の
添付など不適合識別である旨を明確にしたうえ、不適合資材置場に備え置き、適合
資材への混入を防止するとともに、速やかに購買先に返品する。
(4)検査担当部署および購買担当部署は、受入検査において正常な状態であった資材等
以外は製造工程に引渡さないものとする。
(5)検査担当部署および購買担当部署は、資材等の受入検査状況を別に定める資材受入
検査表に記載し、保管・管理する。
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(工程内検査)
第13条 検査担当部署は、別に定める工程内検査基準に基づき、製品の製造工程が顧客の製品要求
事項に合致しているか否かについて、必要な工程内検査を次の手続で実施する。
(1)工程内検査は、会社の指定する製品規格書および製作指示書に基づき、実施する。
(2)工程内検査の結果、不具合品と判定された場合、検査担当者は識別票の添付など不
適合識別である旨を明確にしたうえ、不適合品置場に備え置き、適合品への混入を
防止しなければならない。
(3)指定された工程内検査が完了した場合、検査担当者は検査に合格したことを確認の
うえ、別に定める工程内検査表に記載し、保管・管理する。
(最終検査)
第14条 検査担当部署は、別に定める最終検査基準に基づき、製品が顧客の製品要求事項に合致し
ているか否かについて、必要な最終検査を次の手続で実施する。
(1)最終検査は、最終工程で実施された品質検査および工程内検査の結果が、すべて製
品要求事項に適合していることを確認する。
(2)最終検査の結果、不具合品と判定された場合、検査担当者は識別票の添付など不適
合識別である旨を明確にしたうえ、不適合品置場に備え置き、適合品への混入を防
止しなければならない。
(3)指定された最終検査が完了した場合、検査担当者は検査に合格したことを確認のう
え、別に定める最終検査表に記載し、保管・管理する。
(不具合品の再検査)
第15条 検査担当部署は、別に定める製品検査手順書に基づき、再検査が必要な修理または手直し
を実施したものに対しては、必要な再検査を次の手続で実施する。
(1)受入検査・工程内検査および最終検査で発見された不具合品の再検査は、当該検査
段階に戻して再検査を行わなければならない
(2)検査段階以外で発見または発生させた不具合品の再検査の場合、検査担当者は管理
責任者と協議のうえ、管理責任者の指示した時点まで戻して再検査を行わなければ
ならないものとする。
(3)発見または発生させた不具合の状況により、それ以前の段階に戻した再検査では当
該製品の適合性を実証できない場合、検査担当者は管理責任者と協議のうえ、再検
査に替わる検査方法を指示し、当該製品の再検査を実施する。
(出荷許可)
第16条 製品は、完成品といえども最終検査を完了し、管理責任者が承認するまでこれを出荷して
はならない。
2.前項の場合において、出荷担当者は最終検査表の添付内容により、すべての検査項目に合
格していることを確認するとともに、当該検査表に「済」を押印することにより、出荷許可
とするものとする。
(変 更)
第17条 この要領の改廃は、品質保証部長および購買部長が立案し、製造本部長および管理本部長
と協議のうえ、社長が決裁する。
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(付
則)
この規程は、平成○年○月○日から施行する。
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文書番号
○○○○-□□□□
主管部門
内 部 監 査 室
内部監査規程
第 1 章
(目
総
制定年月
平成○年○月○日
改定年月
平成○年○月○日
則
的)
第 1 条 この規程は、会社における内部監査制度の運用および内部監査の計画・実施・報告に関す
る管理基準ならびに管理手続を定め、内部監査業務を自律的かつ効率的に行うとともに、経
営効果の増進を図ることを目的とする。
2.前項の内部監査は、会社の組織・制度および業務の諸活動が会社の経営目的に準拠して遂
行されているか否かを検証・評価のうえ、必要に応じて適切な助言・勧告を行うことにより、
不正・誤謬の予防ならびに是正を図るとともに、財務報告の信頼性の確保を実現する。
(関係規則)
第 2 条 この規程における内部監査業務の管理手続を明確にするため、別に内部監査実施要領の関
係規則を定める。
(監査担当部門)
第 3 条 内部監査は、社長の命により、内部監査室がこれに当たる。ただし、業務上特に必要のあ
るときは、別に指名された者を加えて行うことがある。
(監査責任者および監査担当者)
第 4 条 監査責任者は、内部監査室長とし、監査担当者は内部監査室長が指名する内部監査室員と
する。
(監査の区分)
第 5 条 内部監査は、通常監査または特別監査に区分する。
2.前項の通常監査は、計画的かつ継続的に行うものとし、特別監査は必要に応じて随時これ
を行うものとする。
(監査の範囲)
第 6 条 内部監査の範囲は、制度監査、業務監査・会計監査・情報システム監査および情報セキュ
リティ監査とする。
(1)制度監査とは、会社経営における組織制度の運用状況および会社諸規程の適否を監
査する。
(2)業務監査とは、会社の業務活動が会社諸規程に準拠して行われ、合理的かつ効率的
に運営されているか否かにつき、個別的および総合的に監査する。
(3)会計監査とは、会社の会計記録が適正であり、その経営成績および財政状態が正し
く表示されているか否かにつき監査する。
(4)情報システム監査とは、会社の情報システムの環境が信頼でき、安全および有効に
運用されているか否かにつき、情報システム監査人がシステム管理基準およびシス
テム監査基準に基づき、監査する。
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株式会社 脇坂公開企画
(5)情報セキュリティ監査とは、会社の情報セキュリティに係る機密性・完全性および
可用性が効果的に実施されているか否かにつき、情報セキュリティ監査人が情報セ
キュリティ管理基準および情報セキュリティ監査基準に基づき、監査する。
2.前項のほか、関係会社の監査に当たっては、常にその自主性を尊重するとともに、この規
程を準用するものとする。
(監査担当者の権限)
第 7 条 監査担当者は、監査の実施に際して会社の諸表、帳票、書類その他の資料の提出を求め、
必要に応じて関係者に事実の説明および報告を求めることができる。
2.前項の場合において、監査担当者が監査の円滑な遂行のために必要と認めたときは、会社
の会議および委員会に出席して意見を求めることができるものとする。
(監査担当者の遵守事項)
第 8 条 監査担当者は、監査を行うに当たり、次の事項を遵守するものとする。
(1)内部監査は、すべて事実に基づいて行うものとし、その判断および意見の表明につ
いては公正・不偏でなければならない。
(2)監査担当者は、職務上知り得た事項を正当な理由なくして他に漏洩してはならない。
(3)監査担当者は、いかなる場合においても、監査を受ける部門等(以下「被監査部門」
という。)に対し、業務の処理方法について直接指揮命令してはならない。
2.前項のほか、監査担当者は被監査部門の通常業務に著しい支障を与えることなく監査を行
わなければならない。
(被監査部門の遵守事項)
第 9 条 被監査部門は、監査担当者の行う監査業務に対し、積極的に協力しなければならない。
2.各所管部門の責任者は、業務運営上の基準となるものを定めた場合または変更したときは、
監査業務の円滑な遂行のため、当該資料をすべて監査担当者に提出しなければならない。
(監査役監査および会計監査人との関係)
第10条 この規程による内部監査は、監査役監査または会計監査人監査とは区分のうえ、独立して
実施する。
2.内部監査室は、必要に応じて監査役と協力し、または相互に監査の結果に関する情報もし
くは資料の提供を求めることができる。
3.内部監査室は、会計監査人の監査に積極的に協力するものとする。
(改
廃)
第11条 この規程の改廃は、内部監査室長が立案し、社長が決裁する。
第 2 章
監 査 の 計 画
(監査の計画)
第12条 内部監査は、原則として内部監査室長の策定する監査計画にしたがって実施する。
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株式会社 脇坂公開企画
2.前項の監査計画は、年度監査計画および個別監査実施計画とし、社長がこれを決定する。
ただし、社長から特命の指示等があったときは、特別監査を行うものとする。
3.監査計画書を作成する場合、内部監査室長は監査役と意見等の調整を行わなければならな
いものとする。
(監査計画書の作成)
第13条 前条に規定する監査計画書は、当該事業年度の監査方針について定めるものとし、次の内
容を記載する。
①監査の基本方針
②監査の重点目標
③監査の実施時期
④監査の対象部門
⑤監査の業務範囲
⑥監査の実施方法
⑦監査の担当者名
⑧その他年度監査実施に必要な事項
(監査実施計画書の作成)
第14条 前2条に規定する監査実施計画書は、監査計画書に基づき、監査の実施予定を具体的かつ
個別に定めるものとし、次の内容を記載する。
①監査の対象部門および内容
②監査の実施時期および日程
③監査の業務範囲および方法
④監査の担当者名
⑤その他個別監査実施に必要な事項
第 3 章
監 査 の 実 施
(監査の方法)
第15条 内部監査は、原則として実地監査とする。ただし、必要ある場合は、書面監査によること
ができる。
2.前項の実地監査は、監査担当者が直接被監査部門に赴いて現地で実施し、書面監査は必要
に応じて書類の提出を求めて実施するものとする。
(監査の通知)
第16条 監査を実施する場合、監査責任者は原則として被監査部門に対し、監査の予定を通知して
行うものとする。ただし、社長の特命による特別監査は、この限りでない。
2.前項の場合、監査責任者は被監査部門に対し、次の内容を記載した書面により、事前に監
査の実施を通知するものとする。
①監査の対象部門および内容
②監査の実施時期および日程
③監査の業務範囲および方法
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株式会社 脇坂公開企画
④監査の担当者名
⑤その他個別監査実施に必要な事項
(監査調書の作成)
第17条 監査を終了した場合、監査担当者は当該監査の実施過程および監査により知り得た諸事項
について、監査調書を作成し、保管する。
(監査結果の確認)
第18条 監査担当者は、監査業務の終了に際し、被監査部門に対して監査の結果および結果に対す
る見解を表明のうえ、当該監査事実の確認のため、意見交換会を開催する。
第 4 章
監査結果の処置
(監査報告書の作成)
第19条 監査担当者は、監査終了後、速やかに監査報告書を作成のうえ、監査責任者と協議する。
2.前項の監査報告書には、次の事項を記載するものとする。
①監査の対象部門および内容
②監査の実施時期および日程
③監査の業務範囲および方法
④監査の担当者名
⑤監査の結果内容
⑥改善状況の確認
⑦監査の意見表明
⑧その他個別監査実施に際して重要な事項
(臨時の監査報告)
第20条 前2条の規定にかかわらず、監査担当者が監査実施中に次の事実を発見した場合、監査担
当者は直ちに監査責任者を通じて社長に報告する。
(1)被監査部門またはその対象者が、故意もしくは重大な過失により会社に対し、著し
い損害を与えたと認められる事実を発見したとき。
(2)その他前号に準ずる重大な瑕疵があって、緊急処置が必要であると認められたとき。
第 5 章
監 査 の 報 告
(監査結果の報告)
第21条 監査責任者は、監査実施後、遅滞なく監査報告書を作成のうえ、社長に報告する。
2.前項の場合において改善状況の確認があるときは、前監査において指摘事項を受けた改善
処置状況を記載する。
3.前項のほか、監査責任者は監査報告書の写しを被監査部門の責任者に送付するとともに、
必要に応じて関係ある部分の写しを関連部門の責任者に回付する。
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株式会社 脇坂公開企画
(監査回答書の作成)
第22条 被監査部門の責任者は、前条の監査報告書に対し、必要に応じて意見を付した監査回答書
を作成のうえ、社長に提出するものとする。
(改善の勧告)
第23条 社長は、監査責任者の監査報告および被監査部門責任者の監査回答の提出を受け、改善の
必要があると認めたときは、当該指摘事項を記載した改善勧告書により、被監査部門の責任
者に対して改善指示を指示する。
2.前項の場合において、社長からの改善指示のうち、重大な指摘事項および改善勧告を受け
た被監査部門の責任者は、当該指摘事項に係る改善処置方針および改善処置方法を記載した
改善回答書を社長に提出しなければならない。
(改善処置状況の事後確認)
第24条 監査責任者は、前条の規定により報告のあった改善回答書に基づき、当該被監査部門の改
善処置状況について、必要に応じてフォローアップ監査を実施する。
第 6 章
品質監査および環境監査
(品質監査および環境監査)
第25条 品質監査ならびに環境監査に関する管理基準および管理手続については、別に定める。
(付
則)
この規程は、平成○年○月○日から施行する。
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測定器具の使用基準
品質検査員の使用する測定器具使用基準について、代表的な測定器具を記載する。
なお、一部については、後記「測定器具の使用方法」で簡単に説明する。
測定器具の種類
1.スケール(金属製直尺)
鋼で造られたものさしで最小単位0.5ミリ程度の測定に使用される。
2.ノ ギ ス
金属加工現場では、必需品の測定器具で、0.05ミリ程度まで測定することができる。
3.マイクロメータ
一目盛り0.01ミリまで測定することができ、種々の形式がある。
3‐1 外側マイクロメータ
外径および厚み等が測定できる。
−1−
品質ISO推進研究会
3‐2 キャリパ形内側マイクロメータ
内径および溝幅等が測定できる。
3‐3 3点式マイクロメータ
3点当たりで、内径を高精度に測定することができる。
3‐4 継ぎ足しロッド形内側マイクロメータ
継ぎ足しロッドを取付けると、大径(400ミリ程度)を0.01ミリ単位で測定すること
ができる。
4.ダイヤルゲージ
4‐1 0.01ミリ(または0.001ミリ)目盛りダイヤルゲージ(標準形)
主にダイヤルスタンドに取付けて使用され、ワークの姿勢・段差等の確認ならびに補正等に
使用される。
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品質ISO推進研究会
4‐2 て こ 式
ハイトゲージまたは機械の主軸に取付けられ、高さおよび穴位置等の確認に使用される。
5.シリンダゲージ
ダイヤルゲージの応用測定具で、穴径の測定に威力を発揮する。
6.ハイトゲージ
定盤上で使用され、製品のけがきおよび測定等に使用される。
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品質ISO推進研究会
7.そ の 他
7‐1 定
盤
高精度の平坦が確保されている定盤で、測定時の基準になる。
7‐2 限界ゲージ
小さい側が通、大きい側が止となっているゲージで、簡単に合否判定ができる。
7‐3 ブロックゲージ
加工現場の基準となるもので、面は鏡面仕上げされ、平坦度・平行・長さ等が超高精度に仕
上がっているブロックである。
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品質ISO推進研究会
7‐4 ハイトマスタ
定盤上で製品の高さ等を精度良く測定するもので、てこ式ダイヤルゲージを取付けたハイト
ゲージと共用して使用される。
上部のハンドルを回すとブロックが上下する。
7‐5 3次元測定機
定盤を使わず、製品のあらゆる方向から各測定ポイントを測定できる機械である。
7‐6 ピッチマスター
ハイトマスタは、ハンドルでブロックを上下させて測定するが、このピッチマスターはブロ
ックをある間隔で正確また精密に配置し固定したもので、主に機械の位置決め精度の測定等
に使用される。
その他の測定器具として、パス・トースカン・デップスマイクロメータ・ダイヤルキャリパ・
すきみゲージ・投影検査器・ピンゲージおよび栓ゲージ等種々のものがある。
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品質ISO推進研究会
測定器具の使用方法
1.スケール(下図参照)
種類は、A・B・C形があるが、ここではC形を説明する。
(1)種
類
上図は、100ミリとしているが、実際は150・300・600・1000等ある。
最小目盛は1ミリだが、0.5ミリに刻まれており、熟練工なら0.1ミリ程度まで読みと
ることができる。
(2)使用方法
ア.当 て 方
下図のように測定しようとする位置へ、直角または平行に当てる。
イ.目盛の読み方
下図に読みとり方法を示す。
読みとり誤差を最小にするため、アナログ式目盛の場合は必ず正面から見るようにする。
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2.ノ ギ ス
(1)種
類
ア.M 1 形
このノギスは、モーゼル形といい、外測・内測・深さの測定ができ、一般的に多く使用され
ている。
目盛は、19ミリを20等分してあり、最小測定単位は0.05ミリである。
本尺と副尺の目盛線が一致または一番近い位置がコンマもしくは百分台(0.05)の読み
取り値になる。
このM1に、スライダの微動送りがついたのがM2である。
イ.C M 形
モーゼル形で、下図のように微動送りネジがついており、目盛り合わせが容易にできる。
パス合わせ等に便利が良い。
測定は、下側のジョウの内面が外側測定面で、ジョウの外側が内側測定面となっている。
内側の場合は、その幅以下の小径では測定できず、測定可能の場合でもその幅だけプラスし
なければならない。
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ウ.ディプスノギス
(2)使用方法
ア.M形ノギス
(内幅を測定する場合)
(内径測定)
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(段差測定‐1)
(段差測定‐2)
イ.CM・CB形
(内幅を測定する場合)
内径の場合は、M形と同じ要領で測定する。
外側の場合は、M形と同じ要領で測定する。
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品質ISO推進研究会
ウ.デップスノギス
基本的に深さの測定に使用される。
(3)ノギスの総合精度
一応1目盛り0.05ミリまたは0.02ミリ可能となっているが、JISのノギス総合精
度は最小読取値0.05ミリの1級ノギスの300ミリ以下は±0.05ミリとなっている
ので使用上は特に問題にならないが、実質的には0.1ミリ単位の公差測定に向いている。
なお、0.1ミリ以下の測定は、目安と考えた方が良い。
(4)そ の 他
その他、読み取り部にダイヤルの付いたダイヤルノギス・ダイヤルデップス・デジタルノギ
ス等がある。
読み取り部の副尺の種類は、本尺と副尺の目盛方法を変えることにより5種類ある。
(例)1.本尺最小目盛り0.5ミリ、副尺目盛りは本尺24.5ミリを25等分した最小
読み取り値0.02ミリのもの。
2.本尺最小目盛り1.0ミリ、副尺目盛りは本尺39ミリを20等分した最小読み
取り値0.05ミリのもの。
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3.マイクロメータ
特徴としては、ノギスと違い、最小目盛り0.01ミリで確実に読み取ることができる。
(1)種
類(前記「測定器具の種類」に記載した以外のもの)
ア.ディプスマイクロメータ
深さを測定する。
イ.リミットマイクロメータ
名前のとおり通と止が一度に測定できるもので、調整可能なはさみゲージといえる。
ウ.歯厚マイクロメータ
歯車のまたぎ歯厚や、標準の外測では測定できない段差の少ない凸部測定に便利である。
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エ.ネジマイクロメータ
雄ネジの有効径を測定するマイクロメータで、スピンドルの測定子は円錐状になっている。
オ.スプラインマイクロメータ
スプライン軸を測定できるようにアンビルとスピンドルが細くなっている。
カ.管厚用マイクロメータ
アンビルが球状になっており、管の内厚測定に便利である。
キ.ブレードマイクロメータ
アンビルとスピンドルが細長くなっているので細溝の測定便利である。
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ク.カウント式マイクロメータ
カウント式で表示されるため、マイクロメータで犯しがちな0.5ミリの読み間違いや視差
による誤読がない。
(2)マイクロメータの各部の名称
ア.外測の場合例
(分解した状態)
イ.キャリパ型内測マイクロメータの場合例
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(3)メモリの読み方事例
ア.外測マイクロメータの場合
マイクロメータのシンブルとスピンドルは、一体で回転できるようになっており、1回転で
0.5ミリ正確に動作し、シンブルの外周には50等分した目盛りが刻まれており、最小単
位1目盛り0.01ミリになっている。
スリーブとシンブルの目盛りは、下図のようになっており、下図の場合の読み取り値は12.
430ミリとなる。
下図の場合は12.930ミリとなる。
上図の場合、スリーブの0.5ミリの目盛りが見えているので、シンブルの目盛りに0.5
ミリ足して測定値にする。
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品質ISO推進研究会
イ.キャリパ型内測およびデップスマイクロメータの場合
これらの場合は、外側マイクロメータと違い、スリーブおよびシンブルに刻まれる目盛りは
逆向きになっており、下図の場合は7.920ミリとなる。
ウ.目盛り線が合わない場合の読み取り方
下図のような場合は、千分台は大体しか分からないので、目測でおおよその値を読み取るこ
とになる。(例 12.925ミリ)
(4)測定方法
基本的にはノギスと変わらないが、最小読み取り単位が0.01ミリということもあり、測
定時間があまり長引くと体温がマイクロメータに伝わり、熱膨張して実際の寸法と異なる場
合があるので十分注意する必要がある。
ア.外側マイクロメータ
測定する場合は、切粉または粉塵が製品と測定面の間に入っている場合があるので、製品を
挟んだら少しずらすように滑らせ、異物が無いことを確認してラチェットを回す。
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品質ISO推進研究会
実際の測定作業(厚み1.2ミリ)の場合、被測定物に測定面を合わせるときは、シンプル
をゆっくり回すが、測定面に傾きがあると正しい測定値はでないため、接触させるときは前
後上下に揺さぶるようにし、1回では信頼性が低いので複数回行い、同じ値になることの確
認をする。
(測定結果 13.996ミリ)
4.ダイヤルゲージ
ダイヤルゲージには、標準型とてこ式があり、一定の基準と比較してその差を調べたり、平行
度・平面度または旋盤の芯だし等に使用されている。
(1)種
類
ア.標 準 形
目盛板の最小単位が0.01ミリと0.001ミリがあり、JISでは0.01(または
0.001)目盛りダイヤルゲージと定義されている。
イ.てこ式ダイヤルゲージ。
最小単位が0.01ミリと0.002ミリがあり、測定範囲は02∼0.8ミリ位と標準形
に比べるとかなり狭くなっている。
同じてこ式でも、下図のように縦形と横形・垂直形等があり、測定子は摩擦継ぎ手になって
いるので自由に角度が変えられる。
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品質ISO推進研究会
(縦
型)
目盛板を正面に見ると、測定子が前後に動くタイプで、てこ式ダイヤルゲージの定番である。
(横
型)
目盛板を正面に見ると、左右に動くタイプである。
(垂 直 形)
目盛板が上についているタイプである。
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品質ISO推進研究会
(2)各部の名称
ア.標 準 形
イ.て こ 式
(3)使用方法
ア.標 準 形
基本的に下図のようにダイヤルゲージをスタンドに取付け、高さの比較等に使用する。
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品質ISO推進研究会
(使用例‐1)(定盤作業)
(使用例‐2)(旋盤作業)
イ.てこ式ダイヤルゲージ
(使用例‐1)(定盤作業)
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(使用例‐2)(芯だし作業)
(4)使用上の注意
ア.標 準 型
実際のストロークが5ミリまたは10ミリあるのもあるが、下記のような状況の使用方法で
は0.02ミリ前後の誤差がある。
下記の場合、ダイヤルゲージを直角にセットしないと、誤差が大きくなるので注意する。
(誤差値が多い悪い例)
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品質ISO推進研究会
イ.てこ式ダイヤルゲージ
誤差率は、測定子の移動方向が90度以外では、指針が示す値は実際の動きより大きくなり、
10度で約1.5パーセント、20度で6パーセント大きくなる。
(5)その他
ダイヤルゲージは、精密測定器であるため、取扱いおよび保管等に十分注意すること。
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5.ダイヤルゲージの応用機器
(1)シリンダゲージ
穴径を測定するのに用いられ、かなりの信頼性がある。
ア.各部の名称
イ.測定方法
下記のように測定子が一番奥に入った、一番短い箇所が直径となる。
(2)ダイヤルシックネスゲージ
シム・ビニール・紙等の厚みを容易に測定できる。
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(3)直角度測定
定盤に円筒を立て、下記のようにダイヤルを馬乗りにさせて直角度を測定する。
(4)ダイヤルキャリパー
端が厚い場合等は、奧の薄い箇所を測定するときに使用する。
手前が厚い場合の測定に便利である。
(5)その他
ダイヤルデプスゲージ等がある。
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