ࢶ ɬ ၐ ȫɊ 尾池 和夫 東山を隆起させているのは花折断層とい 比 叡 山 か ら 南 へ 東 山 三 十 六 峰 が 連 な る。 都 の 鬼 門 を 守 る 位 置 に 比 叡 山 が あ る。 花折断層は南へ京都造形芸術大学の 与謝蕪村の墓が花折断層のすぐ東にある。 の 墓 が 京 都 盆 地 を 見 下 ろ し て い る。ま た の 上 盤 側 に は、詩 仙 堂 を 建 て た 石 川 丈 山 園 内 の 坂、吉 田 山 の 西 の 麓 な ど で 位 置 を はなおり う 大 規 模 な 活 断 層 で あ る。こ の 断 層 は 南 断 層 に 続 き、こ れ ら が 京 都 盆 地 の 東 を 縁 確 か め る こ と が で き る。1 9 6 6 年 1 月 ふも と キ ャ ン パ ス の 西 側 を 通 り、京 都 大 学 植 物 ど っ て い る。花 折 断 層 の 運 動 は 、 北 山 と 日、当 時、京 都 大 学 に い た 石 田 志 朗 氏 北に延長 ㌔ 以 上 あ り、さ ら に 南 へ 桃 山 鯖街道から東福寺 花 折 断 層 をたどる 326 比良山や比叡山との間に大規模な破砕帯 50 や 寂 光 院 を 多 く の 人 た ち が 訪 れ る。そ の み 出 し た。四 季 を 通 し て 、 大 原 の 三 千 院 を 作 り、そ こ に 深 い 谷 と 美 し い 景 色 を 生 馬 口 通 が 出 合 う と こ ろ を、東 西 方 向 に 掘 路 新 設 工 事 が 行 わ れ て い た。白 川 通 と 鞍 通 り か か っ た 時、京 都 市 の 東 鞍 馬 口 排 水 が北白川上終町の市バス停留所の近くを 南 へ ほ ぼ 断 層 に 沿 っ て、円 光 寺、詩 仙 堂、 断 層 の 上 盤 側 に 曼 殊 院 が あ り、神 社 か ら を楽しみながら訪れる名所が並んでいる。 す 小 高 い 地 形 を 作 り 出 し て、そ こ に 散 策 花折断層の上下のズレが盆地を見下ろ あ り、そ の 層 を 切 る 断 層 運 動 が、こ の 地 の と わ か っ た。こ れ は 縄 文 晩 期 の 地 層 で 定 か ら、2 5 0 0 年︵誤 差 層 の 年 代 は、炭 素 の 放 射 性 同 位 原 素 の 測 を 見 つ け た。断 層 運 動 で 切 ら れ た こ の 地 の 黒 色 腐 植 層 が 約 2・5 ㍍ ズ レ て い る の り 下 げ た 工 事 現 場 で、彼 は、厚 さ 約 1 ㍍ 金 福 寺 と 続 く。少 し 南 の 山 を 登 っ た 断 層 国宝の東福寺三門は禅宗寺院で最古最 年︶前 の も 層が堆積した時代よりも後で起こったこ 大 の 三 門 で あ る。楼 上 か ら 洛 南 一 帯 が 一 断層である。清水山西断層の崖に沿って、 こ と が で き る。そ の 山 麓 の 崖 が 清 水 山 西 ら 南 へ 曲 が っ て、ま た 東 山 に 沿 っ て 歩 く る。そ こ か ら 車 道 を 西 へ 行 き 、 神 宮 道 か 銀閣寺から南禅寺までは哲学の道であ と﹁妙﹂で は な く、寺 に 女 偏 が 避 け ら れ 義 持 の 筆 に よ る も の だ と い う。よ く 見 る さ れ た。上 層 正 面 の﹁妙 雲 閣﹂の た 後、応 永 年 間 に 足 利 義 持 に よ っ て 再 建 三 門 は、元 応 元 年 の 大 火 に よ っ て 失 わ れ 平 原 も、こ の 楼 上 か ら 見 え て い る。こ の 額は へん 青 蓮 院、知 恩 院 へ 向 か う 。 さ ら に 円 山 公 たためか﹁玅﹂という字になっている。 福井県 あ っ た の か と、書 家 の 川 尾 朋 子 さ ん が 驚 京都府 滋賀県 京都駅 とう す ほかにも最古最大の風 ひゃ く せっち ん 呂 場 や 東 司 が あ る。東 司 は、百 雪 隠 と も 呼 ば れ て い た そ う で、日 本 で 最 古 最 大、国 の 重 要 文化財に指定さ れ た 貴 重なトイレである。 〈おいけ かずお〉 京都造形芸術大学学長。1940年東 京都生まれ、高知育ち。京都大学理 学部卒。京都大学総長などを経て、 2013年4月から現 職 。主な著 書は 『新版 活動期に入った地震列島』、 『日本列島の巨大地震』、 『 変動帯の 文化』、 『 四季の地球科学』、 『 2038 年南海トラフの巨大地震』 など。 出町橋西詰付近に立つ 鯖街道口の碑 く ほ ど の 大 き な 文 字 で あ る。東 福 寺 に は 鯖街道 琵琶湖 さん ろく 園の枝垂桜から高台寺、八坂の塔、二年坂、 望 で き る。西 山 か ら 丹 波 山 地、北 山 の 準 80 こ の 時 代 に、よ く ぞ こ ん な 大 き な 筆 が かけとなった。 と が わ か る。こ れ が 花 折 断 層 研 究 の き っ ぶ鯖街 道 が で き た 。 断層破砕帯に沿って若狭から都に鯖を運 15 産 寧 坂、清 水 寺、鳥 辺 野 と 散 策 を 楽 し む 。 若狭湾 そ し て 若 楓 が 美 し く、秋 の 紅 葉 の 名 所 で ある東福寺に至る。 東福寺を含め東山には楓が多く秋には美しく色づく 断層破砕帯に沿って走る鯖街道
© Copyright 2024 Paperzz