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高等学校潜水技術検定
筆
記
試
験
一
過
去
問
題
級
全国水産高等学校長協会
教科「水産」研究委員会(潜水部会)
平成16年度第1回高等学校潜水技術検定(一級)筆記試験問題
平成16年7月10日(土)
次の問に答えよ。ただし,答は解答用紙の該当するところに●印を付けなさい。
問1.漁業とのかかわりについて間違っているものを選びなさい。
① ダイビングを含めた海洋性レクリエーション活動の活発化に伴って,漁業者の活動等に支
障をきたしている例も少なくない。
② 漁業者が潜水支援船や民宿などを兼業することによって所得の増大を図ったり,漁業協同
組合が主体となってダイビング施設を運営して地域の活性化を図っている事例も見られる。
③ 魚礁設置後の追跡調査,ヒラメ・カレイなどの稚魚やアワビの稚貝放流などにも活用され
ている。
④ 漁業権とは水産動植物を採補する権利,養殖する権利である。
⑤ 漁業権は水面を支配または占有する性格のものである。
問2.潜水に関する物理の基本原則について間違っているものを選びなさい。
① アルキメデスの原理とは「物体を液体に沈めた時,その物体は押しのけた液体の重さと等
しい浮力を持つ。」
② パスカルの原理とは「気体や液体は流体である。この流体に力を加えた場合には,力を加
えた向きだけでなく,すべての向きに力が加わる。」
③ ボイルの法則とは「一定温度において,気体の圧力と体積は反比例する。」
④ シャールの法則とは「一定圧力に保たれた気体の体積の増減は温度に反比例する。」
⑤ ヘンリーの溶解の法則とは「温度が一定であれば液体と接している気体が液体に溶解する
量は,その気体の分圧に比例する。」
問3.潜水に関する自然環境について間違っているものを選びなさい。
① 「波浪」とは直接風によって吹き起こされる波で,風の強さ,吹き続ける時間,吹きわた
る距離に比例して波高が高くなり,波長も長くなる。
② 「うねり」は波が強風域から外れて遠方に伝わり,波の山が丸みを帯びている波のことを
いう。
③ 高潮(たかしお)は強風により海水が陸に吹き寄せられ,気圧上昇により海面が上昇して
潮位が異常に高くなる現象である。
④ 海流とは一定方向に流れ続ける規模の大きい海の流れであり,日本近海の黒潮や北アメリ
カの大西洋岸に流れるメキシコ湾流が有名である。
⑤ 潮流とは,干潮と満潮の周期的な動きである潮汐により発生する海水の流れである。
問4.水中での視覚・聴覚について間違っているものを選びなさい。
① 水中では音は空中の約4倍の速さで伝わるため音が聞こえにくいが,方向は判断しやすい。
② 空中から水中に光りが進むと,屈折が起きるので距離は実際の3/4の距離で近くに見え,
大きさは水中で見ると4/3倍と大きく見える。
③ 太陽光線が海の中を通過する時,波長の長い赤色が水深5mで吸収され,水深10mでオレ
ンジ色,水深20mで黄色が吸収され,最後に青色が残る。
④ 透明度の測定方法は,直径30cmの白い円盤に重りを付け,ロープをつけて沈め,見えなく
なった時の水深を測る。
⑤ ダイバーが水中で水平に見通した透明さを透視度と呼ぶ。
問5.肺の傷害について間違っているものを選びなさい。
① スクーバダイビングの浮上時に,息を止めていたために,肺が過度に膨張して傷つけられ
ることがある。これを,肺圧外傷と呼ぶ。
② 裂けた肺胞から空気が血管の中に入り込み血流を阻害することを空気塞栓という。
③ 肺が裂けて空気が漏れ出し肺から空気が抜けて縮んだ状態になることを気胸という。
④ 肺から漏れ出した空気が胸腔の中心部に溜まることを縦隔洞気腫という。
⑤ 肺圧外傷で,空気塞栓・気胸・縦隔洞気腫の3つの症状が併発することはない。
問6.潜水における傷害について間違っているものを選びなさい。
① 海面移動中に波が高かったり,時化で水中が揺れているような時でもダイビング中であれ
ば船酔いに似た症状の「波酔い」になることはない。
② 水深30mを超えて潜降し窒素分圧が高くなると,窒素ガスは麻酔効果をダイバーに現し
始め,アルコールを飲んだ時と同様な状態になる。
③
一酸化炭素は毒性も強く,酸素より血中のヘモグロビンと強く結合して,その酸素運搬能
力を奪い細胞組織は酸欠状態になり中毒を起こす。
④ 酸素分圧が0.17∼0.20MPaの空気を呼吸すると酸素中毒にかかる。このため,純酸素では水
深7mを超えると酸素中毒を起こし,普通の空気でも水深90mでは酸素中毒となる。
⑤ ウェットスーツ着用時,太陽の日差しを受け体温が急上昇することがある。
問7.減圧症の症状について正しいものを選びなさい。
① 体内のどの部位にどの程度の気泡ができるかで症状が異なることはない。
② 症状は痛みだけの場合のⅡ型と,その他の場合のⅠ型に大別される。
③ Ⅰ型は皮膚症状と関節・筋肉痛のベンズに分けられ,Ⅰ型の80%が皮膚症状である。
④ Ⅱ型は呼吸循環系の障害と中枢神経系の障害のチョークスに分けられる。
⑤ 減圧症は,潜水終了後2時間以内に95%程度が発症する。6時間以上経過してから発症
するものは1%以下とされている。
問8.減圧について,間違っているものを選びなさい。
① 減圧表を使う場合にいう潜水時間とは,潜降を開始してから,浮上を開始するまでの時間
である。
② 減圧停止は減圧症の予防のために行うものである。
③ 無限圧範囲内で潜水を計画しても,予防的な減圧停止を行うことが望ましい。
④ 減圧停止中は,バディシステムを守る必要はない。
⑤ 12時間以内に水深の違うポイントへ潜る場合,1回目を深く,2回目を浅くした方が安全
である。
問9.減圧表(USN)から次の問いの正しいものを選びなさい。
1回目22mに18分潜水し1時間40分休んだ。2回目に16mに30分潜水し2時間休
んだ。3回目に13mに潜水したいが何分間無減圧潜水ができるか。
① 32分
② 45分
③ 53分
④ 60分
⑤ 74分
問10.減圧表(USN)から次の問いの正しいものを選びなさい。
1回目25mに20分潜水し2時間10分休んだ。2回目20mに15分潜水し3時間休んだ。
3回目16mに潜水したいが何分間無減圧潜水ができるか。
① 36分
② 43分
③ 48分
④ 51分
⑤ 54分
問11.減圧表(USN)から次の問いの正しいものを選びなさい。
1回目28mに10分潜水し3時間休み,2回目に22mに15分潜水しある時間休んだ。
3回目に16mに無減圧で最大49分潜水したい。ある時間の最低の休憩時間を求めなさい。
①
②
③
④
⑤
2時間30分
3時間
3時間30分
4時間
4時間30分
問12.セルフレスキューについて間違っているものを選びなさい。
① 緊急浮上ではマウスピースを口から放し,空気塞栓に注意して浮上する。
② バルブを開け忘れた場合,タンクを背負ったまま水中で自力でバルブを開けられるように
練習しておく。
③ バディ単位で行動しているとき,方向が分らなくなったら水面に顔を出して位置を確認す
る。
④ エアー切れは残圧計の確認ミスが原因で起こることがある。
⑤ 水中でバディを見失ったらただちに2∼3m浮上して360°周囲を見回しバディの出す気
泡を探す。
問13.海の生物について,正しいものを選びなさい。
① タコ類に毒はないが,噛まれたときは十分な消毒が必要である。
② 刺胞動物はサンゴ類やクラゲ類で,その害は問題にならない。
③ ウミヘビは猛毒を持っていて,積極的に人を襲う。
④ ナイトダイビングでは,ダツの襲来に気を配る必要がある。
⑤ ウニ類は鋭い棘をもっているが,毒をもっているものはいない。
問14.海の生物の被害にあった時の手当てについて間違っているものを選びなさい。
① ヒョウモンダコ,イイジマフクロウニの被害にあった時は,静かに落ち着かせて,できる
だけ早く医療施設に運ぶ。
② オコゼなどの魚の棘,オニヒトデなどの棘の毒は,酢で無毒化するので傷口を酢で洗浄す
るのがよい。
③ クラゲの刺胞による被害は,酢を傷口にかける。
④ 重傷であれば気道確保,酸素吸入,出血していれば止血等の一般応急処置を施す。
⑤ サンゴに触って受けた切り傷は化膿しやすいので,抗生物質の入った軟膏を塗っておく。
問15.マスクについて,間違っているものを選びなさい。
① ガラス部分が目にできるだけ接近したマスクは視界が広い。
② 鼻の部分がノーズポケットになっている理由は,ガラスを目に接近させるためでもある。
③ マスク内の陰圧は,スクィズを引き起こす。
④ 透明なシリコーン製のマスクは視野が拡がる。
⑤ 内容積の小さいマスクは,視界も広い。
問16.タンクについて間違っているもの選びなさい。
① 高圧ガス保安法による5年毎の耐圧検査時にのみ錆の状態を調べる。
② 空気を充填するタンクは,表面の1/2以上をグレーに塗装しなければならない。
③ タンクの材質にはスチール合金とアルミニウム合金とがある。
④ 使用するタンクの材質によってウエイトの調整が必要である。
⑤ 不純物や一酸化炭素の混入の危険性に注意しなければならない。
問17.BCDについて,間違っているものを選びなさい。
① 潜水中に中性浮力を得ることができるのは大きな利点である。
② インフレーターのボタン位置は,どのメーカーでも統一されている。
③ 深く潜る機会が多いなら,容積の大きいものがよい。
④ 一般に市販されているBCDの空気嚢の容積は8∼16リットル位である。
⑤ 排気弁は加圧防止弁を兼用になっていて,破裂を防いでいる。
問18.レギュレーターについて,正しいものを選びなさい。
① 呼吸抵抗が大きい方が壊れにくいレギュレーターである。
② レギュレーターは空気の供給が止まる故障が多い。
③ ダイヤフラムはゴム製の薄い円盤で,ここで水圧を感じている。
④ ファースト・ステージで周囲圧と同じ圧力の空気となる。
⑤ 高圧部からはオクトパス用の空気を取り出すことができる。
問19.スクーバ器材について,間違っているものを選びなさい。
① 計器類は,すべてショックに弱いので大切に扱う。
② BCDのインフレーターがオクトパスの役割をするものがある。
③ 残圧計のホースには,高圧がかかっているので,痛み具合をチェックする。
④ ダイブコンピュータ(DC)があれば潜水計画を立てる必要がない。
⑤ ボートを使うドリフトダイビングでは,小型のブイを曳行する方が確実である。
問20.ダイビングスーツについて,正しいものを選びなさい。
① 暖かい海では,ダイビングスーツは必要ない。
② ダイビングスーツの役割は保温のみである。
③ ウエイト調節のとき,ダイビングスーツの種類は考慮する必要はない。
④ 低水温ではウエットスーツよりもドライスーツのほうが有効である。
⑤ ウエットスーツはゴムで出来ているので,水中では沈んでしまう。
問21.ドライスーツについて,正しいものを選びなさい。
① ファブリック・ドライスーツの素材生地には保温効果がある。
② ファブリック・ドライスーツで水漏れした場合でも浮力は失われない。
③ ドライスーツの素材には,ネオプレーンタイプ,ファブリックタイプ等がある。
④ ドライスーツで泳ぐときは,抵抗が少ない。
⑤ 緊急時に備えて,すべてのウエイトをベルトに集中させる。
問22.水中でのコミュニケーション器材として,間違っているものを選びなさい。
① 水中ノート
② 水中伝言板
③ ダイビング用ベル
④ シグナル・ブイ
⑤ 水中会話装置
問23.スキンダイビングについて間違っているものを選びなさい。
① スキンダイビング能力が高ければ,水中での行動に自信を持つことができる。
② 息をこらえていると苦しくなるのは,血液中の二酸化炭素分圧が高くなり,それを呼吸中
枢が感知するからである。
③ 息こらえを始める前に,深呼吸を激しく繰り返すことをハイパーベンチレーションと言う。
④ ハイパーベンチレーションを行うと息こらえ時間が長くなるので,できるだけ多くハイパ
ーベンチレーションを行うと良い。
⑤ 浮上中に周囲の水圧が下がるため身体の中の酸素分圧も下がり,失神してしまうことをシ
ャローウォーター・ブラックアウトと言う。
問24.ウエイトの調整,装着について正しいものを選びなさい。
① ウエイトは体重の20%を目安とする。
② 身体の両側に均等にウエイトを配分し,位置は後ろの方に集める。
③ 装着するときは,ベルトの両端を持ち前へまたぎ,上半身を前に傾け,腰にのせるように
して,バックルを締める。
④ 水中では水圧でベルトが締まるので,ややゆるめにベルトを締めておく。
⑤ 息を吐ききったときに,顔全体が水面より上に出ていれば適正ウエイトと言える。
問25.エントリーの方法について間違っているものを選びなさい。
① シッティングフロントエントリーは簡単で安定しているので,状況が許す限り使いたいエ
ントリーの方法である。
② ジャイアントストライドエントリーを使う場合は水面からの高さは3∼5m程度とする。
③ シッティングバックロールエントリーは,ダイバーが水面に当たる時の衝撃がもっとも少
ないので,小さくて不安定なボート等からのエントリーに用いられる。
④ ジャンプエントリーの方法は,基本的にはジャイアントストライドエントリーと同じであ
るが,着水時に両足を揃えてエントリーをする。
⑤ いずれのエントリーでも注意する点として,「安全確認。飛んだり,勢いをつけずゆっく
りする。あわてず着実に行う。」などが挙げられる。
問26.スクーバダイビング器材の組立について間違っているものを選びなさい。
① BCDが確実に固定されているか調べるために,ショルダーベルト等をしっかり持って2
∼3回上下に振ってみる。
② 空気出口にあるゴミやほこりを吹き飛ばすために,Oリングをはずしてバルブを開き,空
気を1∼2回程勢いよく出す。
③ ヨークスクリューを締めるときは,あまり強く締めずに指2∼3本で締まるぐらいの強さ
にする。
④ 器材の組み立て後,残圧計を下や横に向けて直接見ないようにしながら,バルブを少しず
つ開けて空気が出たことを確認する。
⑤ 空気を吸う前に,パージボタンを押して空気が出てくることと匂いなどを調べる。
問27.レギュレーターリカバリーについて間違っているものを選びなさい。
① レギュレーターリカバリーとは,口からはずれてしまったレギュレーターを探して,もう
一度口にくわえ直す技術である。
② 体の右側を下げて,レギュレーターが体の右に離れるようにして,探し出す。
③ レギュレーターホースを探す時は,息を止めて行う。
④ レギュレーターを口にくわえたら,レギュレータークリアを行う。
⑤
手をタンクのバルブのところに回して,レギュレーターのホースを元からつかんで,マウ
スピースを探し出す方法もある。
問28.水中でのトラブルへの対処法として間違っているものを選びなさい。
① トラブルが起こった時には,あせることが一番いけない。パニックを起こし,更なるトラ
ブルを起こしてしまうからである。
② 浮上をしなければならない場合は,周囲にそのことを知らせて安全に水面に浮上する。
③ 万が一に備えて,スクーバ器材を背負ったまま水中でバルブを自力で開けられるよう練習
をしておく必要がある。
④ 釣り糸,網,ロープなどにからまって動きが自由にならなくなったときは,まず,「ど
こ」が「何」に「どの程度」からまったかを確認すること。
⑤ バディを見失った場合は,直ちに水面まで浮上し救助を要請する。
問29.コンパスナビゲーションについて間違っているものを選びなさい。
① レジスターリングを廻して方位マークと磁針を合わせ,磁針が方位マークからはずれない
ように進路マークの方向に進む。
② コンパスだけに集中しすぎないように気を付ける。
③ コンパスを目の前にかざす角度が悪いとコースが曲がってしまうので,捧げ持つようにす
る。
④ コンパスを使って2点間を往復する時,帰路は方位マークを90°廻して,方位マークに
磁針を入れて進路マークの方向に帰ってくる。
⑤ コンパスは水中での磁針の動きが速く,しかも不安定でないもの。磁針が水中で見やすい
ものがよい。
問30.スイミングアセントについて間違っているものを選びなさい。
① 水中で空気がなくなるなどのトラブルが起こった時に自力で浮上する方法である。
② BCDの空気の浮力に頼らず,フィンキックだけで浮上をする。
③ レギュレーターを外したままで行う。
④ 浮上中は「アー」と声を出しながら浮上してエアーエンボリズムを防ぐ。
⑤ 浮上中に周囲の圧力が少なくなるので,呼吸できるだけの空気が出てくることがある。
平成16年度第2回高等学校潜水技術検定(一級)筆記試験問題
平成16年12月11日(土)
次の問に答えよ。ただし,答は解答用紙の該当するところに●印を付けなさい。
問1.潜水の歴史について正しいものを選びなさい。
① 息をこらえる素潜りのことをスキンダイビングと呼ぶが,スキン(skin)とは皮膚のこと
であり,体を水にさらして潜水することを意味していた。
② 19世紀の前半にイギリスのシーベが現在のフーカー式潜水器の原型を発明した。
③ 20世紀の中頃にフランスのガニアンとクストーがデマンドバルブを利用して,ヘルメット
式潜水器を発明した。
④ デマンドバルブとは,ダイバーが呼吸をする,しないに関わらず,常に空気を供給し続け
るバルブのことである。
⑤ スクーバとは商品名であるため,アクアラングと呼ばれるようになった。
問2.潜水に関する物理の基本原則について間違っているものを選びなさい。
① ダイバーが海へ潜ろうとする時,淡水よりも海水の方が浮力が大きくなるので,ウエイト
を増やさなければならない。
② 水深10mでは,約1気圧の水圧を受ける。これを絶対圧力といい,さらに大気圧が1気圧加
わるのでこの時は合計2気圧の圧力を受ける。これをゲージ圧力という。
③ ボイルの法則によると,水面(水深0m)の空気が水深40mの所まで沈むと,その体積は
1/5になる。
④ 空気は窒素約78%と酸素約21%,その他約1%のガスを成分とする混合ガスである。これ
をダルトンの分圧の法則にあてはめると1気圧の窒素分圧は0.78気圧となる。
⑤ ヘンリーの溶解の法則によると,水深10mでは陸上にいるときの2倍の窒素や酸素が溶解
することになる。
問3.日本近海の海流について間違っているものを選びなさい。
① 黒潮は北赤道海流をその源流とし,フィリピン北東部から台湾東部を通過しいったん東シ
ナ海に入る。その後,トカラ列島の中之島付近で太平洋側に入り,日本列島沿いに流れ房総
半島沖から東に向かう。
② 黒潮の流れの強い部分の幅は約50km,厚さ600mもあり,流速3∼5ノットで大変速い。
③ 対馬暖流は東シナ海で黒潮から分岐して日本海に入り,日本沿岸を北上し,津軽海峡を通
過して三陸沖を南下する津軽海流と北海道の日本海側を北上し宗谷海峡を抜けオホーツク海
に抜ける宗谷海流に分かれる。
④ 親潮は千島列島を源として南下する豊富な栄養塩とプランクトンを運ぶ寒流である。三陸
沖で黒潮と出会い大きな潮目を形成し好漁場になる。
⑤ 親潮の透明度は高く,黒潮の透明度は低い。
問4.スクィズについて間違っているものを選びなさい。
① 人間の体には気体が入る6カ所の空所がある。それは,中耳腔,副鼻腔,気管と肺,食道
と胃腸であるが,この空所が水圧を受け締め付けられることをスクィズという。
② 水深2∼3m潜れば耳に痛みを感じる。これは,中耳腔がスクィズを受けているからであ
る。
③ 風邪等で耳が抜けにくい状態で無理して耳抜き潜降すると,浮上するとき内部圧力が抜け
にくく耳が痛くて浮上できにくくなる。これをリバースブロックと呼ぶ。
④ 副鼻腔は鼻の奥で咽頭とつながっているため通常スクィズは受けないが,風邪等の影響で
痛いスクィズを受けることがある。
⑤ 肺や胃腸はさほど心配ないので,胃にガスが発生するような炭酸飲料を潜る前に飲んでも
かまわない。
問5.潜水の呼吸について正しいものを選びなさい。
① 素潜りでは,直前の過度のハイパーベンチレーションは推奨されている。
② 素潜り直前に細かく小さな呼吸を数十回繰り返して肺の換気を高め,体内に酸素を強制的
に吸収することにより,潜水時間を延ばすことができる。これを,ハイパーベンチレーショ
ンという。
③ 過度のハイパーベンチレーションを行い潜水すると,酸欠状態となり失神してしまうこと
がある。これを,シャローウォーターブラックアウトという。
④ 肺の中には肺胞と呼ばれる薄い膜でできた小さい袋が約4.5∼7億個あるが,ガス交換には
関与しない。
スノーケルのパイプ部分はガス交換に直接役立たない空間であり,呼吸死腔と呼んでいる
が,気管支とか喉の部分はガス交換に関与する。
⑤
問6.肺圧外傷の予防法について間違っているものを選びなさい。
① 浮上中は,できるだけ水底を見るようにする。
② 滑らかな呼吸を続け,どんな場合でも呼吸を止めない。
③ 片手を上に伸ばし水面を仰ぎ見てあごを突き出した状態を基本とする。
④ 潜降索につかまって少しずつ浮上できるように練習する。
⑤ 水面下1∼3mで一旦停止してから,浮上するように気を付ける。
問7.減圧症の予防と治療について間違っているものを選びなさい。
① 無減圧潜水限界の範囲を厳しく守る。
② 浮上速度をゆっくりとし,水深1∼3mで一時停止を厳守する。
③ 浮上後はできるだけ体を動かし窒素の排出を早める。
④ 減圧症の治療は専門知識のある医師のもとに,資格を持った者が再圧タンクを操作して行
う。
⑤ 潜水後の異常は,別のはっきりした原因が思い当たらない限り,全て減圧症の疑いをもち,
直ちに医師に連絡し,指示を仰ぐことが大切である。
問8.減圧表の用語について間違っているものを選びなさい。
① 潜水時間とは,潜降開始から浮上終了までの時間である。
② 最大深度とは,1回の潜水で最も深い深度である。
③ 水面休息時間とは,水面及び陸上での休息の時間である。
④ 無減圧限界とは,減圧停止を行わずに浮上することができる最大潜水時間である。
⑤ 反復グループとは,反復潜水のための記号で残留窒素の量を表している。
問9.減圧表(USN)から次の問の正しいものを選びなさい。
1回目30mに20分潜水し2時間休んだ。2回目20mに15分潜水し4時間30分休んだ。3回目
に16mに潜水したいが何分間無減圧潜水ができるか。
① 36分
② 43分
③ 49分
④ 55分
⑤ 60分
問10.減圧表(USN)から次の問の正しいものを選びなさい。
1回目28mに10分潜水し2時間30分休んだ。2回目に20mに15分潜水しある時間休んだ。3
回目に16mに無減圧で最大36分潜水したい。ある時間の最低の休息時間を求めなさい。
①1時間
②1時間30分
③2時間
④2時間30分
⑤3時間
問11.安全潜水について間違っているものを選びなさい。
① 安全確保について大切なことは,参加する全員が同じ行動パターンで行動することである。
② 水中では何時いかなる場合でも,2人1組で行動し助け合う。
③ 水中で意志疎通をはかるには,手信号(ハンドシグナルまたはサイン)が中心となる。
④ 適切な中性浮力とフィンワークをとることは,体力の消耗を減らす。
⑤ ダイバーが潜水していることを知らせる信号旗は,国際信号旗のB旗である。
問12.エアー切れと緊急浮上について間違っているものを選びなさい。
① 呼吸を止めると残圧計の針が上昇していくならば,バルブが十分開いていないことが原因
である。
② 残圧計がゼロを指していて針が動かないならば,エアー切れである。
③ 残圧が十分にある値を指しているのに空気がこないならば,レギュレーターの故障である。
④ バディブリージングとは2人のダイバーが浮上しながら互いに向かい合って,同じマウス
ピースを使い交互に呼吸することである。また,オクトパスを使用する場合もある。
⑤ 緊急浮上中は,マウスピースを口から離して浮上する。
問13.海の生物について正しいものを選びなさい。
① サンゴ類は刺胞動物に含まれるが,刺されることはない。
② オニヒトデは鋭い棘を持つが,毒はもっていない。
③ ヒョウモンダコは唾液腺に猛毒を持つ。
④ ダツは夜眠っているので,ナイトダイビングでは注意する必要はない。
⑤ ゴンズイは尾びれと胸びれに毒棘を持つ。
問14.海の生物の被害にあったときの手当について,間違っているものを選びなさい。
① ヒョウモンダコ,イイジマフクロウニの被害にあったときは,静かに落ち着かせてできる
だけ早く医療施設に運ぶ。
② オコゼなどの魚の棘,オニヒトデなどの棘の毒は,50℃おお湯で無毒化する。
③ クラゲの刺胞による被害は,酢を傷口にかける。
④ クラゲの刺胞による痛みをやわらげるには,暖めるのがよい。
⑤ サンゴに触って受けた切り傷は化膿しやすいので,抗生物質の入った軟膏を塗っておく。
問15.マスクについて正しいものを選びなさい。
① ガラスは「ヒートテンパードガラス」を使用しており,曇り止めは必要ない。
② フレームの素材にはプラスチックや金属が用いられている。
③ マスクはガラスが傷つかないようにスカートを下にして保管する。
④ マスク使用時にコンタクトレンズは安心して使用できる。
⑤ マスクストラップにはスカートと同素材のストラップカバーをつけると髪の毛が絡みにく
い。
問16.フィンについて間違っているものを選びなさい。
① ドライスーツを使用するときはオープンヒールタイプを選択する。
② ブレードの面積が大きいフィンは,推進力も大きいが大きな筋肉の力を要求する。
③ ブレードの中央の穴(ベント)は,ぶれを防ぎ,推進力をアップする。
④ フルフットタイプのフィンは素足で履き,ブーツは使用できない。
⑤ フィンの素材でゴムとプラスチックとを比較すると,初心者にはゴムが使いやすい。
問17.ダイバーズナイフについて間違っているものを選びなさい。
① テグス類や漁業の網による水中拘束からの脱出に使われる。
② 砂地で流れのあるときは,水底に刺して体を支える。
③ 太いアンカーロープを切るときは,小型で軽量のナイフがよい。
④ タンクを叩いて危険を知らせる。
⑤ 素材はステンレスが主流であるが,チタン合金のナイフは塩分・水分に強い。
問18.スクーバタンクについて正しいものを選びなさい。
① 耐圧検査を受けているので,高い所から落としても平気である。
② ナイトロックスは通常の空気タンクに充填して使用する。
③ タンクは使い終わったら,危ないので残圧をゼロにしてバルブを開けておく。
④ 車で運搬するときは衝撃が少ないので,固定したり,固縛する必要はない。
⑤ タンクには,約20MPa(200気圧)または約25MPa(250気圧)の空気を充填して使用する。
問19.BCDの機能について間違っているものを選びなさい。
① 浮力を確保すると,浮いた状態で水面移動できる。
② いかなる深度でも浮きも沈みもしない中性浮力を確保することができる。
③ 浮力を確保しても,レギュレーターを使用しないと水面休息できない。
④ ポケットは,小物の携帯に便利であるが,水の抵抗が大きい。
⑤ セルフレスキューおよびバディ救出時の救命具として浮力を確保できる。
問20.レギュレーターについて,正しいものを選びなさい。
①ファースト・ステージに接続するホースはすべて中圧ホースである。
②レギュレーターはタンクの高圧空気を2段階に分けて減圧する装置である。
③セカンド・ステージでは,中圧を1気圧に減圧する。
④呼吸抵抗が大きい方が丈夫なレギュレーターである。
⑤ドライスーツには高圧空気を供給する。
問21.ウェットスーツについて,間違っているものを選びなさい。
① 片面スキンは着脱がしにくいが,保温力は大きい。
② 両面スキンは生地が二重なので,最も保温力が大きい。
③ スーツは保温だけでなく,ダイバーの傷を防ぐ役目も大切である。
④ 温かくてもフードをかぶる習慣を付けたほうが良い。
⑤ 生地はネオプレーンなどの断熱材から作られている。
問22.ドライスーツについて間違っているものを選びなさい。
① ネオプレーンタイプの適正ウエイトは,ウェットスーツの2倍を目安にする。
②
③
④
⑤
ファブリックタイプの適正ウエイトは,「水面で通常の呼吸で沈める重さ」となる。
潜水方法は,ウェットスーツの時と何ら変わりはない。
ファブリックタイプは,BCDを使用しない。
緊急時にベルトを外した場合の必要な浮力を残して,ウエイトは分散させたほうが良い。
問23.スキンダイビングについて正しいものを選びなさい。
① スキンダイビングの目的は,スクーバダイビングのためのトレーニングでが大である。
② 平均的なスキンダイバーが水中で行動できる時間の目標は,およそ10分と考える。
③ 水深10m以上にスキンダイビングで潜水すると,肺の中の酸素分圧が高くなるので,大
気圧下よりも楽に息をこらえていることができる。
④ ダイビングのためにスイミング・トレーニングをするときは平泳ぎが最も適した泳法であ
る。
⑤ ダイビングの姿勢は,身体が立った状態で泳ぐことが大事であるので,スイミング・トレ
ーニングのときもその姿勢を保って泳ぐと良い。
問24.スキンダイビングの技術について正しいものを選びなさい。
① スノーケルが口からはずれると事故につながるので,必死になって歯でかみしめる。
② スノーケルクリアとは,自分の吐く息で吹き出すなどして,スノーケル内の古い空気を排
除することである。
③ マスククリアとは,唾や海藻でマスクのくもりをとることである。
④ マスクブローとはマスクスクィズを防止するため,鼻から空気を出し,マスク内の空気容
量を増やしてやることである。
⑤ フィンで泳ぐときには足の動きにつれて手を振って泳ぐと良い。
問25.スキンダイビングの潜降技術について間違っているものを選びなさい。
① スキンダイビングではヘッドファースト・ダイブが一般的な潜降方法である。
② 身体が一本の棒のようになり水中に突き刺さっていくイメージで潜降するとよい。
③ 潜降のときは,水面で大きく水しぶきを立てるようにすると潜降のスピードがあがり,潜
る労力が少なくて効率がよい。
④ 潜降のとき,原則として水を手でかくのは1回だけで,その後は右手は耳抜きのために鼻
をつまみ,左手は身体につけておく。
⑤ フィンはゆっくりと大きく動かすようにするとよい。
問26.スクーバダイビングでの潜降について間違っているものを選びなさい。
① 潜降するときには,潜降索につかまりながらフィートファーストでゆっくり潜降すること
が望ましい。
② 耳が痛くなる前にこまめに耳抜きを行う。
③ 海底に着底するときは,海底の生物に注意して,つぶさないようにする。
④ 着底の直前には,ブレーキをかけるためにフィンを大きく動かす。
⑤ 海底に到着したら,そのまま潜降索から5m以内の範囲で,立てひざもしくはうつ伏せに
なって落ち着く。
問27.スクーバダイビングでの浮上について間違っているものを選びなさい。
① 浮上するバディとの水深レベルがほとんど同じになるように,顔を見合わせた状態で,ゆ
っくり浮上を行う。
② 顔は水面を仰ぎ見るようにして,顎を上げて気道を開く。
③ 浮上のときは,速度が速くなったらフィンワークで速度を落とし,沈み気味になったらB
CDの空気を入れ浮上する。
④ 浮上の時,呼吸は絶対止めず,普通の呼吸リズムで呼吸を続ける。
⑤ 完全に水面に浮上したら,BCDに空気を入れて浮力を確保する。
問28.ビーチダイビングについて間違っているものを選びなさい。
① 海岸からのエントリーのときには,器具に小さなごみや砂が付くことが多くなるので,エ
ントリーの前によくチェックすることが必要である。
② エントリーのときにはバディーで身体を支えあって,横歩きをするようにして水に入る。
③ 水に入ってから,沖に向かって泳ぎ始めるのは,水面が腰のあたりまできたときである。
④ エントリーの際,サーフゾーンではレギュレーターのマウスピースをくわえて呼吸をし,
サーフゾーンを抜けた後はスノーケリングに切り替えて,潜降地点まで移動する。
⑤ 岸へのエキジットの際は,水深が腰の高さくらいになった地点ですばやく立ち上がり,横,
または後ろ歩きで海からあがる。
問29.ボートからのエントリー方法について正しいものを選びなさい。
① ジャイアントストライドエントリーは,船が小さくて,揺れが大きい場合に用いる方法で
ある。
② サイドロールエントリーは安定度が良いため,高い船べりからのエントリーに適している。
③ シッティングバックロールエントリーの利点は,直前まで水面を確認しやすいことと,方
位感覚を維持したままエントリーできることである。
④ エントリー後は,その場にとどまり,次にエントリーする人の目標となるようにする。
⑤ あまり長く水面で待たせると,波酔いを起こしてしまう人もいるため,手順良くエントリ
ーする。
問30.サーチ&リカバリーについて間違っているものを選びなさい。
① 円形捜索(サークルサーチ)の方法は,基本的には,シンカーを中心として,捜索ロープ
を持ったダイバーが円形状に1周して360°を捜索する。
② ランダムサーチは広い水域の捜索を行う時に用いられる方法である。
③ 平行捜索は,複数のダイバーがラインを持って横一直線に並んで泳いで捜索する方法であ
る。
④ ジャックステイ捜索とは,海底に張ったマークラインにそって,ラインの両側を平行捜索
する方法である。
⑤ 区画捜索とは,海底に方形枠を設定して,その内側を捜索し,枠を移動することで捜索範
囲を拡大していく方法である。
平成18年度第1回高等学校潜水技術検定(一級)筆記試験問題
平成 年 月 日( )
次の問に答えよ。ただし,答えは解答用紙の該当するところに●印を付けなさい。
問1.潜水の歴史について正しいものを選びなさい。
① 19世紀の前半にイギリスのシーベが現在のフーカー式潜水器の原型を発明した。
② 20世紀の中頃にフランスのガニアンとクストーがデマンドバルブを利用して,ヘルメッ
ト式潜水器を発明した。
③ 息をこらえる素潜りのことをスキンダイビングと呼ぶが,スキン(skin)とは皮膚のこと
であり,体を水にさらして潜水することを意味していた。
④ デマンドバルブとは,ダイバーが呼吸をする,しないに関わらず,常に空気を供給し続け
るバルブのことである。
⑤ スクーバとは商品名であるため,アクアラングと呼ばれるようになった。
問2.潜水に関する物理の基本原則について間違っているものを選びなさい。
① ダイバーが海へ潜ろうとする時,淡水よりも海水の方が浮力が大きくなるので,ウェイト
を増やさなければならない。
② 水深10mでは,約1気圧の水圧を受ける。これをゲージ圧力といい,さらに大気圧が1
気圧加わるのでこの時は合計2気圧の圧力を受ける。これを絶対圧力という。
③ ボイルの法則によると,水面(水深0m)の空気が水深20mの所まで沈むと,その体積
は1/4になる。
④ 空気は窒素約78%と酸素約21%,その他約1%のガスを成分とする混合ガスである。
これをダルトンの分圧の法則にあてはめると1気圧の窒素分圧は0.78気圧となる。
⑤ ヘンリーの溶解の法則によると,水深10mでは陸上にいるときの2倍の窒素や酸素が溶
解することになる。
問3.スクィズについて間違っているものを選びなさい。
① 副鼻腔は鼻の奥で咽頭とつながっているため通常スクィズは受けないが,風邪等の影響で
スクィズを受けることがある。
② 肺や胃腸はさほど心配ないので,胃にガスが発生するような炭酸飲料を潜る前に飲んでも
かまわない。
③ 人間の体には気体が入る6カ所の空所がある。それは,中耳腔,副鼻腔,気管と肺,食道
と胃腸であるが,この空所が水圧を受け締め付けられることをスクィズという。
④ 水深2∼3m潜れば耳に痛みを感じる。これは,中耳腔がスクィズを受けているからであ
る。
⑤ 風邪等で耳が抜けにくい状態で無理して潜降すると,浮上するとき内部圧力が抜けにくく
耳が痛くて浮上できにくくなる。これをリバースブロックという。
問4.潜水に関する自然保護について間違っているものを選びなさい。
① 「波浪」とは直接風によって吹き起こされる波で,風の強さ,吹き続ける時間,吹きわた
る距離に比例して波高が高くなり,波長も長くなる。
② 「うねり」は波が強風域から外れて遠方に伝わり,波の山が丸みを帯びている波のことを
いう。
③ 海流とは一定方向に流れ続ける規模の大きい海の流れであり,日本近海の黒潮や北アメリ
カの大西洋岸に流れるメキシコ湾流が有名である。
④ 潮流とは,干潮と満潮の周期的な動きである潮汐により発生する海水の流れである。
⑤ 高潮(たかしお)は強風により海水が陸に吹き寄せられ,気圧上昇により海面が上昇して
潮位が異常に高くなる現象である。
問5.潜水の呼吸について正しいものを選びなさい。
① 素潜りでは,直前の過度のハイパーベンチレーションは推奨されている。
② 素潜り直前に細かく小さな呼吸を数十回繰り返して肺の換気を高め,体内に酸素を強制的
に吸収することにより,潜水時間を延ばすことができる。これをハイパーベンチレーション
という。
③ 肺の中には肺胞と呼ばれる薄い膜でできた小さい袋が約4.5∼7億個あるが,ガス交換
には関与しない。
④ 過度のハイパーベンチレーションを行い潜水すると,酸欠状態となり失神してしまうこと
がある。これを,シャローウォーターブラックアウトという。
⑤
スノーケルのパイプ部分はガス交換に直接役立たない空間であり,呼吸死腔と呼んでいる
が,気管支とか喉の部分はガス交換に関与する。
問6.肺圧外傷の予防法について間違っているものを選びなさい。
① 滑らかな呼吸を続け,どんな場合でも呼吸を止めない。
② 浮上中は,できるだけ水底を見るようにする。
③ 片手を上に伸ばし水面を仰ぎ見てあごを突き出した状態を基本とする。
④ 水面下1∼3mで一旦停止してから,浮上するように心がける。
⑤ 潜降索につかまって少しずつ浮上できるように練習する。
問7.減圧症の予防と治療について間違っているものを選びなさい。
① 無減圧潜水限界の範囲を厳しく守る。
② 浮上速度をゆっくりとし,水深1∼3mで一旦停止を厳守する。
③ 浮上後はできるだけ体を動かし窒素の排出を早める。
④ 減圧症の治療は専門知識のある医師のもとに,資格を持った者が再圧タンクを操作して行
う。
⑤ 潜水後の異常は,別のはっきりした原因が思い当たらない限り,全ての減圧症の疑いをも
ち,直ちに医師に連絡し,指示を仰ぐことが大切である。
問8.減圧表の用語について間違っているものを選びなさい。
① 潜水時間とは,潜降開始から浮上終了までの時間である。
② 最大深度とは,1回の潜水で最も深い深度である。
③ 水面休息時間とは,水面及び陸上での休息の時間である。
④ 無減圧限界とは,減圧停止を行わずに浮上することができる最大潜水時間である。
⑤ 反復グループとは,反復潜水のための記号で残留窒素の量を表している。
問9.減圧表(USN)から次の問の正しいものを選びなさい。
1回目20mに30分潜水し3時間休んだ。2回目15mに30分潜水し2時間30分休ん
だ。3回目に15mに潜水したいが何分間無減圧潜水ができるか。
① 51分
② 61分
③ 71分
④ 81分
⑤ 91分
問10.減圧表(USN)から次の問の正しいものを選びなさい。
1回目25mに20分潜水し2時間30分休んだ。2回目に20mに30分潜水しある時間
休んだ。3回目に15mに無減圧で最大40分潜水したい。ある時間の最低の休息時間を求め
なさい。
① 1時間
② 1時間30分
③ 2時間
④ 2時間30分
⑤ 3時間
問11.安全潜水について間違っているものを選びなさい。
① 安全確保について大切なことは,参加する全員が同じ行動パターンで行動することである。
② 水中では何時いかなる場合でも,2人1組で行動し助け合う。
③ 水中で意思疎通をはかるには,手信号(ハンドシグナルまたはサイン)が中心となる。
④ ダイバーが潜水していることを知らせる信号旗は,国際信号旗のC旗である。
⑤ 適切な中性浮力とフィンワークは,体力の消耗を減らす。
問12.心肺蘇生法について間違っているものを選びなさい。
① 救助者の安全確保を第一に考える。
② 人工呼吸の吹き込み量は,成人で500∼800mlである。
③ 心臓マッサージと人工呼吸を行う時の比率は15:2である。
④ 心臓マッサージは毎分50回のペースで行う。
⑤ 気道確保を確実に行わなければ,人工呼吸は意味がない。
問13.危険な生物及び危険防止について間違っているものを選びなさい。
① 暖かい海でも,ウェットスーツを使用し,素肌の露出を避ける。
② オコゼやミノカサゴの毒は50℃のお湯で無毒化する。
③ 毒のある生物に刺された時は,何に刺されたかを確認しておく。
④ ナイトダイビングでは,ダイバーが見えずらいので,お互いに水中ライトで照らし合う。
⑤ ウミヘビは海に住むハ虫類で猛毒があることで知られているが,ダイバーが水中で襲われ
た記録はない。
問14.マスク選択のポイントについて間違っているものを選びなさい。
①
②
③
④
⑤
ストラップをきつく締めなくても水が入ってこないものがよい。
面ガラスと目の距離が近いマスクは視界が悪い。
内容積の小さいマスクは,マスクブローやマスククリアをする時の息が少しですむ。
透明なシリコン製のマスクは視界が広がったように感じる。
透明なシリコン製のマスクは,水面近くでカメラ撮影する時ファインダーが見えにくいこ
とがある。
問15.フィンについて間違っているものを選びなさい。
① フルフィットタイプのフィンは素足で履き,ブーツは使用しない。
② フィンの素材でゴムとプラスチックとを比較すると,初心者にはゴムが使いやすい。
③ ドライスーツを使用するときはオープンヒールタイプを選択する。
④ ブレードの面積が大きいフィンは,推進力も大きいが大きな筋肉の力を要求する。
⑤ ブレードの中央の穴(ベント)は,ぶれを防ぎ,推進力をアップする。
問16.ダイバーズナイフについて間違っているものを選びなさい。
① テグス類や漁業の網による水中拘束からの脱出に使われる。
② 砂地で流れのあるときは,水底に刺して体を支える。
③ 太いアンカーロープを切るときは,小型で軽量のナイフがよい。
④ タンクを叩いて危険を知らせる。
⑤ 素材はステンレスが主流であるが,チタン合金のナイフは塩分・水分に強い。
問17.スクーバタンクについて正しいものを選びなさい。
① 耐圧検査を受けているので,高い所から落としても平気である。
② ナイトロックスは通常の空気タンクに充填して使用する。
③ タンクは使い終わったら,危ないので残圧をゼロにしてバルブを開けておく。
④ 車で運搬するときは衝撃が少ないので,固定したり,固縛する必要はない。
⑤ タンクには,約20MPa(200気圧)または約25MPa(250気圧)の空気を充
填して使用する。
問18.BCDの機能について間違っているものを選びなさい。
① 浮力を確保すると,浮いた状態で水面移動できる。
② 浮力を確保しても,レギュレーターを使用しないと水面休息は困難である。
③ ポケットは,小物の携帯に便利であるが,水の抵抗が大きい。
④ 中性浮力を確保することができる。
⑤ セルフレスキューおよびバディ救出時の救命具として浮力を確保できる。
問19.ウェットスーツについて間違っているものを選びなさい。
① ウェットスーツは断熱性のある厚い生地と皮膚の間に入る水によって保温している。
② 生地全体に浮力があるのでウェイトを捨てることで浮力が確保できる。
③ 岩場での擦過傷を予防し,海中に棲息する有害な生物から身を守るのに有効である。
④ 細かな無数の独立気泡をもつフォーム断熱素材で作られている。
⑤ ファスナーを使ったものは楽に脱着でき,保温力は高まる。
問20.ドライスーツについて間違っているものを選びなさい。
① ネオプレーンタイプは生地の厚さとインナースーツで保温力を確保する。
② ファブリックタイプは生地に保温力がないので,かなり厚めのインナースーツを着用する。
③ ラジアルタイプは優れた撥水性を持ち,汚れにくいという特徴を持つ。
④ 水圧によるスクィズを防ぐため,高圧ホースを使って空気をスーツ内に送り込む。
⑤ 緊急時にベルトを外した場合の必要な浮力を残して,ウェイトは分散させたほうが良い。
問21.器材の装着と調整について間違っているものを選びなさい。
① ブーツはスーツのすその内側に入れる。
② フィンをつけて歩くときは,横歩きか後ろ歩きをする。
③ マスクのレンズ内側の曇止めとして,唾液も有効である。
④ ウェットスーツを着るときは,動きやすくなるように関節部分はたるませておく。
⑤ 外側がスキン地のウェットスーツは爪を立てると破れやすい。
問22.レギュレーターについて,正しいものを選びなさい。
① セカンド・ステージでは,中圧を1気圧に減圧する。
② ファースト・ステージに接続するホースは,すべて中圧ホースである。
③
④
⑤
レギュレーターはタンクの高圧空気を2段階に分けて減圧する装置である。
呼吸抵抗が大きい方が丈夫なレギュレーターである。
バランスドピストンタイプのファースト・ステージは,残圧が少なくなると呼吸抵抗が変
化する。
問23.スキンダイビングについて正しいものを選びなさい。
① スキンダイビングの目的は,スクーバダイビングのためのトレーニングである。
② バディシステムの完全な励行がスキンダイビングの絶対的な安全ルールである。
③ 平均的なスキンダイバーが水中で行動できる時間の目標は,およそ10分と考える。
④ ダイビングのためにスイミング・トレーニングをするときは平泳ぎが最も適した泳法であ
る。
⑤ ダイビングの姿勢は,身体が立った状態で泳ぐことが大事であるので,スイミング・トレ
ーニングのときもその姿勢を保って泳ぐと良い。
問24.スキンダイビングの潜降技術について間違っているものを選びなさい。
① 潜降のとき,原則として水を手でかくのは1回だけで,その後は右手は耳抜きのために鼻
をつまみ,左手は身体につけておく。
② フィンはゆっくり大きく動かすようにするとよい。
③ スキンダイビングではヘッドファースト・ダイブが一般的な潜降方法である。
④ 身体が一本の棒のようになり水中に突き刺さっていくイメージで潜降するとよい。
② 潜降のときは,水面で大きく水しぶきを立てるようにすると潜降スピードがあがり,潜る
労力が少なくて効率がよい。
問25.ウェイトの調整について間違っているものを選びなさい。
① 人によって,ウェイトの目安となる量が違うので,水面に浮いて試してみる必要がある。
② 厚さ5mmのウェットスーツを着用する場合,ウェイトは体重の10%を目安とする。
③ 水中の水圧でスクィズを起こさないように,バックルは少しゆるめに締める。
④ 身体の両側に均等にウェイトを配分し,位置は前の方に集める。
⑤ ベルトを持つとき,左手でバックル,右手でベルトの端を持つ。
問26.スクーバダイビングでの潜降について間違っているものを選びなさい。
① 潜降するときには,潜降索につかまりながらフィートファーストでゆっくり潜降すること
が望ましい。
② 着底の直前には,ブレーキをかけるためにフィンを大きく動かす。
③ 耳が痛くなる前にこまめに耳抜きを行う。
④ 海底に着底するときは,海底の生物に注意して,つぶさないようにする。
⑤ 海底に到着したら,そのまま潜降索から5m以内の範囲で,立てひざもしくはうつ伏せに
なって落ち着く。
問27.スクーバダイビングでの浮上について間違っているものを選びなさい。
① 浮上の時,呼吸は絶対止めず,普通の呼吸リズムで呼吸を続ける。
② 完全に水面に浮上したら,BCDに空気を入れて浮力を確保する。
③ 浮上するバディとの水深レベルがほとんど同じになるように,顔を見合わせた状態で,ゆ
っくり浮上を行う。
④ 顔は水面を仰ぎ見るようにして,顎を上げて気道を開く。
⑤ 浮上の時は,速度が速くなったらフィンワークで速度を落とし,沈み気味になったらBC
Dに空気を入れ浮上する。
問28.ボートからのエントリー方法について正しいものを選びなさい。
① ジャイアントストライドエントリーは,船が小さくて,揺れが大きい場合に用いる方法で
ある。
② サイドロールエントリーは安定度が良いため,高い船べりからのエントリーに適している。
③ あまり長く水面で待たせると,波酔いを起こしてしまう人もいるため,手順良くエントリ
ーする。
④ シッティングバックロールエントリーの利点は,直前まで水面を確認しやすいことと,方
位感覚を維持したままエントリーできることである。
⑤ エントリー後は,その場にとどまり,次にエントリーする人の目標となるようにする。
問29.耳抜きの方法について正しいものを選びなさい。
① 潜降時に無理に耳抜きをしたからといって,浮上時に耳が痛くなることはない。
②
③
ヘッドファーストでの潜降は,フィートファーストでの潜降より耳抜きがやりやすい。
バルサルバ法は初心者に最も適した方法で,耳抜きができるまでいくら強くやってもなん
の問題もない。
④ 一般的に,スクーバダイビングの方がスキンダイビングより耳抜きはなりやすい。
⑤ 普段耳抜きをできる人が,風邪をひいたために,急に耳抜きができなくなることはない。
問30.スクーバダイビングの器材の装着と調整について間違っているものを選びなさい。
① ヨークスクリューはあまり強く締めすぎない。
② BCDは種類により取り付け方が異なってくる。
③ バルブを開くときは残圧計を直接見ない。
④ 充填済みのテープで封をしてあるタンクは残圧を確認する必要はない。
⑤ バルブを全開してから半回転∼1回転ほど戻し,残圧を確認する。
平成20年度第1回高等学校潜水技術検定(一級)筆記試験問題
平成 年 月 日( )
次の問に答えよ。ただし,答えは解答用紙の該当するところに●印を付けなさい。
問1.潜水の歴史について,間違っているものを選びなさい。
① 古代人は,魚介類を採り生活の糧とするためスクーバダイビングを行った。
② 1797年にヘルメット潜水器が発明された。
③ 1920年に圧縮空気を用いた自給気式潜水器が発明された。
④ 1689年に潜水用圧力ポンプが発明された。
⑤ 現在では,息をこらえる素潜りのことをスキンダイビングと呼ぶ。
問2.潜水に対する適正で,医師の診断のもとダイビングが可能なものを選びなさい。
① 脳脊椎関係の障害の経験がある。
② 糖尿の傾向がある。
③ 肺障害がある。
④ メニエール氏症候群がる。
⑤ ヘルニアがある。
問3.自然保護について,ダイバーが守るべき心得として間違っているものを選びなさい。
① ダイバーが海に入ればなにがしかの自然環境を乱す恐れがあることを自覚し,インパクト
を最小限にするよう細心の注意を払う。
② 不用意に着底しないよう,中性浮力などのダイビング技術の向上に努める。
③ 水中生物についての理解を深めるため,採集・観察を行う。
④ 趣味としての生物採集をしない。
⑤ 自然保護の集いやセミナーなどに参加する。
問4.漁業との関わりについて,間違っているものを選びなさい。
① 漁業共同組合が主体となってダイビング施設を運営して地域の活性化を図っている事例も
ある。
② 漁業制度に関する法令は,漁業法,水産資源保護法,政令,農林水産省令,都道府県漁業
調整規則などがある。
③ 漁業法は,漁業権,入漁権,漁業調整,漁業調整委員会などの制度を規定している。
④ 漁業権には,定置漁業権,区画漁業権,合同漁業権がある。
⑤ 漁業権とは水産動植物を採集する権利,養殖する権利である。
問5.ボイルの法則とダルトンの分圧の法則について,正しい組み合わせを選びなさい。
深度(m)
空気の大きさ
窒素分圧
酸素分圧
(水面との比較)
①
10
1/2
0.7
0.3
②
15
2/5
1.75
0.75
③
20
1/3
2.1
0.9
④
25
2/7
2.45
1.05
⑤
30
1/4
3.2
0.8
問6.潜水生理に関わる記述について,間違っているものを選びなさい。
① 健康な人の体内の空所は,中耳腔,副鼻腔,気管,肺,食道,胃腸の6カ所である。
② 肺圧外傷の症状は,空気塞栓,気胸,縦隔洞種の3つである。
③ 水深30mを超えて潜降すると,窒素ガスが麻酔効果を現し窒素酔いを起こす可能性が高
くなる。
④ 酸素中毒は,0.1MPa(1気圧)を超えると起こる可能性が高く,純酸素では数m潜
るだけでも危険である。
⑤ 潜水徐脈とは,潜水により脈拍数が陸上にいる平常時よりも低下することをいう。
問7.減圧症について,間違っているものを選びなさい。
① 皮膚症状はⅠ型の20%で体中の皮膚がかゆくなったり,皮膚に斑紋ができる。
② ベンズはⅠ型の80%で,主に上肢で多く発生する。
③ 減圧症は2時間以内に90%程度が発生し,6時間以上経過してからの発症は1%以下と
されている。
④
⑤
チョークスは呼吸困難,胸部の苦悶などの症状で,肺動脈内気泡塞栓の結果と考えられる。
中枢神経系の障害では,身体が麻痺し筋肉のコントロールを失う症状である。
問8.減圧表の用語について正しいものを選びなさい。
① 最大深度とは,その海面の一番深い水深のことである。
② 水面休息時間とは,潜水終了後の休息の時間のことである。
③ 無減圧限界とは,各潜水深度における減圧停止時間のことである。
④ 反復グループとは,2回目以降の潜水を一緒に行うダイビンググループのメンバーのこと
である。
⑤ 潜水時間とは,潜降開始から浮上開始までの時間のことである。
問9.減圧表(USN)から次の問の正しいものを選びなさい。
1回目27mに30分潜り,1時間休んだ。2回目に20mに潜水したいが何分間無減圧潜
水ができるか。
① 30分
② 27分
③ 19分
④ 13分
⑤ 10分
問10.減圧表(USN)から次の問の正しいものを選びなさい。
1回目18mに48分潜水し1時間40分休んだ。2回目に15mに31分潜水し2時間
休んだ。3回目に12mに潜水したいが何分間無減圧潜水ができるか。
① 14分
② 24分
③ 34分
④ 44分
⑤ 54分
問11.減圧表(USN)から次の問の正しいものを選びなさい。
1回目に26mに10分潜水し3時間休んだ。2回目に23mに15分潜水しある時間休ん
だ。3回目に18mに無減圧で最大49分潜水したい。ある時間の最低休憩時間を求めなさい。
① 1時間
② 2時間
③ 3時間
④ 4時間
⑤ 5時間
問12.次の条件において,潜水可能時間として正しいものを選びなさい。
潜水条件:ダイバーへの毎分当たり空気消費量 30㍑/分
最大潜水深度
30m
タンク内容積
12㍑
タンク充填圧
200気圧
50気圧を残して浮上する。
往復の空気消費は考えなくてよい。
① 15分
② 18分
③ 20分
④ 23分
⑤ 25分
問13.ハンドシグナルの「喉の前で手の平を水平に振り,喉を切る動作」の意味として正しいも
のを選びなさい。
① 水平に移動せよ。
② 異常なし。
③ 空気がない。
④ 私は潜降します。
⑤ 停止せよ。
問14.海の生物について,正しいものを選びなさい。
① 刺胞動物には,サンゴ類やクラゲ類などがいるが,いずれも特に強い毒を持つものはいな
い。
② ナイトダイビングでは,ダツの襲来に気をつける必要がある。
③ ウミヘビは猛毒を持っており,積極的に人を襲う。
④ ヒョウモンダコには毒がなく安全であるが,念のために傷口の消毒は必要である。
⑤ イモ貝の仲間には,毒銛をもつような危険な種類はいない。
問15.マスクについて,間違っているものを選びなさい。
① ガラスは熱を加えて強化した「ヒートテンパードガラス」が使われる。
② フレームはABS樹脂やポリカーボネイトなどのプラスチック素材を使用し,アルミニウ
ムなどの金属素材は使用されない。
③ スカートは高価だが長持ちするシリコン素材が主流である。
④ スカートは折れたまま放置すると変形する場合があるため,ガラス面を下にスカートを上
にして保管する。
⑤ ストラップは,通常スカートと同色同素材が使われる。
問16.スノーケルについての以下の文章の空欄に適する数字の組み合わせで,正しいものを選び
なさい。
『スノーケルの規格は長さ(ア)∼(イ)mm,太さは(ウ)∼(エ)mmとされている。』
① ア 350
イ 500
ウ 10
エ 25
② ア 400
イ 550
ウ 15
エ 30
③ ア 450
イ 600
ウ 20
エ 35
④ ア 500
イ 650
ウ 25
エ 40
⑤ ア 550
イ 700
ウ 30
エ 45
問17.ダイビング器材について,正しいものを選びなさい。
① 脚力の弱い人は硬いフィンを選び,脚力の強い人は軟らかいフィンを選ぶ。
② ウェイトベルトのバックルは,ウェイトの落下防止のために一動作で外れないものを選ぶ。
③ マリンブーツは足首に負担がかからないように,足の甲や底が硬いものを選ぶ。
④ ダイバーズナイフの使用は,水中拘束からの脱出のためだけに限定されている。
③ ダイバーズナイフの素材はステンレスが主流だが,手入れが行き届かないとすぐに錆びて
しまう。
問18.空気タンクについて,間違っているものを選びなさい。
① タンクは「酸素ボンベ」ではなく,湿気のない清浄な空気を充填する容器である。
② 空気タンクに間違って酸素を充填したりすることがないように,表面の1/3以上が灰色
に塗装されている。
③ 10㍑のタンクに20MPa(200気圧)を充填した時の空気重量は約2.6kgにな
る。
④ 高圧タンクは5年ごとに規定の圧力をかけて金属疲労の状態などを検査するように定めら
れている。
⑤ ナイトロックス用のタンクは,専用のものが使用される。
問19.BCDについて,間違っているものを選びなさい。
① インフレーターのマウスピースを使ってオーラル給気をすることもできる。
② グループのリーダーや,深く潜る機会が多いひとは容積の大きいものがよい。
③ 一般に市販されているBCDの空気嚢の容積は8∼16㍑位である。
④ エグゾーストバルブは加圧防止弁と兼用になっていて,BCDの破裂を防いでいる。
⑤ インフレーターの形は,どのメーカーでも統一されている。
問20.レギュレーターのファースト・ステージについて,正しいものを選びなさい。
① ファースト・ステージには高圧ポートと中圧ポートが設けられていて,高圧ポートにはオ
クトパスを接続する。
② スタンダード・ピストンタイプは,部品が多く複雑な構造である。
③ ファースト・ステージで周囲圧と同じ圧力の空気となる。
④ バランスド・ピストンタイプは,残圧が少なくなると呼吸抵抗が変化する。
⑤ ファースト・ステージはタンクのバルブに直接取り付ける。
問21.ダイビングスーツについて間違っているものを選びなさい。
① ウェットスーツは断熱性のある厚い生地と皮膚の間に入る水によって保温している。
② ドライスーツは身体とスーツの間に空気の層を作ることによって保温している。
③ ファブリック・ドライスーツの素材生地には保温効果がある。
④ ウェットスーツは深く潜るにつれて急速に断熱効果が失われる。
⑤ ドライスーツはウェットスーツに比べ泳ぐときの抵抗が大きい。
問22.サバイバルアクセサリーについて間違っているものを選びなさい。
① ストロボライトは水中でバディに位置を知らせるのに役立つ。
② 中圧ホースに取り付け,タンクの空気を利用して大きな音を出すホーンもある。
③ シグナルブイは筒型の袋に空気を入れて水面上に立てるものが多い。
④ ダイバーズミラーはダイビングには,役に立たない。
⑤ ドリフトダイビングでは,目立つ色彩の小型ブイに細いロープを付けて曳航すると良い。
問23.スキンダイビングについて,間違っているものを選びなさい。
① フィンで泳ぐときは手は使わないようにする。
② バックルのついているフィンの装着は,きつく締めすぎないように調節する。
③ スキンダイビング能力が高くても,水中行動においてパニックに陥りやすい。
④
⑤
スノーケルを使う呼吸はゆっくり吸って,強く吐くのがこつである。
マスクのストラップは強くする必要はない。
問24.スキンダイビングの潜降技術について間違っているものを選びなさい。
① スキンダイビングではヘッドファースト・ダイブが一般的な潜降方法である。
② 潜降のときは,水面で大きく水しぶきを立てるようにすると潜降スピードがあがり,潜る
労力が少なくて効率がよい。
③ 水中でのフィンの使い方は,ゆっくりと大きく動かすようにするとよい。
④ ヘッドファースト・ダイブでは,身体が一本の棒のようになり水中に突き刺さっていくイ
メージで潜降するとよい。
⑤ 潜降のとき,原則として水を手でかくのは1回だけで,その後は右手は耳抜きのために鼻
をつまみ,左手は身体につけておく。
問25.水中でのトラブルへの対処法として間違っているものを選びなさい。
① 浮上をしなければならない場合は,周囲にそのことを知らせて安全に水面び浮上する。
② 万が一に備えて,スクーバ器材を背負ったまま水中でバルブを自力で開けられるよう練習
をしておく必要がある。
③ バディを見失った場合は,直ちに水面まで浮上し救助を要請する。
④ トラブルが起こった時には,あせることが一番いけない。パニックを起こし,更なるトラ
ブルを起こしてしまうからである。
⑤ 釣り糸,網,ロープなどにからまって動きが自由にならなくなったときは,まず,「ど
こ」が「何」に「どの程度」からまったかを確認すること。
問26.エントリーの方法について間違っているものを選びなさい。
① シッティングフロントエントリーは簡単で安定しているので,座る場所と水面との差が大
きなところなどに向いている。
② ジャンプエントリーの方法は,基本的にはジャイアントストライドエントリーと同じであ
るが,着水時に両足を揃えてエントリーをする。
③ いずれのエントリーでも注意する点として,「安全確認。飛んだり,勢いをつけずゆっく
りする。あわてず着実に行う」などが挙げられる。
④ ジャイアントストライドエントリーを使う場合は水面からの高さは1∼1.5m程度とす
る。
⑤ シッティングバックロールエントリーは,ダイバーが水面に当たる時の衝撃がもっとも少
ないので,小さくて不安定なボート等からのエントリーに用いられる。
問27.スクーバダイビングでの浮上について間違っているものを選びなさい。
① 浮上するバディとの水深レベルがほとんど同じになるように,顔を見合わせた状態で,ゆ
っくり浮上を行う。
② 顔は水面を仰ぎ見るようにして,顎を上げて気道を開く。
③ 浮上の時,呼吸は絶対止めず,普通の呼吸リズムで呼吸を続ける。
④ 完全に水面に浮上したら,BCDに空気を入れて浮力を確保する。
⑤ 浮上の時は,速度が速くなったらフィンワークで速度を落とし,沈み気味になったらBC
Dに空気を入れ浮上する。
問28.スクーバダイビング器材の組立てについて間違っているものを選びなさい。
① 空気出口にあるゴミやほこりを吹き飛ばすために,Oリングをはずしてバルブを開き,空
気を1∼2回程度勢いよく出す。
② BCDが確実に固定されているか調べるために,ショルダーベルト等をしっかり持って2
∼3回上下に振ってみる。
③ ヨークスクリューを締めるときは,あまり強く締めずに指2∼3本で締まるぐらいの強さ
にする。
④ 器材の組み立て後,残圧計を下や横に向けて直接見ないようにしながら,バルブを少しず
つ開けて空気が出たことを確認する。
⑤ 空気を吸う前に,パージボタンを押して空気が出てくることと匂いなどを調べる。
問29.サーチ&リカバリーについて間違っているものを選びなさい。
① 円形捜索(サークルサーチ)の方法は,基本的には,シンカーを中心として,捜索ロープ
を持ったダイバーが円形状に1周して360°を捜索する。
② ランダムサーチは広い水域の捜索を行う時に適しており,二重遭難の恐れもない。
③ 平行捜索は,複数のダイバーがラインを持って横一直線に並んで泳いで捜索する方法であ
る。
ジャックステイ捜索とは,海底に張ったマークラインにそって,ラインの両側を平行捜索
する方法である。
⑤ 区画捜索とは,海底に方形枠を設定して,その内側を捜索し,枠を移動することで捜索範
囲を拡大していく方法である。
④
問30.スイミングアセントについて間違っているものを選びなさい。
① レギュレーターを外したままで行う。
② 浮上中は「アー」と声を出しながら浮上してエアーエンボリズムを防ぐ。
③ 水中で空気がなくなるなどのトラブルが起こった時に自力で浮上する方法である。
④ BCDの空気の浮力に頼らず,フィンキックだけで浮上する。
⑤ 浮上中に周囲の圧力が少なくなるので,呼吸できるだけの空気がレギュレーターから出て
くることがある。