カスタマーストーリー ジョンソンコントロールズが生産戦略を レクトラとともに再構築 お客様の課題 ジョンソンコントロー ルズは、多様化する自 動車の内装オプション の高まる需要に対応す るために、生産の柔軟 性を高める必要があり ました。 レクトラのサポート レクトラはVectorAuto iX9の前身となる、自 動車材料用に特別に設 計された多層用裁断ソ リューションである VectorAuto MX9を提案し ました。レクトラは、 迅速かつ効果的にソリ ューションを実装でき るように、プレス裁断 から自動裁断にいたる までの移行プロセス全 体において、ジョンソ ンコントロールズをサ ポートしました。 レクトラのソリューシ ョン レクトラは、世界の自動車部品メーカーのトリムカバー生産の裁断室の構築 をサポートします。 © Johnson Controls お客様の課題 ジョンソンコントロールズは、自動車を差別化し、スタイル、快適性、安全性と いった、お客様の理想を実現する座席システムを提供することで、自動車のトリ ムカバー業界を80年以上にわたってリードしてきました。しかし自動車の内装の カスタマイズの傾向が主流になるに従って、革新的な自動車部品メーカーは、内 装のオプションの急激な増加に対処しながら過去と同じ数量の台数を生産するこ とは、彼らが使用しているプレス裁断方式では不可能であることを認識しました。 段替え時間の長さ、生産プロセスの途中で金型を変更するためのコスト、またプ レス裁断内では容易にパターンを変更できないことが、ジョンソンコントロール ズの生産の柔軟性を厳しく制限していました。また、金型の長さが固定されてい るため、ピースと生地端との間に大きなパーツ間隔が生じ、そのために生地の無 駄がかなり増えるので、製造コストが増大していました。常に変化する市場で、 競争力を高めて新規案件を獲得するには、多様なオプションを提供するソリュー ションを見つけて、厳しい生産スケジュールに間に合わせ、生地のコストを削減 する必要があります。ジョンソンコントロールズの経営陣は、ヨーロッパの工場 内のすべてのプレス裁断を、自動裁断機に入れ替えて、生地裁断バリューチェー ンを変革する戦略的プロジェクトを実行することにしました。 レクトラのバリュー ジョンソンコントロールズは、裁断室の変革プロジェクトのために複数の技術プ ロバイダーを評価した結果、最先端の技術、裁断室の専門知識、またこのような 大規模プロジェクトを効果的に運営できるグローバルサポートサービスを併せ持 つ候補者はレクトラだけでした。 「柔軟なサプライヤー であることは、契約の 獲得がより簡単になる ことを意味します。今 日私たちが備えている Vector 裁断ソリュー ションは、20年前には 利用できなかったさま ざまなオプションのす べてを簡単に処理でき ます。」 ウィリー・フォン・ロ ーイ アドバンスド・マニュフ ァクチュアリング・エン ジニアリング、裁断およ び縫製事業部、グローバ ル・ディレクター VectorAutoMX9®を早期に導入していたジョンソンコントロールズは、すでにレク トラの多層用の自動車生地裁断機のパフォーマンスおよび生産性に精通していま した。MX9に統合された画期的な技術によって、より多くの多層の生地を、高速 かつ一貫した高品質で裁断できるようになりました。その高性能裁断ヘッドとイ クリプス機能により、コンベアが前進する間に裁断できるので、処理量が増大し ました。内蔵のブレードひずみコントローラー、自動裁断軌跡補正、また接近し たパーツの最適な裁断などの機能によって、精密な裁断と再現性が実現しました。 ジョンソンコントロールズは、最高レベルのパフォーマンスを実現するために、レ クトラの最新の裁断ソリューションVectorAutoiX9®を、2012年の発売時に裁断室に 導入することにしました。iX9はMX9の能力を拡張しています。高性能裁断ヘッドと コンベアが前進する間に裁断できる機能により、処理量が増大しました。リーン 方式のポカヨケと、自動ドリル直径識別機能やビデオ支援による延反位置制御な どのビジュアル管理システムにより、生産量と効率がさらに最大化されました。 しかしながら、ジョンソンコントロールズの経営陣は、柔軟な裁断ソリューショ ンを探し求めるだけでなく、彼ら独自の課題を理解し、レクトラの声に耳を傾 け、成功のためのソリューションをレクトラと協力して発見できるような柔軟な 会社を目指していました。「両社間の信頼の高さが、私たちがレクトラを選んだ 主な理由の1つです」と、ジョンソンコントロールズのアドバンスド・マニュフ ァクチュアリング・エンジニアリング、裁断および縫製事業部のグローバル・デ ィレクターであるウィリー・フォン・ローイは述べます。「私たちのチーム間の 率直で透明なコラボレーションにより、このプロジェクトを成功に導いた専門知 識、経験、ベストプラクティスの共有が生まれました。」 ジョンソンコントロールズがレクトラを選択した3つ目の要因は、財政的に安定し ている点でした。「このような大規模の変革プロジェクトには、時間とお金を大 量に投資する必要があります。私たちには、長期的なプロジェクトに取り組み、 必要に応じて生産規模を拡大できるような財務能力を備えていることが分かって いる安定したパートナーが必要でした」とウィリーは続けます。 協力して変化をもたらす このプロジェクトに着手する以前は、ジョンソンコントロールズの欧州工場で行 われていた裁断の90~95%がプレス裁断機を用いて実施されていました。自動裁 断機は、少量の裁断、プロトタイプ、および再裁断にのみ使用されていました。 このような大規模な変更を実施するとなると、もともとプレス裁断機で行ってい た作業に自動裁断機を使用するだけでは足りません。「作成しなければならない 型入れやマーカーが増えるので、計画ソリューションやCADチームの準備を整え る必要があります。また、完全に異なる品質管理も必要になります。変更という 概念について今までとは異なる考え方をする必要があります。システムを導入す る前に、前述のすべての要素をあらかじめ調整する必要があります」と、ウィリ ー・フォン・ローイは説明します。 10年以上の期間にわたって進行中のこのプロジェクトでは、レクトラのチームは ジョンソンコントロールズと密接に協力し、移行を容易にするとともに、Vector 裁断室が最適なパフォーマンスで稼働するようにしました。「Česka Lípa(チェ コ共和国)のパイロット工場から始まり、後にジョンソンコントロールズのヨー ロッパ全土の裁断および縫製工場にロールアウトされた中で、レクトラの開発、 保守、およびサービスチームには、多大なサポートを提供してもらいました。 レクトラは、私たちを常にサポートし、当社が生産性の要件を満たし、優れた裁 断品質を維持できるようにしてくれました」と、ジョンソンコントロールズのア ドバンスド・マニュファクチュアリング・エンジニアリング、裁断および縫製事 業部のヨーロッパのシニアマネージャーであるグイド・ゲリッツは付け加えます。 サポートサービスは、プレス裁断のように変化のない機械的なプロセスからテク ノロジーベースのプロセスに変更する際に特に重要です。ジョンソンコントロ ールズが新しい生産方法に慣れるために試行錯誤していた実装の初期段階では、 レクトラの専門家は、機器の最適なパフォーマンスや自動車のさまざまな材料に おける最高の裁断品質を実現できるような基準を設定するためにアドバイスを行 い、特定の設定のもとで機器がいかに動作するかを説明し、そして保守サポート についてチームのトレーニングを実施しました。 レクトラにとっては、Vectorの性能を引き続き向上させるうえで、ジョンソンコ ントロールズからの情報は非常に貴重でした。ジョンソンコントロールズなどの 優秀なサプライヤーのニーズに応えるような機能を開発することで、レクトラは 自動車部品サプライヤーの実践的な要件と、製造に関するニーズの進化を深く理 解できるようになりました。 戦略的ビジョンを実現したジョンソンコントロールズ ジョンソンコントロールズは、レクトラの専門知識とテクノロジーのサポートを 受けて、現在ではより機動的な裁断プラットフォームを構築しています。このプ ラットフォームは、マーケットリーダーとしての地位を維持し、その世界的な事 業の成長戦略をサポートします。自動車の座席の製造がますます複雑になるにつ れて、ジョンソンコントロールズは新しい生地や装飾を導入することで、顧客の ニーズと要求に効率的に対応しています。プラットフォーム間で迅速に切り替え を行い、製品の変更プロセスをより正確に管理し、顧客の計画プロセスにも柔軟 に対応します。 「柔軟なサプライヤーであることは、契約獲得がより簡単になることを意味しま す。今日私たちが備えている Vector裁断ソリューションは、20年前には利用で きなかった様々なオプションのすべてを簡単に実行できます」とウィリーは述べ ています。 ジョンソンコントロールズは、レクトラの最高技術を採用することで、市場を牽 引する企業としての地位を守り、発展する業界において他社よりも秀でることが できます。より長く、より効率的な型入れを作成し、パーツ間の最小限のスペー スで裁断できるので、顧客への競争力のある価格の提供、自動車業界の厳しい品 質基準の確保、そして企業の利益確保につながります。 生産の柔軟性を向上させることに加えて、多層生地の裁断ソリューションとして VectorAuto MP9、MX9、そして現在ではiX9をジョンソンコントロールズの裁断お よび縫製工場に導入することで、企業の競争戦略の不可欠な要素である、すべて のエリア間におけるプロセスの最適化が容易になります。設備基盤が統一された ことで、ジョンソンコントロールズでは習熟期間を短縮し、KPIを体系的に測定 して評価し、ベストプラクティスを標準化できるようになりました。「プラント Aで行われた改善は、他の工場にロールアウトすることができます。つまり、シ ステム、問題、メリットがすべて同じなので、情報を共有できるのです」とグイ ドは述べています。急速に変化する自動車業界では、知識を共有して変更のロー ルアウトを加速することが、裁断室のパフォーマンスをより効率的に管理し、自 動化のメリットを完全に引き出すためにとても重要です。 生産サイクルが短くなるにつれて、Vector導入によって得たスピードと生産効率 のおかげで、ジョンソンコントロールズは顧客にジャストインタイムの製造サー ビスを引き続き提供できています。生産量の増大は、新たなビジネスを継続的に 引き寄せることができることを意味します。 明るい未来 ヨーロッパでのプロジェクトの成功に続いて、ジョンソンコントロールズは、世 界中でこのような成功を実現したいと考えています。ヨーロッパの工場の競争 力向上に有益だった高度な技術、裁断室の専門知識、そしてプロジェクトの導入 は、アジアの工場でも有益です。ジョンソンコントロールズは現在、世界中の工 場で180台を超える Vector を設置しています。 自動車市場は変化し続けており、競争も激化しているので、ジョンソンコントロ ールズでは、レクトラの常に進化する技術を採用し、裁断室のパフォーマンスが 現在および将来の課題を常に克服できるようにしています。 「ジョンソンコントロールズは、常に業界のパイオニアであり続けてきました。 この変革プロジェクトは、その更なる証拠です。私たちは、ジョンソンコントロ ールズがこのプロジェクトのサポート役にレクトラを選んでくださったことを誇 りに思っており、彼らが常に市場の先を行くことができるようなソリューション を引き続き提供できることを楽しみにしています」と、レクトラの戦略アカウン トのディレクターであるハビエル・ガルシアは述べています。 ジョンソンコントロールズについて ジョンソンコントロールズは、グローバルに事業展開しているテクノロジーおよび産業分野のリーダーであり、150カ国以上で顧客にサービ スを提供しています。同社で働く17万人の従業員によって、 建物のエネルギーと運用効率を最適化する高品質な製品、サービス、ソリュー ション、鉛酸バッテリーやハイブリッド車および電気自動車用の高度なバッテリー、自動車用の内装システムが製造されています。ジョン ソンコントロールズの持続可能性への取り組みのルーツは、1885年に電気式室内用サーモスタットを初めて発明したときにまで遡ります。 ジョンソンコントロールズは、その成長戦略を通じて、さらには市場シェアを拡大することで、株主に価値を提供し、顧客が成功するよう に全力を注いでいます。 レクトラについて レクトラは、繊維や皮革など軟素材を扱う各業界の製品デザイン・開発・製造の自動化・合理化および加速化を支援する統合ソリューションのグロ ーバルリーダーです。レクトラは、非常に高度な専門ソフトウェアや裁断システムを開発し、ファッション(アパレル・アクセサリ・靴)、自動車 (シート・内装用品・エアバッグ)、航空宇宙、船舶、家具、風力タービンなど多彩な市場に関連するサービスを 提供しています。レクトラは、100カ国以上、23,000社を超える顧客に製品・サービスを提供しています。2013 年度の売上は2億7,000万ドル、従業員数は1,500名です。レクトラはユーロネクストに上場しています。 lectra.co.jp ® Vector はレクトラの登録商標です。 「ジョンソンコントロールズとレクトラは優れたチームです。私たちがコラボレー ションすることで、お互いの会社がより高いレベルに上がることができました。す ばらしい仕事をしたと思います」とウィリーは結論付けています。
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