ダウンロード - 新谷・大囿研究室

疑似体験サイトを用いた未成年者のための
有害情報対策プロキシ
仲野
雅幸*,伊藤
太樹,白松
俊,大囿
忠親,新谷
虎松(名古屋工業大学)
An Implementation of a Web Proxy Forwarding to Demonstration Sites of Harmful Contents
Masayuki Nakano,Taiki Ito,Shun Shiramatsu,Tadachika Ozono,Toramatsu Shintani
(Nagoya Institute of Technology)
1.はじめに
Web 上では未成年者にとって有害なサイトを含め様々なサ
イトが公開されており,誰でもそれらを簡単に閲覧する事が
できる.本研究では未成年者が有害サイトを閲覧できないよ
うにフィルタリングするのに加えて,万が一出会ってしまっ
た場合に備えて適切な対処がとれるように訓練するための有
害情報対策プロキシの実現を目指す.
本研究では,ユーザが有害なサイトへのアクセスを試みた
とき,適切な対処方法を学ぶ機会を提供するための疑似体験
サイトに誘導する.疑似体験サイトとは,Web 上のリスクを
疑似的に体験する事ができるサイトである.
2.有害情報対策プロキシの設計
図1にシステム構成図を示す.本システムへの入力として
図1:システム構成図
Web サイトの URL を与える.最初にホワイトリストにより,
URL が安全なサイトか否かを調べる.URL が,安全なサイト
を疑似的に体験する事ができる.アダルトサイトではワンク
であることが確認されたら URL を表示させる.そうでなけれ
リック詐欺の手口を疑似体験できる.ゲーム無料ダウンロー
ば,有害サイトデータベースを用いて, 処理を決定する.有
ドでは不用意にファイルをダウンロードする危険性を学ぶ事
害サイトデータベースには,有害サイトと, それに対する体
ができる.占いの館では自ら個人情報を記入してしまう事か
験サイトの組が格納されている.URL が有害サイトデータベ
らその取り扱いについて学習する事ができる.
ースに登録してある場合は, その URL の分類に対応した疑似
体験サイトへ誘導する.例えば URL がフィッシングサイトに
4.まとめ
分類されていた場合,フィッシングサイトを疑似体験できる
本研究では,有害サイトをフィルタリングし,未成年者に
サイトを表示させる.それ以外の Web サイトは表示しないこ
安全なサイトだけを閲覧させるのみならず,場合により疑似
とで,未成年者を有害情報から保護する.
体験サイトへ誘導することでそこで未成年者が適切な処置を
3.疑似体験サイト
疑似体験サイトとして柳田らの開発した情報サイト[1]を用
学べるシステムを開発した.本システムにより安全に Web サ
イトを閲覧する事ができ,疑似体験サイトで適切な対処を学
ぶ事で実際に被害に遭う可能性を減らす事ができる.
いる.
情報サイトで扱われている疑似体験サイトの一部を紹介す
参考文献
る.情報サイトの機能の中にはフィッシングサイト,アダル
[1] 柳田秀雄,及川晃貴,谷木啓恭,菅原一志,奥田昌夫,須川和紀,
トサイト,ゲーム無料ダウンロード,占いの館などのサイト
伊藤俊也,三田正巳: 体験的な学習活動を取り入れた情報モラルの
がある.フィッシングサイトではフィッシングサイトの手口
指導に関する研究 岩手県教育研究発表大会資料,平成18年度