ホンダ、業務用電動 2 輪車「EV-neo」を 2010 年 12 月よりリース販売 ホンダは 2010 年 4 月 13 日、業務用の電動 2 輪車「EV-neo」のリース販売を日本国内で 2010 年 12 月より行うことを発表し、その試作車を公開した。 同社は 1994 年にスクータータイプの電動 2 輪車「CUV ES」を 200 台限定発売しているが、当時は 2 次電池に Ni-Cd(ニッケル・カドミウム)2 次電池を採用しており、61km を走行するための満充電時間が 8 時間と長かった。今回は、新たに東芝製 Li イオン 2 次電池を搭載し、急速充電に対応させた。航続 距離は速度 30km/h における定地走行で 30km 以上である。 EV-neo の開発では、電池容量を少なくすることで車両質量を軽くし、航続距離が短くなる分は、車両 の稼働していない時間に急速充電で補うことをコンセプトとした。ホンダはハイブリッド車用 Li イオン 2 次電池の製造・販売・開発を手がけるジーエス・ユアサ コーポレーションとの合弁会社ブルーエナジ ーを設立しているが、前述したような車両コンセプトへの適合性、電池の量産体制などを考慮して EV-neo 用の電池には東芝製を選定した。今回選択した Li イオン 2 次電池「SCiB」は負極材をチタン 酸リチウムとしており、一般のLi イオン2 次電池よりも電圧は低い。しかし、急速充電が可能で耐久性が 高い点が評価されたようだ。 EV-neo は、第 1 種原付自転車に分類され、モータの定格出力は 600W 以下になる。車両開発で特 に重視したのは、30kg の荷物を積んだ状態で登坂路などにおいても十分な動力性能を有すること。配 送業務などを手がける事業者を複数訪れ、使い方を調査し、12 度の登坂性能を確保した。 モータは 4 輪の福祉車両「モンパル」で使っている永久磁石式 DC ブラシレスモータの基本設計を踏 襲しており、モータの生産もモンパルと同様に熊本工場で手がける。モンパルのモータは、電圧 24V、 定格出力 430W であるが、EV-neo は第 1 種原付自転車原付であるためモータの出力は大きくしている と見られる。モータは後輪左側にあり、減速機を介して駆動する。 Li イオン2 次電池は足元に搭載し、車載充電器は搭載していない。電池容量は未発表。充電器は急 速充電器と普通充電器を開発しており、急速充電器では AC200V 電源を使うことで 20 分で約 80%の 充電が可能。普通充電器は、AC100V 電源で満充電に 4 時間かかる。普通充電器の消費電力は電子 レンジなどよりも小さいとし、充電時間などから推定すると電池容量は 1kWh を超える程度と見られる。 車両価格については 2010 年秋ごろに発表する予定。ただ、業務用車両として 3 年間リースで使用し た場合、リース料と電気料金の合計が、ガソリン車におけるリース料と燃料代の合計と同等になることを 想定している。 発表当日には EV-neo 試作車とガソリンの原付車との試乗も実施した。ガソリン車は複数用意されて いたが、筆者は最高出力 3kW の排気量 49cc のエンジンを搭載した「Dio」と比較した。Dio に比べてエ ンジン振動がなく静かなのはもちろん、モータの特性として低速トルクが大きいため 30km/h 程度までの 加速性能はガソリン車を大幅に上回っていた。
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