2.【エヌアイ・フジックス株式会社】 《ソリューション・サービス : ドウサンパネル・パークステージ・ゴミラックシステムの販売》 エヌアイ・フジックス株式会社は、昭和 44 年、総合商社日商岩井の系列会社として設立され、 本社を札幌市に置き、資本金 1 億円、北海道のインフラ整備のための製品供給から製品開発 まで幅広く取り組んできた。そのフィールドは、建設資材の販売、土木・建築・仮設材のリース・レ ンタル、廃棄物の再生利用、融雪ブロックから生ゴミ処理機の開発・販売等多岐にわたる。 《ソリューション・サービス分野》への進出 当社は広く海外にまで情報網を広げ、新製品・新技術の情報を集め、技術力に裏打ちさ れた製品開発を行っている。環境リサイクル問題は、ハイテクノロジーなくしては解決することはでき ない点に鑑み、技術開発のリーデイングカンパニーでありたい、とくに、温かい人の心が通うテクノロ ジーを目指し、人と地球の未来を考え、「温もりのあるテクノロジー」をモットーに、リサイクル、環境テクノロ ジー、省エネなど、地球環境対策をベースとした人々の生活に密着した事業を展開している、 という。 こうした経営方針に、地球環境問題への対応を新たな経営戦略に組み込んだ新しいビ ジネススタイルすなわち 「年次報告書」がいう“ソリューション・サービス"に近い事業の展開 がみられる。 当社の新分野進出の具体的内容としては、ドウサンパネル・パークステージ・ゴミラックシステムという 3 つ の製品の販売に限定して紹介する。「年次報告書」の定義では、①の“廃棄物の発生抑制、 再生、処分を請負うビジネス"に該当しよう。 《ドウサンパネルの販売》 ドウサンパネルとは、農家で使用済のビニールハウスの廃ビニールと廃タイヤを混合して作った産業廃棄 物リサイクル商品であるカラーラバーフロアマットである。 もともと 、ビニールハウスや牧草の梱包、肥料袋などに使用後産業廃棄物となる農業用塩化ビ ニールについては、クリーン農業政策を推進する地方自治体においても処理方法が悩みの種であ った。野焼きすると猛毒物質ダイオキシンを発生させる恐れがあり、敷地内等に野積みにする 農家も多かった。埋立てても自然に戻らず、有害物質のゴミの山となってしまっていた。リサ イクル率は地域的な差が大きく、北海道では、処理場に比較的余裕があったことなどから、 わずか数パーセントにすぎなかった。 しかし、北海道がまとめた 2001 年度からスタートした「21世紀クリーン農業推進方向」におい ては、農業用廃プラスチック再生処理の割合を 2010 年度までに 100 パーセントとするとされ、再利 用方策の開発、具体化が大きな課題となっていた。ドウサンパネルは、このような課題を抱えて -7- いた使用済の農業用廃ビニールに粉砕廃タイヤゴム粒子を混合して作った産業廃棄物リサイクル商品 である。 廃棄物・リサイクル問題への取組については、最終処分場の逼迫や大量の資源消費によりも たらされる資源枯渇等が、経済活動への制約になるという差し迫った問題があり、循環型 社会の構築を進め、資源採取量の抑制や環境負荷の低減等を図ることが急務であるとさ れている。このためには、廃棄物の発生を抑制し、製品・部品として再生利用することが不 可欠である。当社の廃棄物利用技術の開発についてのコンセプトは、まさにこの点に着目して いるものである。 ドウサンパネルの施工例 -8- ドウサンパネルの主な用途としては ■公園 駐車公園の歩道、児童公園の遊具・歩道等 ■歩道 一般歩道、老人ホーム、病院、学校の前の歩道等 ■屋上 学校、ビル、病院等 ■階段 陸橋、観光施設の階段 等がある。 特徴として ○弾力性・クッション性がよく脚への負担が軽く、歩行性に優れ、疲れにくい。 ○ゴムの弾性と空隙層により遮音効果、緩衝効果がある。 ○保温効果があり、耐久性に優れている。 ○サイズ、形状、色調を自由に設計できる。 ○塩ビチップとゴムチップの混合から成るため、塩ビチップの方を着色することで、 廃タイヤチップの黒をベースとした色々なカラーパネルを作ることが可能となる。 等がある。 《パークステージの販売》 使用済農業用ビニールハウスと古タイヤという産業廃棄物の再生使用・リサイクル製品として、当社が 販売しているもう一つの製品に、ゴルフ場のスタート台であるパークステージがある。これもクッション性 がよいので、手、脚に優しく過激な衝撃を与えず、サイズ、厚さ等を自由に設計製作できるの で、地球環境に優しい製品 として、国際パークゴルフ協会の推奨を受け、公営のパークゴルフ場等 に使われている。 《ゴミラックシステクシステム: 3時間で生ゴミが資源に変わる処理システム》 ゴミラックシステムとは、環境時代に対応した 資源再利用、創造型商品である。残飯、水産加工 廃棄物、畜産し尿、汚泥等を高温菌を活性化して約 3 時間で有機飼・肥料(菌体)に加工す る。 ゴミラックシステムは(社)全国漁協協会より、漁港・漁村環境改善機器として型式認定を受 けている。 《今後の課題と解決方針》 〈コスト問題〉 リサイクル製品は一般的にコストが高くなりがちである。今回紹介した 3 製品についてもこの 問題がつきまとう。しかし、価格を理由に廃棄物を再使用しなければ、地球環境はますま す悪化し、将来世代の 貴重な生活環境を奪う ことになる。そこで、当社としもできるかぎ -9- りのコストダウンに努めることが第一と考え、技術開発等に努めている。例えばドウサンパネルに ついては、ゴムチップを使用したこの種の弾性マットは 10 年くらい前から作られていたが、表 面のカラー部分のカラーゴムチップが高価であることが悩みの種であった。これを解決するため に、カラーゴムチップの代りにカラーの塩ビチップを開発して対応した、等がある。 コスト問題は、短期的 にみるのではなく、長期的に 、かつ、再生利用しない場合の全体的な 問題と比較して検討すべき課題である。 〈国、地方自治体への働きかけ〉 当面、廃棄物利用、再資源化を政策的に進めている 国や地方自治体が率先してリサイクル製 品を使用 することを期待している。当社では、公的な試験場等による製品の品質試験結 果、成績書等をベースに、国等への使用の働きかけを行っており、北海道において、 100 余 の国の組織、市町村等の使用実績を持つに至っている。 問い合せ先 会社名 エヌアイ・フジックス株式会社 担当者名(役職) 中川 誠 (環境資材課 課長代理) 所在地 札幌市白石区南郷通 3 丁目北 4 番 6 号 電 011-861-4333 話 - 10 -
© Copyright 2024 Paperzz