がん哲学の花 ― 一般社団法人「がん哲学外来」関西支部ニュースレター 第 19 号 ― 発行日:2015 年 9 月 15 日 一般社団法人「がん哲学外来」関西支部の website ができました。各カフェのスケジュールや連絡先を掲載しています。 http://azuma-clinic.wix.com/cancer-philosophy ■□■「がん哲学外来」の活動に比較的早くから参入してくださっている企業さんが株式会社スヴェンソンさんです。関西では、 関西支部に井上頼子さんがいらっしゃいますし、京都・大阪に 3 つのカフェの運営してくださっています。スヴェンソンさんの運 営のパターンは講演+カフェの形式です。本号はスヴェンソンの井上さんと京都サロン、阪急梅田サロンの方に「がん哲学外来メ ディカルカフェ」についての思いをご寄稿いただきました。■□■ <関西地区でカフェを開催して 1 年と半年が経過し…> スヴェンソン レディス事業部 井上頼子 2014 年 2 月。関西地区でスヴェンソンが初めて開催したのが『京都メディカルカフェ』 。 開催にあたっては、 「あずまや 1 周年記 念」にスタッフ 5 名で押し掛けたのが始まりでした。その折は東先生にご配慮頂き、定員を超えるお申込みに強引に加えて頂いた 事を覚えています。本当に感謝しています。京都で開催した後は、心斎橋でも開催が実現し、今年の 7 月には阪急梅田でも開催す る事が出来ました。 カフェでは、ご参加くださる皆様が気兼ねすることなく自由に語り合え、企画する講演の話に耳を傾け、心・気持ち・気分のプラ スになればと思います。まだまだ、どうあるべきか、を模索しながら進めています。私たちはお仕事柄、多くの患者さまとお知り 合いになりますが、同時に、多くの医療従事者ともお近づきになります。医療現場では時間が少なく、十分にお話を聴くことが出 来ない、どの様に患者さまが感じていらっしゃるか知りたい、等、お聞きすることもあります。先日「2015-ブレストケアナースセ ミナー」の出展があり、聴講させて頂きましたが、患者さまの「気がかり」に寄り添う医療。医療者と患者さまのコミュニケーシ ョンの重要性が語られていました。治療のケアの中にも、癒しのケアを発信しているセミナーでもあったと感じました。カフェが 医療者にとっても患者さまや、そのご家族にとって意味のある、充実した時にしていきたいと感じます。ま だまだ不十分ですが、ご意見・ご指導頂けると嬉しく思います。 次回は、10/18(日)心斎橋メディカルカフェ=「香りがもたらすギフト」と題して、ホリスティックケアプロ フェッショナルスクール学院長にご講演をお願いしました。心がほっこり、ほぐれる時間になれば、と思い ます。 <<編集後記 by あず>> 本号では CSR 活動として「がん哲学外来メディカルカフェ」を展開されているスヴェンソンさんをご紹介した。 企業の社会的責任(corporate social responsibility、略称:CSR)とは、企業が利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ 与える影響に責任をもち、あらゆるステークホルダー(利害関係者:消費者、投資家等、及び社会全体)からの要求に対して適切 な意思決定をすることを指す。企業の経済活動には利害関係者に対して説明責任があり、説明できなければ社会的容認が得られず、 信頼のない企業は持続できないとされる。持続可能な社会を目指すためには、企業の意思決定を判断する利害関係者側である消費 者の社会的責任(consumer social responsibility) 、市民の社会的責任(citizen social responsibility)が必要不可欠となると いわれる。 (Wikipedia より) 私たち、市民の社会的責任を考えてみたことはありますかと問いかけてみたい。 - 第6回 京都メディカルカフェ - スヴェンソン京都サロン 池田由紀乃 2015 年 8 月 9 日(日) スヴェンソン京都サロンでは、第6回 京都メディカルカフェを開催致しました。講演内容は、京都桂病院 がん相談支援センター主任入江先生にお越し頂き、京都府下でのがん相談、相談支援センターについてお話頂きました。 講演内容はとても分かりやすく、また入江先生のお話のし方が何とも言えず、優しく、そして少し可笑しく、時にはとても可笑し く語りかけ口調で話してくださるので、 『がん相談支援センター』と聞くと、とても堅苦しく聞こえがちですが、この様な内容も相 談できるんだ!相談して良いのだ!とビックリする事も多かったのです。講演中から質問が出たり、講演後には質問の嵐で、カフ ェが始まるまで、とどまることなく質問が続きました。入江先生のお話により、皆さん色々聞きたかった事を聞いて良いんだ!と 思えた事に加え、多分ですが、入江先生の話し方がそれを引き寄せたのだと私は思ったりしています。 そのお話を聞いて、やっと話せるところが見つかった事に、涙されている方もおられました。実は、その方は、一人暮らしで、現 在は、息子さんの家に引き取られ余り自由ではない暮らし。勿論それは心配がゆえに。だけど、これしちゃ駄目!危ない!と制さ れ全く自由がなくストレスで一杯一杯に成っていた様でした。良く見てくれているので、これをうらやましいと思う方も居れば、 自分と同じように感じる方も居るでしょうが、私はストレスだ!と言葉に出していた、この方は、お帰り時の表情は穏やかでした。 話せる場所がある事は救い。がん相談支援センターで解消してみるのもいいし、心のもやもやは、この様ながん哲学外来メディカ ルカフェでも解消できること、更にはがんサロン等の利用など、沢山の見方(味方)を発見できたことで、涙された方、それは安 堵の涙だったのかと感じました。更に、私のカフェグループでは、神戸・滋賀・京都と 3 県をまたいだ患者さんと医療従事者さん と患者会の方で、それぞれの立場での課題や、違う立場での意見交換や、 「とにかく初めてだしなんか分からないけど、こんな風に 色んな事を知って私みたいな患者さんに教えてあげたい!」と私に伝えてくださった人がいらしたり、私が元気を頂く場にもなり ました。特に印象に残った言葉。 『告知された時、帰りにがん相談支援センターを知ってたら、帰り道一人で泣かずにすんだのに。 。。 』 『もう少し私の暗黒な気持ちは早く抜け出せて居たかもしれない』その言葉を聴いて、私は、これからもこの場所で話しやすい環 境作り、落ち着く場所、解消できる場所をめざそうと思いました。 - 阪急梅田サロン 開設記念がん哲学外来・カフェ - スヴェンソン阪急梅田サロン 成田雅樹 去る 7 月 11 日(土) スヴェンソン阪急梅田サロンにおきまして『開設記念がん哲学外来カフェ』を開催することが出来ました。 これもひとえに多くの皆様のお力添えの賜物だと思います。本当にありがとうございました。当日は、定員30名のところ、33 名の方にお集まりいただくことができ、私共のスタッフと合わせまして54名でのカフェの開催となりました。12時の受付開始 から当社社長のオープニングスピーチ、樋野先生のご講話、5つのグループに分かれてのディスカッション、そして樋野先生の質 疑応答と、あっという間の濃密な3時間でした。 私は、グループディスカッションでは、進行補助という立場で参加いたました。当日のグループ分けでは参加者の仕事や状況が偏 ってしまわないように配慮をさせて頂き、仕事を続けながら治療をされている方、治療は終わっていて定期的に検診に行かれてい る方、樋野先生の友人のドクター、薬剤師さん、進行役、そして私といったメンバーでした。私自身も仕事柄、治療中の方の生の 声に接することは多いのですが、治療に一定のめどのついた方や、治療を行っておられる現場のドクターの生の声を聞くことは稀 なケースですので“いつまた治療が始まるかもしれないという思いはいつも離れることはない”ですとか“たくさんの患者さんを 診なくてはいけないのでどうしても診察時間が短くなってしまう。短い時間の中では患者さんの切実な声を聞けてないことに葛藤 していた。けれどがん哲のような集いを病院の中で開催することができた”といった心の叫びとでもいうようなお話を聞けたこと は非常に貴重な体験でした。 私も自分の仕事だけを考えてしまいますと近視眼的になってしまいますが、今回様々な方の会話の中で気付くことが出来たことが あります。それは、 “自分は多くの人との繋がりの中で仕事をしているのだ。そして自分が病気であっても病気でなくても人に対し て優しくしてあげたいという静かで強く優しい欲求を持つ人がたくさんいるのだ”という事です。そうした思いで日々を送ってい る方々と手を携えていきたいと思うことができました。 『がん哲学外来カフェ』とはそのような気付きの場であり出会いの場である のだなと思いました。スヴェンソンも毎月どこかでメディカルカフェを開催していますが、今後も人とのつながりを大切にしなが らお役に立ちたいと思います。
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