世界初 オールシリコーン両面粘着テープを開発

2010 年 6 月 8 日
株式会社スリオンテック
世界初*1 オールシリコーン素材の両面粘着テープを開発
∼耐熱性*2、クッション性*3に優れ簡単な貼り付けが可能に∼
株式会社スリオンテック(代表取締役社長:松浦 武志)は、世界で初めて*1薄膜シリコーンゴムを基材に使用
したオールシリコーン素材の両面粘着テープを開発し、6 月下旬よりサンプル出荷を開始します。全てシリコーン
素材で構成されているため、優れた耐熱性*2と幅広い温度範囲での安定したクッション性*3を達成しました。
本製品は、耐熱キャリアテープや耐熱スペーサー、耐熱クッション材などへ応用展開を進めていきます。
近年、シリコーンゴムを薄膜長尺化する技術が進んでいますが、シート状になったシリコーンゴムは伸縮性が
大きいため加工しにくいほか、変色性やシリコーンゴムに対する密着不足といった粘着剤の問題があったため、
シリコーンゴムを基材とした粘着テープの製造は困難でした。したがって、通常、シリコーンゴムの粘着化は専用
の両面粘着テープとの貼り合わせにより行われますが、両面粘着テープにフィルム基材が用いられているため、
耐熱性や耐久性、透明性などのシリコーン素材の持つ、優れた性能を十分に発揮できませんでした。
今回、スリオンテックでは、厚さが均一な薄膜長尺形態でテープ加工に適したシリコーンゴムシートを開発する
とともに、変色性や密着性を大きく改善するシリコーン系の粘着剤を新たに開発したことにより、世界で初めて、
薄膜シリコーンゴムを基材に使用した両面粘着テープを実現しました。
今回開発した製品は、厚さ 100μm(マイクロメートル)の薄膜シリコーンゴムにシリコーン系粘着剤層を直接
付けた両面粘着テープです。全てシリコーン素材で構成されているため、−40℃∼200℃の温度範囲で安定
したクッション性を維持しているほか、耐久性*4、耐候性*5にも優れています。また、粘着テープであるため、こ
れまで部品などへ貼り付ける際に使用していたシリコーン系の接着剤やシリコーンゴム専用の両面テープを使
用することなく、簡単に貼り付けることが可能になります。さらに、全光線透過率 92%*6と透明度も高く、透
明性が要求される箇所への使用にも適しています。
本製品は、オールシリコーンとしての特長および粘着テープとしての特長を最大限に活かし、今後、幅広く応用
展開を進めていきます。本製品を電子部品製造時に使用する耐熱キャリアテープとして用いた場合、クッション性
が高いため、電子部品を傷つけにくく歩留りの向上などが期待されるほか、これまでシリコーンゴムが使用され
てきた精密機器などの耐熱スペーサーや耐熱クッション材の代替として用いれば、接着剤塗布工程や専用粘着
テープの貼り合わせ工程を削減できます。この他、透明性が要求されるガラスやアクリルの接着・固定などへの
応用も検討していきます。
なお、今回開発した No.5710(両面粘着テープ)および No.6710(片面粘着テープ)は、2010 年 6 月 9 日∼
11 日に台湾で開催される 「ディスプレイ台湾(No.B-407)」に出展する予定です。
スリオンテックでは、エレクトロニクス/半導体/自動車を強化 3 分野と位置づけており、このオールシリコーンゴム
粘着テープは、エレクトロニクス分野の中核製品として拡販・強化していきます。
*1
*2
*3
*4
*5
2010 年 6 月 8 日現在。シリコーンゴムを基材とした両面粘着テープにおいて。スリオンテック調べ。
180℃、500 時間加熱後の粘着力試験にて初期強度の 90%以上を保持。スリオンテック調べ。
-40∼200℃の範囲における、動的粘弾性測定により確認。スリオンテック調べ。
180℃、500 時間加熱後の引張り試験にて初期強度の 70%保持。スリオンテック調べ。
キセノンアークランプ式耐候性試験機(60W/ m2)における 500 時間暴露後の引張り試験にて初期強度の 90%以上を保持。
スリオンテック調べ。
*6 JIS K 7361 に準ずる。ただし、ガラス板に貼り付けテープ側から光を照射して測定。スリオンテック調べ。
<No.5710 のテープ断面図>
剥離フィルム
シリコーン粘着剤
シリコーンゴム
シリコーン粘着剤
剥離フィルム
オールシリコーンゴム両面粘着テープ
No.5710
■主な特長
1. 世界初*1 オールシリコーン素材の両面粘着テープを開発
シリコーンゴムを均一に薄膜長尺化する技術と薄膜シリコーンゴムに適したシリコーン系の粘着剤を開発し
たことにより、世界で初めて*1薄膜シリコーンゴムを基材に使用した両面粘着テープを実現しました。
2. 優れた耐熱性*2と低温から高温まで安定したクッション性*3
全てシリコーン素材で構成されているため、-40℃∼200℃の幅広い温度範囲で安定したクッション性*3
を維持しているほか、耐久性*4、耐候性*5にも優れています。これにより電子部品製造用の耐熱トレイや耐
熱キャリアテープ、精密機器の耐熱スペーサーや耐熱クッション材の代替などへ展開が期待できます。
3. シリコーン系接着剤や専用の両面テープなどを使用せず簡単な貼り付けが可能
厚さ 100μm(マイクロメートル)の薄膜シリコーンゴムにシリコーン系粘着剤層を直接付けた両面粘着テープ
です。これまで部品などへ貼り付ける際に使用していた、シリコーン系の接着剤やシリコーンゴム専用の両面
テープを併用することなく、簡単にシリコーンゴムシートを貼り付けることが可能になります。
4. 安定したクッション性と高い摩擦抵抗
No.6710(片面粘着テープ)は、-40℃∼200℃の幅広い温度範囲で安定したクッション性を維持している
ほか、耐久性、耐候性にも優れています。また背面の摩擦抵抗が高いため、電子部品製造時の耐熱トレイ
などに使用できます。
5. 全光線透過率 92%*5の高透明度
テープ基材に使用しているシリコーンゴムは、全光線透過率 92%*6と透明度が高いため、ガラスやアクリル
の接着・固定など透明性が要求される箇所にも適しています。
6. 打ち抜き加工のしやすい剥離フィルム付き
粘着剤には剥離フィルムが付いているので、テープを様々な形状に型抜きするなどの加工性に優れています。
7. 用途に応じた粘着特性やテープ厚が可能
ご要望に応じて、粘着特性やシリコーンゴムの厚さはカスタマイズが可能です。
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*3
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2010 年 6 月 8 日現在。シリコーンゴムを基材とした両面粘着テープにおいて。スリオンテック調べ。
180℃、500 時間加熱後の粘着力試験にて初期強度の 90%以上を保持。スリオンテック調べ。
-40∼200℃の範囲における、動的粘弾性測定により確認。スリオンテック調べ。
180℃、500 時間加熱後の引張り試験にて初期強度の 70%保持。スリオンテック調べ。
キセノンアークランプ式耐候性試験機(60W/m2)における 500 時間暴露後の引張り試験にて初期強度の 90%以上を保持。
スリオンテック調べ。
*6 JIS K 7361 に準ずる。ただし、ガラス板に貼り付けテープ側から光を照射して測定。スリオンテック調べ。
■主な仕様*6
項目
テープ厚(mm)
*9
粘着特性
機械特性
電気特性
*8
粘着力(N/10mm)
タック (ボール No)
保持力(ズレ mm)
ゴム硬度(度)
破断強度(N)
破断伸び(%)
表面抵抗(Ω)
体積抵抗(Ω・cm)
絶縁破壊電圧(kV)
測定値*7
0.20
5.50
34
<0
70
9.8
240
3.5×1014
2.3×1014
6.0
*6 No.5710(両面粘着テープ)において。
*7 数値は保証値ではありません。
*8 テープ厚は標準値です。用途に応じてカスタマイズが可能です。
*9 粘着特性は標準値です。用途に応じてカスタマイズが可能です。
試験方法
JIS Z 0237
JIS Z 1528
JIS Z 0237
JIS K 7127
JIS K 6271
JIS C 2110
【お問合せ先】
株式会社スリオンテック 技術本部 西郷
〒214-0014 神奈川県川崎市多摩区登戸 3819
フリーコール:0120-993-757
E-mail:[email protected]
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