第17回〈2005年〉関東アコーディオン演奏交流会 「独奏コンクール」入賞・入選者と審査員講評 恒例の17回目を迎える関東アコーディオン演奏交流会が、9月18日(日)赤羽会館ホール (北区)で開催された。2001年より独奏部門と合奏・アンサンブル等の部門が隔年開催となり、 2年ぶりの「独奏コンクール」となった。 東京・埼玉・群馬・神奈川・千葉の各都県から45名がエントリー(欠場2名)し、エント リー数では過去最高となった昨年の三割減となり、上級、シニア、ジュニアの部門の減少 は顕著。しかし前回並みをほぼ維持した初心者部門では、20才代が多勢を占め、かつ目を 見張るレベル向上を果たしたことは、前回にもまして大きな特徴であった。一般部門は若 干下回った。例年、一部同時審査となっていたが、出場減にともない久々の全部門全員参 加の審査となった。また、第4回JAA国際アコーディオンコンクール直後のコンクールとあ って、その意気込みが反映した演奏となった。ゲスト演奏はユイ企画による歌と演奏コー ナーで会場を楽しませた。 審査は、江森登氏(JAA顧問)を特別ゲスト審査員に迎え、川口裕志、木下そんき、中山 英雄、西尾正、松永勇次、山岡秀明各氏の6名の関東講師懇談会メンバーに、虞錫安氏(東 京アコーディオン文化倶楽部会長)、青山義久氏(三多摩AG講師)が加わって行われた。 審査員の講評カードとあわせ、会場からのメッセージカードもよく集まり、出場者の励み となった。 ●「独奏コンクール」入賞・入選者 *入選は、入賞者を含む入選ラインに達した者。 ■一般上級〈出場3名:入賞1名/入選1名〉 ❶ 小林 のり子(音楽センター柴崎教室・日野AC/東京) アコーディオンのためのソナタよりアレグロ(V.ホルムボエ) 〔入選〕 村上 一郎(労音アコーディオン研究会/東京) 子犬のワルツ(ショパン/ピエトロ・デイロ編) ■一般中級〈出場19名(欠場1名):入賞3名/入選1名〉 ❶ 本荘 雪子(音楽センター三多摩教室/東京) 郷愁〈抒情小曲集〉より(グリーク/中山英雄編) ❷ 福田 真由子(群馬アコーディオンセンター篠塚サークル) ラ・パロマ ❷ 藤生 賢(群馬アコーディオンセンター篠塚サークル) パリの夕べ 〔入選〕 越村 あや子 (三多摩アコーディオンクラブ〈SAC〉/東京) 春のセレナータ(フロッシーニ) ■初心者(経験3年程度まで)〈出場11名(欠場1名):入賞3名/入選2名/激励賞2名〉 ❶ 松村 有子(三多摩アコーディオンクラブ/東京( 経験3年程度まで) ソルフェージェット(J.S.Bach/マニアンテ編) ❷ 岡元 順一(音楽センター中部土曜教室/東京) 群衆 ❸ 前原 克彦(東京アコーディオン教室新宿会/東京) 歌劇「ファウスト」第二集よりワルツ 〔入選〕 大倉 暁子(音楽センター中部土曜教室/東京) モントーバンの火 羽島 和夫(群馬アコーディオンセンター篠塚サークル) 天使の飛行(C.Carozza/金子元孝編) 〔激励賞〕 佐野 由起子(W・B/埼玉) 萩本 善久(音楽センター柴崎教室/神奈川) ■シニア(50才以上)〈出場9名:入賞3名/入選2名〉 ❶ 新井 幸子(音楽センター中部金曜教室/埼玉) 古いロシアのワルツ 「秋のまどろみ」 ❷佐々木 日出也(労音アコーディオン研究会/東京) 真珠採りのタンゴ(ビゼー) ❸伊藤 正子(小平アコーディオン教室/東京) ロシア民謡メドレー 「ステンカ・ラージン/行商人/収穫の歌」 〔入選〕 加治 直人(D.ファーマ一教室/埼玉) YURI FROM ST. PETERSBURG 上原 陽一(音楽センター南部教室/神奈川) コンドルは飛んでいく ■ジュニア(高校生まで)〈出場3名:入賞3名〉 ❶小宮山 愛 (群馬アコーディオンセンター篠塚サークル) ハーモニカポルカ ❷横山 勇人(W・B子ども教室/埼玉) ルパン三世メドレー(松永勇次編) ❸張 帆 (西尾教室/東京) クシコスポスト ●出場団体 【東京】江森教室/音楽センター教室[中部土曜/中部金曜/北部/東部/南部/三多摩 /柴崎]/アミーゴ /三多摩CLB(SAC)/青山教室/日野AC/Tutti/小平AC/西尾教 室/労音アコーディオン研究会/東京アコーディオン教室新宿会 【埼玉】埼玉アコーディオン協議会(W・B/川越)/D.ファーマ一教室 【群馬】群馬アコーディオンセンター篠塚サークル 略称:AC=アコーディオンサークル/AG=アコーディオングループ/AE=アコーディオ ンアンサンブル/CLB=アコーディオンクラブ ●審査員講評 魅力をどのようにして多くの子どもたちに伝えるかーこれが発展の鍵! 例年ではふた手に別れての審査のため出場者全員の演奏を聴<ことができなかったが、 今年は全部門の演奏を聴き、審査することが出来た。その分充実した一日であった反面、 出場者が少なかったのが心残りでした。 [ジュニアの部]では、小宮山愛さんの「ハーモニカポルカ」の演奏が歯切れの良い正 確な演奏で一位。他2名の出場者は惜しくも入選ラインに届かなかったが、次代を担う子ど も育成の立場から入賞とした。 [初心部の部]ではバッハの「ソルフェージェット」で見事一位の松村有子さんをはじ め、初級とは思えないレベルの高い曲が演奏された。短期間でこれだけの曲がこなせると いうことは、次回は[中級の部]、[上級の部]に出場されることも不可能ではない、と 今から楽しみです。 [シニアの部]では、ベテランの方々による多岐に渡る分野の曲を聴くことが出来、ア コーディオン本来の魅力を感じホットな気持にさせて頂きました。 [一般・中級の部]では、先の第4回JAA国際アコーディオンコンクールでも素晴らしい 演奏を聞かせてくれた本荘雪子さんの「郷愁」が一位になりました。第二位の福田真由子 さんは生き生きとした表現力、また第二位同数の藤生賢さんは正確な演奏が審査員の中で 話題となりました。楽譜に忠実であり、豊かな表現ができることが理想です。これからも 練習に励んで下さい。 [一般・上級の部]では、「アコーディオンのためのソナタ」を手堅く演奏した小林の り子さんが一位でした。 総評として、各部門に見合った選曲や、演奏力を検討し出場されることを望みます。将 来のことを考えると、もっと多くのジュニアの参加を期待したいのですが、アコーディオ ンの持つ魅力をどのようにして多くの子どもたちに伝えるかは、今後の大きな課題であり、 それはとりもなおさずアコーディオン界の発展につながる鍵と言えます。この関東アコー ディオン演奏交流会が発信元となり、たくさんの子どもたちも参加するコンクールへと発 展してゆくことを心から願っています。 (山岡 秀明)
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