リモートシャック(インターネットを利用した遠隔操作)

リモートシャック(インターネットを利用した遠隔操作)
はじめに
ご存知のとおり、リモートシャックは、インターネットを利用した遠隔操作で、離れた
場所にある無線設備を操作、運用するということです。
近年、都心部等では、アパマンハムにならざるを得ず、大設備、大出力を諦めてい
る局が多い中、田舎の実家や別荘、或いは友人宅にリモートシャックを持ち、遠隔操
作で大出力の運用をしている局が増えています。
240 でも、私のリモートシャックを利用して、ロールコールにチェックインしてもらって
いますが、チェックインに利用する局も含め、皆様の多くがリモートシャックの理解が出
来ていないようです。
「スカイプ経由でチェックイン」と言っていますが、スカイプは音声伝送に使っている
リモートシャックの一部のツールです、正しくは、「リモートシャックからゲストオペでチェ
ックイン、音声伝送はスカイプ使用です」とでもなるのでしょうか?
もっとも、今までのシステムでは、VOX 運用がうまくいかず、PTT をマニュアルで押さな
ければならず、PC をリモートしていないので、私が替わりにPTT を押しています、そのた
め、チェックイン局はスカイプで通話するのみとなり、「スカイプ経由でチェックイン」とな
るのは自然の成り行きだったのでしょう、意味は通じますが…このあたりを全てクリアー
するシステムにしました、これを機会に、ぜひ皆様にも、リモートシャックを正しく理解し
ていただき、大いに活用いただきたいと思います
リモートシャック開設の概要
リグコントロール用ソフトのインストール(ARCP2000、HRD 等)
PC リモート用のソフトのインストール(TeamViewer 、Real-VNC 等)
PC にスカイプインストール(音声伝達はスカイプを使う)
リグと PC 接続(TX の出入力と PC の入出力、TX の 232C 又は、data と PC の 232C)
変更届で「インターネットを利用した遠隔操作」の免許を受ける
*これで、無線設備送信所のリグ・PC を遠隔操作所の PC から遠隔操作
* リグと PC の簡単な接続は、リグ SP→PC の MIC、PC の SP→リグ MIC…中間に
VR を入れて、PC の SP の出力が過大の場合、減衰させてリグ MIC に入力(中
間にインターフェースを入れれば、より良く機能します)
SXA(SXB)のリモートシャックの構成(現況)
リグ・アンテナ…TS2000+5/8λ2 段 GP
リグコントロール用ソフト…ARCP2000
PC リモート用のソフト…TeamViewer
Skype…JJ1SXA@SUB(jj1sxa-7)
従来はリグ・mic と PC・sp の接続は、中間に VR を入れたケーブルで、PTT はマ
ニュアル操作(VOX 運用は可)でしたが、PC の RS232C の RTS 信号(9 ピンソケ
ット 7 番)でリグ PTT を制御、自動で働かせるため、USB 変換ケーブルで RS232C
端子を増設して、インターフェース(AKPRC-1)をつなぎました、これで、PTT
は自動で動きます(PC の RS232C 端子 1 個は、既にリグリモート用としてリグ
からのケーブルで使っています)
このままだとリモートシャック用のスカイプでの音声通話は電波が出てしまう
ので、連絡はチャット限定になります、音声通話をしたい時や PC リモートで長
時間使う場合等は、使いやすいように、PC とインターフェース中間に入れてあ
る RS232C 用切換機で PTT をマニュアル操作に切り替えます、ロールコールの時、
前者は、スカイプのみのチェックイン用に、後者は、PC リモートにより、長時
間運用する場合等に使い分ければ良いと思っています
SXA(SXB)のリモートシャック利用は 3 パターン
1、ゲストオペで運用
コールサインの呼称は、
「JJ1SXA(SXB)・ゲストオペ・自分のコールサイン」
2、JF1ZFC のメンバーで運用(構成員監視で 3 時間ルールは関係無し…註:後述)
コールサインの呼称は、「JF1ZFC・オペレーター・自分のコールサイン」
3、自局として運用(SXA の QTH を無線設備の設置/常置場所にし、固定局開局
後、機器共用で変更届提出)
コールサインの呼称は、「自分のコールサイン」
固定局の開局申請とその後に変更届を提出することになります
1 アマ資格者は、HF-1KW、50MHz-500W 運用の免許申請ができます
この場合、機器共用のため検査は不要です…手続きの詳細は別項で説明
現在 JJ1SXA・SXB 免許のリグは TS2000+TL933 ですから、50W 局・200W 局用
には、別途リグを準備、変更届を行わないといけません(上記の TS2000 を単
体で使うからというわけにはいきません、免許人の運用では 1W でも 1KW でも
構わないが、リニアを付加しての免許で 100W の技適機種では無くなります)
希望者があれば対応しますが、人数制限・人選の制約はありますのでご了承を!
開局申請手数料 50W 以下 ¥4,300(¥2,900)、50W 超 ¥8,100(¥5,500)
変更申請手数料は、技適機種だけなら保証認定も必要無く無料
上記の( )は、電子申請の手数料です、開局申請・変更申請いずれも、電子
申請でも、免許状返送用の SASE は、郵送しなければいけません
ちなみに、200W を超す局の開局申請は、開局申請手数料¥8,100+検査料¥12,650
がかかります、認定点検の場合も業者に支払う認定点検料+¥3,850+¥8,100 で
す、これが変更の場合は無料(上記の場合、新規開局手数料 ¥4,300 のみです)
註:3 時間ルールについて
「遠隔操作所における遠隔操作は、無線設備送信所へ社会通念上の機関として想定
される交通手段(電車、バス、車、その他)を利用して3時間以内に到達する範囲内で
行うものとする」というルールです。
無線設備送信所に免許人がいれば、遠隔操作所がどんなに遠方でも構わない
SXA・ZFC のリモーシャックでは免許人が無線設備送信所にいますが、機器共用で
の開局・変更の場合は、自分が免許人ですから3 時間ルールが適用されます
(参考資料)
新世界の扉を開こう「デジタル&インターネット通信」(CQ ham radio 編集部編)
インターネット応用 Wires-Ⅱ、echoLink、eQSO、遠隔操作シャック
パケット通信 APRS、ナビトラ、アマチュア気象局
デジタル通信 D-STAR
(関連法令等)
電波法(目的外使用の禁止等)第52 条
電気通信事業法(端末設備の接続の技術衝基準)第52 条
アマチュア無線と公衆網との接続のための指針
社団法人 日本アマチュア無線連盟
インターネットを利用してアマチュア無線局の遠隔操作を行うための指針
社団法人 日本アマチュア無線連盟
アマチュア無線と公衆網との接続について(回答)
電気通信局長(JARL 会長宛て)
TWO-FORTY 誌に掲載した関連記事(JJ1SXA 記)
(第 58 号)インターネットを利用した遠隔操作について
(第 61 号)リモートシャック
(第 71 号)ゲストオペとリモートシャックについて
(第 76 号)PC リモート操作
私自身が良く理解できていなかった事もあり、過去記事には、若干おかしな所
がありますが、ご容赦下さい