硫酸コバルト(Ⅱ)七水和物、林純薬工業株式会社、A7-07-3、2013/05/23、1/6 作成日 改訂日 2010/03/18 2013/05/23 安全データシート 1.化学品及び会社情報 化学品の名称 製品コード 整理番号 供給者の会社名称 住所 担当部門 電話番号 緊急連絡電話番号 FAX番号 硫酸コバルト(Ⅱ)七水和物 A7-07 A7-07-3 林 純薬工業株式会社 大阪府大阪市中央区内平野町3丁目2番12号 環境・品質保証部 06-6910-7305 06-6910-7305 06-6910-7300 2.危険有害性の要約 GHS分類 物理化学的危険性 健康有害性 環境有害性 可燃性固体 区分外 自然発火性固体 区分外 自己発熱性化学品 区分外 水反応可燃性化学品 区分外 酸化性固体 区分外 急性毒性(経口) 区分4 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 区分2 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 区分2 呼吸器感作性 区分1 皮膚感作性 区分1 発がん性 区分2 特定標的臓器毒性(反復ばく露) 区分1(呼吸器系 心臓) 水生環境有害性(急性) 区分2 水生環境有害性(長期間) 区分外 上記で記載がない危険有害性は、分類対象外か分類できない。 GHSラベル要素 絵表示 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 危険 H302 H315 H317 H319 H334 H351 H372 H401 飲み込むと有害 皮膚刺激 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 強い眼刺激 吸入するとアレルギー、ぜん(喘)息又は呼吸困難を起こすおそれ 発がんのおそれの疑い 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器系、心臓の障害 水生生物に毒性 硫酸コバルト(Ⅱ)七水和物、林純薬工業株式会社、A7-07-3、2013/05/23、2/6 安全対策 応急措置 保管 廃棄 使用前に取扱説明書を入手すること。(P201) すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。(P202) 取扱い後はよく手を洗うこと。(P264) 取扱い後はよく眼を洗うこと。(P264) この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。(P270) 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。(P272) 環境への放出を避けること。(P273) 保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。(P280) 呼吸用保護具を着用すること。(P284) 飲み込んだ場合、気分が悪いときは、医師に連絡すること。(P301+P312) 皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。(P302+P352) 吸入した場合、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させ ること。(P304+P340) 眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを 着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 (P305+P351+P338) ばく露又はその懸念がある場合、医師の手当、診断を受けること。 (P308+P313) 口をすすぐこと。(P330) 皮膚刺激又は発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。 (P333+P313) 眼の刺激が続く場合、医師の診断、手当てを受けること。(P337+P313) 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯すること。(P362+P364) 施錠して保管すること。(P405) 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に 業務委託すること。(P501) 3.組成及び成分情報 化学物質・混合物の区別 化学名又は一般名 硫酸コバルト七水和物 化学物質 濃度又は濃度範囲 99%以上 化学特性 官報公示整理番号 化審法 CoSO4・7H2O 1-270 分類に寄与する不純物及び安定化添加物 情報なし 労働安全衛生法 名称等を通知すべき危険物及び 有害物(法第57条の2、施行令 第18条の2別表第9) 化学物質排出把握管理促進法 第1種指定化学物質(法第2条 (PRTR法) 第2項、施行令第1条別表第1) 安衛法 公表 CAS番号 10026-24-1 コバルト及びその化合物(法令指定番 号:172) コバルト及びその化合物(コバルトとし て)(法令指定番号:132)(21%) 4.応急措置 吸入した場合 皮膚に付着した場合 目に入った場合 飲み込んだ場合 5.火災時の措置 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 呼吸に関する症状が出た場合は、医師に連絡すること。 汚染した衣服、靴、靴下を脱がせ遠ざける。接触した身体部位を水で十 分洗う。 皮膚刺激又は発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易 に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 直ちに医師に連絡すること。 直ちに多量の水を飲ませる。 口をすすぐこと。 直ちに医師に連絡すること。 硫酸コバルト(Ⅱ)七水和物、林純薬工業株式会社、A7-07-3、2013/05/23、3/6 消火剤 使ってはならない消火剤 特有の危険有害性 特有の消火方法 消火を行う者の保護 この製品自体は、燃焼しない。 周辺火災に応じて適切な消火剤を用いる。 高圧棒状放水で漏洩物を飛散させない。 不燃性であり、それ自身は燃えないが、加熱されると分解して、腐食性及 び/又は毒性の煙霧を発生するおそれがある。 周辺火災の場合、移動可能な容器は速やかに安全な場所に移す。 移動不可能な場合、容器及び周囲の設備等に散水し、冷却する。 着火した場合、初期消火は、火元(燃焼源)を断ち、適切な消火剤を用い て一挙に消火する。 消火作業の際は、空気呼吸器を含め適切な防護服(耐熱性)を着用す る。 6.漏出時の措置 人体に対する注意事項、保護具お よび緊急措置 環境に対する注意事項 封じ込め及び浄化の方法及び機材 作業の際には、吸い込んだり、眼、皮膚及び衣類に触れないように、必ず 適切な保護具を着用し、風下で作業を行わない。 環境中に放出してはならない。 漏出物は、粉塵を発生させないように注意し、できるだけ掃き集めて密閉 できる空容器に回収し、安全な場所に移動する。 回収跡は多量の水で洗い流す。 7.取扱い及び保管上の注意 取扱い 技術的対策 安全取扱注意事項 衛生対策 保管 安全な保管条件 安全な容器包装材料 吸い込んだり、眼、皮膚及び衣類に触れないように、適切な保護具を着用 して作業する。 長時間または反復の暴露を避ける。 漏れ、あふれ、飛散しないように取扱い、ミスト、蒸気の発生を少なくし、換 気を十分にする。 作業後は容器を密栓し、うがい手洗いを十分にする。 取り扱う場合は局所排気内、又は全体換気の設備のある場所で取り扱う。 粉じん、ヒュームを吸入しないこと。 眼、皮膚、衣服との接触を避ける。 排気用の換気を行うこと。 環境への放出を避けること。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 施錠して保管すること。 直射日光を避け、換気の良い冷暗所に保管する。容器を密閉し、火気、 熱源より遠ざける。 酸化剤から離して保管する。 遮光した気密容器 8.ばく露防止及び保護措置 管理濃度 硫酸コバルト七水和物 設備対策 保護具 呼吸器の保護具 手の保護具 眼の保護具 日本産業衛生学会 ACGIH 3 0.02mg/m (Coとして, TWA) 取扱場所での発生源の密閉化、または局所排気装置、全体換気装置の 設置。取扱い場所の近くに安全シャワー、洗眼設備を設け、その位置を 明瞭に表示する。 設定されていない 0.05mg/m3(Coとして) 防塵マスク、自給式呼吸器(火災時)。 不浸透性保護手袋 保護眼鏡(普通眼鏡型、側板付き普通眼鏡型、ゴーグル型) 硫酸コバルト(Ⅱ)七水和物、林純薬工業株式会社、A7-07-3、2013/05/23、4/6 皮膚及び身体の保護具 保護服、保護長靴、保護前掛け。 9.物理的及び化学的性質 物理的状態 形状 色 臭い 臭いのしきい(閾)値 pH 融点・凝固点 沸点、初留点及び沸騰範囲 引火点 蒸気圧 蒸発速度(酢酸ブチル=1) 燃焼又は爆発範囲 比重(密度) 溶解度 動粘性率 固体 固体(結晶) 赤色 無臭 データなし データなし 96~98℃ 情報なし データなし 情報なし データなし 情報なし 1.93g/cm3(25℃) 水33g/100g(20℃), データなし エタノールには不溶 10.安定性及び反応性 反応性 化学的安定性 危険有害反応可能性 避けるべき条件 混触危険物質 危険有害な分解生成物 情報無し この種の構造の物質は通常、安定である。 空気中で容易に風化する。 加熱すると分解し、有毒で腐食性のフュームを生じる。 粉塵の状態で強力な酸化剤と反応し、火災や爆発の危険をもたらす。 日光、乾燥した空気、加熱、高温物、火花、裸火、静電気等の発火源。 強酸化剤。 硫黄酸化物。 11.有害性情報 急性毒性:経口 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 眼に対する重篤な損傷性 又は眼刺激性 呼吸器感作性 ラットの経口毒性 LD50 768mg/kgより、区分4とした。 「眼、皮膚、気道を刺激する」(ICSC)の表記より、区分2とした。 「眼、皮膚、気道を刺激する」(ICSC)の表記より、区分2とした。 皮膚感作性 健常人によるmaximization試験で25人中10人に硫酸コバルト(無水)による 感作誘発が認められたとする報告〔DFGOTvol.23 (2007)〕があり、日本産 業衛生学会ではコバルトを皮膚感作性物質の第1群(「当該物質自体ない しその化合物を示すが、感作性に関与するすべての物質が同定されてい るわけではない」との但し書き有り)としている(日本産業衛生学会勧告 (2008))ことから区分1とした。なおEU分類ではR42/43〔EU-Annex I (2009)〕に分類されている。 発がん性 コバルトおよびコバルト化合物として、IARCによりグループ2B(IARC 52 (1991))に、日本産業衛生学会により第2群Bに分類(産衛学会勧告 (2008))されていることに基づき区分2とした。なお、硫酸コバルト(無水)は ラットおよびマウスに2年間吸入曝露した試験において、両動物種とも肺 胞・細気管支腫瘍の発生頻度の増加が見られ、発がん性の明らかな証拠 があると結論されている(NTP TR471 (1998))。 種々のコバルト化合物に曝露された労働者において、気管支喘息がこれ まで認められている(CICADs 69 (2006))ことに加え、EUではR42/43 (EU-Annex I (2009))、産業衛生学会では第1群(産衛学会勧告(2009)) にそれぞれ分類されていることから、区分1とした。 硫酸コバルト(Ⅱ)七水和物、林純薬工業株式会社、A7-07-3、2013/05/23、5/6 生殖毒性 特定標的臓器毒性(単回ばく露) 特定標的臓器毒性(反復ばく露) ラット、マウスおよびウサギの妊娠期間中に硫酸コバルト(無水)を経口投 与した試験において、母動物の死亡をもたらす高用量の場合を除き、仔 の発生に及ぼす悪影響は認められなかった(CICAD 69(2006))が、交配 前からの曝露による親動物の性機能と生殖能への影響に関してはデータ がなく不明であり、「分類できない」とした。なお、EU分類では、カテゴリー 2;R60〔EU-Annex I (2009)〕である。 データなし。 なお、塩化コバルト(II)のデータとして、ラットによる強制経口試験では 4.25mg/kgにて自発運動、筋力、呼吸の低下が見られ(ATSDR (2004))、 ヒトの影響として胸骨後部に痛み、耳鳴り、吐き気および嘔吐、神経性難 聴、気管圧迫を伴う甲状腺過形成、粘液水腫、倦怠感などが記述されて おり(HSDB (2004))、水溶液を摂取した子供で赤血球の生成の抑制によ るチアノーゼを起こし、昏睡および死に至ったとの記述がある(HSDB (2004))。 ヒトの影響として、1960年代前半から後半にかけ、欧米のビール会社で泡 の安定剤として本物質がビールに添加され、そのビールを大量に飲んだ 消費者が心筋症で死亡した例が多数報告され、原因は硫酸コバルトで あった(CICAD 69(2006))との報告により区分1(心臓)とした。 また動物試験では、ラットおよびマウスを用いた13週間の吸入曝露試験 3 (0、0.3、13、10、and 30 mg/m )で、両動物種とも咽頭の扁平化生((?0.3 3 mg/m ))、咽頭・鼻・肺の慢性炎症((0.3~1 mg/m3))を示し、高濃度(~ 3 30 mg/m )ではより重度の影響が見られ(CICADs 69 (2006))、用量はガ イダンス値範囲区分1に該当していることから、区分1(呼吸器系)とした。 12.環境影響情報 水生環境有害性(急性) 硫酸コバルト(無水)の魚類 (ファットヘッドミノー) の96時間LC50= 3.6mg/L (CICAD 69, 2006) から区分2とした。 水生環境有害性(長期間) 急性毒性区分2であるが、低濃縮性 (BCF=<37 (コイ、6週間)、既存点検, 1998) から、区分外とした。 情報なし データなし 生態毒性 オゾン層への有害性 13.廃棄上の注意 残余廃棄物 汚染容器及び包装 都道府県知事の許可を受けた産業廃棄物処理業者に、内容を明示して 処理を委託する。 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準 に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 14.輸送上の注意 国際規制 海上規制情報 UN No. Marine Pollutant Transport in bulk according to MARPOL 73/78,Annex Ⅱ, and the IBC code 航空規制情報 UN No. 国内規制 陸上規制情報 海上規制情報 国連番号 海洋汚染物質 該当しない 該当しない 該当しない 該当しない 該当しない 該当しない 該当しない 該当しない 該当しない 非該当 硫酸コバルト(Ⅱ)七水和物、林純薬工業株式会社、A7-07-3、2013/05/23、6/6 MARPOL 73/78 附属書II 及びIBC コードによる ばら積み輸送される液体物質 航空規制情報 国連番号 非該当 該当しない 該当しない 15.適用法令 労働安全衛生法 大気汚染防止法 外国為替及び外国貿易法 参考データ(日本産業衛生学会、 許容濃度) 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) 参考データ(金属換算係数) 労働基準法 特定化学物質第2類物質、管理第2類物質(特定化学物質障害予防規則 第2条第1項第2,5号) 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法57条1、施行令第18条) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条 の2別表第9) 特定化学物質特別管理物質(特定化学物質障害予防規則第38条3) 有害大気汚染物質(中央環境審議会第9次答申) 輸出貿易管理令別表第1の16の項(2) 許容濃度勧告物質 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) [金属換算係数データ] 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1) 感作性を有するもの(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4 号、平8労基局長通達、基発第182号) 16.その他の情報 参考文献 その他 国際化学物質安全性カード(ICSC) 16313の化学商品(化学工業日報社) 独立行政法人 製品評価技術基盤機構 The Registry of Toxic Effects of Chemical Substances NIOSH 当該製品の化学物質製品を取り扱う事業者に対して提供するものであり、 安全を保証するものではありません。 現時点における該当化学物質の情報を全て検証しているわけではありま せん。 当該化学物質について常に未知の危険性が存在するという認識で、製品 運搬・開封から廃棄に至るまで、安全を最優先して使用者自己の責任に おいてご使用下さい。 当該化学物質を使用する際は、使用者自ら安全情報を収集すると共に使 用される場所・機関・国などの、法規制等については使用者自ら調査し最 優先させてください。 国または地方の規制についての調査は、当社としては行いかねますの で、この問題については使用者の責任で処理願います。 このSDSは林 純薬工業株式会社の著作物です。 当該物質の日本語によるSDSと他国言語にて翻訳されたSDSが存在する 場合、内容の相違があるなしに関わらず日本語で記述された文書が優先 され他国言語による文書は参考文書とします。
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