「御言葉により山に登るモーセ」

説教集
2015 年 3 月 15 日 聖日礼拝説教
黒澤 俊人勧士
「御言葉により山に登るモーセ」
申命記第 34 章 1-12 節
コリントの信徒への手紙一第 13 章 12 節
≪中心聖句≫
だがそのときには、顔と顔とを合わせて見ることになる。わたしは、今は一部しか
知らなくとも、そのときには、はっきり知られているようにはっきり知ることになる。
コリントの信徒への手紙一第 13 章 12 節
≪要約≫
ヘブル人が迫害される時代に産まれたモーセは、エジプト王女にナイル川から引上げ
られ育ちます。40才の時、同胞ヘブル人を助けようと思いたつも失敗し殺人を犯し、ファ
ラオの処刑を恐れミデアンに逃れます(出エジプト記第2章)。一塊の羊飼いとして雌伏40
年、モーセが80の頃に神は、あたかも面接をするようにして初めてお声を掛け、モーセ
は自分の力で神の業をやろうとした生涯を悔い改め、命を掛けて与えられた使命、顔と顔
を合わせて語る関係に引き上げられました(同第3章)。出エジプト、紅海渡床、マナを降ら
せるなど神の大いなる業にあずかります。
ところが神は、モーセが神の聖なることを示さなかった、神の恵みを愛をもって行わな
かった、飲み水がないと不平不満を言った民に対し怒りを表したので、神はモーセが約束
の地カナンに入ることを許されませんでした(民数記第20章)。モーセは悪びれることなく、
後継者にヨシュアを選びました。その後モーセは御言葉に従ってネボ山に登り、神は約束
された地を見させ、それまでの人生、神の恵み、約束の確かさ、イスラエルの将来をも観
てとりました(申命記第34章1-4節)。
モーセの肉体は神によって埋葬されたが墓はない(同6)、すなわち彼の生涯は終わっ
ていないのです。モーセは天に引き上げられ、新約聖書によると主イエスの変貌の山に
エリヤと共に遣わされ、主がエルサレムで遂げる最後について話す使命が与えられまし
た(ルカによる福音書第9章31節)。私たちもモーセと同様に御国での生涯が待っていま
すから、主イエスと顔を合わせる希望をいだき、ネボ山に登る時まで愛する兄弟姉妹と共
に、笑顔で主の業に励みましょう。