2016年3月号 発行 小林製薬株式会社 広報総務部 本社 〒541-0045 大阪府大阪市中央区道修町4-4-10 KDX小林道修町ビル TEL 06-6222-0142 FAX 06-6222-4261 東京 〒135-0041 東京都江東区冬木10-6 TEL 03-5602-9913 FAX 03-3642-9128 特 アンメルツブランド 50周年の歩み 集 ~「効果感」と「使い勝手」にこだわり続けた50年~ ■ 初代「アンメルツ」の誕生秘話 ~“デートでも嫌われない”肩こり薬~ ■ ロングセラーブランドへの礎となる「ヨコヨコ」誕生の裏側 ~洗濯バサミとの葛藤~ ■ グローバルに展開するアンメルツブランド ■ 次世代「アンメルツ」の誕生と今後の展開 小林製薬ニュースレター 「アンメルツ」の誕生秘話 ~“デートでも嫌われない”肩こり薬~ “ジンジン”する効果感でお馴染みのアンメルツブランド は、今年で発売50周年を迎えます。 1960年代当初、肩こり対処薬といえ ば貼り薬が主流の時代。ある男性社 全社一丸となった「アンメルツ」の販売促進 員が肩に貼り薬を貼ったままデートに この「アンメルツ」で得た成功体験は、『ブルーレット』や 行き、相手の女性から「年寄り臭い」 「かっこ悪い」と振られてしまったという 『サワデー』など、後続のヒット製品を生み出す基盤となっ 経験が「アンメルツ」誕生のきっかけと たとともに、全社に自信をもたらし、今日の挑戦的な企業 風土を醸成する極めて重要な機会となりました。 初代「アンメルツ」 なりました。 「見えない肩こり薬」というコンセプトのもと開発がスタート。 い筆を使う形状が主で、片手で塗ろうとすると容器が倒 ロングセラーブランドへの礎となる 「ヨコヨコ」誕生の裏側~洗濯バサミとの葛藤~ れてしまうなど「使い勝手の壁」にぶつかりました。いつで 「アンメルツ」のヒットに追随する競合製品との差別化、 液体を軸に開発を進めるも、当時の液体外用薬は小さ も手軽に塗れるよう、スポンジを切って瓶の口にはめるな さらなる使い勝手の追求から生まれたのが、1974年発 ど試作品を作り続け、現在では主流となった「ラバー 売の「アンメルツヨコヨコ」です。肩や背中への塗りやすさ キャップ」を初めて開発。こうして新型肩こり薬「アンメル を検討する中で、「孫の手」のアイデアに着目。大きな洗 ツ」が誕生しました。 濯バサミを作って「アンメルツ」を挟んで塗るアイデアから 始まり、試行錯誤の末、容器自体を曲げて塗布部を横 ラバーキャップ 向きにするといった思い切った発想にたどり着き、「アンメ ルツヨコヨコ」が誕生しました。 発売当初の「アンメルツ」の新聞広告 1966年に発売すると、いつでも簡単に塗れる手軽さと 効果感から絶大な支持を獲得。新聞・テレビ広告と共に、 全社一丸となった大がかりなキャンペーンを実施しました。 発売当時の「アンメルツヨコヨコ」のTVCM 社員自らアイデアを盛り込んで製作したPOPを薬局に配り 首の曲がった独特のフォルムは、塗りやすさを向上させ 歩いたり、電話の受け応えを「はい、アンメルツの小林製 薬です」とするなど、職種に関係なく全社をあげて取り組 ただけでなく、液剤の充填技術が当時としては非常に複 みました。この成果もあって、「アンメルツ」は瞬く間に主 雑で、他社が容易に真似ができなかったため「アンメルツ 力製品に成長し、のちの弊社を代表するロングセラー製 ヨコヨコ」は瞬く間に大ヒット商品となりました。 品のひとつとなりました。 1 2016.3 小林製薬ニュースレター その後、1986年には発売20周年の新アイテムとして、 を訪ねて訪問販売を行うことでマレーシアの隅々まで普 肩こり薬独特の臭いを無くした“無臭性”の「ニューアンメ 及させることができました。こうした努力の成果もあって、 ルツヨコヨコ」を発売し、男性だけでなく臭いに敏感な女性 現地では“YOKOYOKO”の愛称で親しまれています。 からも人気を博しました。1991年に処方改良し、今では アンメルツブランドの約7割を占めるメインアイテムとして、 多くのお客さまから支持されています。 グローバルに展開するアンメルツブランド 「バンセールス」のセールスガールズとセールスマン アンメルツは海外でも歴史の長いブランドです。海外展 開の歴史は、日本での発売から間もない約50年前の香 東南アジアを中心に、地道に売上を伸ばしてきた「アン 港・台湾にまで遡ります。言語や文化、生活習慣の違い メルツ」ですが、大きな転機となったのは、日本と同じく はもちろんのこと、当時、現地の薬局は個人経営が大半 「アンメルツヨコヨコ」の発売です。独自のフォルムが各国 を占めていたため、薬局1軒1軒を回る地道な営業活動 で支持され普及を加速させました。さらに1990年代後半 やマーケティングの繰り返しでした。 以降、各国に現地法人を設けると、現地に根付いたマー ケティングに取り組めるようになり、アジアでも数少ない日 ○香港(‘69年~)・シンガポール(‘70年~) 本のOTC医薬品の成功品へと成長しつつあります。現在 香港やシンガポールでは、現地の学校を訪問して、「ア では香港、台湾、シンガポール、マレーシア、タイ、インド ンメルツ」のミニサンプルを配り歩いて製品を紹介していく ネシア、オーストラリアの7つの国と地域に展開しており、 ことからはじめ、現地の販売代理店には各地区の薬局に 2018年3月期までに展開数の倍増を目指しています。 製品を拡売してもらいました。現地での長い歴史と共に、 近年、香港では中国からのインバウンド需要の影響もあっ 海外で展開しているアンメルツブランド て売上は伸長し、アンメルツブランドにとって重要な市場 となっています。 ○マレーシア(‘71年~) タイ マレーシアでは、販売代理店のセールスガール5-6名 と数名のセールスマンが1台のセールスバンに同乗し、村 マレーシア から村へと移動して販売する「バンセールス」を行ってい シンガポール ました。代理店セールスマンが薬局を訪問して「アンメル インドネシア 台湾 香港 オーストラリア ツ」を卸している間に、セールスガールが、 1軒1軒民家 店頭の様子 セールスバンの前で 2 店頭に配布した手作りポスター 2016.3 小林製薬ニュースレター 次世代『アンメルツ』の誕生と今後の展開 アンメルツブランド ボトルの変遷 ■新商品「アンメルツNEO」 厚生労働省の「国民生活基礎調査(平成26年)」による と、「肩こり」は女性が感じる自覚症状の第1位、男性で 進化 追加 第2位と、もはや国民病とも言えるほど多くの方が悩まさ れている症状です。 アンメルツブランドでは誕生50周年の集大成として、日 垂直タイプ 本で初めて鎮痛消炎成分のジクロフェナク製剤に血行促 “ヨコヨコ”タイプ ロングボトルタイプ 進成分を配合した新製品「アンメルツNEO」を今春発売し ます。 ■新プロモーション 50周年を機に、若い世代にもっと親しみを持ってもらお うと、「LINEスタンプ」のプレゼントキャンペーンを2016年 4月より実施します。CMでお馴染みの松重豊さんが “キ タキタキタ~!!”など、アンメルツブランドならでは効果感 をコミカルなフレーズや動きで描いたスタンプを作成。ア ンメルツブランドになじみの薄い若い世代への普及に取り 新製品「アンメルツNEO」シリーズ 組み、使用者層の拡大を図ります。 アンメルツブランドが長年継承してきた血行促進成分に よる“ジンジン”する効果感と効き目を追求し続け、開発 スタート時から数えると約7年の歳月を経て、満を持して の発売となります。 さらに今回、新たに “ロングボトルタイプ”を投入。初代 「アンメルツ」の垂直ボディから、首が曲がった「アンメル ツヨコヨコ」への進化を経て、まさに“最強”ともいえるボト ル形状です。肩こり薬市場で、「“あったらいいな”はもうな いのでは?」というなか、「肩こりで背中や肩甲骨までつら い」という実態に着目し、生活者も気づいていない“背中 の真ん中まで塗りたい”という未充足ニーズを見つけ出し 次の50年に向けて、今後もアンメルツブランドでは ました。既存製品よりも約3cm長くした点に加え、ボトル形 “あったらいいな”を追求し続け、お客さまの快適な暮らし 状を握りやすくするなど細部にまでこだわりました。「効果 に貢献する製品をお届けしてまいります。 感」と「使い勝手」にこだわり続けたアンメルツブランド50 年目の“あったらいいな”の新提案です。 3 2016.3
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